埼玉の弁護士による刑事事件の相談

前科が及ぼす影響
生活や仕事にどう影響するのか

交通事故で人に怪我をさせてしまったなど、ふとしたきっかけで犯罪を起こしてしまう可能性は誰にでもあります。前科者になってしまった場合、生活や就職に影響が及ぶことがあります。しかし、どのような影響があるのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

ここでは、前科があることで生活にどのような影響があるか、解説します。

目次

前科があることによる就職への影響と対処法

前科持ちであることは就職に影響するのか

職業によっては、前科があることによって就けないものもあります。具体的にどのような職業に就くことができなくなるのかについては後述の<前科持ちになると資格を剥奪される職業>をご参照ください。
また、制限のない職業であっても刑罰の内容次第では、影響を受ける可能性があります。

履歴書の賞罰欄は書かなくても問題ないか

履歴書については、賞罰欄がない場合には前科があることを記載する必要はございません。しかし、賞罰欄がある履歴書にもかかわらず前科があることを記載していない場合や、前科の有無を聞かれて告げなかった場合には経歴詐称となり得ます。

ただ、一定の期間が経過した場合には、犯罪人名簿から削除されます(刑法34条の2)。また、執行猶予に付された場合には、執行猶予が取り消されることなく執行猶予期間が経過すると、刑の言渡しの効力が失われますので、犯罪人名簿から削除されます(刑法27条)。そのため、賞罰欄への記載が必要とはなりませんが、雇用後に発覚した場合に、解雇されるリスクがあります。

空白期間が長い場合の就活方法

受刑者の就労支援を積極的に行っている団体等がありますので、検索エンジン等で受刑者向けの就労支援サービスを調べていきますと、就活支援や前科を有する方々も含めた求職を行っている企業等を紹介しています。

前科を企業が調べることはできるか

一般的な企業が公的機関に照会をしても、前科情報を得ることはできません。前科者の情報は、警察庁が前歴情報を、検察庁や市区町村が前科情報を所有していますが、そうした公的機関は捜査機関に対して捜査に必要な範囲で開示をするのみで、一般人や企業に対しては開示をすることはありません。

前科があると就職が制限される職業

前科があることによって、就職が制限される職業としては、国家資格が必要になる職業が挙げられます。資格の取得自体が、制限されることによって就労することができなくなります。

罰金以上の前科で就職が制限される職業

罰金以上の前科で就職が制限される職業の例として、医師、調理師、栄養士、看護師、鍼しなどは免許が与えられない可能性がでてきます(医師法4条3号、保健師助産師看護師法9条1号など)。また、気象予報士、卸売業者などは、各種専門業を規定する法律に違反した前科である場合には就職が制限されます(卸売市場法5条2号、気象業務法24条の21第1号)。

禁錮以上の前科で就職が制限される職業

禁錮以上の前科の場合に就職が制限される職業の例として、国家公務員、地方公務員、弁護士、教員、会社役員などが挙げられます(国家公務員法38条1号、地方公務員法16条1号、弁護士法7条1号、学校教育法9条1号)。税理士や公認会計士などは各種専門業に関わる法律に違反した前科を有する場合には、特に就職が制限されます(税理士法4条3号、公認会計士法4条2号3号など)。

自身に前科がなくてもつけない職業があるというのは真実か

具体的に親族等に前科がある場合にはその職業に就けなくなることを明記している法律等はありませんが、身辺調査を厳格に行う職場である場合には、自身に前科がなくとも、親族等に前科があることで、その職業に就くことができなくなることもあります。

前科がついてしまったことによる現在の仕事への影響

以下では、前科がついてしまった場合に現在の職業へ影響が出るのかについて解説させていただきます。国家資格などその職業を行うために資格が必要な職業の多くは、刑を科されることによって、資格を喪失することになります。

前科持ちになると資格を剥奪される職業

弁護士、弁理士などは禁錮以上の刑を受けた場合、資格はく奪の上、再度受ける権利を失います。国家公務員、地方公務員、保育士など資格が必要となる職業は、刑を科されることによって直ちに資格を喪失するものが多くあります。そのため、資格が必要となる職業は、刑が科されることによって、職務を継続することができなくなります。

なお、資格を喪失しても、刑を科されて、その執行が終わってから一定期間経過することによって、再度資格を取得することができるものもあります。その例として、宅地建物取引士は、刑の執行が終わってから5年を経過した場合には再度登録することは可能となります。もっとも、再度資格を取得できることや登録が可能になることになっても、登録ができない可能性などは残り得ます。

資格に影響されない仕事の場合

一般的な企業などでは、刑を科されたことで直ちに解雇される法律があるものではございません。しかし、就業規則などで、解雇事由に「刑罰法規に違反した場合」など刑が科されなくとも違法行為を行った場合に懲戒解雇などの処分を受ける場合があります。そのため、資格に影響されない仕事においても、刑が科されることによって、職を失う可能性が出てくることになります。

仕事への影響を最小限にするための方法

以上で見たように、在職中の人が刑を科されることによって職に与える影響は大きいと言わざるを得ません。また、刑を科されないとしても、逮捕されることで一定期間、外部と連絡を取れなくなり無断欠勤となるなどで仕事に与える影響は大きいです。

ですので、逮捕された場合などには、刑を科されることや身体拘束を受ける期間を少なくするために、弁護士に素早くご相談ください。

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前科は離婚の理由になる

民法において、直接、前科があることが離婚の理由になる旨規定されているわけではございません。しかし、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」の一つとして、婚姻期間中に刑を科されたことによって夫婦関係が破綻したと主張されるなどの可能性があります。そのため、刑罰法規に違反することが離婚の理由になることがあります。

前科があると海外旅行に影響が出る可能性がある

刑が科された場合には、パスポートの発行が制限されることがあります。また、前科の内容次第ではビザ申請の拒否、ESTA(電子渡航認証システム)の申請の拒否、入国拒否などの可能性があります。なお、ビザ申請が不要な国であっても、入国審査で詳しく質問されるなどの可能性もあります。

前科持ちが再犯すると罪が重くなる

前科を有している人が再度罪を犯した場合には、前科がない人に比べて刑が重くなってしまう可能性があります。また、前科がない人に比べて、起訴されてしまう可能性も高くなってしまいます。特に、刑の執行が終わった日などから5年以内に再度罪を犯してしまった場合には、刑法上の再犯として刑が重くなる可能性は高まります(刑法56条1項)。

前科が及ぼす影響は大きい

以上で見てきたように、前科がついてしまうと生活に及ぼす影響はとても大きいです。一度ついてしまった前科を削除することは難しいですので、前科がつかないようにしていくことが大切です。ですので、前科をつけないためにも、逮捕されるなど前科がつく恐れがある場合には、すばやく弁護士にご相談ください。

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長弁護士 辻 正裕
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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