監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士
- 企業で発生するハラスメント問題について
目次
労働審判に至った場合
ハラスメントの問題は、時として社内で解決できずに労働審判に至ってしまい、裁判所の判断を仰ぐことになりえます。
しかし、労働者から労働審判を申立てられたとしても、会社にも言い分があるケースがあります。
まずは労働者の主張を把握すること
会社としては労働者の主張に対して反論していくことになります。
労働審判は、会社と労働者との個別労働関係民事紛争を対象とするものですから、そもそも会社の責任が追及されているかどうかを確認しましょう。
また、会社のどのような行為を問題としているかについても把握する必要があります。
ハラスメントの労働審判であれば、行為者のハラスメント行為について、会社の使用者責任を追及しているか、ハラスメントに関する事後対応に関する責任を追及している場合が多いかと思います。
会社の反論のポイント―事実関係に争いがあるのか―
会社としては、労働者の主張を把握した場合には、事実関係を争うかどうかを、まずは確認する必要があります。
言った言わないの話から、会社の記録と異なる事実を前提に労働者がハラスメントについての主張している場合もありますから、まずは会社として、事実を争うのかどうか、担当者などからの聞き取りなどを行い、決定していく必要があります。
会社の反論のポイント―法的責任を負わないとの反論―
労働者からハラスメント行為と主張されている事実があったとしても、その事実だけでは、会社が損害賠償責任を負わないことがあります。
例えば、業務執行とは何らの関係ないハラスメントであるとか、会社としてはハラスメント行為発覚後に被害者、行為者に適切な対処を取っており、会社自身が責任を負わない場合などがあり得ます。
こういった点も考慮して反論を行うことが必要です。
会社の主張を答弁書に落とし込む
労働審判では、答弁書を提出する必要があります。
もちろん、期日において裁判官や労働審判員から適宜質問がなされ、事実や主張の聞き取りがなされますが、裁判所は書面を重視していますし、3回という期日の制限がある労働審判では第1回から積極的な進行がなされますから、期日より前に、会社側の主張を書面でまとめて、裁判所に訴えかけておくことは必要不可欠です。
労働審判での答弁書作成も含めた対応は弁護士にご相談ください。
労働審判に至る前に解決することや、ハラスメントを防止で来ていることが何より肝要ですが、ハラスメントが顕在化し、紛争化した以上、会社には労働審判で争っていく必要があります。
しかし、事がここまで至っている場合には、会社だけで対処することは得策とは言えません。裁判所に提出する文書にはお作法がありますから、専門家である弁護士の協力は必要不可欠です。
埼玉県内で、ハラスメントに関して労働審判を申し立てられた会社の方は、ぜひ一度弁護士法人ALG&Associates埼玉法律事務所にご相談ください。
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