監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士
- 派遣契約
皆さんは令和3年1月から労働者派遣契約書を電磁的記録によって作成することが出来るようになったことをご存知でしょうか。
今回は、労働者派遣契約の電子化の解禁について、ご説明させていただきたいと思います。
目次
令和3年1月1日から労働派遣契約の電子化が解禁
労働者派遣法が改正されたことにより、令和3年1月1日から、派遣元企業と派遣先企業との間で取り交わされる労働者派遣(個別)契約を、電磁的記録(電子データ)によって行うことが出来るようになりました。
労働派遣契約の電子化が解禁された背景
労働者派遣(個別)契約は、期間が短いものも多いことから契約締結が繰り返されることもありますが、改正前は、書面による契約締結が義務付けられていたため(改正前労働者派遣法26条1項、改正前労働者派遣法規則26条1項)、一回一回書面によって契約を締結していました。
これは、事務作業が頻繁に発生するもので、様々なコストがかかるとして、電子化が望まれていました。
これらの声に押されて、労働者派遣契約書の電磁的記録による作成が認められるに至りました。
電子化は義務?書面契約のままだと罰則はあるのか?
電子化は義務ではなく、書面の作成に代えて認められただけですので、書面契約のままだと罰を受けるといったことはありません。
企業が労働派遣契約を電子化するメリットは?
企業が労働者派遣契約を電子化するメリットは何と言っても、事務作業のコスト削減にあります。
ペーパーレス化によるコスト削減
書面を一々印刷、製本することは、それだけ事務作業の時間を増やすことになります。
このようなペーパレス化によるコスト削減が期待されます。
捺印申請や郵送手続きなどの工程削減
また、署名押印を行うということは、捺印申請や双方の郵送手続きなどの工程が必要となりますが、電子化すれば、そのような手間はありません。
データの保管・管理の簡便化
書面であれば保管場所にもコストがかかりますが、電子データであれば、そのような保管に関するコストも不要となり、また管理も簡便となります。
テレワークでも対応が可能
コロナウイルスの影響で、日本でもテレワークが浸透してきました。郵送であると、送付先、受領先とも固定されがちですし、封筒等の資材も職場に行かなければなりませんが、電子データであれば、場所を問いませんので、テレワークにも対応することが可能です。
電子契約はセキュリティ面で問題ないのか?
もちろん、サイバー攻撃や情報漏洩による不安というものは存在しますが、それは社内における電子データ一般に言えることであり、電子契約についてのみにリスクがあるわけではありません。
社内での情報漏洩やサイバー攻撃に対する意識改革や、対策を取っていくことで対処していくべき問題でしょう。
労働派遣契約の電子化で企業に求められる対応
労働者派遣契約の電子化によるメリットは、上記したようなコストの削減にあります。
企業としては、DX推進の一環として、電子契約に対応できるような環境を整備しておく必要があります。
電子契約システム導入の検討
まずはインフラが整っていなければなりませんので、電子契約システムの導入を検討することになります。
社内ルールの策定と周知
セキュリティ面での対策として、情報漏洩などの対策に関する社内ルールを策定する必要があります。
また、ルールを策定しただけで終わるのではなく、実働する方々がルールを熟知していないことには、ルールは機能しませんから、社員に周知することが重要です。
派遣契約に関するご相談は、労働問題を得意とする弁護士にお任せください。
労働法に関する問題は、派遣契約に関するものも含めて、頻繁に改正が繰り返されています。こういった改正に対応していくには、労働問題を得意とする弁護士の協力が不可欠です。
埼玉県内で派遣契約に関するお悩みを抱えている企業の方は、ぜひ一度、弁護士法人ALG&Associates埼玉法律事務所にご相談ください。
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