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保護観察処分とは?対象者や期間、保護観察中の遵守事項について

保護観察処分とは

「保護観察処分」とは、犯罪をした人又は非行のある少年が、通常の生活を送る中で保護観察所の指導監督を受けながら更生を図る処分のことをいいます。保護観察は通常の生活(社会)を送る中で行われるものであるため、「社会内処遇」とも呼ばれています。

未成年の犯罪における扱い

成人した者が犯罪をした場合には刑法が適用され、罰則を科せられます。他方で未成年の場合には刑法ではなく、少年法が適用され、原則として罰則は科せらず、その代わりに保護処分を科せられます。
保護処分の種類として、

  • 一般保護観察・・・交通犯罪以外の罪に係る事件により、保護観察に付されること
  • 一般短期保護観察・・・交通事故以外の事件により保護処分に付された少年のうち、家庭裁判所から短期間の保護観察を行う旨の処遇勧告がなされたもの
  • 交通保護観察・・・一定交通犯罪に係る事件により、保護観察に付されること
  • 交通短期保護観察・・・交通事故により保護処分に付された少年のうち、家庭裁判所から短期間の保護観察を行う旨の処遇勧告がなされたもの

が挙げられます。

保護観察処分の対象者と対象期間

保護観察処分の対象者は、

  • 家庭裁判所から保護観察の処分を受けた少年(更生保護法48条1号)
  • 家庭裁判所から少年院送致の処分を受け、その少年院から仮退院となった少年(更生保護法48条2号)
  • 懲役又は禁固の刑に処せられていたものの、仮釈放を許され更生保護法40条の規定により保護槓子に付せられている者(更生保護法48条3項)
  • 刑の執行猶予と合わせて保護観察付の言い渡しを受けた者(更生保護法48条4号)

が挙げられます。

成人に関する保護観察の機関は、裁判官が言い渡した期間です。

他方で、少年に関する保護観察の期間は、原則として少年が20歳に達するときまでと規定されています(更生保護法66条)。

なお、少年の改善更生に資すると認められるときは、期間を定めた上で、保護観察を一時的に解除することができます(更生保護法70条)。

また、保護観察を継続する必要がなくなったと認められるときには、保護観察は解除されることになります(同法69条)。

保護観察中の遵守事項

保護観察中は全員に共通して遵守事項が定められます。これを「一般遵守事項」と言います(更生保護法第50条)。

具体的には、①再犯・再非行をしないよう健全な生活態度を保持すること、②保護観察官や保護司による指導監督を誠実にうけること、③住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長に届け出をすること、④③に届け出た住居に居住すること、⑤転居又は7日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けることです。

他方で、それぞれの者の犯罪傾向に応じて定められた遵守事項を「特別遵守事項」といいます。

特別遵守事項は、保護観察所長が、保護観察決定をした家庭裁判所の意見を聴いた上で定めます。

以上の事項を遵守した場合には「良好措置」、違反した場合には「不良措置」を取られることがあります。

保護観察中の生活について

保護司の面接

保護観察中は、月に数回程度、保護司との面接があります。その内容は、保護観察対象者の生活状況確認、遵守事項を守っているかの確認、その他相談や指導等が行われます。

保護観察は、社会生活の中で指導等を行うものですので、保護観察となった生徒でも、他の生徒と同様に学校へ通うことができます。また、保護観察中であっても、就業や、結婚もできます。

もっとも、前述のとおり保護観察中は、保護観察官や保護司に「生活状況を報告する義務」があるので、逐一保護観察官や保護司に報告しなければなりません。

住居

保護観察中であっても、旅行をすることができます。もっとも、7日以上の旅行をする場合には、あらかじめ保護観察所の長に許可を受けなければなりません(更生保護法50条)。

また、海外旅行については、パスポートを申請する際に、「保護観察中か否か」というチェック項目があるため、当該項目にチェックをした場合、パスポートが交付されない可能性があります。

再犯・逮捕

保護観察中に再犯を犯してしまった場合、不良措置や再処分等が行われることになります。

不良措置は具体的に、仮釈放者に対する仮釈放の取り消し、保護観察付執行猶予者に対する計の執行猶予の言渡しの取り消し等が挙げられます。

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この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所 所長代理 弁護士 辻 正裕
弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長弁護士 辻 正裕
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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