寄与分とは|請求の要件と計算方法

コラム

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

被相続人が死亡した場合、遺言がなければ、法定相続分に応じて相続することになります。しかしながら、相続人の中に、被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした人がいれば、寄与分として、法定相続分とは異なった分配で相続を受けることができることがあります。

寄与分とは

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした人がいる場合に、相続財産の維持や増加分を相続財産から差し引いて、寄与した人にそれを与えるものです。被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした人がいる場合に、法定相続分で遺産分割をするのは公平性に欠けることから認められた制度です。

寄与分請求の要件

寄与分が認められる要件は、①共同相続人であること、②財産が維持・増加していること、③財産の維持・増加と因果関係があること、④期待を超える貢献があること、の4つです。以下、要件を一つ一つ説明していきます。

共同相続人であること

寄与分を請求できる人は、共同相続人に限られています。共同相続人ではない人がした寄与については、原則として寄与分として評価されません。もっとも、近年の法改正によって、被相続人と一定の範囲の親族が寄与行為をした場合に、特別寄与料を請求できようになりました(民法1050条)。

財産が維持・増加していること

次に、被相続人の財産が維持・増加したことが必要となります。例えば、被相続人の死亡前に子が被相続人にマンションを購入した場合などです。マンションの購入によって被相続人の財産が増加したことになりますので、寄与分の対象として評価されることになります。

財産の維持・増加と因果関係があること

次に、被相続人の財産が維持・増加したことの理由が寄与行為にある、という因果関係が必要となります。被相続人の財産が維持・増加した場合であっても、被相続人の努力によって維持・増加した場合には、寄与行為との因果関係はなく、寄与分は認められません。

期待を超える貢献があること

寄与分が認められるための要件として、最後に、特別の寄与が必要となります。夫婦や親族関係においては扶助協力義務や、扶養義務がありますが、特別の寄与といえるためにはその履行として通常期待される範囲を超えた特別の寄与行為が必要となるのです。その判断にあたっては、専従性、無償性、継続性があるかを考慮することが必要とされています。

寄与分の種類

寄与分の種類としては、以下のように、いくつかのケースに分けられます。

家事従事型

被相続人が営む事業に従事する場合です。その寄与行為にあたっては、無償または低廉な報酬で、継続的に従事していたことなどが必要となります。個人事業が原則となるため、被相続人の経営する法人の従業員として勤務しているだけでは認められません。

金銭出資型

被相続人に対して財産を給付する場合です。例えば、被相続人に対して、金銭や不動産を贈与した場合がこれにあたります。

扶養型

被相続人に対して、継続的に無報酬又は無報酬に近い状態で扶養し、被相続人の財産の維持に貢献した場合です。単に扶養していたというだけでなく、通常期待される扶養義務の範囲を超える寄与行為であることが必要となります。

療養看護型

被相続人が病気等によって療養看護が必要となった場合に、継続的に、無報酬又は無報酬に近い状態で被相続人の療養看護を行った場合です。これによって看護師や介護士等を雇う必要がなくなっていますので、その点において、その費用の支出を免れさせることができた、という貢献があるといえるのです。

財形管理型

相続人が、無報酬又は無報酬に近い状態で、被相続人の財産を管理した場合です。これにより、財産の維持や増加に貢献しているといえます。たとえば、不動産の賃貸管理や具体的な資産運用管理を長期間かつ無償で行った場合です。

寄与分を主張する相続人が複数いる場合はどうなる?

寄与分を主張する相続人が複数いる場合、それぞれに寄与分が認められる可能性があります。複数の相続人に認められる寄与分は、複数の相続人間で優先順位があるのではなく、それぞれの相続人の寄与行為の程度に応じて、被相続人の財産の範囲で分配されることになります。もっとも、寄与分が認められるハードルは高いのが現実ですので、このようなケースはあまり多くないでしょう。

寄与分決定までの流れ

寄与分は、自動的に振り分けられるわけではなく、遺産分割協議や調停等で主張して認められるものといえます。以下でその流れを詳しく解説していきます。

遺産分割協議で寄与分を決める

遺産分割の協議において、寄与分の主張をして、相続人全員が納得すれば問題はありません。もっとも、他の相続人にしてみると、寄与分が主張されることによって自身の取得できる相続財産が減少しますから、遺産分割協議で相続人全員の納得を得られるケースはあまり多くはないでしょう。

協議で決まらない時は調停へ

遺産分割協議で話がまとまらない場合は、家庭裁判所で寄与分を認めてもらう必要があります。相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、寄与分を定める処分調停の申立てを行います。ただし、遺産分割調停がすでに係属している場合には、その係属している家庭裁判所に寄与分を定める処分調停の申立てを行います。

それでも決まらない場合は裁判(審判)・即時抗告へ

調停でも寄与分についての話合いがまとまらない場合は、調停の事件が自動的に審判手続きに移行することとなります。審判手続では、裁判官が寄与分についての判断をすることになります。裁判官が判断した審判の結果に対して不服がある場合は、即時抗告をすることができます。

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寄与分の計算方法

以下では、各類型ごとに寄与分の計算方法について説明していきます。

家事従事型(事業従事型)の計算方法

家事従事型の場合は、本来受け取るべきであった給与等を算出して生活費控除割合を控除し、無償で従事した期間を乗じる方法で計算します。
【計算式】
本来受け取るべきであった給与等の金額×(1-生活費控除割合)×無償で従事した期間

金銭出資型の計算方法

金銭出資型の場合は、給付した財産の種類によってやや異なりますが、給付した財産を、相続開始時の価額に裁量的な割合を乗じる方法によって計算するのが一般的です。

【計算式】
・金銭の贈与の場合
贈与額×貨幣価値変動率×裁量的割合

・不動産の場合
相続開始時の価額×裁量的割合

扶養型の計算方法

扶養型の場合は、負担した扶養額にその期間を乗じて、法定相続分の割合で控除します。
【計算式】
扶養額×期間×(1-法定相続分割合)

療養看護型の計算方法

療養看護型の場合は、介護士等を雇っていた場合の報酬を算出する必要がありますので、介護保険の介護報酬基準などに基づく報酬相当額に、療養看護をした日数を乗じて、これに裁量的な割合を乗じる方法によって計算されるのが一般的です。
【計算式】
報酬単価×療養看護をした日数×裁量的割合

財産管理型の計算方法

財産管理型の場合は、財産管理等をすることができる者に委託をした場合に発生する費用を目安に、一定の裁量的な割合を乗じる方法によって計算するのが一般的です。
【計算式】
財産管理費用×裁量的割合

寄与分が認められるケース

寄与分が認められる可能性が高いケースとして以下を紹介します。

夫の会社でヒット商品の開発に貢献した場合

夫の会社でヒット商品の開発に貢献した場合は、夫の財産の増加に大きく貢献したといえるでしょう。その場合は、被相続人の財産の増加に大きく貢献したといえ、寄与分が認められる可能性があります。具体的な寄与分の算定としては、単純な売り上げの増加ではなく、夫の財産の増加に貢献した割合によって、寄与分が認められることになるでしょう。

兄弟で出資をしていた場合

兄弟で出資していた場合にも、その出資が子として期待される程度を超えるものであれば、寄与分として認められる可能性があります。出資の割合によって被相続人の財産の増加に貢献することになりますので、寄与分は、兄弟のそれぞれが出資した割合によって算定されることになるでしょう。

貸したお金が返済されないまま亡くなった場合

被相続人に贈与したのではなく、貸したお金が返済されないまま亡くなった場合は、その貸したお金を金銭出資型として寄与分を主張することはできません。この場合は、貸金を返還する債務が他の相続人に相続されますので、他の相続人に対して貸金返還請求を行うこととなります。

介護費用を全額出した場合

介護費用を全額出した場合でも、子として期待される程度を超える貢献をした場合には、寄与分として認められる可能性があります。介護費用の金額は受けるサービス等によって変動しますので、実際に支出した金額が、寄与分を認めるかどうかの重要な判断要素となるでしょう。

寄与分が認められないケース

寄与分が認められないケースについて、以下で解説していきます。

夫の仕事を無償で手伝っていたが離婚した場合

離婚後に夫が死亡した場合、妻は相続人とはなりません。
寄与分が認められる要件として、共同相続人であることは上述しました。
したがいまして、妻に寄与分は認められないということになります。

父の会社に従業員として勤めて経営を支えていた場合

父の会社に従業員として勤めていた場合は、会社という法人に対する貢献として考えるのが一般的です。父とその経営する会社は分けて考えるということです。したがって、原則として父の会社に従業員として勤務していたからといって、寄与分は認められません。仮に、父とその経営する会社が実質的に同一のものと評価できるものであっても、給与を得ていれば、無報酬又は無報酬に近い状態ではないと判断され、寄与分は認められない可能性が高いといえます。基本的には被相続人の個人事業への貢献ということを念頭におかなければなりません。

義両親を介護していた場合

上述しました通り、寄与分が認められるためには、相続人である必要があります。義理の両親が死亡しても、養子でもないかぎり相続人にはなれませんので、寄与分も認められない、ということになります。もっとも、上述した民法の改正によって、相続人ではない被相続人の親族にも特別寄与料の請求が認められる可能性があります。

