盗撮の逮捕後はどうなる?刑罰や弁護士に依頼するメリットなど
スマートフォンの高性能化や小型カメラの普及により、盗撮は身近な犯罪となりつつあります。軽い気持ちで行った行為でも、発覚すれば逮捕され、長期間の身柄拘束や刑事処分を受けるおそれがあります。
本記事では、盗撮で逮捕された後の流れや想定される刑罰、社会生活への影響、前科を回避するための方法、弁護士に依頼するメリットについて詳しく解説します。
盗撮で逮捕されたらどうなる?その後の流れは?
盗撮で逮捕された場合には、基本的には以下の流れで手続が進んでいきます。
- ① 逮捕後48時間以内に送致される
- ② 送致後24時間以内に勾留されるか決まる
- ③ 勾留が決まると10日間の拘束(最長20日間)
- ④ 起訴・不起訴などが決まる
- ⑤ 起訴されたら刑事裁判を受ける
ここでは逮捕後の一般的な流れを順に解説します。
①逮捕後48時間以内に送致される
盗撮で逮捕されると、まずは警察署で取調べを受けます。
取調べでは、被疑者本人の学歴や職歴、家族関係や生い立ちに至るまで詳細に聴き取られます。
警察は事件の内容や証拠を確認しながら捜査を進め、逮捕から48時間以内に被疑者の身柄と事件記録を検察庁へ送致しなければなりません。この期間中は原則として自由に帰宅することはできません。
②送致後24時間以内に勾留されるか決まる
検察官は送致を受けると24時間以内に勾留請求を行うか判断します。つまり、逮捕から合計72時間(48時間+24時間)以内に身柄拘束を継続する必要があるかどうかが決まります。
逮捕直後から勾留請求の判断がされるまでの間、家族であっても面会できないと考えていただいてよいでしょう。
一方、弁護士であれば逮捕直後から面会することができるため、勾留を阻止するために弁護士に依頼し、弁護活動をしてもらうことが重要です。
③勾留が決まると10日間の拘束(最長20日間)
72時間以上の身柄拘束はできませんので、それ以上の拘束が必要であれば勾留請求がされます。
勾留とは、被疑者や被告人を警察署や拘置所の刑事施設に拘禁することをいいます。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると、裁判官によって勾留が認められる場合があります。
勾留は、原則として10日間実施されます。
捜査上必要と認められれば勾留延長が認められ、最長で20日間にわたって拘束される可能性があります。
④起訴・不起訴などが決まる
捜査の結果、裁判所の審理を求める必要があると検察官が判断した場合には、勾留ができる最大20日間までに起訴されます。
一方で、証拠が不十分で犯罪の立証が困難な場合、前科・前歴がなく犯行の悪質性も高くない場合や被害者との示談が成立しており、処罰感情が和らいでいるケースでは、不起訴処分となる可能性もあります。
事件によっては、処分が保留となり、身柄を拘束される身柄事件から、拘束がない在宅事件へ切り替わることもあります。
⑤起訴されたら刑事裁判を受ける
起訴されると、通常はその後およそ1か月程度で刑事裁判が始まります。
起訴には、書面審理によって罰金刑を科す略式起訴(簡易的な起訴)と、公開の法廷で審理を行う正式起訴(通常の起訴)があります。
刑事裁判では、検察と被告人の弁護人が事件についての主張を繰り返し行い、最終的に様々な事情を踏まえて裁判官が被告人に判決を言い渡します。
判決では、被告人の有罪か無罪かが判断され、有罪の場合には拘禁刑や罰金などの量刑が言い渡されます。
盗撮で逮捕されるケース
盗撮事件では、犯行直後に発覚して逮捕されるケースもあれば、一度帰宅した後に捜査が進み後日逮捕されるケースもありますが、最も多いケースは現行犯逮捕です。
以下では、現行犯逮捕と後日逮捕されるケースについて、それぞれ詳しく解説します。
現行犯逮捕
盗撮事件では、犯行現場で発覚し現行犯逮捕されるケースが多く見られます。
例えば、更衣室で盗撮しているところを被害者本人に発見された場合や、電車内や駅のエスカレーターでスマートフォンを不自然に向けているところを周囲の乗客に目撃された場合などです。
現行犯逮捕は警察官によるものだけではなく、被害者や目撃者による私人逮捕が認められる場合もあります。また、私人逮捕だけではなく、被害者や目撃者からの通報で警察官が現場に急行して現行犯逮捕されることもあります。
後日逮捕
後日逮捕とは、犯行当日に逮捕されず、一度帰宅した後などに捜査が進展した結果として逮捕されることをいいます。
