風俗店での盗撮がばれたら|風俗店トラブルの示談の重要性とは
デリヘルやファッションヘルスといった風俗店での盗撮は、軽い気持ちで行ったとしても、発覚すれば大きなトラブルに発展する可能性があります。盗撮行為は犯罪であり、逮捕されるリスクはもちろん、被害者である従業員や店舗との間で示談交渉が必要になるケースがほとんどです。
本記事では、風俗店での盗撮が発覚した場合に科される可能性のある刑罰、逮捕の可能性、そしてトラブル解決のために極めて重要となる示談交渉について、詳しく解説します。
目次
デリヘルなど、風俗店での盗撮と刑罰
デリヘルなどの風俗店において、相手の同意なく性的・わいせつな姿態を撮影する行為は、「撮影罪」(性的姿態撮影等処罰法2条1項1号)に該当する可能性があります。撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。
さらに、盗撮目的で店舗や個室に侵入した場合は建造物侵入罪(刑法130条)に問われる可能性も否定できません。また、状況によっては軽犯罪法1条23号ののぞき見に該当する場合もあります。
逮捕される可能性はある?
風俗店での盗撮が発覚した場合、現行犯逮捕される可能性は十分にあります。
特に、撮影をした人の氏名や生年月日が不明な場合には逮捕される可能性が高いです。その場で逮捕されなくても、後日、防犯カメラ映像などの証拠をもとに逮捕状が請求され、通常逮捕に至るケースもあります。逮捕されれば、長期間の身柄拘束を受けるリスクが生じます。
風俗トラブルの示談について
風俗店での盗撮トラブルは、被害者である従業員個人の権利侵害という民事的な側面と、犯罪行為という刑事的な側面を併せ持ちます。風俗店側としては、事を荒立てたくない、警察沙汰にしたくないという意向から、必ずしもすぐに警察に通報するとは限りません。
そのため、当事者間での示談交渉によって解決が図られるケースも少なくありません。しかし、交渉がこじれると、最終的に刑事事件化するリスクも残ります。
示談の必要性と生活への影響
盗撮が発覚した場合、速やかに被害者と示談交渉を行うことが極めて重要です。示談が成立すれば、被害者の処罰感情が和らいだと判断され、警察への通報や被害届の提出を回避できる可能性が高まります。
もし刑事事件化してしまった場合でも、示談の成立は、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判官が量刑を判断する際に、加害者にとって有利な事情として考慮されます。 逆に、示談交渉を行わなかったり、交渉が決裂したりした場合、刑事責任を追及され、逮捕・起訴に至るリスクが高まります。
そうなれば、会社や学校に知られ解雇や退学になったり、報道されたりするなど、社会生活に深刻な影響が及ぶ可能性があります。また、店側や関係者から私的な報復を受けるといった、さらなるトラブルに発展する危険性も否定できません。
店側への賠償責任
盗撮行為の直接的な被害者は、撮影された従業員個人です。したがって、撮影をした人は、被害者である従業員個人に対して、法的な損害賠償責任(慰謝料の支払義務など)を負うことになります。
また、店側としては、盗撮行為の発覚時に他のお客様へのサービスが中断される、盗撮行為が広まることによって店の評判が落ちる、他の従業員が不安を感じて退職者が続出するなどの事態が生じ、損害が発生する可能性があります。このように、盗撮行為は風俗店側の業務を妨害するという側面も持っているので、店側に対しても損害賠償義務を負う可能性があります。
店側から脅されている場合
盗撮の事実を盾に、店側から法外な慰謝料や示談金を要求されたり、「警察に言うぞ」「家族にばらすぞ」などと脅迫されたりするケースがあります。このような場合、相手の要求に安易に応じてはいけません。恐喝や強要に該当する可能性もあります。
要求があまりに高額であったり、脅迫的な言動が見られたりする場合は、すぐに支払いに応じず、まずは弁護士に相談してください。弁護士が間に入ることで、冷静かつ法的に適切な対応をとることが可能になります。