仕送りをしていた場合

被相続人に対して仕送りをしていた場合でも、親族間の扶養義務として通常期待される程度のものであれば、特別の寄与とはいえず、寄与分は認められないことになります。一方で、親族間の扶養義務として通常期待される程度のものではなく、特別の寄与と呼べるような程度のものであれば、寄与分が認められる可能性があります。

介護施設の月額費用を支払っていた場合

介護施設の月額費用を支払っていた場合であっても、一般的に妥当な範囲の金額であれば、基本的には寄与分は認められないでしょう。

寄与分を認めてもらうのは難しいため、弁護士にご相談ください

他の相続人の取得できる遺産の範囲が変わることもあり、遺産分割協議で話合いがまとまらないケースがほとんどです。このような場合は、上述のとおり、調停や審判手続きで認めてもらう必要がありますので、裁判所に対しては、寄与分を法的に主張し立証していく必要があります。寄与分自体を認めてもらうためのハードルは高く、法的な知識も必要になります。
寄与分を主張したいと考えた場合は、まずは法律の専門家である弁護士にご相談ください。

亡くなった方の遺言書を見てみたら、自分には相続財産が分配されないという内容だった――この場合、相続財産は得ることはできないのでしょうか。 このような場面で役に立つのが、「遺留分」という制度です。しかし、遺言などに比べると遺留分はなじみが薄く、どのようなものか分からないという方も多いと思います。
本コラムでは、遺留分に関する遺留分侵害額請求の意味や方法を解説しています。遺留分侵害額請求に関してお悩みの方は、ぜひ本コラムをご覧ください。

遺留分侵害額請求とは

遺留分とは、一定の法定相続人に法律上認められている、最低限度の相続財産の取得分のことです。相続は、相続人の生活を保障するという性質を持っています。相続人の生活が脅かされることのないよう、相続財産を最低限取得できるようにするための制度が遺留分です。この遺留分が侵害された場合、侵害された相続人は、侵害した相続人や遺贈を受けた者(受遺者)に対して、侵害した金額の金銭の支払を求めることができます。この請求を、遺留分侵害額請求と言います。

遺留分侵害額請求の方法

遺留分侵害額請求を行う場合、いくつかの方法が考えられますが、基本的には次のような順序で進めていくことになります。それぞれのプロセスについて、詳しく見ていきましょう。

相手方に遺留分侵害額請求の意思表示を行う

遺留分侵害額請求を行う場合、まずは、相手方に遺留分侵害額請求するという意思表示を行う必要があります。意思表示の方法は限定されていませんが、口頭で意思表示をすると、後で意思表示をしたかについて争われる可能性があります。そのため、きちんと証拠が残る形で意思表示を行うのが望ましいです。具体的には、内容証明郵便で送付することが考えられます。

内容証明郵便について

内容証明郵便で送付すると、送付したものと同内容の書面が郵便局で保管されます。これによって、遺留分侵害額請求の意思表示をしたことの裏付けを用意できることが、内容証明郵便のメリットです。
内容証明郵便を送付する場合には、送付する内容と同一の書面を3通作成して、郵便局に持ち込みます。1通が相手方に郵送され、1通を自身で保管し、残る1通を郵便局で保管することになります。現在は、電子内容証明という制度があるため、これを利用することで自宅から内容証明郵便で送付することもできます。

相手方と話し合う(協議)

相手方との関係から協議が難しいということでなければ、まずは相手方と直接話し合ってみることが考えられます。協議の方法は特に法律で制限されていないので、メールや電話などどのようなものでも構いません。メールなどの記録に残るものを選ぶと、後に証拠として利用できる可能性もあります。
相手方との関係から直接の協議が難しい場合には、弁護士を通じて話し合いをするという選択肢があります。弁護士の専門的知識を活かすことで、協議も円滑に進みやすくなります。

合意できたら和解書を作成し、遺留分を受け取る。

支払金額や支払方法について合意ができた場合は、後のトラブルを避けるために、合意書を作成しておきましょう。後から意見を翻されてしまうこともあるため、合意書は迅速に作成することが望ましいです。合意書の内容が不明確であると、後から争われるリスクが高まります。合意書を作成は弁護士に依頼したり、合意書の内容について弁護士に確認を受けたりしておくと、合意書の内容が明確になってそのようなリスクを低下させられます。

合意できなかったら調停を行う。

当事者同士で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所へ遺留分侵害額請求調停を申し立てることになります。調停もあくまで話し合いですが、調停委員という中立的な第三者を介して進めることができるため、裁判所外での協議と比較すると合意に至りやすいといえます。
無事に合意がまとまると調停成立となり、合意内容が調停調書という形にまとめられます。一方で、請求する側と請求される側の主張が大きく異なると、調停でも話し合いがまとまらないこともあります。この場合、調停は不成立となります。

調停でも合意できなかったら訴訟する。

調停で合意できず、調停不成立となった場合には、最終手段である訴訟(裁判)を提起することになります。
調停では口頭での説明が中心であり、書面は補助的な役割となることが多いです。他方、訴訟は、書面のやり取りがメインとなります。また、訴訟の場合、最終的には裁判所が証拠に基づいて判断するため、証拠の収集や選別がとても重要となります。しかも、訴訟で請求が認められなかった場合、新しく訴訟を提起することはできないため、負けてしまうと取り返しがつきません。
このような訴訟の特徴から、日常的な仕事や家事をしながら対応することはどうしても難しくなります。訴訟を提起する場合、弁護士への委任は必ず検討しておきましょう。

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特別受益・生前贈与がある場合の遺留分侵害額請求の注意点

特別受益とは、被相続人が相続人に贈与や遺贈をしたことで、相続人が特別に受けた利益のことです。
生前贈与とは、被相続人が亡くなる前に財産を贈与することを言います。生前贈与のうち相続人に対する生前贈与は、特別受益に含まれる場合があります。
遺留分を算定する場合、実際に存在している相続財産に一定の特別受益を加えて、遺留分を計算する基礎財産とします。また、遺留分制度が相続人の生活を保障するために存在していることを踏まえて、自分が生前贈与として受け取っており、特別受益が存在している場合には、遺留分侵害額請求で請求できる金額は特別受益の額だけ減少することになります。
このように自分や他の相続人に特別受益が存在する場合、遺留分侵害額請求の計算が複雑となるため、注意が必要です。

複数の人に対して遺贈や生前贈与を行っている場合

被相続人が、複数の人に対して遺贈や生前贈与を行っている場合、まずは、遺贈を受けた者(受遺者)に先に請求して、生前贈与を受けた者(受贈者)はその後に請求することとされています(民法1047条1項1号)。受遺者が複数いる場合、後に贈与を受けた者から順番に請求をします(3号)。同時に遺贈や生前贈与を受けた者に対して請求する場合は、遺贈や生前贈与の金額に応じて、請求できる金額が定まります(2号)。

税金がかかるケース

相続税の申告・納付の期限は、相続の開始から10か月です。一方で、遺留分侵害額請求は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与等の存在を知った時から1年以内であれば請求が可能です。そのため、相続税の申告・納付の期限後に、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を受けたような場合には、別途、譲渡所得税などの相続税以外の税金を支払うことになる場合があります。
他方、遺留分を侵害している者が、相続税納付後に遺留分侵害額に相当する金銭を支払った場合には、相続税の更正の請求により還付を受けられます。

請求には時効がある

遺留分侵害額請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与等の存在を知った時から1年以内に行使しないと、時効により消滅してしまいます(民法1048条)。1年が経過する前に、遺留分侵害額請求をする内容証明郵便を送る等して、権利行使したことを明確にしておきましょう。
また、相続の開始から10年が経過しても、遺留分侵害額請求権を行使できなくなります。被相続人の死亡をしばらくしてから知った場合には、こちらの制限にも注意が必要です。

遺留分侵害額請求のお悩みは弁護士にご相談ください

特別受益等に該当するかを判断したり、遺留分の金額を算定したりするためには法的な専門的知識が必要となり、専門家の協力なく正確な計算をすることは難しいことが多いです。また、相続手続では、親族間での対立が表面化して、裁判所外での協議による解決が図れず、調停や訴訟に移行することが頻繁にあります。弁護士を利用しておくと、交渉を冷静に進めることで裁判所外での解決の可能性が出てくるだけでなく、調停や訴訟に移行した場合でも手続を円滑に進めることができます。
遺留分についてお悩みの方は、まずは一度、弁護士にご相談ください。

離婚をする際には、子供の親権者を父母のいずれかに決めなければなりません。離婚を目指して、別居に踏み切る場合に注意すべき点を以下でご説明します。

子供を連れて別居した場合の親権への影響は?

子供を連れて別居をした場合としない場合で、離婚後に親権者となることに、どのような違いをもたらすのかご説明します。

子供を連れて別居した方が親権獲得に有利?

