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微罪処分とは?処分獲得のための方法や注意点

微罪処分とは、警察の捜査段階で、送致することなく事件を終了させることをいいます。どのような場合に微罪処分となるのか、また微罪処分のメリット等について解説していきます。

目次

微罪処分とは

微罪処分とは、警察の捜査段階、すなわち検察に送致する前の段階で事件を終了させることをいいます。ただし、刑事事件では、全件送致の原則がとられているため、微罪処分とするのは一定の要件を満たす例外的なものに限られています。

不起訴との違い

不起訴とは、嫌疑不十分等の様々な理由により、検察官が起訴しない処分を下すことをいいます。これに対して、微罪処分は、そもそも検察へ送致しておらず、警察段階で事件を終了させるという点で、不起訴処分とは異なります。

不起訴とは

どんなケースが多いか

微罪処分にできるのは、基本的に軽微な犯罪に限られます。例えば、窃盗罪、暴行罪、詐欺罪、占有物離脱横領罪などがこれに該当します。

微罪処分の影響

検察庁へ送致されたり、検察官から起訴されたりするなどの刑事手続を受けると、被疑者となった人の日常生活には必然的に影響が生じてしまいます。では、微罪処分の場合はどうでしょうか。

その後の生活への影響

微罪処分は、検察庁へ送致されたり、検察官から起訴されたりした場合と比べて、日常生活への影響が比較的軽くて済むというメリットがあります。

会社や学校への影響

微罪処分になるような事件の場合、逮捕・勾留などの身体的な拘束を受けないことが多いでしょう。また、警察段階で事件が終了するため、通常の刑事手続に比べて事件が早期に終了する可能性が高いと言えます。このため会社や学校にいけなくなるなどの不都合をきたすことが少ないと言えます。

就職への影響

微罪処分となった場合、前歴はつきますが、前科はつきません。就職の際の賞罰欄などは、基本的に前科の報告義務を課すものが多いでしょうから、前歴にとどまる場合には、報告しなくて済むことがあります。この点も微罪処分のメリットと言えるでしょう。

海外旅行への影響

また、前歴を理由に海外旅行が法的に制限を受けることは、基本的にありません。このため、前歴がついたからといって、海外へ出向くことが出来なくなるという支障は生じにくいでしょう。

前科・前歴との関係

微罪処分の場合には、前科はつきませんが、前歴はつきます。

この前歴というのは、以前に、警察等の捜査機関から特定の犯罪について捜査対象となったことがあるという意味を持ちます。前歴は、比較的広い概念ですので、微罪処分でもあっても付いてしまう点には注意が必要です。

もっとも、前述したとおり、前科と比べると日常生活への影響は少ないと言えます。

前歴とは?前歴は消せるのか、回避するには

微罪処分は生活にほぼ影響ありません。だからこそ弁護士への依頼で確実に獲得しましょう

以上で述べてきたとおり、微罪処分が下されれば、日常生活への影響を少なくできます。このため、被疑者となった場合には、出来る限り微罪処分となるよう動いていく必要があります。まずは、専門家である弁護士にご依頼されることをおすすめします。

微罪処分の手続き流れ

微罪処分となる要件

微罪処分とされるためには、一定の要件を満たしている必要があります。

処分の性質上、明確な基準があるわけではありませんが、基本的には、①犯罪の軽微性、②犯情の軽微性、③親権者や雇用主等の監督者の有無、④被害者の宥恕の有無、⑤被害弁済の有無、⑥被疑者の前科・前歴等の有無などが考慮されるとされています。

手続きの流れ

微罪処分は、概ね、①警察署での取り調べ、②親権者等の身元保証人の呼び出しや、同引受書への記入、③釈放といった流れで進められることが多いでしょう。

また、微罪処分になった場合には、微罪処分手続書という書類が作成されます。

微罪処分を受けたが余罪がある場合

微罪処分を受けた後に、新たに別の犯罪事実が発覚する場合があります。その場合には、その犯罪について別途捜査が行われ、送致される可能性はあります。微罪処分がなされたからといって、別の犯罪事実でも同じ処分が下されることになるとは限りません。

微罪処分を受けるためには

反省の意を示すこと

微罪処分を受けるために重要なことのひとつとして、反省の意を示すことが挙げられます。軽微な犯罪だからといって、過度に反抗的で横柄な態度をとっていると、微罪処分にならない可能性がでてきます。

被害者がいる場合、示談をする

また、被害者と示談交渉を行い、被害届の取り下げをしてもらうことも、微罪処分を得るために重要といえるでしょう。示談交渉のなかでは、慰謝料などを支払い、被害者に許してもらう必要があります。

