特別受益とは?|時効などの基礎知識についてわかりやすく解説

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

被相続人(亡くなった人)が一部の相続人に対して遺贈(遺言に基づく財産の処分)・生前贈与(亡くなる前に行った財産の贈与)・死因贈与(亡くなることを条件とする財産の贈与)をすると、贈与等を得た相続人と贈与等を得ていない相続人が存在することになってしまい、共同相続人の間で不均衡が生じてしまいます。

そこで、民法では、被相続人が行った遺贈・生前贈与を「特別受益」として考慮したうえで共同相続人間の不均衡を是正するべきものとされています(民法903条、904条)。

今回は、この特別受益について分かりやすく解説していきます。

特別受益とは

「特別受益」とは、被相続人からの遺贈・生前贈与・死因贈与(以下「贈与等」といいます。)によって一部の相続人が得た、特別の利益のことをいいます。

このような贈与等においては、遺産分割時にその贈与等による利益を相続財産に加算したうえで、各相続人の相続分を算定しなければならないとされています(民法903条1項)。
この相続財産への計算上の加算を、「特別受益の持戻し」といいます。

特別受益の持戻しを行うことにより、特別受益を相続財産に含めたうえで(計算上、いったんは贈与等をなかったものとして扱う)、共同相続人間の具体的な相続分を計算できるようになるため、贈与等による共同相続人間の不均衡が是正されます。

対象者

「特別受益者」が得た贈与等の利益が、特別受益の持戻しの対象となります。

この「特別受益者」とは、遺産分割の当事者となる共同相続人のうち、被相続人から贈与等により財産を得た者のことをいいます。

つまり、特別受益者は共同相続人に限定されることになるため、被相続人の友人・愛人・相続人の配偶者・相続人の子など、相続人でない人は特別受益者には該当しないため、このような者が得た利益は特別受益の持戻しの対象にはなりません。

※共同相続人

  • ①被相続人の配偶者(民法890条)
    被相続人の配偶者は、常に相続人になります。
  • ②相続順位の最上位に該当する者(民法887条、889条1項)
    第1順位:被相続人の子、孫など、被相続人の直系の下の世代(これを「直系卑属」といいます。)。被相続人に近い世代を優先。
    第2順位:被相続人の父母や祖父母など、被相続人の直系の上の世代(これを「直系尊属」といいます。)。被相続人に近い世代を優先。
    第3順位:被相続人の兄弟姉妹、または兄弟姉妹の直系卑属。被相続人に近い世代を優先。

特別受益と遺留分の違い

相続人間の不均衡が生じた際、特別受益のほかに「遺留分」が問題になることもあります。

両制度は、以下のような違いがあります。

特別受益 共同相続人の一部の人が、贈与等によって特別に得た利益。
共同相続人間の不公平を是正するための制度。
共同相続人に対する贈与のみが計算の対象。
遺留分 被相続人の、兄弟姉妹及び兄弟姉妹の直系卑属以外の法定相続人に最低限保障された遺産の取得分。
遺された相続人の生活保障のための制度。
共同相続人以外の者に対する贈与等も計算の対象。

特別受益の時効

特別受益に時効はありません。
そのため、数十年前に行われた生前贈与であっても、特別受益の持戻しの対象にすることができます。

但し、令和5年4月1日の民法改正により、被相続人がなくなってから10年を経過した後にする遺産分割で、かつ被相続人が令和5年4月1日以降に亡くなっている場合、原則として特別受益の主張ができなくなってしまうようになりました(民法904条の3)。

特別受益の範囲(対象となる贈与)

特別受益の対象となるのは、①遺贈のほか、生前贈与・死因贈与のうち②婚姻のための贈与・③養子縁組のための贈与・④生活の資本としての贈与です(民法903条1項)。

遺贈

遺贈とは、被相続人の遺言に基づいて財産を無償で譲渡することをいいます。
相続人に対する遺贈は、その目的を問わず、常に特別受益の対象となります。

婚姻のための贈与

被相続人が支度金・持参金等の名目で、相続人の婚姻に際して財産を贈与していた場合、その贈与は特別受益の対象となります。

但し、その贈与額が少額で、被相続人の資産及び生活状況に照らして扶養(民法730条)の範囲といえる場合には、特別受益に該当しないと考えられています。

養子縁組のための贈与

養子縁組のための費用についても、上記婚姻のための贈与と同様に持参金や支度金等の名目での相続人に対する財産の贈与は、特別受益の対象となります。

生活費の援助

扶養の範囲を超える高額な生活費の贈与は、生活の資本としての贈与として特別受益に該当する場合があります。

特別受益の対象となる贈与か否かは、贈与額のほか、贈与目的、被相続人の資産・生活状況、被相続人と相続人の関係性など、扶養義務(民法730条)の範囲内かどうかによって判断されます。

不動産の贈与

居住用不動産や土地の贈与、居住用不動産の購入資金、特定の相続人に不動産を無償で使用させていた場合の賃料相当額などは、特別受益の対象となることが多いです。
但し、相続人が被相続人と同居していた場合は、特別受益とは認められない場合が多いです。

また、婚姻期間が20年以上の配偶者の一方に対する不動産の贈与等は、特別受益の持戻し免除の意思表示が推定されることとなっています(民法903条4項)。

学費

原則として、被相続人が扶養義務者である場合、学費の支出は扶養義務(民法730条)の履行に基づくものであるとして、特別受益には該当しません。

但し、被相続人の資産および生活状況等に照らして扶養義務の範囲を超えるものといえる場合には、そのような学費の支出は特別受益の対象となります。

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特別受益の計算方法

特別受益が認められる場合は、特別受益の持戻しを行い、「みなし相続財産」(特別受益の持戻しによって算出された、計算上の相続財産)を算出します。

そのうえで、以下のように具体的な相続分を算出します。

  • 特別受益者
    みなし相続財産×法定相続分-特別受益文(民法903条1項)
  • 特別受益を得ていない相続人
    みなし相続財産×法定相続分

特別受益の計算例

例えば、被相続人である夫が4000万円の財産を残して亡くなり、相続人が妻、長男、長女の3人の場合で、夫が長男に対し1000万円の土地を生前贈与していた場合を考えてみましょう。

  • みなし相続財産
    みなし相続財産は、相続財産4000万円に土地の価額1000万円を加算した5000万円になります。
  • 各相続人の相続分
    法定相続分は、妻が2分の1、長男・長女がそれぞれ4分の1ずつになります(民法900条1号、4号)
相続人 特別受益を考慮しない場合の相続分 特別受益を考慮する場合の相続分
2000万円
(4000万円×1/2)
2500万円
(5000万円×1/2)
長男 1000万円
(4000万円×1/4)
250万円
(5000万円×1/4-1000万円)
長女 1000万円
(4000万円×1/4)
1250万円
(5000万円×1/4)

特別受益の相続税の計算方法

遺贈・死因贈与に基づく特別受益については、相続税の課税対象となります。

生前贈与に基づく特別受益については、

  • 相続時精算課税制度の適用を受けない場合
    相続開始前3年以内の贈与は相続税の課税対象となる。それ以前の贈与については、相続税の課税対象にはならず、贈与税の課税対象となる。
  • 相続時精算課税制度の適用を受ける場合
    制度の適用を開始した時から相続開始時までのすべての生前贈与が相続税の課税対象となる。

特別受益についてわからないことがあれば弁護士にご相談ください

被相続人による贈与等があった場合、それが特別受益に該当するのか、特別受益に該当するとしてどのように持戻しを計算するのか、相手方とどのように交渉していけばいいのかといった点について精確に把握するためには専門家の知識・経験に基づいたサポートが欠かせません。

