電車内の盗撮・のぞきは何罪が成立する?事例や逮捕後の流れなど
電車内において盗撮やのぞきを行った場合、性的姿態撮影等処罰法違反(撮影罪)や都道府県の迷惑防止条例違反などの罪に該当し、逮捕される可能性があります。
あなたが刑事事件の当事者となった場合、成立する罪名や手続の流れを正しく把握することが重要です。
本記事では、電車内における盗撮行為に成立する犯罪、具体的な事例、逮捕後の身柄拘束の手続、並びに弁護士への相談を含めた対処法について解説いたします。
電車内の盗撮・のぞきは何罪が成立する?
電車内や駅構内においてあなたが盗撮やのぞきを行った場合、主に「性的姿態撮影等処罰法違反(撮影罪)」又は各都道府県が定める「迷惑防止条例違反」に該当します。
あなたの撮影態様や対象によって適用される法律が異なります。
撮影罪
性的姿態撮影等処罰法に規定される「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」は、正当な理由がないにもかかわらず、人の性的な部位や着衣の隙間から下着等を撮影する行為を処罰する目的で新設された規定です。
本罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金と定められております。
電車内であなたがスマートフォン等を差し向けてスカート内等を直接撮影した場合、本罪が適用されます。
迷惑防止条例違反
迷惑防止条例違反は、各都道府県の条例に基づき、公衆に迷惑を覚えさせる卑わいな言動や盗撮行為を処罰するものです。
衣服の上から身体のラインを撮影する行為や、のぞき行為についても「卑わいな言動」として処罰の対象となる可能性があります。
法定刑は各自治体の条例により規定されており、例えば東京都においては、通常100万円以下の罰金又は1年以下の懲役、常習性が認められる場合は100万円以下の罰金又は2年以下の懲役と定められております。
のぞき行為は迷惑防止条例違反になる?電車内での盗撮・のぞきの事例
電車内における盗撮やのぞきの典型的な事例として、混雑した通勤電車内で被疑者が被害者の背後や足元に近付き、カバンや靴に仕込んだ小型カメラ及びスマートフォンをスカート内に差し向けて撮影する行為が挙げられます。
また、座席に着席している被害者に対して対面からレンズを向け、衣服の隙間から下着をのぞき込みながら撮影する事例や、エスカレーターから電車に乗る際の一連の動作に乗じて盗撮を行う事例等も存在します。
電車内の盗撮・のぞきは現行犯逮捕が多い
電車内における盗撮やのぞき事件は、現行犯逮捕される割合が高い特徴があります。
電車内という密閉された空間で行為が行われるため、被害者本人や周囲の乗客、駅員等の目撃者にその場で発見されやすいためです。
現行犯逮捕は警察官等の捜査機関に限らず一般人でも可能であるため、被疑者が取り押さえられ、そのまま駅事務室等へ連行されて警察官に引き渡されるケースが多く見られます。
後日逮捕の可能性もある
現場で取り押さえられなかった場合であっても、後日逮捕(通常逮捕)される可能性は十分に存在します。
駅構内や電車内には多数の防犯カメラが設置されており、防犯カメラの映像、交通系ICカードの乗降履歴、改札の通過情報等から被疑者の身元が特定されるためです。
また、別の職務質問や別件の捜査の過程において、押収されたスマートフォン等の電子機器から過去の盗撮画像が発見され、発覚する事例もあります。
電車内の盗撮・のぞきで逮捕された後の流れ
- ① 警察による逮捕(身柄拘束から48時間以内に②へ)
- ② 検察官への送致(①から24時間以内に勾留請求(③)へ、①から通算して72時間以内)
- ③ 裁判官による勾留決定(原則10日間、延長で最大20日間)
- ④ 検察官による起訴・不起訴の判断
- ⑤ 裁判手続き(略式手続き又は正式裁判)
①逮捕
警察官に逮捕された場合、被疑者は警察署の留置施設に身体拘束されます。
逮捕から48時間以内は警察官による取調べを受けます。
この間、被疑者が外部と連絡を取ることは制限され、家族などは自由に面会をすることはできません。
身体拘束期間中に被疑者と警察官の立ち会いなしで自由に接見し、助言を行えるのは弁護人(弁護人となろうとする者を含む)のみとなります。
警察は取り調べの実施後、事件を検察官へ送致する手続きを行います。
②送致