防犯カメラ映像やスマートフォン内のデータ解析、被害者や目撃者の供述などから犯人が特定されるケースは少なくありません。
後日逮捕の場合、犯行から数日から1か月程度の間に警察から電話があり、任意出頭を求められることが一般的です。場合によっては突然自宅に警察官がたずねてきて家宅捜索が行われる可能性もあります。
盗撮で逮捕された場合の刑罰
撮影罪(性的姿態等撮影罪)
令和5年7月13日以降の盗撮行為は、撮影罪(性的姿態等撮影罪)に該当する可能性があります。
例えば、衣服に隠れている下着や性的な部位などを、被写体の同意なくひそかに撮影する行為が典型例です。また、わいせつ行為や性行為中の様子を被写体の同意を得ずにひそかに撮影する場合も対象となります。
撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科せられることになります。
盗撮は撮影罪にあたる?迷惑防止条例違反
令和5年7月12日以前の盗撮行為は、撮影罪施行前ですので撮影罪で罰せられることはありませんが、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反として処罰される可能性があります。
迷惑防止条例の内容は都道府県によって具体的な規制内容や罰則は自治体によって異なりますので各都道府県の迷惑防止条例を確認する必要があります。
撮影罪が施行された令和5年7月13日以降でも、犯行態様が比較的軽微な場合などは撮影罪ではなく迷惑防止条例違反として処罰される可能性もあります。
のぞき行為は迷惑防止条例違反になる?軽犯罪法違反
軽犯罪法は、比較的軽微な犯行行為を取り締まるための法律です。刑罰は拘留または科料となります。
盗撮目的で正当な理由なくのぞき見をしたり、人の住居などをひそかにうかがったりした場合には、軽犯罪法違反が成立する可能性があります。
法定刑は拘留または科料です。
現在はほとんどの盗撮行為が撮影罪として処罰される傾向にありますが、公衆でない浴場やトイレをひそかに撮影またはのぞき見することや公衆でない更衣室をひそかに盗撮またはのぞき見することなど公衆の場所ではないところで起きた盗撮行為が処罰の対象となります。
住居侵入罪・建造物侵入罪
盗撮目的で他人の住んでいる住居や人が管理する建物などに立ち入った場合には、住居侵入罪や建造物侵入罪に問われる可能性があります。法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。
盗撮が未遂であったりそもそも盗撮の目的がなくても、正当な理由なく住居や建物内へ侵入した時点で犯罪が成立し得ます。
盗撮は住居侵入罪・建造物侵入罪に問われる?児童ポルノ禁止法違反
盗撮の対象が18歳未満の未成年者であり、その内容が児童ポルノに該当する場合には児童ポルノ禁止法違反に問われる可能性があります。
児童ポルノ禁止法は、18歳未満の未成年者のわいせつな写真や動画などの記録媒体(=児童ポルノ)を所持・提供・陳列・製造・運搬・輸出入することを取り締まるための法律です。
児童ポルノを所持していた場合は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。
児童ポルノを製造していた場合には、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に処せられます。
このように撮影行為だけでなく、所持や製造なども処罰対象となるという特徴があります。
盗撮で逮捕されたことで起こり得る社会的影響
仕事への影響
逮捕されると身柄が拘束されますので、長期間出勤できなくなる可能性があります。
勤務先に大きな迷惑をかけることとなり、欠勤が長引けば社内で事情を説明しなければならず、職場での信用低下につながるおそれがあります。
場合によっては退職勧奨、解雇もしくは懲戒処分を受ける可能性もあります。
盗撮・のぞきで解雇される?マスコミによる実名報道
盗撮事件で逮捕された場合、事件の内容によっては新聞やインターネットニュースなどで実名報道されることがあります。
一度報道されると記事が長期間残り続けることもあり、社会生活や人間関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。
盗撮・のぞきをしたら実名報道される?家族への影響
盗撮事件の影響は本人だけにとどまりません。
家族が盗撮犯の親族であることを周囲に知られてしまうことで、社会的評価が低下したり、人間関係に支障が生じたりすることがあります。