特別受益について何かわからないことがあれば、お気軽に弁護士法人ALGまでご相談ください。

交通事故に遭った際、適正な賠償金を得るために弁護士へ依頼することは、今や一般的な選択肢となっています。

一方で「弁護士に依頼したけれど、思うような結果にならなかった」「対応に不満がある」と後悔を感じてしまうケースも少なくありません。

本記事では、交通事故案件に精通した弁護士法人ALG埼玉法律事務所の弁護士の視点から、弁護士依頼で後悔する具体的なケースとその対処法、さらに万が一の場合の弁護士変更の手順まで詳しく解説します。

交通事故にお悩みの方が、後悔のない選択をするためのガイドとしてご活用ください。

交通事故で弁護士に依頼するメリット・デメリット

交通事故に遭った際、果たして本当に弁護士に依頼した方がいいのか、迷われる方もいらっしゃるでしょう。

交通事故を弁護士に依頼した際のメリットとデメリットについて、以下で解説します。

【メリット】
最大のメリットは、賠償額の算定基準が「弁護士基準(裁判基準)」になることです。

保険会社が提示する基準よりも賠償額の増額が見込めます。
また、相手方保険会社との煩わしい交渉をすべて弁護士が代行するため、被害者の方は治療や日常生活の回復に専念できるという精神的・時間的な利点も無視できません。

【デメリット】
主なデメリットは、弁護士費用が発生することです。
特に賠償額が少額な場合、費用が利益を上回るリスクがあります。また、弁護士選びを誤ると、コミュニケーションの不一致からストレスを感じてしまう可能性もあります。

なお、慰謝料の算定基準については、以下の表もご参照ください。

自賠責基準
  • 自賠責保険が慰謝料の金額を算定する際に用いる基準
  • 被害者救済を目的とした最低限の補償
任意保険基準
  • 加害者の任意保険会社が慰謝料を算定するために用いる基準
  • 各任意保険が独自で設定しており、非公開
弁護士基準
  • 過去の裁判例に基づき裁判において慰謝料を算定する際に用いる基準
  • 3つの基準の中で最も高額で法的に適切な金額

弁護士依頼で後悔するケースとその対処法

弁護士に依頼した後に「こんなはずではなかった」と後悔してしまう主な理由は、金銭的な結果への不満、あるいは弁護士とのコミュニケーション不足に大別されます。

以下、具体的なケースと、そうならないための対処法を見ていきましょう。

弁護士に依頼したが示談金に納得できない

弁護士に依頼したが、思うような結果を得られず、示談金額に納得できなかったケースです。このケースでは、弁護士の実力や経験により、請求できる金額が変わってしまうこともあります。

交通事故に詳しい弁護士とそうでない弁護士とでは、請求できる項目の把握や過去の判例の適用、主張の仕方に差が出てしまいます。

また、以下のように、そもそも示談金の増額が見込めない要因を抱えていることも考えられます。

  • 通院頻度や日数が適切ではない
    入通院慰謝料は通院日数に左右されるため、極端に少ないと増額が難しくなります。
  • 無許可で整骨院に通院していた
    整骨院には医師がいないため、医師の指示や許可がない通院は慰謝料や治療費として認められないリスクがあります。

示談金で後悔しないための対処法

それでは、示談金で後悔しないためにはどうすればいいのでしょうか。

最も重要な方法は、「交通事故の実績・経験が豊富な弁護士に依頼する」ということです。

専門性の高い弁護士に依頼することで、適切な通院回数や検査のアドバイスがもらえます。
その結果、適切な頻度・期間で治療を受けることで、入通院慰謝料の最大化や後遺障害等級に認定される可能性も高まります。

また、あらかじめ弁護士と希望する額や解決の方針(早期解決か、時間をかけても金額を追求するか)についてしっかりと話し合いをしておくことで、共通の見通しを形成し、後悔する可能性を低くすることができます。

弁護士費用が示談金を上回ってしまう

弁護士に依頼して示談金を受け取っても、得られる示談金よりも弁護士費用の方が多くなってしまうことを「費用倒れ」といいます。

このような場合、弁護士に依頼せず、ご自身で対応したほうが結果的に多くの示談金を獲得できていたという事態になり、後悔に繋がります。

特に以下のケースでは費用倒れとなる可能性に注意が必要です。

  • 物損事故のみの場合
    車両の修理費などは実損害の補填であるため、弁護士が介入しても増額幅が小さく、費用が上回るおそれがあります。
  • 怪我が軽症だった場合
    通院期間が短く後遺障害も残らない場合、賠償額自体が低額となるため、弁護士費用の方が高くなることがあります。
  • 加害者が任意保険に未加入だった場合
    加害者に資力がない場合、自賠責保険の限度額までしか回収できず、十分な費用を捻出できない可能性があります。

費用倒れで後悔しないための対処法

費用倒れを回避するための最も有効な手段は、「弁護士費用特約」を利用することです。

弁護士費用特約とは、自動車保険や火災保険などに付帯している特約で、弁護士への相談料や委任費用を保険会社が(一般的に300万円まで)負担してくれるものです。

ご自身の保険だけでなく、同居のご家族などの保険に付帯していれば利用できる場合がありますので、まずは保険内容を確認しましょう。また、特約がない場合でも、あらかじめ費用の見積もりを取ることが重要です。

弁護士法人ALGでは、弁護士相談の際に費用倒れになりそうな場合はしっかりとその旨をお伝えしておりますので、安心してご相談ください。

弁護士に依頼したが過失割合が変わらない

過失割合とは、事故を起こした当事者双方の責任を「9:1」「8:2」といった比率で表したものです。過失割合は損害賠償額に直結します。

例えば損害額が100万円で、被害者に1割の過失がある場合、受け取れる金額は90万円に減額(過失相殺)されてしまいます。

相手方の保険会社は、必ずしも正しい過失割合を提示しているとは限りません。
しかし、提示された割合が過去の裁判例に照らして妥当である場合、弁護士が介入しても割合を覆すことは難しく、結果的に「依頼したのに変わらなかった」という後悔が生じることがあります。

過失割合で後悔しないための対処法

過失割合に納得がいかない場合は、ただ主張するだけでなく、それを裏付ける客観的な証拠を確保することが大切です。

【過失修正を裏付ける証拠の例】

  • ドライブレコーダーの映像
  • 周辺の防犯カメラの映像
  • 事故車両の損傷箇所や事故現場の写真
  • 目撃者の証言

これらを弁護士に精査してもらうことで、具体的な修正要素を主張できる可能性が高まります。まずは弁護士に相談し、提示されている割合が妥当かどうか判断を仰ぎましょう。

弁護士に依頼したが後遺障害が認められない

交通事故による怪我が完治せず、医師から「症状固定」と診断された場合、後遺障害等級認定を申請できます。

認定されれば「後遺障害慰謝料」「後遺障害逸失利益」を請求できるため、賠償金は大幅に増額されます。

弁護士に依頼することで適切な検査のアドバイスを受けるなど認定の確率は高まりますが、以下のようなケースでは、弁護士が介入しても認められないことがあります。

  • 事故との因果関係が医学的に証明できない場合
  • 通院日数や治療期間が不足している場合
  • MRIやレントゲンなどの画像上の異常所見が認められない場合

後遺障害等級認定で後悔しないための対処法

後遺障害認定で後悔しないためには、以下のポイントが重要です。

  • 1. 事故後すぐに病院を受診する
    事故から時間が空くと、怪我と事故の因果関係が否定されやすくなります。
  • 2. 継続的に通院し、自覚症状を医師に伝える
    通院頻度が低いと「治った」と判断されるおそれがあります。診察時には痛みや違和感を具体的に医師へ伝え、記録に残してもらいましょう。
  • 3. 必要な検査を適時に受ける
    神経症状(しびれ等)を証明するためには、MRI等の画像検査や神経学的検査が不可欠な場合があります。

早い段階で交通事故に精通した弁護士に相談することで、どのような通院頻度が望ましいか、どのような検査が必要かといったアドバイスを受けることができ、認定の可能性を最大限に高めることが可能です。