父母のいずれが親権者にふさわしいか判断するポイントの一つに、継続性があります。子供の安定した生活環境を守ることが、子供の利益になると考えられ、別居後の監護状況が重視されることによって、別居中に子供と同居していた親が有利となり得ます。

子供を勝手に連れて別居した場合

夫婦間で話し合うことができたにもかかわらず、一方に内緒で子供を連れ去った場合には、親権者争いで不利になることがあります。その場合、子供を取り戻される可能性もあります。

監護者指定について

子供の両親が婚姻している場合は、子供は共同親権に服します。しかしながら、現実に別居しているときは、いずれか一方に監護されることになり、監護者をいずれにするか、当事者の協議、調停又は審判によって決まることになります。
また、監護者の監護権とは、離婚後の親権から財産管理権を除いた子供を監護し育てる権利と義務を意味し、①子供が身分行為を行う際の同意権・代理権②子供の居所を指定する居所指定権③子供をしつける懲戒権④子供が職業を営む際の職業許可権のことです。

別居中の面会交流について

子供と別居中の監護していない親との面会交流に対する裁判所の立場は、子供の健全な成長に重要な意義があるため、面会交流を実施すること自体が子の福祉を害する特段の事情がない限り実施すべきという立場です。そこで、監護親が面会交流に対して寛容であることも親権を認める重要な要素として考えられています。

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子連れ別居は実家に行くことで親権獲得に有利になることも

子供を連れて別居する場合に、専業主婦や正社員でない母親が住居を借りることは現実的に困難です。しかし、実家に戻ることで、親族等の監護の協力が得られ、そのことが親権獲得に有利に働くことになります。

住民票の異動

別居をする際に、住民票を移動させた方が良いかどうか悩まれると思います。離婚の意思が固いのであれば、住民票を移すことで、別居状態になっていることを客観的に証明する証拠になりますし、転入先の自治体で児童手当を受給でき、小中学校・高校や保育園・幼稚園への編入が容易になります。
しかし、配偶者は役所に照会することで転居先を突き止めることができてしまうことから、別居の原因が配偶者のDVの方は、「DV等支援対象者」となることで、居場所を知られない措置を施すことが必要です。

親権者となるための条件

親権者をどちらにするか判断する場合の考慮要素として、監護能力(年齢・性格・教養・健康状態等)、精神的・経済的家庭環境(資産・収入・職業・住居・生活態度等)、居住環境、教育環境、子供に対する愛情の程度、これまでの監護状況、実家の資産、親族の援助の可能性等があります。別居先で、監護環境が安定して、子供達がその状況に適応している場合には、その環境を維持する方向で、判断されることにつながります。

よくある質問

母親が子供を置いて別居した場合、父親が親権を取れるのでしょうか?

夫婦のどちらが親権者になるのが子供の福祉に資するのかという観点から判断され、子供の年齢によりますが、子供が幼少期のころは、母性的な役割を持つ母親が親権者としてふさわしいと判断されやすいです。

高校生の子供と一緒に別居した場合は子供が親権者を選ぶことができますか?

子供の意思・意向も尊重されなければならず、15歳以上であれば、子供の意思の聴取が必ずなされます。ただ、15歳未満であっても、おおむね10歳前後以上であれば、意思を表明できるとして、その意思が確認されています。

母親が子供を連れて別居しても親権者争いで負けることはありますか?

従前の監護が父親によってなされていた家庭においては、その父親と子供を引き離すことは子供にとって、良いことではなく、子供の福祉のためになりません。そのような場合には、母親が親権者としてふさわしくないと判断され、親権者争いで負けることもあります。

別居後の親権についての不安は一人で悩まず弁護士へご相談ください。

別居した後、子供の親権者となるためにすべきことはそれぞれのご家庭ごとに異なります。それぞれのご家庭に合わせたアドバイスをお聞きになりたい場合には、是非、一度弁護士にご相談ください。

子のいる夫婦が別居を開始する場合、子と離れて暮らすことになった親(「非監護親」などといいます)は、一刻も早く子との同居再開を希望されるはずである。その際に利用される手続きが「子の監護者指定・子の引渡しの手続き」です。
以下では、「親権者」と「監護者」との違いにも言及し、監護者指定に関して説明します。

監護者指定とは

監護者指定とは、主に婚姻期間中に別居した夫婦のうち、いずれの親が子を監護するのか(子と一緒に生活するのか)を指定する手続きです。当該手続きは、現在の監護親の生活状況に不安があるとして、一刻も早く子を非監護親に戻すために用いられる手続きです。

親権者指定と監護者指定の違いについて

親権者指定とは、「離婚後」にいずれの親が親権者となるかを決める手続きです。これに対して、監護者指定とは、主として「離婚までの別居中」にいずれの親が子を監護するかを決める手続です。
両者の主な違いは、親権者指定は「離婚後」に、監護者指定は「離婚するまで」に関する事項であるということです。

親権者と監護権者は分ける場合がある

親権とは、「財産管理権」と「身上監護権」によって構成されます。
いずれも親権者の権利ですが、離婚する際、親権者とは別に「身上監護権」だけを有する監護者を別途指定することも可能です。その結果、「親権者」と「監護者」とが分離することがあります。
例えば、親権者が長期間海外赴任する場合、子の「財産管理権」を海外赴任する親が取得し(親権者)、子の「身上監護権(子と一緒に生活する等)」を日本に残る親が取得します(監護者)。
もっとも、裁判所は、親権者と監護者が別人になることに肯定的ではありません。そのため、親権者と監護者とを分離する場合は、レアケースです。

親権者と監護権者が実際に分けられた判例

母親である相手方が、申立人である父親と子との面会交流に積極的であることを前提に、調停により相手方に親権(監護権を含む)を与えたにもかかわらず、相手方が子に面会交流を拒否させた事例において、親権者と監護権者を分ける審判が行われました(福岡家庭裁判所 平成26年12月4日審判)。

監護者指定の判断基準

監護者指定は、①子の従前の監護状況、②子の現在の監護状況、③父母の監護能力(監護態勢)、④子の事情などを前提に判断されます。
このうち①~③は、「親側の事情」、④は「子の事情」です。
「親側の事情」とは、

  • 子の出生から別居に至るまでの間、育児にどのように関与してきたか
  • 別居から現在に至るまでの間、子の成長等にあわせて適切な監護が実施されているか
  • 心身の健康状態や経済状況
  • 監護補助者(監護を助けてくれる者の存在)の有無
  • 非監護親と子との交流(面会交流)に関する許容性

などです。
「子の事情」としては、

  • 子の年齢
  • 心身の発育状況
  • 父母との親和性

などです。

子供の年齢によって監護者を判断する場合もある

監護者を判断するうえで、「親側の事情」のみならず、「子の事情(意向)」も尊重される場合があります。もっとも、子の判断能力は未成熟ですので、おおよそ15歳以上であれば、子の意向が尊重される傾向にあります。

離婚時・離婚後の監護者指定の流れ

離婚時の監護者指定は、親権者の指定と並行して、主に離婚協議時に行われます。そのため、親権者の指定と同様に、当事者の合意だけで監護者を指定することは可能です。もっとも、「離婚届」には、親権者しか記載する欄がないため、後日の紛争を防止するため、監護者を指定した際には、離婚協議書などにその旨を記載する必要があります。
他方、離婚後の監護者指定の場合には、家庭裁判所に申し立てて行います。このとき、家庭裁判所は、親権と監護権との分離に消極的ですので、親権者に育児放棄や虐待等の問題がある場合、監護者指定ではなく、親権者変更の手続きがよいでしょう。

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監護者の指定調停

子の監護者指定の調停とは、家庭裁判所の調停委員会を介して、いずれの親が監護者になるべきかについて協議する手続きです。もっとも、調停はあくまでも交渉の延長です。そのため、父母いずれか一方にしか指定されない監護者指定は、調整(互譲)を前提とする調停には馴染みません。

指定調停を申し立てるためには

監護者指定の調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。その際には、子1人につき1200円の収入印紙と連絡用の郵便切手が必要です。
また、申立書や当事者目録、未成年者の戸籍謄本などの提出が必要となります。

監護者指定調停の流れ

調停を申立てた後、1~2か月後に初回期日が設定されます。
調停期日には、当事者双方が出席し、それぞれ別々に調停委員会から意見を求められます。そのため、事前に、自身が監護者として適格である理由を整理しておいた方が良いです。なお、当事者の一方が調停室に入室している際、もう一方の当事者は待合室で待機します。
調停期日を重ねながら、双方当事者の意見を整理していきますが、いずれも自身が監護者として適格であると主張するため、調停では結論を出すことができず、その場合には審判に移行します。

別居中でも監護者指定することはできます

監護者指定の手続きは、婚姻中で別居している場合に主にとられる手続きです。というのも、監護者は、別居期間中、子と一緒に生活をします。その結果、監護親は、子の監護実績を積むことができ、親権を争う際、「子の監護実績」を主張することができます。
そのため、別居期間中の監護者指定手続きは、親権獲得の前哨戦としての意味合いもあります。

監護者指定審判の流れ

申立てから1カ月程度で初回期日が設定されます。
初回期日では、当事者双方が審判廷に赴き、裁判官から補充の質問がなされます。
その後、当事者双方が一方当事者の主張に対して、反論したり、新たな主張をしたりして、争点を整理していきます。 
また、主張整理と並行して、家庭裁判所の調査官による調査が実施されます。例えば、当事者との面談、家庭訪問、教育施設への聞き取り調査などです。調査官は、調査結果を報告書にまとめ、裁判官に提出します。
主張整理と調査報告書の提出がなされた後、裁判官より判断(審判)が下されます。