被害弁償をおこなう

万引きや器物破損などの犯罪の場合には、被害弁償も行うことが大事になります。また、こうした場合にも、被害弁償とは別に慰謝料を支払うケースが多いといえるでしょう。

監督者がおり、素行にも問題がない事を主張する

被疑者に監督者がいることや、前科前歴等がなく素行に問題がないことも主張すべきでしょう。前にも述べたように、これらの事情は、微罪処分の判断を下す際の重要な考慮要素の1つになるからです。

弁護士が早期解決に向け、警察や被害者へ働きかけることが可能です。

微罪処分は、警察段階でしかできないものですので、早めの対応が求められます。専門家である弁護士に依頼し、早期に、警察や被害者に働きかけることが重要です。

微罪処分の注意点

被害者がいる場合、きちんと誠意を見せる

被害者がいる犯罪の場合には、当然ですが、誠意をみせることが重要になります。謝罪文を作成したり、金額面で誠意を伝えたりするなど、やり方は様々考えられます。

警察からの呼び出しがある場合も

微罪処分であっても、警察から呼び出されることはあります。単に、微罪処分を行う犯罪について事情聴取のために呼び出されることもあります。

他方で、新たな犯罪事実が発覚した場合に、そのことについて呼び出されるケースもあるので注意が必要です。

示談でトラブルが起こる可能性がある

示談の際にトラブルが生じてしまうこともあります。よくあるのが賠償額でのトラブルです。

スムーズに示談交渉を行うためには、ある程度のお金を用意する必要があるでしょうし、係留効果を意識するなど、交渉のやり方にも工夫が必要になります。

弁護士への依頼で回避できること

犯罪の性質によっては、被疑者本人が被害者と直接連絡をとることが適切ではないケースがあります。たとえば、詐欺や性犯罪などが挙げられます。

これらのケースでは、弁護士に依頼することで、直接接触することで生じる被害者とのトラブルを防ぐことができるでしょう。

微罪処分後の応対を誤り、起訴されてしまう場合もあります。個人で解決せず弁護士を頼りましょう

微罪処分獲得に向けた対応や、微罪処分が出された後の対応を誤ると、起訴されてしまう可能性もあります。

ひとりで悩まれるのではなく、まずは専門家である弁護士にご相談されることをおすすめします。

微罪処分でよくある質問

以前に一度微罪処分を受けています。2回目の微罪処分を受けることはできるのでしょうか。

一度、微罪処分を受けているということは、前歴がついているということです。
前にも述べたとおり、前歴があることは、微罪処分を得るうえで、消極的な要素となります。
1回目の微罪処分を加味したとしても、犯罪や犯情が軽微であるとして2回目について微罪処分を受けることができる可能性もゼロではありません。
弁護士とご相談のうえ、しっかり準備・検討されることが大事でしょう。

相手から被害届が出ている場合でも微罪処分となりますか?

被害者が許しているかどうか、被害届を取り下げているかどうかは、微罪処分の判断がなされるうえでとても重要な要素になります。被害届が出ている状態での微罪処分が絶対にあり得ないというわけではありませんが、基本的には、被害者との間で示談が成立し、被害届を取り下げされていることが多いといえるでしょう。

示談書を書いて貰ったのに被害届を取り下げて貰えないのですが…

示談書に被害届を取り下げる旨の記載があれば、基本的には、実際の取り下げの有無にかかわらず、微罪処分に有利な影響を及ぼし得ると考えてよいでしょう。
その意味で、示談書の内容は重要になりますので、弁護士にご相談されたほうが良いでしょう。

身元引受人となる人がいないのですが、微罪処分になりませんか。

身元引受人がいないからといって必ず微罪処分にならないというわけではありません。
しかし、前にも述べたとおり、身元引受人の有無は、微罪処分の判断における重要な要素の1つです。
事件の性質や被疑者の年齢等によっては、身元引受人がいないことが、大きくマイナスの影響を及ぼす可能性もあります。

微罪処分を受けられない場合どうなるのでしょうか。

微罪処分を受けられないとなると、基本的には、警察から検察庁へ送致されることになります。送検後は、検察官が処分を決めることになり、場合によっては、起訴される可能性も出てきます。

微罪処分にて納めたい場合、穏便に済ませるなら弁護士への依頼が一番です。

微罪処分を得ることができるかどうかは、初動の動きや、細かな対応の工夫次第で変わり得ます。ご自身で悩まれるのではなく、まずは専門家である弁護士にご相談されることをおすすめします。

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長弁護士 辻 正裕
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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