弁護士と連絡が取れない・連絡が遅い

「弁護士に電話してもいつも不在」「メールの返信が数日こない」「進捗報告が全くない」といった理由から、弁護士への依頼を後悔するケースは少なくありません。

弁護士が一人で運営している事務所や、抱えている案件数が多すぎる場合、どうしても連絡が後回しになってしまうことがあります。

交通事故の手続きは数ヶ月から年単位に及ぶことも多いため、連絡がスムーズに取れないことは依頼者にとって大きな精神的ストレスとなり、信頼関係の破綻を招きます。

弁護士法人ALGでは、多数の弁護士や専門スタッフが在籍しているため、組織的な対応により「連絡が取れない」という事態を防ぐ体制を整えています。

弁護士との連絡で後悔しないための対処法

後悔を防ぐためには、依頼前の段階で「進捗報告の頻度」や「連絡手段(電話、メール等)」を確認しておきましょう。

また、交通事故の手続きには「保険会社の回答待ち」や「等級認定の審査待ち」など、どうしても時間がかかる期間があります。

事前に「次はいつ頃、どのような動きがあるか」という目安を弁護士に聞いておくだけでも、不安な気持ちを避けることができます。

弁護士の対応が悪い・相性が合わない

弁護士も人間である以上、性格的な相性は存在します。

  • 高圧的な態度をとる、話を最後まで聞いてくれない
  • 専門用語ばかりで説明がよく分からない
  • こちらの意向を無視して勝手に方針を決めてしまう
  • 自分の案件を後回しにされていると感じる

このような状況では、大切な事件を安心して任せることはできません。

相性が悪い弁護士とのやり取り自体が苦痛になり、案件解決まで多大なストレスを抱えることになってしまいます。

弁護士との相性で後悔しないための対処法

相談の際に「この弁護士は話しやすいか」「こちらの質問に丁寧に答えてくれるか」をしっかり見極めましょう。

もし、すでに依頼していて「どうしても合わない」と感じる場合は、無理に続ける必要はありません。後述するように、弁護士を変更することも立派な選択肢の一つです。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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交通事故で後悔しないための弁護士の選び方

交通事故の示談交渉を成功させ、後悔しない結果を得るためには、「どの弁護士に依頼するか」という入り口の部分が最も重要です。

以下の2つのポイントを基準に選びましょう。

交通事故の実績・経験が豊富な弁護士を選ぶ

弁護士の業務は多岐にわたるため、すべての弁護士が交通事故に精通しているわけではありません。

交通事故特有の損害項目(休業損害の計算や後遺障害等級の認定基準など)を熟知しているかどうかで、最終的な獲得金額に大きな差が出ます。

事務所のホームページを確認し、交通事故を専門的に扱っているか、解決実績が豊富に掲載されているかを確認しましょう。
実際に相談した際、自身のケースと似た事例の経験があるか尋ねてみるのも良い方法です。

無料相談を利用して弁護士との相性を図る

ネットの情報や評判だけで決めるのではなく、まずは無料相談を利用して、実際に担当となる弁護士と話をしてみることが不可欠です。

【確認しておくべき事項】

  • 説明が分かりやすいか(専門用語を噛み砕いてくれるか)
  • デメリットやリスクも正直に話してくれるか
  • 連絡の取りやすさや、報告の体制は整っているか
  • こちらの希望する解決方法(早期解決か、金額重視か等)を尊重してくれるか

これらを直接確認することで、依頼後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を未然に防ぐことができます。

交通事故に強い弁護士を選んだら…依頼するタイミングは?

交通事故に遭われた場合には、なるべく早い段階で弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

早い段階から弁護士が介入することで、治療中の適切な通院頻度のアドバイスや、後遺障害等級認定を見据えた検査の指示など、交通事故全般にわたるサポートが可能になります。

また、相手方保険会社との窓口をすべて弁護士に一本化できるため、不慣れな交渉によるストレスから解放され、治療に専念できる環境が整います。

今後の見通しが立つことで、事故直後の不安も解消されるはずです。

弁護士を変更したい場合の手続きの流れ

すでに他の弁護士に依頼している方でも、「対応に不満がある」「頼りないと感じる」といった場合は、弁護士を変更(解任)することが可能です。

弁護士の変更は、以下のステップで進めていきます。

①新しい弁護士を探す

まずは、現在の弁護士を解任する前に、新しく依頼する弁護士を探しましょう。
解任を先にすると、弁護士が不在の「空白期間」ができてしまい、その間に保険会社から示談を迫られるリスクがあるためです。

新しい弁護士の無料相談を利用し、現在の不満点や状況を話し、引き継いでくれるかを確認しましょう。

②変更前の弁護士に解任を通知する

新しい弁護士が決まったら、現在の弁護士に解任の意思を伝えます。

解任にあたって特別な理由は必要なく、電話やメール、書面などで通知することで契約を終了させることができます。多くの場合、スムーズに解任に応じてもらえます。

③新しい弁護士に依頼する

前任の弁護士を解任したら、新しい弁護士と正式に委任契約を結びます。

着手金や実費の支払いが必要な場合は、このタイミングで行います(弁護士費用特約を利用する場合は、保険会社への連絡も必要です)。

④弁護士間で引継ぎなどが行われる

新旧の弁護士間で、これまでの交渉経緯や預かり資料の引き継ぎが行われます。

基本的にはご依頼者様が間に入って調整する必要はなく、弁護士同士が直接やり取りをして進めていきます。引き継ぎ完了後、新しい弁護士から相手方保険会社へ「受任通知」を送ることで、窓口が正式に切り替わります。

弁護士を変更する際の注意点

弁護士を変更する際、最も注意すべきは「費用」の面です。

前任の弁護士にすでに支払った着手金は、原則として返還されません。
また、進行状況によっては、前任者への報酬金が発生する場合もあります。

弁護士費用特約を利用している場合は、合計の支払い上限額を合算で管理することになるため、特約の残額を保険会社に確認しておくと安心です。
また、法テラスを利用している場合は変更に制限があることもあるため注意が必要です。

交通事故事件の実績・経験が豊富な弁護士法人ALG&Associatesにお任せください。

交通事故で弁護士に相談したとしても、すべてのケースで満足のいく結果が得られるとは限りません。

弁護士との相性や方針のズレから、依頼を後悔してしまうことも現実に起こり得ます。
そのような後悔をしないためにも、交通事故問題に特化した実績豊富な弁護士を選ぶことが何より大切です。

私たち弁護士法人ALGでは、交通事故事案の実績・経験が豊富な弁護士が多数在籍し、医学的知識や過去のデータを駆使して、ご依頼者様一人ひとりに最適な解決策を追求しています。

私たちはご依頼者様の不安やご要望を丁寧にヒアリングし、専門用語を使わずに分かりやすく説明することを徹底しています。また、密な連絡体制を築くことで「状況が見えない」といった不安を与えないよう努めています。

現在の弁護士に不安を感じている方も、これから相談を考えている方も、まずは一度、私たちにご相談ください。

近年、実際にはDV被害を受けていないにもかかわらず、受けたと主張して、配偶者との離婚を求める人が増加傾向にあります。

DVをしたことに全く心当たりがない人は、DVを決して認めることはしないでください。

離婚を望んでいない人が離婚を受け入れざるを得なくなる可能性がありますし、離婚後、子どもとの親子交流(面会交流)が認められない可能性すらあるからです。
加えて、DVを理由として高額な慰謝料を請求されることもあるからです。

そこで、以下では、DVをでっち上げられた場合の対処方法について、ご説明をいたします。

DVをでっち上げられた場合でも離婚は成立してしまうのか?