どのくらいの期間がかかるのか

裁判官が判断(審判)を下すまでの期間は、子の監護状況等を正確に把握するため、事案によって異なります。例えば、聞き取り調査を行う施設等が多い場合、家庭裁判所調査官の調査も長期化します。
そのため、審判が下されるまで、おおよそ半年~1年程度の期間を要します。

審判後の流れについて

審判の結果、監護者と指定された親は、一方の親に対して、子の引き渡しを求めることが可能となります。引き渡しを求める方法は、任意に引き渡してもらう以外にも①履行勧告や②強制執行といった手続きがあります。②の強制執行とは、例えば、執行官が自宅などに赴き、監護者と指定された親に子を引き渡す手続きなどです。

監護者指定審判の即時抗告について

監護権を得られなかった親は、「即時抗告」を申し立てることによって、原審の決定内容の取消しまたは変更を求めることができます。なお、「審判書の送達を受けた日の翌日から数えて2週間以内」という期限があること、申立先は「審判をした家庭裁判所(原審)」であることに注意が必要です。

監護者指定・子の引き渡しの審判前には保全処分をする

監護者指定の審判が下されるまでには、半年~1年程度の期間を要します。その期間は、相手方が子を監護することになります。しかし、相手方が同居中の監護に一切協力していなかったり(子の監護に不慣れ)、暴力をふるっていたり(子の生命の危険)していた場合など、今すぐ子を引渡す必要が高い場合、保全処分も申立てます。
また、審判が下されるまでの間、相手方が子を監護するため、裁判所より「監護継続性の原則(現在の監護者が引き続き監護した方が良いという考え方)」を前提にした審判が下される可能性もあります。そのため、審判決定前に仮の監護者の指定を受け、子の引渡しを命じてもらうこともあります。

よくある質問

監護者指定審判では父親と母親はどちらが有利ですか?

子の年齢にもよりますが、「母性優先の原則」として、子の監護者指定の審判では母親が指定されやすい傾向にあります。しかし、「母親」ということのみをもって、監護者として指定されるわけではありません。
そのため、父親であっても、従前の監護状況や母親が監護者としての適格性を有していない状況等を主張立証することによって、監護者と指定されるケースも増えてきています。

子供が配偶者に連れ去られた場合、監護者はどちらになりますか?

子を連れ去った(別居を開始した)理由によって、連れ去りの事実が監護者を指定するうえでの考慮要素となったりします。例えば、配偶者のDVから逃れるために小さい子と一緒に別居を開始した場合や配偶者が同居期間中一切監護に関与していない場合など連れ去る(子を一緒に連れて行く)理由がある場合には、連れ去りの事実をもって、現監護親に不利な判断がなされることはない傾向にあります。
他方、子を一緒に連れて行く正当な理由がない場合には、非監護親に有利な認定がされることもあります。

監護者指定がされて面会交流後に子どもが連れ去られた場合は今後も面会交流をしないといけませんか?

子が連れ去られた場合(従前の約束を守らない場合)、面会交流を実施しないという対応もないわけではないかもしれません。もっとも、面会交流は、子にとっても非監護親と交流できる貴重な機会です。そのため、例えば、面会交流の方法をビデオ通話や手紙のやり取り等に変更したり、第三者機関を利用したりするなどし、折衷案を模索するということも1つの手法です。

祖父母が監護者になることはできますか?

特別な事情により、祖父母が監護者と指定される場合がないわけではありません。
もっとも、特別な事情とは、親権者が育児放棄をしているため従前より祖父母が子を監護していた等のレアケースなものです。

調停離婚と監護者指定の調停は同時に申立てることができますか?

離婚調停と監護者指定の調停を同時に申し立てることは可能です。
もっとも、この場合には親権(監護権)が争点となるため、監護者指定の調停を先行して行い、監護者指定の結論を踏まえて、離婚協議に移行したりします。
そのため、離婚が成立するまでの期間は、親権(監護権)が争点にならない場合と比べて、長期化する傾向にあります。

離婚時の監護者指定について経験豊富な弁護士に相談してみましょう

監護者として指定されたい場合、ぜひ弁護士にご相談ください。
監護者指定の手続きは、離婚協議とは異なり、互いに歩み寄り(互譲)することが困難です。そのため、裁判官に自身が監護者として適格であると判断されるため、主張立証を重ねる必要があります。また、経験豊富な弁護士の場合「何を」「どのように」主張立証すればよいのかを把握しています。殊に、男性側が監護者として指定されるためには、裁判官を相応に説得する必要があります。
「最終的に親権者になれば良い」などと安易に考えず、なるべく早い段階で弁護士にご相談ください。

被相続人が亡くなり、その遺産の分割方法について話し合いがつかない場合には家庭裁判所の遺産分割調停手続きを利用することができます。以下では、遺産分割調停手続きをご説明します。

遺産分割調停とは

遺産分割調停は、家庭裁判所の調停手続きを利用して、遺産を相続人間で具体的に分けることを目的とする調停です。

遺産分割調停の流れ

遺産分割調停の流れを解説します。

必要書類を集める

被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本及び相続人全員の住民票等を役所で取得します。

相続人全員の住所が必要なことに注意が必要

遺産分割調停は、相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものであり、相続人全員が確定している必要があり、住所不明の人がいる場合は、家庭裁判所では受理されません。

未成年・認知症の相続人がいる場合は代理人が必要

相続人の中に未成年者や認知症の方がいる場合には、その人の代わりに調停に出席する代理人を立てる必要があります。

管轄の家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる

相手方として調停を申し立てられた人のうちの一人の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者間で合意した家庭裁判所が管轄権を有します。申立書一式は郵送でも、家庭裁判所の受付窓口に直接提出しても受け付けてもらえることができます。

申し立てにかかる費用

被相続人1人につき収入印紙1200円分が必要です。その他連絡用の郵便切手代がかかります。

2週間程度で家庭裁判所から呼出状が届く

申立人が作成した遺産分割調停の申立書に問題がなければ、申立書と期日呼び出し状が相手方とされた相続人(ら)に届きます。

調停での話し合い

当事者は原則として1人ずつ交互に調停室に入り、調停委員に自分の言い分を伝えます。調停では、1人でも反対する人がいると調停は成立しないので、第2回、第3回…と期日が指定され、調停が進められます。

調停成立

調停で当事者間で話し合いがまとまれば調停は成立し、裁判所で調停調書が作成されます。調停調書は債務名義の一種とされ、調書の内容に従わない当事者に対し、強制的に執行することが可能になります。

成立しなければ審判に移行する

調停で話し合いがまとまらずに不成立となった場合には、自動的に審判手続きに移行します。

調停不成立と判断されるタイミング

調停では、回数制限はありません。しかしながら、調停期日を何回も重ね、合意ができる目処が立たなくなると、調停委員会が不成立の判断をすることがあります。

遺産分割調停にかかる期間

調停は1~2ヶ月に1回のペースで開かれ、半年から1年程度かかります。双方約30分ずつ交代で2回ほど調停室内に入るので、1回の調停手続期日にかかる時間は、おおむね2時間程度です。

遺産分割調停のメリット

遺産分割調停手続きのメリットを説明します。

冷静に話合いを行うことができる

当事者間で対立があっても、調停手続きの最中は相手方と顔を合わせることがなく、調停委員から相手方の主張や返答を伝えられるので、冷静に話し合いを行うことができます。

遺産分割を進めることができる

仮に調停手続きが不成立となった場合でも、審判手続きに自動的に移行し、裁判官が判断してくれるので、最終的に解決することができます。

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遺産分割調停のデメリット

遺産分割調停のデメリットを説明します。

希望通りの結果になるとは限らない

あくまでも調停手続きは話し合いで決着するための手続きですので、必ずしも当事者の希望通りの結果になるとは限りません。

長期化する恐れがある

話し合いという性質上、決着がつくまでに長い時間を要します。

基本的に法定相続分の主張しかできない

被相続人の遺産について、基本的に法定相続分に従って分割されることになるので、当事者は法定相続分の主張しかできません。

遺産分割調停で取り扱えないもの

使途不明金、葬儀費用、祭祀承継、扶養や介護の問題及び遺言書の効力といった問題は、本来の遺産分割の問題ではないため、話し合いの目処がつかないのであれば、遺産分割調停とは別に申し立てる必要があります。

遺産分割調停を欠席したい場合

調停は平日行われ、土日祝日は開催されません。都合がつかない方は、弁護士に依頼して、代わりに調停手続きに行ってもらう必要があります。

遺産分割調停の呼び出しを無視する相続人がいる場合

遺産分割調停の呼び出しに応じない相続人がいた場合、調停手続きは不成立になりますが、審判手続きでは裁判官によって当事者の出席の有無を問わず、判断がなされることになります。

遺産分割調停は弁護士にお任せください

遺産分割調停は、内容や手続きが専門的で、ご自身での対応が難しいため、弁護士にご依頼することをお勧めします。

遺産分割を進めていくにあたって疑問となることは多いと思います。以下では、どのように遺産分割を進めていけばよいのか、遺産分割協議の流れや協議がまとまらなかった場合などについて説明していきます。