また、勤務先や近隣住民との関係、友人や親族との付き合いに悪影響が及ぶ場合もあります。
さらに、弁護士費用や示談金などの経済的負担を家族が負担するケースも多く、精神面・金銭面の双方で大きな負担となり得ます。盗撮で逮捕されたことによって起こりうる社会的影響を少しでも抑えるため、適切な対処をとることが重要となります。
盗撮事件で後日逮捕や前科を回避する方法
盗撮事件では、事件発覚後の対応が処分結果を大きく左右します。
早期に適切な行動を取ることで、後日逮捕や起訴を回避できる可能性があります。
以下に述べる自首や示談交渉は重要な対応の一つです。
自首する
自首によって逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されれば、逮捕を回避できる可能性が高まります。
捜査機関に発覚する前に自首をすると、反省の意思を示す事情として評価されることがあり、有罪判決となった場合でも有利な事情として考慮され、刑罰が減刑される可能性があります。
盗撮で自首する4つのメリットとは?被害者と示談する
後日逮捕や前科を避けるためには、被害者との示談成立が重要な意味を持ちます。
被害者との示談が成立し、被害者が処罰を望んでいない状況となれば、これによって捜査機関や検察官の判断に良い影響を与え、逮捕や起訴を回避できる可能性が高まります。
盗撮事件で示談しないとどうなる?盗撮で逮捕された際に弁護士に依頼するメリット
盗撮で逮捕された場合には、早期に適切な対処が行えるよう、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士は刑事手続の各段階で適切なサポートを行い、不利益を最小限に抑えるための活動をします。
早期に弁護士に依頼する具体的なメリットは以下のとおりです。
取調べに対する適切なアドバイスを受けられる
取調べで供述した内容は重要な証拠となるため、慎重な対応が求められます。
供述調書に署名すると後から内容を変更することは容易ではありません。
そのため、不用意な発言によって不利な状況を招かないよう、事前に弁護士から取調べの受け方や注意点について助言を受けることが大切です。
取調べに対する適切なアドバイスを弁護士から受けられるというメリットが第一に挙げられます。
早期保釈が期待できる
弁護士は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを主張し、勾留回避や保釈請求に向けた活動を行います。弁護士のこの活動によって身柄拘束期間の短縮だけではなく、早期の社会復帰につながる可能性もあります。
事件発生から早期のタイミングで弁護士へ依頼を開始することで、その都度取るべき身柄解放に向けた弁護活動が期待できるというメリットがあります。
被害者と示談できる可能性が高まる
弁護士が被害者と示談交渉を行い、被害者と示談できる可能性を高めるというのは、弁護士に依頼する最大のメリットといえます。
加害者本人やその家族が直接連絡を取ろうとしても、被害者から拒否されるケースは少なくありません。
弁護士が間に入ることで、被害者の心情に配慮しながら円滑に示談交渉を進められる可能性が高まります。
前科がつく事態を避けられる可能性がある
刑事裁判で有罪判決を受けると前科が付きます。また、日本の刑事裁判では起訴後の有罪率が極めて高いため、起訴される前の段階で適切な対応を行うことが重要です。
弁護士が示談成立や有利な事情の主張を行うことで、不起訴処分の獲得につながり、前科を回避できる可能性があります。
弁護士に依頼することで弁護活動を適切にしてもらえ、前科がつく事態を避けられる可能性が高まります。
盗撮・のぞきで逮捕されると前科はつく?盗撮によって逮捕されたらなるべく早く弁護士法人ALGにご相談ください
盗撮事件では、逮捕直後からの対応がその後の結果を大きく左右します。
取調べへの対応を誤ったり、示談交渉が遅れたりすると、不利な処分につながる可能性があります。
弁護士法人ALGでは、刑事事件に精通した弁護士が迅速に対応し、早期釈放や示談成立、不起訴獲得に向けたサポートを行っています。
ご本人はもちろん、ご家族からのご相談にも対応しておりますので、盗撮事件でお困りの場合は、できるだけ早く弁護士法人ALGまでご相談ください。
この記事の監修

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埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。