離婚する方法は大きく分けて三つあり、協議離婚調停離婚裁判離婚があります。

仮にDVをでっち上げられたとしても、離婚をしたくない場合には、離婚の合意が当事者間ではできないので、協議離婚と調停離婚の方法で離婚が成立することはありません。

しかしながら、裁判離婚では、DVを仮にでっち上げられ、裁判官がDVの存在を認定した場合には、民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」が存在するとして、つまり、離婚原因が存在するとして、裁判離婚が認められ、離婚が成立してしまう可能性がございます。

虚偽DVのよくあるパターン

離婚後に子の親権者になりたい場合、子の親子交流(面会交流)を相手方に認めたくない場合、自己の不貞行為という有責事由を隠したい場合、高額な金銭を請求したいと考えている場合等にDVをでっち上げることが多くあります。

DVをでっち上げられたときの対処法

DVをでっち上げる理由を把握する

まずは、相手方がDVをでっち上げた理由を把握することが重要です。

単にお金が欲しいといった目的で行われることもありますし、他の人と早く一緒になりたいといった理由で行われることもあるからです。

後者の理由の場合には、そもそも相手方は民法上の離婚原因の一つである「不貞行為」を行っているため、有責配偶者である自分から離婚を求めることに対して、基本的には裁判所が離婚請求を認めないことから、自己に有利になるようにDVをでっち上げることがあるからです。

DVが虚偽であることを主張する

DVが虚偽であることは必ず主張してください。
そもそもDV被害に遭ったと主張する方が被害を立証する責任があるからです。

でっち上げDVを主張する側には、不自然さと矛盾点が必ずありますので、そこを突いて相手方の主張の信用性を低下させ、DVがなかったことを証明していくことになります。

離婚不受理届を出す

離婚不受理届を役所に提出しておくことで、相手方が勝手に離婚届を提出することを防ぐことが可能となり、相手方からの身勝手な離婚請求に応じる必要がなくなります。

弁護士に相談する

DVをでっち上げられてしまった場合には、最悪な場合には、自己にとって不利な条件で離婚を受け入れざるを得なくなる可能性がありますので、早い段階で、弁護士に相談し、対処することをお勧めします。

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DVの冤罪は名誉毀損で訴えることができるのか?

刑法上、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損」した場合には、名誉毀損罪が成立します。

例えば、相手方が、個人の特定が容易な内容で、DVを受けたとインターネットや公開設定のSNS上に書き込みをした場合には、社会的評価を下げるものとして、名誉毀損罪が成立する可能性があります。

なお、夫婦間でDVをでっち上げられたり、でっち上げDVで離婚や慰謝料を求められたとしても、公然性の要件を満たしませんので、名誉毀損罪は成立しません。

DVをでっち上げられた場合、相手に慰謝料請求できるか?

名誉毀損罪が成立するような場合には、民法上の不法行為の成立が認められることが多く、損害賠償請求、つまり、慰謝料を請求することが可能となります。

DVをでっち上げられてお困りの場合は弁護士に相談してみましょう

以上、DVをでっち上げられた場合の対処方法についてご説明しました。

DVをでっち上げられてしまった場合には、相手方に有利な離婚条件を飲まざるを得なくなることも往々にしてございます。
そのようなことにならないように、是非弁護士にご相談してください。

盗撮・のぞき行為で逮捕された場合、警察署の留置場で身柄を拘束されます。

身柄拘束が長引くと、会社や学校・家庭生活にも深刻な影響が生じ、解雇や退学といった事態を招くおそれがあります。そのような不利益を最小限に抑えるためには、早期に身柄の拘束を解くことが重要です。

本記事では、盗撮・のぞき事件における保釈の仕組みや認められる条件、弁護活動の流れについて詳しく解説します。

盗撮・のぞき事件で保釈されるには?

保釈とは、起訴された被告人が裁判所に保釈保証金(保釈金)を納付することで、勾留が一時的に解かれ身柄が釈放される制度です。

あくまでも「起訴後の被告人」に認められた手続きであり、被疑者として勾留されている段階では利用できない点に注意が必要です。

保釈を申請できるのは、被告人本人・その家族・弁護士です。ただし、保釈はただ申請すれば認められるものではなく、法律が定める一定の要件を満たす必要があります。

盗撮・のぞきで逮捕された場合も、弁護士に早期に相談することで、釈放や保釈の実現に向けた適切な対応が可能となります。

保釈が認められる条件

裁判所に保釈を認めてもらうには、刑事訴訟法が定める以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪ではないこと
  • 過去に死刑・無期、もしくは拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がないこと
  • 常習として拘禁刑の上限が3年以上の罪を犯した場合ではないこと
  • 証拠隠滅のおそれがないこと
  • 被害者や証人、およびそれらの親族に危害を加えるおそれがないこと
  • 氏名・住所が明らかであること

上記の条件をすべて満たす場合は「権利保釈(必要的保釈)」として原則的に保釈が認められます。

一方、条件を満たさない場合でも、被告人の個別事情を考慮した裁判官の裁量による「裁量保釈」や、勾留が不当に長期化した場合に認められる「義務的保釈」が存在します。

盗撮・のぞき事件で保釈が重要な理由

盗撮・のぞき事件において保釈が重要な理由は、身柄拘束から解放されることで日常生活を取り戻せる点にあります。

保釈申請が認められ保釈保証金を納付すると、被告人は留置場・拘置所から釈放されます。

釈放後は、裁判所から課せられた条件(住居の制限や旅行の禁止など)を遵守する必要はありますが、刑事裁判が終結するまでの間、自宅での日常生活を送ることができます。

会社・学校への通勤・通学が可能になるため、解雇や退学といった不利益を回避できる可能性が高まります。また、担当弁護士と裁判に向けた打ち合わせや準備を落ち着いて行える環境が整うことも大きなメリットです。

盗撮・のぞきで保釈が認められないケース

保釈は本来認められることが原則ですが、上記の権利保釈の条件を一つでも満たさない場合は却下される可能性があります。

盗撮・のぞき事件で保釈が特に認められにくい具体的なケースは以下のとおりです。

  • 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪に問われている場合
  • 過去に死刑・無期、もしくは懲役または禁錮、拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がある場合
  • 常習的に盗撮・のぞきを繰り返しており、懲役または禁錮の上限が3年以上の罪に当たる場合
  • 被害者が複数いるなど証拠隠滅のおそれが高いと判断された場合
  • 被害者や証人に対して接触・報復するおそれがあると認められた場合
  • 氏名・住所が不明確な場合

また、第一審で拘禁刑以上の判決が言い渡された後に控訴・上告している場合も、保釈が制限されることがあります。

いずれの場合も、弁護士を通じて保釈を認めるべき積極的な事情(示談成立、身元引受人の存在など)を丁寧に主張することが重要です。

盗撮・のぞきで釈放や保釈を目指すための弁護活動

釈放や保釈を実現するためには、刑事事件を得意とする弁護士による迅速な弁護活動が不可欠です。
身柄を拘束されている状況では、本人が自ら動くことに限界があります。

以下の3つの弁護活動が、釈放・保釈の実現において特に重要となります。

検察官や裁判官に釈放の働きかけをする

逮捕後、被疑者は最大48時間以内に検察官へ送致されます。その後、検察官が裁判官に24時間以内に勾留請求を行い、裁判官が決定すると最長20日間の勾留が続きます。

弁護士はまず、検察官に対して勾留請求を行わないよう働きかけ、裁判官に対して勾留を認めないよう求めます。そのためにも弁護士が早期に事件の詳細を把握し、釈放に向けた有利な事情(被疑者の素行・職業・家族状況など)を丁寧に主張することが重要です。

勾留が阻止できれば、その時点で身柄拘束を解くことができます。

検察官に公判請求を阻止の働きかけを行う

勾留請求の阻止が難しい場合、弁護士は次の段階として不起訴処分の獲得を目指します。

不起訴処分(起訴猶予を含む)が決定されれば、直ちに身柄拘束が解かれ前科もつきません。不起訴を実現するうえで最も効果的な手段は、弁護士を通じた被害者との示談交渉です。

示談が成立することで、検察官は起訴を見送るケースが多くなります。また、被疑者が事実を認め反省していること、再犯防止のための具体的な対策が取られていることなども有利な事情として働きます。