遺産分割協議開始前に確認しておくこと

遺産分割協議を開始する前には、そもそも相続人が誰であるか、遺産にはどのような物があるかを確認する必要があります。以下、解説していきます。

相続人全員がそろっていることを確認する

遺産分割協議は、共同相続人全員が共同して行う必要があります。共同相続人の1部の人が協議に参加しなかった場合などには、その遺産分割協議は無効となってしまいます。
したがって、遺産分割協議を行う前に、必ず戸籍謄本等を利用して、共同相続人の全員が誰であるかを確認する必要があります。

相続する財産を把握できているか確認する

遺産分割協議を開始する前に、被相続人の財産にどのようなものがあるかを確認しておくと、スムーズに話し合いを進めることができます。預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も確認しましょう。把握できた全ての財産を一覧表にした財産目録を作成しておくと、話し合いをする際に役立ちます。

遺産分割協議の流れ

遺産分割協議は、相続人を確定するところから始まります。次に、共同相続人全員で被相続人の遺産にどのような物があるかを確認します。相続人と遺産の範囲が確定したら、どの遺産を誰が相続するか(分け方)について、話し合いをします。話し合いがまとまったら、遺産分割協議書という形の合意書を作成して遺産分割協議は終了となります。これが、原則的な遺産分割協議の流れです。

遺言書がある場合の遺産分割協議

以上で解説したのは、遺言書がない場合の遺産分割協議の流れです。遺言書が存在する場合は、以上とは異なる流れになります。以下、解説していきます。

遺言書が詳細に書かれており、内容に不満がなかった場合

遺言書の内容に不満がなければ、特に問題はありません。その遺言書どおりに遺産を分けましょう。遺言書に、どの遺産を誰に相続させるかなどが詳細に書かれている場合には、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

遺言書の内容に不満がある場合

遺言書の内容に不満がある場合には、他の相続人と話し合いをする必要があります。原則として、遺言書に記載された方法で遺産を分ける必要がありますが、必ずしも遺言書どおりに分けなければならないというわけではありません。共同相続人全員で話し合って、遺言書と異なる内容で合意した場合には、その合意通りに遺産を分けることもできます。
ですので、遺言書に記載された内容に不満があるのであれば、他の相続人と協議して、自分の要望を伝えましょう。話し合いがうまくいけば、遺言書と異なる内容の分割をすることができるかもしれません。

割合のみで具体的な内容が書かれていなかった場合

例えば、遺言書に、「長男に2分の1、4分の1、三男に4分の1を相続させる。」というように記載されていた場合には、どのようにすればよいのでしょうか。
結論としては、誰がどの遺産を取得するかについては、全く決まっていない状態ですので、共同相続人全員で協議して、これを決める必要があります。決める際には、原則として、遺言書に記載されていた割合のとおりに決める必要がありますが、共同相続人全員で、遺言書に記載されていた割合と異なる割合で遺産分割をすることに合意した場合には、例外的に、遺言書に記載されていた割合と異なる割合で遺産を分けることができます。

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遺産分割協議で話し合う内容

話し合う内容は、端的にいうと、誰が、どの遺産を、どのような方法で取得するかです。
例えば、相続人は、長男と二男の2人、遺産に、5000万円の不動産が一つ、預貯金3000万円がある場合でいうと、どちらが不動産を相続するのか、長男が不動産を相続して二男が預貯金を相続した場合に、長男の方が2000万円多く相続することになるが、この差をどのように調整するかなどを話し合います。このケースですと長男が不動産を取得する代わりに、二男に対して差額の2000万円の半額である1000万円を支払うといった形で処理されるのが一般的です。あるいは、そもそも長男が1000万円の現金を用意することができない場合には、不動産を第三者に売り払って、売却代金を二男と分け合うといった方法も考えられます。ほかにも、長男と次男が不動産と預貯金をそれぞれ半分ずつ相続するといった方法も考えられます。

話し合いは電話やメールでも構わない

話し合いは、直接会って口頭でしなければならないというものではなく、電話やメールなどでしても差し支えありあません。結局は合意さえできれば、どのような方法でも問題ありません。

話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成する

話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成して全員で署名・押印をする必要があります。遺産分割協議書を作成するのは、後の争いを防止するだけでなく、不動産の名義を変更する場合や、預貯金口座を解約する際にも必要となります。
遺産分割協議書を作成しなくても遺産分割が無効であるというわけではありませんが、後のトラブル防止のためにも遺産分割協議書は必ず作成しましょう。

遺産分割協議証明書でもOK

遺産分割協議書と似て非なるものとして、遺産分割協議証明書というものがあります。これは、記載された内容どおりの遺産分割が行われたことについて、共同相続人の1人が証明する書面です。遺産分割協議書との違いは、遺産分割協議書が共同相続人全員によって作成される書面であるのに対し、遺産分割協議証明書は共同相続人の1人が作成するものであるという点です。
どのような場合に遺産分割協議証明書が作成されるかというと、長男と二男の2人が相続人の場合において、遺産分割協議がまとまったが、遺産分割協議書を作成する前に長男が死亡してしまったときのように、共同相続人全員で署名・押印する遺産分割協議書を作成することができない場合に作成されます。
遺産分割協議証明書の効力は遺産分割協議書と同等であると考えられております。

遺産分割協議がまとまらなかった場合

遺産分割協議は、当事者が感情的になってしまったりすることも多く、話し合いをしてもまとまらない可能性も十分にあります。そのような場合には、裁判所に遺産分割調停を申し立てることをお勧めします。遺産分割調停では、中立的な裁判所が当事者の間に入って話し合いを進めてくれますので、当事者だけで話し合うよりも合意がまとまる可能性が高くなります。
仮に、合意をすることができなかったとしても、最終的には、裁判所が審判という形で一定の結論を出してくれますので、決着がつかないということはありません。

遺産分割協議で揉めないために、弁護士にご相談ください

遺産分割協議については、一度弁護士に相談することをお勧めします。
遺産分割協議は、当事者が感情的な対立をすることによって冷静な話し合いをすることが困難な場合が多いです。また、そもそも、戸籍謄本の取得や遺産目録の作成など事前準備も大変です。弁護士であれば、当事者の間に入って冷静に話し合いを進めることができますし、戸籍謄本等の資料も集めたり、遺産目録や遺産分割協議書等の書類を作成することもできます。
遺産分割をどのように進めていけばいいのかわからない場合、遺産分割を進めていて話し合いがまとまらなかった場合、話し合いがまとまって遺産分割協議書を作成したい場合などには、迷わず弁護士に相談しましょう。

離婚にあたっては、子どものことやお金のことなどいろいろと決める必要があります。その中の一つが、結婚している間に形成した財産について清算する、財産分与です。
本コラムでは、財産分与の中でも特に車の財産分与に焦点を当てています。車を財産分与する場合の分け方や評価の方法、財産分与に伴う手続等、車の財産分与についてお悩みの方は、ぜひ本コラムをご覧ください。

車を財産分与する方法

財産分与をする場合、基本的には夫婦間の財産を2分の1で分けることになります。預金や現金の場合は金額が2分の1になるように分ければいいのに対して、車の場合は物理的に2分の1に分けるわけにはいきません。そこで、車の財産分与をする場合には、財産分与に適した状態を作るために次の二つの方法が考えられます。

売却する

最も簡単な方法は、車を売却してしまい、売却で得られた利益を分けるという方法です。夫婦のどちらも財産分与の対象となる車を必要としていない場合には、売却も検討してみるのがよいでしょう。
売却で得られた利益は、基本的には2分の1ずつ分けることになりますが、夫婦の一方が婚姻以前の貯蓄から頭金を出していたり、ローンの支払をしていたりする場合には、その点を考慮して分与の割合を変更することもできます。

車の評価額の半分を支払い、片方が乗り続ける

一方で、売却してしまうと車を使い続けることができなくなるので、夫婦の一方が財産分与の対象となる車を必要としている場合には、売却は適切な方法とは言えません。そこで、そのような場合には、夫婦の一方が車を受け取り、車の評価額をベースとした金銭(代償金)を支払う方法を取ることになります。代償金の金額は基本的には評価額の2分の1ですが、売却益を分ける場合と同様に、頭金の支払等を考慮して金額を変えることもできます。
代償金として現金を支払う以外に、宝石や時計等の高価な財産がある場合には、代償金と同額になるようにそれらを渡すという方法を取ることも考えられます。

車の評価額は何を参考にすればいい?

車を財産分与する場合、代償金を支払うときはもちろん、車の売却をするときでも、車の現在の価値が重要となります。
車の評価額を決める方法としては、買取業者等による査定の他に、オートガイド自動車価格月報(通称レッドブック)を使うことが考えられます。レッドブックはメーカー、車種、年式、形式別に中古車の価格を掲載しているので、これを参考にして財産分与の対象となる車の評価額を決定することができます。他にも、現在はインターネット上で中古車の売買が行われているので、インターネット上での売出価格を参考にすることも考えられます。

財産分与の対象にならない車もある

夫婦の一方が所有している車であれば、必ず財産分与の対象になるかというと、必ずしもそうではありません。財産分与は、あくまで夫婦が共同して形成した財産(共有財産)を対象とします。例えば、結婚前から所有していた車や、結婚後に親から譲り受けたり相続したりした車は、共同で形成した財産ではなく夫婦の一方だけの財産(特有財産)なので、財産分与の対象にはなりません。
また、購入から長期間が経過している場合や、車のローン残額が評価額を上回っている場合(オーバーローン)には、車に財産的な価値が認められないので、一般的には財産分与の対象にしません。

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財産分与の対象になるのはどんな車?

