盗撮・のぞきで執行猶予がつく可能性は?獲得するポイントなど
ニュースでよく耳にする「盗撮」や「のぞき」。万が一、ご自身やご家族がこうした罪に問われてしまった際、必ず刑務所に入ることになるのでしょうか。
本記事では、盗撮・のぞき事件において執行猶予が付く可能性や、執行猶予を獲得するためのポイントについて解説していきます。
目次
盗撮・のぞきで執行猶予がつく可能性はある?
執行猶予とは、刑事裁判で有罪判決が下されても、その刑の執行を一定期間猶予される制度です。
刑の執行が猶予されれば、直ちに刑務所に入る必要はありません。
社会生活を送りながら更生を目指すことができます。
ただし、刑の全部に執行猶予が付けられるのは、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に限られます。加えて、判決を言い渡される人が、以下の条件を満たす必要があります。
- 過去に拘禁刑以上の刑の確定判決を受けていない
- 過去に拘禁刑以上の刑の確定判決を受けたことがあっても、執行後もしくは免除後5年以内に新たに拘禁刑以上の刑の確定判決を受けていない
すでに一度執行猶予の言い渡しを受けている場合は、さらに、刑が「2年以下の拘禁刑」に限定され、執行猶予をつけるだけの特に考慮すべき情状の存在が必要となります。
盗撮やのぞきの場合、盗撮の刑罰が3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(性的姿態撮影等処罰法第2条)であるように執行猶予の対象となる場合が含まれるので、執行猶予がつく可能性はあります。
初犯の場合
執行猶予をつけるかどうかは、執行猶予をつけるだけの情状(犯罪に関連した事情)があるかどうかによって裁判官が決定します。
初犯の場合、初犯であること自体が更生を期待させる有利な情状ですから、執行猶予が付く可能性は相対的に高くなります。ただし、それ以外の情状次第では、初犯であっても執行猶予がつくとは限りません。
例えば、犯行に至る経緯や動機に責められるべき点が多かったり、反省の態度がなかったり、被害弁償がなされていなかったりする場合は、執行猶予はつけられにくいでしょう。
余罪があった場合
余罪があった場合、執行猶予が付く可能性は低くなります。
盗撮の場合、スマートフォンから別の盗撮動画が見つかるなど、余罪が発覚するケースが度々あります。
余罪が発覚した場合は刑が重くなり、執行猶予の獲得が難しくなります。
余罪の存在は、不利な情状として扱われるためです。
また、余罪を含めた刑罰が3年以下の拘禁刑を超える場合、そもそも執行猶予をつける要件を満たさないことになります。
この場合には、他に有利な情状があったとしても、そもそも執行猶予がつけられないことになります。
再犯の場合
再犯の場合、執行猶予が付く可能性はさらに低くなりますが、執行猶予がつく場合もないではありません。
有利な情状として、被害者と示談をして被害弁償をしておくことが重要となります。
執行猶予中で執行猶予を受ける場合には、次の要件を満たす必要があります。
- 今回の刑が2年以下の拘禁刑であること
- 情状に特に酌量すべき事情があること
以前に言い渡された刑で執行猶予中の場合、執行猶予が取り消される点には注意が必要です。
そもそも盗撮・のぞきの刑罰は?
盗撮・のぞきの場合、次のような刑罰が科される可能性があります。
ただし、複数の犯罪が成立する場合など、最終的な刑罰が下に記載された期間を上回る場合もあります。
| 盗撮の刑罰 |
|
|---|---|
| のぞきの刑罰 |
|
盗撮・のぞきで執行猶予を得るポイント
執行猶予をつけるかは裁判官が決めます。
裁判官から「すぐには刑罰を与えずに、社会で更生をしていくのでも問題ない」と判断してもらえれば、執行猶予が獲得できることになります。
そのためには、有利となる情状を的確に示し、証拠を提出していくことが重要になります。
具体的なポイントとして、次の4つがあげられます。
- 1. 弁護士に相談する
- 2. 示談を成立させる
- 3. 自首する
- 4. 冤罪の場合は否認し続ける
弁護士に相談する
裁判官が、どのような事実を重視し、どのような証拠を求めるのかは、一般の方だと適切に把握することは難しいです。また、捜査段階であれば、取調べにどのように対応するかも相談が可能です。
取調べで作成された調書は、後の裁判でも証拠になる場合があります。
不利な証拠とならないように、取調べに適切に対応することも重要です。
執行猶予の話からは少し離れますが、弁護士に相談しておけば、逮捕された場合でも早期の釈放に向けた手続きを取ることも可能です。
示談を成立させる
被害者の方と示談をすることも、執行猶予を獲得する上では重要です。
示談をすることで、自身の反省の態度が示せるだけでなく、被害者の損害が回復されていると評価されます。ただ、特に性的被害の場合、加害者との直接の連絡は嫌がる方がほとんどです。
弁護士に依頼することで、被害者との示談交渉を任せることができ、スムーズに示談が行えます。また、示談金の金額についても、弁護士であれば経験に基づいた提案が行えます。
自首する
自首した場合、執行猶予を得られる可能性が高くなります。
まず、刑法上、自首をすると、刑自体を軽減することが認められています。
加えて、自首をした場合には、自身の行為を反省しており、再犯の可能性が低いとの評価を受けやすくなります。
警察で自首した理由について質問を受けた場合、逮捕に対する不安などの思いを素直に話すこと自体は問題ありませんが、自身の行為を反省していることもきちんと伝えましょう。
冤罪の場合は否認し続ける
冤罪であるにもかかわらず、警察から盗撮・のぞきで逮捕されたり、取調べを受けたりした場合、盗撮やのぞきをしたと認めてはいけません。とはいえ一人で否認を続けることは容易ではありません。
早い段階で弁護士に依頼して、方針について相談しましょう。
被疑者には、憲法上、黙秘権(被疑者・被告人が供述したくない事柄について沈黙できる権利)が認められています。特に弁護士と会う前など、話したくない時は無理に話す必要はありません。
盗撮・のぞきの執行猶予に関するよくある質問
盗撮・のぞきで執行猶予期間中は通常の日常生活は送れますか?
執行猶予期間であっても、基本的には通常の日常生活を送れます。
結婚や日常的な行政サービスの利用は、制限を受けないのが通常です。
ただし、執行猶予は、あくまで刑罰をすぐに執行しないという制度なので、犯罪自体は成立しています。そのため、前科はつくことになります。
そのため、就職やパスポートの発行、資格の取得などに影響が出る場合はあります。
盗撮・のぞきによる執行猶予は会社にバレますか?
法的には、裁判所や役所から勤務先に対して、判決が出たこと(執行猶予がついたこと)を伝える制度はありません。
そのため、基本的には、自分から伝えない限りは会社に伝わることもありません。
もっとも、大きな事件の場合には、判決内容がニュースになり、インターネットなどで伝わることもあります。
また、裁判の前段階でニュースになった場合や、逮捕や勾留で出社ができなかった場合などにも、会社に伝わることも考えられます。
盗撮・のぞきで執行猶予を獲得するためには弁護士法人ALGにご相談ください
裁判という場で、執行猶予の獲得に向けて適切な対応ができるのは、弁護士しかいません。
同じ裁判所で行われる裁判は一度きりです。失敗した場合、取り返しがつきません。
執行猶予がつけば、日常生活を維持しながら、人生をやり直していくことが可能です。
盗撮やのぞきで裁判を受けることになった場合、必ず弁護士にご相談ください。
弁護士法人ALGでは皆様のご相談をいつでもお待ちしております。
この記事の監修

-
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。