裁判官に保釈決定を認めてもらう働きかけを行う

起訴された場合は、保釈申請を通じて身柄の解放を目指します。

弁護士は保釈要件を満たしていることを主張・立証し、保釈金の準備や身元引受人の確保など実務的な手続きを進めます。

裁判官の判断においては、容疑の内容を争っていないこと(事実の認否)、しっかりとした身元引受人がいること、被害者との示談が成立していること、再犯防止の具体策があることなどが重要なポイントになります。

弁護士はこれらの事情を書面や口頭でわかりやすく裁判官に説明します。

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盗撮・のぞきで逮捕されてから保釈までの流れ

保釈が可能になるのは、検察官に起訴処分とされた後です。
逮捕から保釈されるまでは、大きく以下の流れをたどります。

  • 1 逮捕(警察署の留置場に身柄拘束)
  • 2 検察官送致(逮捕から48時間以内)
  • 3 勾留請求(検察官送致から24時間以内)
  • 4 決定(最長20日間の勾留)
  • 5 起訴(公判請求)
  • 6 保釈申請
  • 7 検察官への意見照会
  • 8 裁判官による保釈可否の決定
  • 9 保釈金の納付
  • 10 被告人の釈放

以下では保釈申請以降の各ステップを詳しく説明します。

①裁判所に保釈申請を行う

保釈を求めるには、被告人本人・家族・弁護士のいずれかが裁判所に保釈請求書を提出します。
口頭による申請も制度上は認められていますが、実務では書面提出が一般的です。

保釈請求書には主に以下の事項を記載します。

  • 事件名・被告人の氏名および住所
  • 請求の趣旨(保釈を求める旨)
  • 請求の理由(保釈条件を満たすこと、保釈を必要とする具体的事情など)
  • 保釈保証金の額についての意見
  • 身元引受人の氏名・住所・被告人との関係

弁護士は事件の詳細を踏まえ、保釈が認められやすい説得力のある書面を作成します。

②検察官に保釈に関する意見を求める

裁判所が保釈申請を受け付けると、裁判官は保釈を許可する決定を下す前に検察官の意見を求めます。
検察官は「相当」「不相当」「しかるべく(裁判所の判断に委ねる)」のいずれかを回答します。

弁護士も希望する場合は、保釈について担当裁判官と面接(弁護人面接)を行うことができます。

この場を活用して保釈の必要性や被告人の事情を直接説明することが、保釈許可の可能性を高めることにつながります。

③保釈の可否が決定される

検察官の意見聴取と弁護人面接を経て、裁判官が保釈を認めるか否かを決定します。

申請当日に結論が出ることは少なく、一般的には申請翌日から2〜3日後、長い場合は1週間程度かかることもあります。

保釈が不許可となった場合、弁護士は準抗告(高等裁判所への不服申立て)を行うことができます。
準抗告でも認められなかった場合は、特別抗告という手段もあります。

④保釈金を納付する

保釈金は原則として現金で納付しますが、近年はインターネットバンキングやATMを利用した電子納付も可能になっています。

実務上は、弁護士が被告人やご家族から預かった保釈金を裁判所に代わって納付するケースが一般的です。
保釈金の金額は、被告人が犯した罪の性質や事情、被告人の資産状況などを考慮したうえで裁判所が決定します。

一般的な刑事事件の相場は150万〜300万円程度とされています。
なお、保釈後の条件を守って裁判を終えれば、納付した保釈金は全額返還されます。

⑤被告人が釈放される

裁判所の出納課に保釈金を納付し、領収印が押印された書類を担当部署(刑事部など)に提出すると、身柄の拘束が解かれます。

保釈金の納付から実際に釈放されるまでは、事務手続きの関係上2〜3時間かかることが多いです。
保釈許可の決定が午後遅く以降に下りた場合、釈放が翌日以降にずれ込むこともあります。

釈放後は、裁判所が定めた条件(住居制限、出国禁止など)を厳守する必要があり、違反すると保釈が取り消される恐れがあります。

盗撮・のぞきで釈放されるタイミング

盗撮・のぞき事件において、逮捕後に釈放されるタイミングは保釈だけではありません。
起訴前に釈放される可能性もあり、以下の9つのタイミングが考えられます。

  • ① 逮捕後・検察官送致前の釈放(微罪処分など、警察段階での身柄解放)
  • ② 検察官送致後・勾留請求前の釈放(検察官が勾留を必要と判断しなかった場合)
  • ③ 裁判官による勾留請求の却下(勾留の必要性が認められなかった場合)
  • ④ 勾留決定後の準抗告容認(勾留決定に対する不服申立てが認められた場合)
  • ⑤ 勾留決定後の勾留取消請求容認(勾留の必要性がなくなったと認められた場合)
  • ⑥ 勾留延長請求の却下(延長の必要性が認められなかった場合)
  • 不起訴処分(検察官が起訴しないと決定した場合)
  • ⑧ 処分保留による釈放(勾留期間満了までに処分が決まらなかった場合)
  • ⑨ 起訴後の保釈(被告人として保釈申請が認められた場合)

保釈はあくまで起訴後に認められる手続きですが、①〜⑧のタイミングで釈放が実現すれば、保釈に至る前に身柄拘束を解くことも可能です。

弁護士はこれらのすべての段階で早期釈放を目指した働きかけを行います。

盗撮・のぞきで早期釈放・保釈を目指すためにも弁護士法人ALGにご相談ください

盗撮・のぞき事件における早期釈放・保釈の実現には、刑事事件に精通した弁護士によるサポートが不可欠です。

釈放を目指すためには被害者との示談交渉が重要となりますが、被害者の心情に配慮した丁寧な交渉は弁護士でなければ困難です。また、保釈申請においても、説得力のある保釈請求書の作成や、裁判官への積極的な働きかけは弁護士だからこそ行えます。

弁護士法人ALGでは、盗撮・のぞき事件の早期解決に向けた弁護活動を迅速かつ丁寧に対応しております。

保釈が認められなかった場合の準抗告も含め、あらゆる局面で最善のサポートを提供します。
逮捕後72時間以内の初動対応が結果を大きく左右するため、ご家族が逮捕された場合も含め、お早めにご相談ください。

近年、スマートフォン等の普及に伴い、盗撮やのぞきの検挙件数は増加傾向にあります。しかし、中には身に覚えのない疑いをかけられ、冤罪で逮捕されてしまう深刻なケースも少なくありません。

この記事では、盗撮・のぞきの冤罪が起こる理由、逮捕された際のリスク、そして無実を証明するための適切な対処法について詳しく解説します。

盗撮・のぞきの冤罪がおこる理由は?

盗撮やのぞきの冤罪が発生する背景には、主に「被害者側の主観的な判断」と「被害者を装った第三者による金銭目的の訴え」の2つの側面が存在します。

被害者の勘違い

現代では多くの人が常に携帯電話を手に持っているため、単に操作しているだけでも「撮られた」と周囲が過敏に反応し、誤解を招くことが多々あります。

例えば、意図せず鳴ってしまったシャッター音や、階段で靴ひもを結び直す動作が、盗撮の準備動作と誤認される例が後を絶ちません。

また、住居の近くを通りかかった際に偶然中が見え、住人と目が合っただけで「のぞき」と決めつけられるなど、状況の読み違えが冤罪に直結するケースが目立ちます。

被害者を装って示談金を狙う

極めて悪質なケースとして、最初から示談金を獲得する目的で、盗撮の被害者を装って対象者を陥れる人々が存在します。

彼らは、仕掛け役や目撃者役など複数人で組織的に役割を分担し、対象者を心理的に追い詰めます。
手口は年々巧妙化しており、社会的立場のある会社員らを標的に「警察に言われたくなければ示談金を支払え」と迫るため、非常に危険です。

盗撮・のぞきが冤罪ならまずは弁護士に相談

身に覚えのないトラブルに巻き込まれた際、独力で潔白を証明するのは非常に困難です。
逮捕された、あるいは疑いをかけられた場合は、直ちに弁護士へ相談することが必要です。

弁護士に依頼する主なメリットは以下の通りです。

  • 無実の立証:客観的な証拠を収集し、無実を論理的な主張とともに展開します。
  • 身体拘束の回避・短縮:早期に働きかけることで、勾留を防ぎ、仮に、勾留されたとしても、身柄開放のための活動を行い、社会復帰を早めることが期待できます。
  • 不起訴処分の獲得:捜査機関に対し、犯罪の嫌疑がないことを法的に主張し、前科がつくことを防ぎます。
  • 虚偽告訴への対応:示談金目的の訴えであれば、相手方に対して虚偽告訴罪などの法的措置を検討できます。

盗撮・のぞきが冤罪でも逮捕される可能性はある?