「3 財産分与の対象にならない車」を除いた車であれば、基本的には財産分与の対象となります。具体的には、結婚後に貯めた貯蓄で購入した車や、結婚後に自動車ローンの支払をした車は、基本的に財産分与の対象となります。
なお、ローンが残っている場合は、ローン残額が評価額を下回っているとき(アンダーローン)でも、財産分与の対象となるのは評価額からローン残額を差し引いた金額に限られます。

共有財産であれば名義は関係ない

車が共有財産にあたるのであれば、車の名義が夫婦のどちらになっているかに関係なく、財産分与の対象とすることができます。財産分与にあたっては、財産の形成にあたって夫婦の協力関係があったかが重要であり、実際の名義がどうなっているかは重要ではないためです。

特有財産であっても、車の維持費の出どころ次第では財産分与の対象に

車が特有財産にあたる場合でも、車に関する税金や保険料、車検に要する費用等の維持費を夫婦の共有財産から工面している場合には、財産分与の対象となる可能性もあります。維持費がどのように捻出されているかは、できる限り把握しておく方が望ましいと言えます。

財産分与で車をもらったら、名義変更は必ずやりましょう

財産分与によって、元々は相手の名義となっていた車を取得した場合には、必ず自分の名義に変更しておきましょう。手続に相手の協力が必要なことも考えると、名義変更は離婚前に済ませておく方が望ましいです。相手が離婚を望んでおり、車の分与に応じてくれていたような場合には、離婚後には名義変更の手続に協力してくれない可能性もあります。
なお、車にローンが残っている場合、車の所有者はローン会社となっていることが多いです。その場合には、ローン完済前には、基本的には名義変更はできません。

普通自動車を名義変更する場合

普通自動車の場合には、財産分与を受けた人の住所を取り仕切る運輸支局で、名義変更の手続を行うことになります。まず、登録手数料となる500円分の収入印紙を貼付した手数料納付書を用意し、必要となる書類とあわせて運輸支局の窓口に提出します。すると、車検証の交付を受けられます。最後に税金の申告をして、名義変更の手続が完了となります。
場合によっては、自動車取得税の支払が生じることもあります。また、ナンバーを変更する場合には、変更の手続を別途行う必要があります。

軽自動車の場合

軽自動車の場合、申請窓口が軽自動車検査協会となり、必要書類が普通自動車の場合と異なります。もっとも、その他の名義変更の手続の流れは、基本的に普通自動車の場合と同様です。軽自動車の場合、手続自体は無料で行うことができます。
場合によっては、軽自動車税(環境性能割)の支払が生じることがあります。

自動車保険の名義変更は?

車の名義変更をする際に、あわせて自賠責保険や任意保険も名義変更をしておくようにしましょう。
自賠責保険は、人ではなく車にかけられている保険なので、仮に名義変更前に交通事故を起こした場合でも保険金は支払われます。しかし、手続にあたって、名義人である元夫や元妻の協力が必要となってしまいます。
任意保険の場合、夫婦間で引継ぎが生じる場合には、等級が維持されます。新規加入するより保険料が抑えられる可能性があるので、新規加入よりも有利な場合には任意保険も名義変更をしておきましょう。
車自体の名義変更と同様に、保険の名義変更も、相手の協力が得やすい離婚前に行うことが望ましいです。

車の財産分与で分からないことがあったらご相談ください

車の財産分与の場合には、どちらかが自動車を引き取るのか、自動車の評価をどうするか、頭金等を考慮するのか、どのように分与するのかなどなど、一筋縄ではいかない部分が少なくありません。当事者間で話し合っている分与の方法が適正なものと言えるか、悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
専門家である弁護士であれば、どのように財産分与をすべきかについて、法的な知見を踏まえたアドバイスをさせていただくことができます。また、他の事件での経験を活かして、車の査定の取得等も円滑に行うことができます。
車を含めた財産分与でお悩みの際は、まずは一度弁護士にご相談ください。

夫婦が離婚をする際に、婚姻関係中に夫婦で築いた財産については、財産分与が行われることが一般的です。その際に、夫や妻の退職金が財産分与の対象とされることがあります。
このページでは、退職金が、どのような場合に財産分与の対象となるか、対象となった場合の請求方法や分与の対象となる割合などを詳しく説明していきます。

退職金は財産分与の対象になる?

夫(妻)の給与を貯金していた場合、専業主婦(夫)の妻(夫)は、離婚時に財産分与として、2分の1を分けてもらえます。妻が家事をするなどして夫を支えていたから、夫は働いて給与を得ることができたと考えるのです。そして、退職金は、給与の後払い的な性格があるとされていることから、財産分与の対象財産となり得るのです。
もっとも、財産分与の対象財産となるのは、結婚して同居していた期間となりますので、退職金の全てが対象とはならない場合があります。

自己都合かどうかによる影響はあるか

定年退職に比べ、自己都合で退職した場合は、退職金の額が低くなることが多いでしょう。
退職金を財産分与の対象財産として計算する場合、別居時や離婚時など、同居が解消された日(財産分与の基準時といいます)に、自己都合退職をした場合を想定して、退職金の額を算定とすることが一般的です。したがって、基準時に、すでに定年退職によって退職金が支給されている場合には、高い退職金の額を分与することになりますが、未だ定年退職をしていない場合は、自己都合退職を前提とした低い金額となりますので、自己都合退職かどうかによって影響があるといえます。

退職金を財産分与するときの計算方法

退職金を財産分与するときの計算方法ですが、すでに退職金が支払われている場合と、まだ支払われていない場合とで違いがあります。以下で詳しく説明していきます。

すでに支払われている退職金について

退職金がすでに支払われている場合ですが、すでに費消している部分も含め、預貯金として夫婦共有の財産となっていることが一般的かと思います。そこで、財産分与の基準時に、すでに支払われている退職金があれば、その残っている分が財産分与の対象財産となります。したがって、すでに支払われている退職金が、基準時の時点で費消されてなくなっている場合は、財産分与の対象財産とはならないことになります。

まだ支払われていない将来の退職金について

まだ支払われていない将来の退職金については、基準時に退職したと仮定して計算をします。
具体的には、
離婚時に自己都合退職したとしてもらえる退職金×婚姻期間÷勤続期間÷2
となります。
なお、婚姻期間については、夫婦の実態がないと評価できる別居期間があれば、別居期間を婚姻期間から除いて計算します。

退職金の請求方法

話し合い

財産分与の請求方法としては、まずは話し合いをする方法が考えられます。
話し合いの際には、不公平が生じないためにも、夫婦の財産がお互いにいくらあるのか、全ての財産をお互いが出して協議をする必要があるでしょう。
別居している場合は、言った言わないを防止するためにも、メールやLINEを使って証拠として残る形で話合いや請求をしておくと良いでしょう。
夫婦での話合いがまとまった場合には、相手方にしっかりと払ってもらえるように、公正証書にしておくと良いでしょう。

離婚調停での話し合い

話し合いで解決が見込めない場合や、話合いをしたが話がまとまらなかった場合には、家庭裁判所に対して、調停を申し立てると良いでしょう。
相手方の住所を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てます。
離婚前であれば、夫婦関係調整調停(いわゆる離婚調停)で他の離婚条件とともに財産分与の話合いをすることができます。離婚後の場合は、離婚の日から2年以内に財産分与請求調停を申し立てる必要があります。
家庭裁判所には、申立書、夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)、夫婦の財産に関する資料(財産分与請求調停の場合)を提出して申立てます。

調停のあとは離婚裁判

財産分与請求調停を申し立てた場合に、話合いがつかず、調停が不成立になる場合があります。その場合は、自動的に審判手続きに移行しますので、裁判官が、審判において、財産分与について判断をすることとなります。
離婚調停の中で財産分与を求めていたものの、話合いがつかなかった場合は、調停が不成立となります。その後は、自動的に審判に移行することはありませんので、離婚訴訟を提起して、訴訟のなかで財産分与を求めていくことになります。訴訟では、退職金が財産分与の対象となることや、対象金額などを主張するとともに、根拠となる証拠を提出する必要があります。

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財産分与で退職金がもらえる割合

財産分与で退職金がもらえる割合は、基本的に2分の1です。この割合は、夫婦の一方が専業主婦(夫)であっても変わりません。これは前述のとおり、妻が家事をするなどして夫を支えていたから、夫は働いて給与を得ることができたと考えるのです。
もっとも、夫婦の話合いによって割合を変えることは自由ですので、退職金の割合を6対4とすることなどもできます。

退職金の仮差押

差押えとは、裁判所が財産を押収することを言いますが、仮差押えとは、この差押えをする前に財産の処分をされてしまうのを防ぐために行うものです。退職金も、財産分与の前に処分され、分与できなくなってしまっては意味がありません。そこで、退職金の処分を防ぐために仮差押を行うことが有効となるのです。以下で、退職金の仮差押について詳しく説明していきます。

仮差押の方法

仮差押は、地方裁判所に対して、仮差押えの申立てを行います。
仮差押えの申立ての際に、仮差押えの対象となる財産をあらかじめ明らかにする必要があります。
退職金の場合には、退職金を支給する相手方の勤務先の情報、勤務開始時期、退職見込み時期などの情報が必要となります。また、あらかじめ仮差押えをする必要性を主張しなければなりません。内容としては、財産分与対象財産として退職金以外にめぼしい財産がなく、これを相手方が受け取ると費消してしまうおそれがあることを主張しなければなりません。
さらに、仮差押えの申立てには、債権額の10~20%程度の担保金を裁判所に納める必要があります。

退職金についてのQ&A

夫が公務員の場合、退職が10年以上先でも財産分与してもらえるの?

