盗撮で自首する4つのメリットとは?自首の流れなどを弁護士が解説
盗撮は、相手の同意を得ずに性的な部位や下着などをひそかに撮影する行為であり、れっきとした犯罪です。盗撮をしてしまい、自首を検討されている方もいらっしゃるでしょう。
自首とは、捜査機関に発覚する前に自ら罪を申告することをいい、刑の減軽などにつながる可能性があります。
本記事では、盗撮で自首するメリット・デメリットや自首の流れ、弁護士に相談すべき理由などを解説します。
盗撮で自首する4つのメリット
自首とは、犯罪事実が捜査機関に発覚する前、または犯罪事実は発覚していても犯人が誰であるか判明する前に、犯人が自発的に自己の犯罪事実を捜査機関に申告し、その処分を求めることをいいます。
刑法第42条1項は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と定めています。
自首が成立するためには、主に次の要件を満たす必要があります。
- 捜査機関に発覚する前に申告すること
- 自発的に自己の犯罪事実を申告すること
- 自己の処分を求める意思があること
- 警察や検察などの捜査機関に申告すること
以下、まずは盗撮で自首する4つのメリットをご紹介します。
①逮捕や報道を回避できる可能性がある
逮捕は、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に行われるのが原則です。
自ら警察に出向いて罪を申告することは、自己の犯罪行為の責任と向き合う覚悟があり、捜査に協力する意思があることを示す行動といえます。
そのため、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断され、逮捕を回避できる可能性が高くなります。
逮捕されなければ、一般の方が実名で報道されることも少ないでしょう。
ただし、自首をすれば絶対に逮捕されないというわけではありません。
犯行の悪質性や余罪の有無などによっては、逮捕されることもあります。
②不安から解放される
盗撮をしてしまった後、「いつ警察が来るのだろうか」と怯えながら生活し、仕事が手につかない、夜も眠れないといった状態に陥る方は少なくありません。
自首をすれば逮捕される可能性が低くなるため、こうした先の見えない不安が軽減され、事件と前向きに向き合えるようになるでしょう。
③家族や職場にバレるリスクを減らせる
盗撮で後日逮捕される場合、警察が自宅や職場を訪れることがあるため、逮捕されたことが家族や職場の人に知られてしまうおそれがあります。
一方、自首によって逮捕を回避できれば、周囲に知られるリスクを抑えられます。
さらに、弁護士が同伴して自首し、弁護士が身元引受人となれば、警察から家族や職場へ連絡がいくことを防止できる可能性が高まります。
④不起訴や減刑の可能性が上がる
自首は、自分の罪を認めて反省していることを示す行動であるため、被害者に反省の気持ちを納得してもらいやすく、示談交渉がスムーズに進みやすくなります。
盗撮事件では、被害者との間で示談が成立していると、検察官が起訴・不起訴を判断する際に有利な事情として考慮され、不起訴となる可能性が高くなります。
不起訴になれば刑事裁判は開かれず、前科もつきません。
また、自首が成立すれば、刑法第42条1項により刑が減軽されることがあります。
仮に起訴された場合でも、自首したことは量刑上有利な事情として考慮されるでしょう。
盗撮で自首するデメリットはある?
自首のデメリットとしては、本来であれば捜査機関に知られることのなかった犯罪事実が発覚してしまう点が挙げられます。
自首によって事件が明らかになれば、捜査を受けたうえで刑事処分を科されるおそれがあり、場合によっては逮捕されて身柄を拘束される可能性もあります。
そのため、被害者に気づかれておらず証拠も残っていないなど、事件化するリスクがほとんどないケースでは、弁護士が自首をすすめないこともあります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
盗撮が発覚するのはどんなとき?
「バレなければ大丈夫」と考えて自首しないまま過ごしていると、ある日突然、後日逮捕される恐れがあります。
盗撮が発覚する主なケースは、次のとおりです。
- 被害者や周囲の人が盗撮行為を目撃していた
- 設置したカメラに指紋が残っているなど、物的証拠があがった
- 防犯カメラの映像の画像識別によって人物が特定された
近年は防犯カメラの設置が進み、映像の解析によって犯人が特定されるケースも増えています。
証拠がそろえば、事件から数週間~数ヶ月後に逮捕されることもあります。
盗撮の証拠がなくても自首できる?