現行犯逮捕や後日逮捕(通常逮捕)は、法律上の要件を満たせば冤罪であっても行われる可能性があります。

逮捕の主な要件は、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があり、かつ「逃亡や証拠隠滅の恐れ」がある場合です。逮捕は、あくまで捜査のために行われるものであり、冤罪であるか否かによって変わるものではありません。

盗撮の場合、現場で周囲の者に取り押さえられる「私人逮捕」が行われることも多く、警察が到着した時点で被疑者として扱われてしまうリスクが極めて高いのが実情です。

「私人逮捕」(現行犯逮捕)の場合、罪が行われたことが明らかまたは罪が行われてから間がないと認められることを要件としているため、前者の要件を満たすと判断されることがほとんどです。

そのうえで、逃亡を試みたり、被害者と接触しようとした場合、後者の要件を満たすことになり、逮捕される可能性も高くなります。

逮捕後の流れ

逮捕後の手続きは迅速に進みます。

  • 1. 警察による取調べ:逮捕から48時間以内に検察庁へ送致するか判断されます。
  • 2. 検察官への送致:送致後、24時間以内に検察官が勾留(引き続きの拘束)を請求するか決定します。
  • 3. 勾留決定:裁判官が認めれば、原則10日間(最大20日間)身柄が拘束されます。
  • 4. 起訴・不起訴の判断:検察官が刑事裁判にかけるかどうかを最終的に判断します。

盗撮・のぞきの冤罪をかけられた場合の対処法

突然の事態に動揺し、不適切な行動をとると、後の弁護活動に支障をきたすため、冷静な対応が求められます。

盗撮・のぞきが冤罪であっても逃げてはいけない

疑いをかけられた恐怖から現場を走り去る行為は、絶対に避けなければなりません。

たとえ無実であっても、「現場から逃走した」という事実は、捜査機関にとって「罪を認めた」「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と判断する有力な材料となり、逮捕や勾留の可能性を高めてしまいます。

近年の実務では、逃亡のおそれがなければ勾留されない傾向にありますが、逃走はそれを自ら否定する行為となります。

盗撮・のぞきをしていないと主張する

警察や相手に対しては、動揺を見せず、一貫して「やっていない」と主張してください。

もし公共の場であれば、自分一人で抵抗しようとせず、周囲の乗客や通行人に協力を仰ぎ、客観的な目撃者を確保することが有効な防御手段となります。

盗撮・のぞきが冤罪であれば黙秘してもいいのか?

憲法上、黙秘権は認められています。
そのため、自身の判断で言いたくないことは言わないとして、供述を拒むことはできます。

しかし、一切の弁解を拒み黙秘を貫くことは、捜査機関側に反省の態度の欠如や嫌疑を深める口実を与えることになります。

何を話し、何を話さないべきかは、事案の性質によって慎重に判断する必要があるため、弁護士のアドバイスを受けてから方針を決めていただく方が賢明です。

無罪を裏付ける証拠を提出する

言葉による主張だけでなく、客観的な証拠を提示することが重要です。

  • 機器の確認:スマートフォン内に当該時刻の画像や動画が存在しないことの確認。
  • 現場状況の証明:物理的に撮影やのぞきが不可能な位置関係であったことを示す資料。
  • アリバイ:犯行時刻に別の場所にいたことを証明するGPSログやレシート。これらの証拠を合理的に提示することで、嫌疑を晴らすことができます。
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盗撮・のぞきが冤罪と認められた場合の補償金

刑事手続きにおいて無罪が確定、あるいは勾留後に不起訴(嫌疑なし)となった場合、国に対して補償を請求できる場合があります。

不当に身柄を拘束されたことに対する補償として、拘束日数1日につき1000円から12500円の範囲内で刑事補償金が支払われます。

ただし、逮捕や勾留に至らなかった在宅捜査の場合や、自ら虚偽の自白をした場合などは、この補償を受けられないことがあります。

盗撮・のぞきの冤罪に関するよくある質問

盗撮の冤罪で相手に名誉棄損として慰謝料請求することは可能ですか?

可能です。相手が故意に虚偽の申告を行ったり、公然と「盗撮魔」などと指摘して名誉を傷つけたりした場合には、民法上の不法行為として慰謝料を請求できる可能性があります。

ただし、相手が「本気で撮られたと誤解した」場合には、違法性が否定されることも多くあります。

盗撮・のぞきの冤罪で弁護士に依頼した場合、弁護士費用は誰が払いますか?

原則として、依頼者本人が負担することになります。たとえ冤罪であったとしても、国や相手方に弁護士費用を当然に肩代わりさせる制度はありません。

ただし、無罪判決を得た場合には、刑事補償の一環として費用の一部が補填される制度もありますが、全額を補償されるケースは稀です。

盗撮・のぞきが冤罪だったとしても会社に知られたら解雇される可能性はありますか?

冤罪、すなわち無実であれば、それを理由とした解雇は原則として認められません。

日本の労働法では、正当な理由のない解雇は無効とされます。

しかし、逮捕の事実が報道されたり、長期間欠勤せざるを得なくなったりすることで、会社側が「企業秩序を乱した」として処分を検討するリスクはあります。

不当な処分を避けるためにも、弁護士を通じて会社へ適切に説明を行うことが重要です。

盗撮・のぞきで解雇される?

盗撮の容疑をかけられ、怖くなって示談書にサインしてしまいました。冤罪だったと証明できれば示談金を支払う必要はなくなりますか?

一度合意した示談を覆すのは非常に困難ですが、強迫や重大な誤認に基づいて署名させられた場合、その示談が無効であることを主張できる可能性があります。

もし冤罪であることを客観的に証明できれば、支払い義務の消失や、既に支払った金の返還を求める余地が生まれます。早急に弁護士に状況を説明してください。

盗撮・のぞきが冤罪・無実であればすぐに弁護士にご相談ください

盗撮やのぞきの疑いをかけられることは、個人の人生に甚大な悪影響を及ぼします。
無実であるならば、沈黙したり逃げたりするのではなく、法的根拠に基づいた適切な防御を行うべきです。

取り返しのつかない結果を招く前に、刑事事件の経験が豊富な弁護士へご相談ください。

親族が亡くなったとき、「兄弟でいくらずつ分ければいいのか」「再婚相手の連れ子は相続できるのか」など、遺産の分け方をめぐってトラブルが生じるご家庭は少なくありません。

そのような場面で基準となるのが「法定相続分」です。

本記事では、法定相続分の概要・ケース別の計算方法・遺留分との違いなどを弁護士がわかりやすく解説します。

法定相続分とは

法定相続分とは、民法900条に定められた「各相続人が相続できる割合」のことです。

遺言書がない場合や、遺産分割協議で合意が得られない場合に、最終的な判断基準として用いられます。

法定相続分は遺産分割協議で使用される

相続が開始すると、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産をどれだけ取得するかを話し合うのが原則です(民法907条)。