警察から事件の送致を受けた検察官は、被疑者の引渡しから24時間以内(かつ逮捕から合計72時間以内)に、被疑者の身柄拘束を継続する必要があるか否かを判断します。
検察官は「弁解録取」として被疑者から直接言い分を聞き取り、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると判断した場合には、裁判官に対して勾留請求を行います。
ここで釈放の決定がなされない場合、引き続き身柄拘束が継続します。
③拘留
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、被疑者と面接(勾留質問)を行い、勾留の要件(定まった住居がないこと、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があることなど)を満たすか審査します。
裁判官が勾留を決定した場合、10日間の身柄拘束が行われ、やむを得ない事由がある場合はさらに最大10日間延長され、合計で最長20日間にわたり拘束が続くことになります。
④起訴
検察官は勾留期間が満了するまでに、被疑者を起訴するか、しないかを判断します。
わが国の刑事裁判においては、起訴された場合の有罪率が極めて高い傾向にあります。
検察官が公判請求を行わず、書面審理のみで罰金刑を求める「略式起訴」とする場合もありますが、略式起訴の場合は、公判が開かれないだけであり、前科が付くことは変わりません。
不起訴処分を獲得できれば前科がつくことを回避できます。
盗撮・のぞきで不起訴の可能性は?⑤裁判
検察官により正式起訴された場合、公開の法廷において刑事裁判が行われます。
法廷における審理を経て、裁判官から判決が言い渡されます。
判決の種類には、実刑判決(刑務所にて身柄拘束される、刑務作業に服する等の刑が執行される。)のほか、一定期間社会内で観察を行い刑の執行を猶予する「執行猶予付き判決」、あるいは無罪判決が存在します。
前科の回避や刑の軽減を目指す上では、公判に至る前の適切な対応が重要となります。
電車内で盗撮・のぞきをしてしまった場合の対処法
- ① 弁護士へ速やかに相談を行い対応方針を立てる
- ② 自首の要件を確認し捜査機関へ出頭する
- ③ 被害者との間で迅速に示談交渉を申し進める
弁護士に相談する
電車内で盗撮等の犯罪行為を行ってしまった場合、可及的速やかに弁護士へ相談することが推奨されます。
弁護士は被疑者の弁護人として、自首の手続きの補助、被害者との示談交渉、捜査機関への働きかけ等を行います。
早期に専門家である弁護士の助力を得ることで、逮捕の回避や早期の釈放、検察官による不起訴処分の獲得、あるいは裁判における執行猶予判決の獲得に向けた適切な弁護活動が可能となります。
自首する
事件が捜査機関に発覚する前、あるいは犯人が特定される前に自首を行うことには、法的なメリットが存在します。
刑法第42条第1項の規定により、自首を行った場合は刑が減軽される可能性があるほか、逃亡や罪証隠滅の恐れがないと判断されやすくなり、逮捕等の身柄拘束を回避できる可能性が高まります。
弁護士の助力を得ることで、弁護人の同行のもとで適切に自首申告を行うことが可能です。
被害者と示談交渉する
刑事事件において被害者との間で示談を成立させることは、処分の軽減や逮捕の回避に向け極めて有効な要素となります。
示談交渉の場では、真摯な謝罪の意思を示すとともに、示談金の支払いや利用路線・乗車時間帯の変更等の条件を協議します。
盗撮事件においては被害者の処罰感情が強いことが多く、捜査機関を通じて被害者の連絡先を取得して交渉を行うには弁護士への依頼が不可欠となります。
電車内の盗撮・のぞき事件を起こしたら、なるべく早めに弁護士法人ALGにご相談ください
電車内での盗撮やのぞき行為は、速やかに適切な手を打たなければ、逮捕や長期の身柄拘束、ひいては前科が付くことによる社会的影響を免れません。
被疑者となってしまった場合は、初期の対応がその後の処遇を大きく左右します。
弊所では、刑事事件に精通した弁護士が迅速に弁護活動を開始し、身柄解放や示談交渉、不起訴処分の獲得に向けて全力でサポートいたします。お悩みの際は、なるべくお早めにご相談ください。
この記事の監修

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埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。