自首の成立要件に「証拠の提出」は含まれていないため、証拠がなくても自首すること自体は可能です。
しかし、被害届が出ておらず、盗撮データなどの証拠もない状態で出頭した場合、警察としても事件を確認する手段がないため、自首として受理されないことがあります。
一方、被害届が出ている事件であれば、犯人が特定される前に申し出ることで自首が成立する可能性があります。事前に弁護士に相談しておくと安心です。
盗撮事件で自首する流れ
①弁護士に相談する
自首を考えたら、まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談しましょう。
弁護士は、事件の内容を踏まえて自首すべきかどうかを判断したうえで、逮捕を回避するための準備や警察との調整を行います。そのため、ご自身だけで自首するよりも、逮捕される可能性を低くすることが期待できます。
相談の際は、いつ・どこで・どのような盗撮をしたのか、撮影データをどうしたのかなど、できるだけ具体的に伝えてください。
事実関係を正確に把握してもらうことで、弁護士から捜査機関へ自首の内容を正しく伝達してもらえます。
②自首の準備をする
自首をすると決めたら、出頭の準備をします。
自首しても逮捕される可能性はあるため、身柄を拘束された場合に備えて、次のような準備をしておくと安心です。
- 着替えや現金、常備薬などの身の回り品
- 身分証明書
- 仕事の引継ぎや、必要に応じた周囲への連絡
また、自首の際は、盗撮に使用したスマートフォンやカメラ、撮影データなど、自分が犯した罪の証拠も持参する必要があります。
証拠を自ら提出することは、証拠隠滅のおそれがないことを示すことにつながるため、逮捕される可能性を低くする効果が期待できます。
③警察署に連絡する
準備が整ったら、犯行場所を管轄する警察署に連絡し、自首する日時を調整します。
弁護士に依頼している場合は、弁護士が警察署への連絡や日程調整を代わりに行うため、ご自身で連絡する必要はありません。
盗撮で自首した後の流れ
自首をすると、警察署で身元の確認や事情聴取が行われ、自首調書などが作成されます。
その後、被害届や証拠の有無に応じて立件するかどうかが判断されます。
立件された場合、盗撮は主に撮影罪(性的姿態撮影等処罰法違反)に問われ、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
盗撮は撮影罪にあたる?盗撮事件として立件されないケース
自首をしても、必ずしも盗撮事件として立件されるわけではありません。
たとえば、被害者から被害届が出ておらず、盗撮データなどの確たる証拠もない場合には、本人の供述のみでは犯罪の嫌疑が不十分であるとして、盗撮事件として立件されないことがあります。
このような場合は、自首した当日の事情聴取のみで手続きが終わることもあります。
また、撮影データが残っていても、事案が軽微であれば、警察の指導のもとでデータを削除し、厳重注意を受けて終了するケースもあります。
さらに、ご自身では盗撮だと思っていても、撮影した対象や状況によっては、法律上の盗撮にあたらないこともあります。
在宅捜査として刑事手続きが進むケース
被害者から被害届が出ている場合や、犯行を裏付ける証拠がある場合には、刑事事件として立件され、手続きが進みます。
もっとも、自首をしていれば逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されやすいため、逮捕されずに在宅事件として刑事手続きが進む傾向にあります。
在宅捜査では、普段どおりの生活を送りながら、事情聴取を受けたり、現場検証に立ち会ったりします。
警察から後日、複数回にわたって呼び出されることもあります。
警察の捜査が終わると、事件は書類送検され、検察官が最終的な処分を決めます。
初犯で悪質性が低い事案であれば、略式起訴により罰金刑となることも少なくありません。
盗撮で自首する際に弁護士に相談すべき理由
家族や周りに知られずに相談できる
弁護士には法律上の守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れることはありません。
「家族には知られたくない」と伝えておけば、弁護士から家族に事件のことを伝えることはありません。