公務員の場合は、まじめに働けば、景気に左右されることなく働き続けることができますので、退職金を受け取ることがほぼ確定しているといえるでしょう。したがって、公務員の場合は、定年退職までの期間が10年以上あるなど、比較的長期間の場合であっても、退職金が財産分与の対象財産であると判断されることがあるでしょう。

もらえる予定の退職金を財産分与で前払いしてもらうことは可能?

上述のとおり、公務員の場合は、退職金の支払がほぼ確定していますので、退職金を財産分与の対象財産として計算し、他の財産とともに財産分与を行うことができるでしょう。その場合は、退職金について、財産分与で前払いをしてもらった状態になります。

別居中に相手に退職金がでていることがわかりました。財産分与できますか?

前述のとおり、財産分与の対象となる退職金の範囲は、結婚してから別居するまでの間となります。単なる単身赴任であれば別居にはあたりませんが、離婚を切り出して別居するなど、夫婦としての実態がなくなった場合には、その期間は退職金を計算するうえで除外される期間となります。
したがって、別居中であっても、別居期間を除いて退職金を計算し、財産分与の対象となる退職金の範囲で、財産分与を求めることができます。

共働きの夫婦が離婚するときも退職金は財産分与の対象ですか?

共働きの夫婦が離婚する場合に、いずれも退職金が支給される場合には、いずれの退職金も財産分与の対象となる可能性があります。ただし、退職金を受け取る蓋然性があるかどうかや、支給までの期間の長いか短いかなどによって、退職金が財産分与の対象財産となるかの結論が変わってきます。

退職金は財産分与の判断が難しいので弁護士に相談して確認してもらいましょう

退職金が財産分与の対象となるかは、個別具体的な事情によって判断されています。
退職金を財産分与の対象財産とすべきか否か、自身にとって有利に主張をしていく必要があります。
もっとも、分与の対象とすべきかどうかの判断には専門的な判断が必要となる場合があります。
そこで、自身や相手方の退職金が、財産分与の対象に含まれるのか疑問に思ったら、是非弁護士にご相談ください。

亡くなった方が、相続人の一人に全ての財産を相続する旨の遺言を残していた場合、相続人として相続するはずであった方は不満に感じることもあるかと思います。相続するはずであった相続人の方は何も相続できないかというと、そうではありません。遺留分侵害額請求という形で、自身の遺留分を主張できるのです。以下では、遺留分について詳しく解説していきます。

遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)について、被相続人(亡くなった方)の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことです。遺留分は、被相続人の生前の贈与又は遺贈によっても奪われることはありません。遺留分の趣旨は、相続人の生活保障を図るものとされています。そして、自身の遺留分を請求することを、遺留分侵害額請求といいます。

遺留分の請求が認められている人

遺留分侵害額の請求が認められているのは、配偶者、直系卑属(子、孫等)、直系尊属(父母、祖父母等)です。後述の通り、代襲相続人も遺留分侵害額請求をすることができます。
相続開始時に胎児であっても、出生すれば遺留分を主張することができます。

遺留分の請求が認められていない人

一方で、遺留分の請求が認められない人はどのような人か、以下で説明します。

兄弟・姉妹

民法では、遺留分を主張できる人を「兄弟姉妹以外の相続人」と規定しています(民法1042条1項柱書)。したがって、兄弟姉妹は遺留分を主張することができません。兄弟姉妹が遺留分を主張できないため、兄弟姉妹の子や孫など、兄弟姉妹の代襲相続人も遺留分を主張できません。兄弟姉妹は被相続人との関係で、経済的に独立していることが多いため、生活保障という遺留分の趣旨が妥当しないと考えられているのです。

相続放棄した人

相続放棄をした人も、遺留分を主張することはできません。そもそも相続放棄をした人は、被相続人の財産の一切を放棄しており、そもそも相続人とはなりませんので、遺留分を請求できる「兄弟姉妹以外の相続人」には当たらないのです。

相続欠格者にあたる人

相続欠格者にあたる人も遺留分を主張することはできません。相続欠格者とは、被相続人に対する殺人、殺人未遂で刑に処せられた人や、詐欺・脅迫によって遺言を書かせた人などです(民法891条各号を参照)。

相続廃除された人

相続排除をされた人も遺留分を主張できません。相続排除をされた人は、相続人として扱われなくなるため、遺留分を請求することもできなくなるのです。

遺留分を放棄した人

家庭裁判所の許可を得て、あらかじめ遺留分の放棄をすることができます。遺留分を主張できるにもかかわらず、遺留分を放棄したのですから、遺留分を主張できなくなります。

遺留分侵害額請求権と代襲相続

例えば、被相続人である祖父が亡くなる前に、すでに父が亡くなっている場合、孫が、祖父を相続することとなります。これを代襲相続といいます。
代襲相続があった場合であっても、代襲相続人も相続人ですから、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分の割合

各相続人の具体的な遺留分割合
相続人 全員の遺留分の合計割合 配偶者 子供 父母 兄弟
配偶者のみ 1/2 1/2 × × ×
配偶者と子供 1/2 1/4 1/4÷人数 × ×
配偶者と父母 1/2 2/6 × 1/6÷人数 ×
配偶者と兄弟 1/2 1/2 × × ×
子供のみ 1/2 × 1/2÷人数 × ×
父母のみ 1/3 × × 1/3÷人数 ×
兄弟のみ × × × × ×

遺留分割合は、直系尊属の場合のみ相続人になる場合には3分の1×法定相続分、それ以外の遺留分権利者の場合は2分の1×法定相続分の計算式で算出されます。
たとえば、父、母、子(姉)、子(妹)の家族で、父が死亡し、子(姉)に全ての遺産を相続させる旨の遺言が残されていた場合、母の遺留分は、2分の1×2分の1(法定相続分)、子(妹)の遺留分は、2分の1×4分の1(法定相続分)で算出されます。したがって、母は、被相続人の相続財産の4分の1、子(妹)は、8分の1の割合で、遺留分侵害額請求をすることができることになります。

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遺留分の計算方法

遺留分の計算方法は、
(被相続人の相続財産+贈与した財産のうち遺留分算定に含まれる財産−相続債務)×遺留分割合
となります。
ない、財産には不動産や有価証券等、評価をすべきものが含まれる場合、その評価をめぐって争いになることもありますので、注意が必要です。

遺留分を貰うには、遺留分侵害額請求を行う

遺留分をもらうには、遺留分侵害額請求を行う必要があります。
遺留分侵害額請求は、上で述べた遺留分算出の計算を行い、金銭的な請求をしていきます。
遺留分侵害額請求にも時効があり、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に行使しなければなりません。

遺留分を渡したくない場合にできること

遺留分は民法で規定された権利ですから、遺留分を侵害してしまった場合に相続財産を渡さないようにする対処法はほとんどありません。遺留分自体を放棄する旨の合意をすることも考えられますが、遺留分権利者がそれに納得して合意してくれるケースというのは少ないでしょう。

遺留分の権利者が亡くなった場合はどうなる?