この際の目安となるのが法定相続分です。ただし、相続人全員が合意している限り、法定相続分と異なる割合で遺産を分けることも可能です。

また、協議が調わない場合は、家庭裁判所への遺産分割調停・審判に移行し、審判では法定相続分に従って分割が命じられるのが一般的です。

法定相続人の範囲と相続順位

民法は相続人の範囲と順位を定めています。
配偶者は常に相続人となり、それ以外の相続人には以下の表のとおり順位があります。

前の順位の相続人が一人もいない場合に限り、次の順位の者が相続人となります。
この組み合わせによって法定相続分の割合が変わります。

順位 法定相続人
常に相続人 配偶者
第1順位 被相続人の子など直系卑属
(親子関係でつながった親族のうち下の世代)
第2順位 被相続人の父母など直系尊属
(親子関係でつながった親族のうち上の世代)
第3順位 被相続人の兄弟姉妹

【ケース別】法定相続分の割合と計算方法

配偶者+子供の場合

配偶者と子がいる場合の法定相続分は、民法900条1号により「配偶者2分の1・子(全員合計)2分の1」です。

子が複数いるときは2分の1を頭数で均等に分けます(民法900条4号)。
なお、配偶者がいない場合は子が全財産を相続します。

例えば、配偶者、子2人の場合には、それぞれの法定相続分は、配偶者が2分の1、子が各自4分の1となります。

配偶者+父母の場合

子がおらず、配偶者と父母などの直系尊属が相続人となる場合は、民法900条2号により「配偶者3分の2・直系尊属全体3分の1」となります。
父母が2人とも健在であれば、3分の1を2人で等分します(民法900条4号)。

配偶者+兄弟姉妹の場合

子も父母もいない場合に、配偶者と兄弟姉妹が相続人となるときは、民法900条3号により「配偶者4分の3・兄弟姉妹全体4分の1」です。

兄弟姉妹が複数いる場合は4分の1を頭数で均等割りします(民法900条4号)。
なお、異母または異父の兄弟姉妹の相続分は全血兄弟姉妹の2分の1となります。

配偶者のみ・子供のみ・親のみ・兄弟姉妹のみの場合

配偶者だけが相続人の場合は民法890条により全財産を相続します。

子のみ・父母のみ・兄弟姉妹のみが相続人の場合は、民法900条4号に基づき、同順位の相続人が人数に応じて均等に分割します。

配偶者+孫の場合(代襲相続)

本来相続人となるべき子が、被相続人の死亡前に死亡・欠格・廃除などにより相続権を失っている場合、その子(被相続人の孫)が民法887条2項に基づき「代襲相続人」として相続人になります。

孫の法定相続分は、亡くなった子が受け取るはずであった割合をそのまま引き継ぎます。
配偶者と孫が相続人の場合、基本的な割合は配偶者2分の1・孫(全員合計)2分の1です。

なお、甥や姪も兄弟姉妹が相続権を失った場合に代襲相続人となりますが、再代襲(甥姪の子)は認められません。

養子がいる場合

養子縁組をして法律上の「子」となった養子は、実子と同じ第1順位の法定相続人となり(民法809条、887条1項)、法定相続分も実子と同等です。

配偶者と子(実子・養子)が相続人となる場合、民法900条1号に従い、配偶者2分の1・残り2分の1を実子と養子を含む全ての子で等分します。

非嫡出子がいる場合

婚姻外で生まれた子(非嫡出子)であっても、被相続人から認知を受けて法律上の親子関係が認められている場合には、「子」として第1順位の相続人となります(民法779条、887条1項)。

現行の民法900条4号は嫡出子と非嫡出子の相続分を同等と定めており、配偶者と子がいる場合には、嫡出子・非嫡出子を問わず全ての子が2分の1を均等に分け合います。

法定相続分が認められない人

離婚した元配偶者

配偶者として相続権を有するのは、相続開始時点で法律上の婚姻関係にある者に限られます(民法890条)。
離婚が成立した元配偶者には、法定相続分も遺留分も一切認められません。

内縁関係や事実婚の状態にある人

婚姻届を出していない内縁関係や事実婚の相手方は、民法上の「配偶者」に当たりません。
そのため、民法890条に基づく法定相続人にはならず、長年同居していても自動的に相続権が認められることはありません。

養子縁組をしていない再婚相手の連れ子

再婚相手の連れ子は、そのままでは被相続人との法的な親子関係がなく、民法887条1項の「子」に当たりません。

養子縁組をしていない連れ子には法定相続分は認められず、相続人にもなりません。
連れ子に遺産を残したい場合は、養子縁組または遺言による遺贈(民法964条)等を検討する必要があります。

代襲相続人でない孫や甥姪

孫は通常、相続人にはなりません。
孫が相続人となるのは、子が死亡・欠格・廃除により相続権を失い、民法887条2項に基づき代襲相続人となる場合に限られます。

同様に、甥や姪も、民法889条2項に定めるとおり、被相続人の兄弟姉妹が相続権を失った場合に限り代襲相続人として相続権を持ちます。
それ以外の場合には孫や甥姪に法定相続分はありません。

相続放棄した人

相続人であっても、家庭裁判所に相続放棄の申述を行い受理されると、民法939条により「初めから相続人でなかったもの」とみなされます。

この場合、その人には法定相続分も遺留分も一切認められません。
また、相続放棄をした者の子には代襲相続も発生しない点に注意が必要です。

なお、相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから原則3か月以内に行わなければなりません(民法915条)。

相続廃除や相続欠格に該当する人

被相続人を殺害した場合など民法891条に定める重大な非行がある場合、本人は相続欠格となり相続権を失います。

また、被相続人への虐待や重大な侮辱がある場合には、被相続人の請求により家庭裁判所が相続人の地位を奪う「相続廃除」(民法892条)が認められることがあります。

いずれの場合も法定相続分は認められません。
ただし、欠格・廃除された者の子は民法887条2項により代襲相続人として相続できます。

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法定相続分と遺留分の違い

法定相続分とは、民法900条に定められた相続人ごとの原則的な取り分の割合です。

一方、遺留分とは、被相続人が遺言や生前贈与で財産を処分しても、配偶者・子・直系尊属など一定の相続人に最低限保証された取り分であり、民法1042条以下に定められています。

兄弟姉妹には遺留分が認められていない点も大きな違いです。

法定相続分は当事者の合意や遺言によって増減が可能ですが、遺留分を侵害した場合には、侵害された相続人が遺留分侵害額請求(民法1046条)を行使して金銭による調整を求めることができます。

これに対し法定相続分は権利ではないため、遺言で法定相続分を下回る取り分を指定されても、遺留分が確保されている限り相続分の増額請求はできません。

遺産分割が法定相続分どおりにならないケース

遺言書がある場合

被相続人が有効な遺言書を残している場合、原則として遺言による指定が法定相続分に優先します(民法902条)。

特定の相続人に全財産を相続させる、相続人以外の第三者に財産を遺贈するといった内容も可能です。

ただし、遺留分を侵害する内容の遺言については、遺留分侵害額請求(民法1046条)によって金銭的な調整が求められる場合があります。
また、相続人全員が合意すれば、遺言の内容と異なる分割を行うことも可能です。

生前贈与があった場合

ある相続人が被相続人から多額の贈与を受けている場合、その贈与が「特別受益」と評価され(民法903条)、他の相続人との不公平を是正するための調整が行われることがあります。

具体的には、特別受益の額をいったん遺産に持ち戻して「みなし相続財産」を計算し、その上で各相続人の相続分を算出したうえで、特別受益を受けた相続人の取り分からその分を控除します。

また、生前贈与によって遺留分が侵害される場合は、遺留分侵害額請求の対象にもなります。

寄与分が認められる場合

他の相続人に比べて、被相続人の事業を長年支えたり、療養看護を行うなどして遺産の維持・増加に特別の貢献をした相続人には「寄与分」が認められることがあります(民法904条の2)。

この場合、相続財産から寄与分相当額を差し引いた残額を基に法定相続分に従って各人の取り分を計算し、その結果に寄与分を有する相続人の寄与分額を加算して具体的な相続分を算出します。

なお、相続人以外の親族(たとえば被相続人の子の配偶者など)が療養看護等に貢献した場合、「特別寄与料」として相続人に対し金銭請求ができます(民法1050条)。

法定相続分に関するよくある質問

法定相続分を超える相続にはどんなものがありますか?