また、弁護士をつけずに自首した場合、家族に身元引受人を依頼できなければ、会社の上司などに依頼することになります。
弁護士に依頼すれば、弁護士が身元引受人となれるため、周囲に知られずに手続きを進められる可能性が高まります。
警察への対応を相談できる
自首をしても、警察への説明の仕方が不十分であったり、必要な証拠を提出できなかったりすると、自首として扱われず、せっかくの自首が無駄になってしまう可能性があります。
弁護士に相談すれば、何をどのように伝えるべきか事前に具体的なアドバイスを受けられるため、自首の効果を十分に得られるでしょう。
自首同行を依頼できる
盗撮事件の弁護を弁護士に依頼すると、警察署へ出頭する際に弁護士に同行してもらえます。
一人で警察署に行くのは心細く、直前になって決心が揺らいでしまう方もいるため、弁護士が付き添うことは大きな支えとなるでしょう。
なお、同行した弁護士は、警察の事情聴取に同席することはできず、基本的には警察署内で待機することになります。
ただし、取調べの最中に「弁護士と相談したい」と伝えれば、取調べを中断して弁護士と打ち合わせをすることができます。
逮捕されても迅速に対応できる
自首は逮捕を確実に回避できる手段ではなく、犯行の内容によっては、弁護士に相談していたとしても逮捕されることはあります。
しかし、事前に弁護士に相談して事件の内容を把握してもらっていれば、万が一逮捕されたとしても、すぐに接見や勾留を阻止するための弁護活動に取りかかることができます。
迅速な対応によって、早期の釈放や不起訴の獲得につながる可能性が高まります。
被害者との示談交渉を任せられる
被害者が判明していても、被害者は加害者に対して強い処罰感情や恐怖心を抱いていることが多く、示談交渉に応じてくれるとは限りません。
そもそも、加害者本人には被害者の連絡先が教えてもらえないケースがほとんどです。
弁護士に依頼すれば、捜査機関を通じて被害者の連絡先を確認し、被害者の心情に配慮しながら交渉を進めることができます。
適正な条件で示談を成立させることができれば、不起訴となる可能性も高まります。
盗撮事件で示談しないとどうなる?盗撮の自首に関するよくある質問
盗撮には時効がありますか?時効後に自首したらどうなりますか?
盗撮の公訴時効は、問われる罪によって異なりますが、撮影罪や迷惑防止条例違反の場合は、基本的に盗撮した時から3年です。
公訴時効が完成すると検察官は起訴できなくなるため、時効後に自首しても刑事罰を受けることはありません。
ただし、撮影したデータを他人に提供・公開した場合には別の罪が成立し、時効期間が変わることもあるため、ご自身で時効の成否を正確に判断するのは困難です。
誤った判断をしないためにも、弁護士に相談することをおすすめします。
盗撮がバレて逃げてしまいました。自首すれば罪は軽くなりますか?
盗撮がその場で発覚して逃げてしまった場合でも、犯人が誰であるか捜査機関に特定されていなければ、自首が成立する可能性があります。
すでに犯人として特定されている場合は自首にはあたりませんが、自ら出頭したことが反省の表れとして評価され、処分や量刑の判断で有利に考慮されることがあります。
ただし、必ず罪が軽くなるわけではないため、早めに弁護士に相談しましょう。
盗撮事件で自首するかお悩みでしたら弁護士法人ALGにご相談ください!
盗撮をしてしまった場合、自首をすることで、逮捕や報道を回避できる可能性が高まるほか、不起訴や減刑につながるなど、さまざまなメリットがあります。
一方で、自首によって犯罪事実が発覚するというデメリットもあり、自首すべきかどうかは事案によって異なります。
弁護士法人ALGでは、弁護士が、自首すべきかどうかの判断から出頭の準備、警察署への同行、被害者との示談交渉まで、一貫してサポートいたします。
ご家族や職場に知られずに解決したいというご希望にも配慮して対応いたします。
盗撮をしてしまい自首するかお悩みの方は、一人で抱え込まず、お早めに弁護士法人ALGにご相談ください。
この記事の監修

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埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。