刑事責任を追及されると逮捕の可能性も。弁護士を挟んだ示談交渉でスムーズな解決を
万が一、盗撮の件で逮捕されてしまうと、最大で23日間もの間、警察署の留置場などで身柄を拘束される可能性があります。その間、外部との連絡は著しく制限され、会社や学校に行くこともできません。長期の欠勤・欠席は、解雇や退学につながるリスクを高めます。さらに、検察官によって起訴されれば刑事裁判となり、有罪判決を受ければ前科がつくことになります。
このような最悪の事態を避けるためには、早期に弁護士に依頼し、被害者との間で適切な示談を成立させることが不可欠です。弁護士は、加害者に代わって冷静に被害者や店側と交渉し、法的に妥当な金額での示談成立を目指します。
また、捜査機関に対しても、示談の成立や反省の情を示すことで、逮捕の回避や不起訴処分の獲得に向けた弁護活動を行います。早期の段階で弁護士が介入することで、事件の円満かつ迅速な解決が期待できます。
風俗店での盗撮でよくある質問
店の従業員が持ち去ったカメラを返却させることは可能ですか。
盗撮に使用したカメラは、ご自身の所有物であるため、原則として返還を求める権利があります。
しかし、カメラは盗撮の証拠品でもあります。店側が警察に通報した場合、カメラは証拠品として警察に任意提出または押収される可能性があります。警察に押収された場合、捜査が終了するまで返還されないのが通常ですし、撮影者が有罪判決を受けた場合には、カメラが没収される可能性もあります。
店側が警察に通報せず、単にカメラを「取り上げた」状態の場合、法的には返還を請求できます。しかし、現実的には、盗撮という非がある以上、強く返還を求めるのは難しい場合が多いでしょう。弁護士を通じて示談交渉を行う中で、カメラの返還についても話し合うことが考えられます。
盗撮がばれ、店側に個人情報を渡すよう要求された場合拒否することはできますか?
店側から、示談交渉や今後の連絡のために氏名、住所、電話番号などの個人情報を求められることがあります。これに応じる法的な義務はありません。
しかし、完全に拒否した場合、店側が「身元が分からない以上、警察に届けるしかない」と判断し、刑事事件化するリスクを高める可能性があります。示談による解決を望むのであれば、ある程度の情報開示は避けられない場合もあります。
また、警察に通報されてしまった場合には、個人情報の開示を一切拒否していると、身元が不明であることを理由に逮捕されてしまう可能性が高まりますので、個人情報はある程度開示しておいた方がいいでしょう。
店側から提示された示談金額が高すぎます。
盗撮事件の示談金に、明確な相場というものはありません。被害者の精神的苦痛の程度、盗撮の態様、撮影された内容、加害者の資力や社会的地位など、様々な事情を考慮して決められます。
とはいえ、数十万円程度が一つの目安となるケースが多いですが、店側が数百万円といった高額な金額を請求してくることもあります。
提示された金額が明らかに高すぎると感じる場合は、安易に同意せず、必ず弁護士に相談してください。弁護士は、過去の事例や法的な観点から、妥当な示談金額を判断し、相手方と減額交渉を行います。当事者同士では感情的になりがちな交渉も、弁護士が間に入ることで冷静に進められます。
風俗店での盗撮がばれたら、迅速な示談交渉が大事です。すぐに弁護士へご相談下さい
風俗店での盗撮が発覚した場合、最も重要なのは、事態が悪化する前に、迅速かつ適切に対応することです。特に、被害者との示談交渉は、その後の展開を大きく左右します。
逮捕や起訴といった刑事手続きのリスクを最小限に抑え、社会生活への影響を食い止めるためには、早期に弁護士に相談し、示談交渉を依頼することが最善の策です。ご自身や店側との直接交渉は、さらなるトラブルを招く危険性もあります。盗撮トラブルでお困りの方は、一人で悩まず、できるだけ早く弁護士にご相談ください。
この記事の監修
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埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。