遺留分権利者が亡くなった場合、遺留分侵害額請求をする権利自体も相続人に相続されます。そこで、相続人は、亡くなった方の遺留分侵害額請求権を引き継いで行使していくことになります。

遺留分に関するお悩みは弁護士にご相談ください

相談につながるようクロージングをお願いします。
遺留分として相続財産を相続することは、遺言を書いた被相続人の気持ちに反するものと考え、遺留分を主張することに戸惑いを感じる方も少なくないかと思います。また、感情的な対立が見込まれる場合、余計に遺留分侵害額請求をすることを躊躇するでしょう。
しかしながら、遺留分侵害額請求は、民法に規定された権利ですから、主張しても何ら非難されるものではありません。ただ、主張方法や計算方法については、専門的な知識が必要となることもあります。
遺留分について、専門的な判断が可能な弁護士に依頼すれば、スムーズに交渉や調停を進めてくれるでしょう。遺留分侵害額請求について悩んだら、是非弁護士にご相談ください。

ご家族がご逝去された場合、故人(「被相続人」といいます。)が有していた財産をどのように分割するか、相続人間で協議して決める必要があります。
しかし、現実には、相続人同士での感情のもつれや、専門的知見が多分に必要となるため、遺産分割協議が長期化したり、難航したりします。
そこで、相続問題、遺産分割協議の問題に精通した弁護士法人ALGの埼玉法律事務所の弁護士が、遺産分割協議について詳しく解説していきたいと思います。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、被相続人が遺した財産について、相続人全員でその分割方法を協議する手続きをいいます。
遺産分割協議は、①相続人の範囲と②遺産の範囲を確定し、③遺産の評価(価値)を決め、④分割方法を決めるという手順を踏みます。

遺産分割協議の注意点

遺産分割協議のやり直しは原則不可

遺産分割は、相続人全員が納得したうえで成立するため、一度決まった協議の内容を覆すことは困難です。そのため、納得しない状態で遺産分割協議書に署名押印することは控えてください。

全員の合意がなければ成立しない

遺産分割協議が有効に成立するためには、相続人全員での合意が必要になります。
そのため、まずは相続人全員を特定する必要があります。自分たち以外には相続人がいないと思っていても、被相続人と前配偶者との間に子がいたり、疎遠になっている兄弟姉妹がいたりする場合もあります。
そのため、相続人を確定させるためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本等を取り寄せるなどの調査が必要となります。

相続人に未成年がいる場合

未成年者は、法定代理人の同意や代理がない場合には法律行為を行えません。また、遺産分割協議も例外ではありません。もっとも、未成年者(被相続人の子)の法定相続人が、被相続人の配偶者(未成年者の母)であった場合、母と子の意見が相違する(利益が相反する)可能性があるため、母が子の代理人になることはできません。
この場合、家庭裁判所に対して「特別代理人」の選任の申立て、未成年者の代理人を選任してもらう必要があります。

相続人に認知症の人がいる場合

未成年者と同様に認知症などの意思能力が不十分な場合にも、遺産分割協議に参加することができません。また、他の相続人がその方の成年後見人として遺産分割協議に参加することもできません(利益相反の可能性)。
そのため、家庭裁判所に対して「成年後見人」や「特別代理人」の選任を申立てます。

遺産分割協議でよく揉めるケース

土地や不動産がある場合

遺産分割協議は、①相続人の範囲と②遺産の範囲を確定し、③遺産の評価(価値)を決め、④分割方法を決めるという手順を踏みます。
遺産に不動産がある場合、③当該不動産の評価や④分割方法で紛争化することがあります。
例えば、現金や預金であれば、その価値について争うことはまずありません。しかし、不動産の場合、取得したい人はその価値を低く評価したいですし、代償金を取得したい人はその価値を高く評価したいはずである。
また、不動産そのものを取得したい、不動産を売却して売却益を分割したいなど、不動産の分割方法について、各相続人の意見が分かれてしまう場合、不動産に関する遺産分割協議は難航してしまいます。

家業がある場合

遺産分割協議は、①相続人の範囲と②遺産の範囲を確定し、③遺産の評価(価値)を決め、④分割方法を決めるという手順を踏みます。遺産に家業(例えば、故人が経営していた会社)がある場合、③当該会社の評価や④分割方法で紛争化することがあります。
例えば、株式を公開している(上場している)会社の場合、1株あたりの株価を争うことは多くありません。しかし、非公開会社の場合、会社の株価(価値)を幾らにするか、どのような計算方法で算出するかについて、難航します。
また、1株あたりの株価(価値)が決まったとしても、誰が家業を引継ぐか(誰が会社の株式を引継ぐか)、会社株式を取得しない相続人に対する代償金の支払をどうするかについても難航します。

相続人以外が参加した場合

遺産分割協議は、あくまでも法定相続人全員の合意で成立します。
しかし、例えば、法定相続人の配偶者も遺産分割協議に興味関心があるところです。そのため、法定相続人が納得していても、その方の配偶者が納得しないため、事実上遺産分割協議が難航するということもあります。

遺産の分割方法

遺産分割の方法は、①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割という方法があります。このうち、遺産が現金や預金等の現金化しやすい財産であれば分割方法で難航することはありませんが、不動産などの場合には分割方法で協議が難航することがあります。

現物分割

現物分割とは、遺産をあるがままに分割する方法です。この現物分割が原則的な方法です。
遺産をそのまま残すことができたり、手続きが簡便であったりしますが、遺産の価値に争いがあったり、具体的な相続分と一致させての分割が困難であったりするため、現金化しやすい遺産で採用しやすい分割方法です。

代償分割

特定の相続人が遺産を引き継ぐ代わりに、他の相続人に対し相続分に応じた代償金を支払う方法です。
例えば、1500万円の価値の不動産を3兄弟の長男が相続し、弟2人にそれぞれ代償金として、法定相続分(3分の1)にあたる500万円ずつを支払うというような場合です。

換価分割

遺産を処分して、その対価を相続人で分割する方法です。
代償金を支払う原資を捻出することができない場合や相続人のいずれも取得を希望しない不動産がある場合等に用いられます。もっとも、売却時期が不透明であったり、売却方法や売却金額等を事前に協議しておいたりする必要があるため、事前準備が必要となります。

共有分割

遺産を具体的相続分による物権法上の共有取得とする方法です。
例えば、不動産を相続人2人で半分ずつの割合で取得するといったような方法です。確かに、不動産をそのまま残すことができたり、相続人間で平等に分配できたりする等のメリットはあります。しかし、後々、その不動産を取り壊す(売却する)といった場合、共有者全員の合意が必要となったり、新たな相続が発生する度に共有者が増え、権利関係が複雑化になったりというリスクがあります。

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遺産分割協議に期限はある?

現行法上は、遺言により制限された場合(民法第908条)を除いて、遺産分割協議の制限はありません。もっとも、遺産分割協議を成立させない限り、遺産を処分することができません。また、遺産分割協議が長期化すると、相続人が亡くなり、その親族が相続人になる必要が生じ(これを「数次相続」といいます。)、相続人が増え続け、全員の合意を取り付けることが一層困難になってしまいます。

遺産分割協議をしないで放っておいたらどうなる?

遺産分割協議を放置しておいた場合、①遺産を利用・処分することができなかったり、②不動産などの税金(固定資産税等)の支払いや管理修繕の費用を捻出する必要がある場合には相続人が負担する費用が増えたりする可能性が生じます。
また、遺産分割協議が成立する前に、その相続人が亡くなった場合、最初の相続が済んでいないのに次の相続が発生してしまいます(これを「数次相続」といいます。)。その結果、相続関係が非常に複雑化してしまいます。

遺産分割協議が無効になるケース

遺産分割協議が無効となるケースとしては、①他にも相続人がいた場合や②未成年者や認知症を患っている方が遺産分割協議に参加していた場合などです。また、遺産分割の重要な事項に錯誤があった場合にも、錯誤による無効が認められる可能性もあります。しかし、後になってから気が変わった、単に不公平だからといった理由で遺産分割協議を無効にすることができません。

遺産分割協議のやり直しが必要になるケース

遺産分割協議をやり直す必要があるケースとしては、上記記載のとおり、他にも相続人がいた場合や未成年者などが遺産分割協議に参加していた場合などです。
また、遺産分割協議後に新たな遺産が見つかった場合には、従前の遺産分割協議そのものをやり直す必要まではなく、新たな遺産の分割方法のみを決めれば足ります。もっとも、従前判明していた遺産と新たな遺産との区別が不明瞭な場合や両遺産を別個に処理することが困難な場合には、遺産分割をやり直す必要があります。

遺産分割協議に応じてもらえない場合にできること

他の相続人が遺産分割協議に応じない場合、その理由を明確にする必要があります。例えば、遺産の評価を理由にしているのか、分割方法を理由にしているのかなどです。また、当事者同士で協議をしても、互いに感情的になってしまうため、建設的な協議を行うことができません。そのため、弁護士に交渉を依頼したり、遺産分割調停を申立てたりする必要があります。

そもそも遺産分割協議が必要ない場合

絶対に遺産分割協議が必要となるとは限りません。例えば、以下に掲げる場合には遺産分割協議は必要ありません。

遺言書がある場合

遺産は、被相続人が残した財産ですので、被相続人の意思を尊重する必要があります。この被相続人の意思を尊重させたものが遺言書です。遺言者は、遺言によって、遺産分割の方法を指定したり、法定相続分とは異なった相続分を指定したりすることもできます。また、特定の財産を特定の相続人に承継させたりすることもできます。
この場合には、相続人が協議することなく遺産を分割することができます。

法定相続人が一人しかいない場合

他に協議すべき相続人がいない場合にも、遺産分割協議は不要です。もっとも、他に相続人がいないことを明らかにするため、相続人の調査を行う必要があります。

遺産分割協議のお悩みは弁護士にご相談ください

遺産分割協議は、①相続人の範囲と②遺産の範囲を確定し、③遺産の評価と④分割方法を決め、後の紛争を防止するために遺産分割協議書を作成する必要があります。
このうちいずれの段階においても、専門的な知識や調査が必要となります。また、お互いが感情的になるあまり、建設的な協議ができないことも往々にしてあります。そして、上記の通り一度決めた遺産分割を無効とすることは困難です。
そのため、早期の段階から弁護士に相談・依頼し、適切な遺産分割を行う必要があります。

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。