法定相続分を超えて遺産を取得できる主なケースとして、①被相続人が遺言で特定の相続人に多く相続させると指定した場合(民法902条)、②遺産分割協議で他の相続人の同意を得て取り分を増やした場合(民法907条)、③寄与分が認められて法定相続分に上乗せされた場合(民法904条の2)、などがあります。

いずれも法律上適法な方法ですが、遺留分を侵害する場合は遺留分侵害額請求の対象となるため注意が必要です。

法定相続分がない人に遺産を取得させる方法はありますか?

内縁の配偶者や養子縁組をしていない連れ子、長年お世話になった第三者など、法定相続人でない方に財産を残したい場合には、①遺言による遺贈(民法964条)、②死因贈与契約(民法554条)、③生前贈与の活用などが考えられます。

また、連れ子については養子縁組を行い法定相続人にする方法や、生命保険の受取人に指定する方法も有効な手段の一つです。
事情に応じた最適な対応策については、弁護士にご相談ください。

法定相続分についてのお悩みは遺産分割問題に強い弁護士にご相談ください

法定相続分は一見シンプルなルールに見えますが、実際には代襲相続・特別受益・寄与分・遺留分侵害額請求・遺言の有無など、複数の要素が絡み合って非常に複雑になることがあります。

また、感情的な対立が深まると、法的には正しい主張であっても話し合い自体が進まなくなることも少なくありません。

相続が発生した後はもちろん、生前の相続対策の段階からでも、遺産分割問題に精通した弁護士に相談することで、紛争を未然に防ぎ、円満かつ適正な解決を図ることができます。
お悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

妊娠中における離婚は、母体への負担及び精神的苦痛が非常に大きいものです。
そのため、妻は、離婚に際して、配偶者に対して、慰謝料を請求したいと考えることが少なくありません。

しかしながら、単に妊娠中の離婚であるという事実のみをもって、直ちに慰謝料の請求が認められるわけではありません。

本記事では、妊娠中の離婚において慰謝料請求が認められるケース、慰謝料の相場、養育費及び財産分与などの金銭的請求、並びに親権や戸籍の扱いについて、詳しく解説いたします。

妊娠中の離婚で慰謝料を請求できるのか?

結論として、妻は、単に妊娠中であることを理由として、配偶者に対して、慰謝料を請求することは原則として認められません。

慰謝料は、配偶者の不法行為によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償です。

したがって、配偶者に婚姻関係を破綻させるような有責行為が存在しない場合、単に妊娠中に離婚することになったとしても、慰謝料を請求することは困難となります。価値観の不一致など双方に原因がある場合又は合意による離婚の場合、慰謝料は発生しません。

慰謝料請求が認められるケース

妻が、配偶者に対して、慰謝料を請求できるのは、配偶者が不貞行為(浮気・不倫)を行った場合、配偶者からDV若しくはモラハラを受けた場合、又は悪意の遺棄(正当な理由なく生活費を渡さない等)があったケースなどに限られます。

妊娠中に離婚した場合の慰謝料相場はどれぐらい?

慰謝料の金額は、婚姻年数、離婚原因の悪質性、及び配偶者の年収などの個別の事情によって変動します。

一般的に、不貞行為やDV等による慰謝料の相場は、数十万円から300万円程度とされています。妊娠中の離婚であるという事実は、妻が受ける精神的苦痛が通常よりも大きいと評価される要素となり得ます。

そのため、配偶者の有責行為が存在する場合、妊娠中である事情が考慮され、慰謝料の金額が相場よりも高額になる可能性があります。
ただし、必ずしも増額事由となるわけではないことに注意を要します。

中絶に至った場合の慰謝料は?

配偶者の一方的な責任により、やむを得ず中絶に至った場合、妻は、配偶者に対して、慰謝料及び中絶費用を請求できる可能性があります。

具体的には、配偶者が暴力を振るって中絶を強要した場合、配偶者が避妊していると嘘をついて性交渉を行った結果として妊娠した場合、又は同意のない性交渉を強要された場合などが該当します。

このようなケースでは、夫に不法行為があると考えられるため、慰謝料の請求が認められる傾向にあります。

妊娠中の離婚で慰謝料以外に請求できるもの

養育費

離婚後に出産した子供の親権者は原則として母親となり、母親は、離婚後に、元配偶者に対して、養育費を請求することができます。

養育費の金額は、双方の収入額、子供の人数及び年齢など具体的な事情を加味したうえで算定されます。妻が産休又は育休を取得しており年収が下がっている場合、その事情も考慮されます。

ただし、離婚後300日経過後に出産した場合、元配偶者に養育費を請求するためには、元配偶者による認知の問題をクリアする必要があります。

財産分与

妻は、妊娠中の離婚であっても、元配偶者に対して、婚姻中に形成された夫婦共有財産についての財産分与を求めることが可能です。

もっとも、妊娠中であることや出産することなどを理由に財産分与の分与割合を有利にすることは基本的に認められず、分与の割合は5対5となるのが原則です。

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慰謝料以外に出産費用も請求することはできるのか?

婚姻中の夫婦であれば、婚姻費用を分担する義務があり、その中に医療費(出産費用)も含まれています。

しかし、出産が離婚後となった場合には、元配偶者は、出産費用を負担する法的な義務を負いません。そして、出産費用は生活費の一部として計上されるものであることから、離婚後に出産費用を支払ってもらうことは原則として認められません。

ただし、元配偶者が任意で支払ってくれる可能性も考えられるため、離婚する前に夫婦間で出産費用の負担について話し合っておくことが重要です。

妊娠中の離婚で子供の親権と戸籍はどうなる?

親権はどちらが持つ?

妊娠中に離婚した場合、母親は、原則として産まれてくる子供の親権者となります(民法第819条第3項)。

例外的な事情がない限り、父親が親権を持つことはありません。
ただし、離婚後300日以内に出産した場合において、父母の協議又は家庭裁判所の調停により、父親を親権者と定めることも可能です。

もっとも、子供の年齢が小さい乳幼児期においては、法的に「母性優先の原則」が重視される傾向にあるため、実際には母親が親権者として認められるケースが大部分を占めることになります。

子供の戸籍はどうなる?

子供の戸籍は、出生した時期によって異なります。

離婚後300日以内に生まれた場合、子供は、元配偶者の子供として推定されるため(嫡出推定、民法第772条)、婚姻時の戸籍筆頭者(多くは元配偶者)の戸籍に入籍します。

母親は、この子供を自身の戸籍に移すために、家庭裁判所へ「子の氏の変更許可」の申立てを行う必要があります。

一方、離婚後300日を経過してから出産した場合、嫡出推定が及ばないため、子供は母親の戸籍に入籍します。この場合、子供は非嫡出子となるため、認知されないと法律上の親子関係は生じません。

妊娠中の離婚でお困りなら弁護士に相談してみましょう

妊娠中の離婚は、慰謝料、養育費、及び財産分与などの複雑な金銭的問題に加え、親権若しくは戸籍といった法的な手続きが絡むため、当事者にとって非常に心身の負担がかかります。

配偶者に有責行為がある場合でも、適切な証拠を収集し、的確な主張を行わなければ、適正な慰謝料を獲得することは困難です。

弁護士に相談することにより、妻は、代理人として相手方との交渉を任せることができ、精神的なストレスを大幅に軽減できます。

将来の生活及び子供の権利を守るためにも、妊娠中の離婚問題でお悩みの方は、ぜひ一度、離婚問題に精通した弁護士にご相談ください。

盗撮やのぞき行為に及んで逮捕された際、有罪判決が確定すると、「前科」がつきます。

本記事では、どのような状況で前科がつくのか、あるいは回避できるのか、さらに前科がつくことによる社会的なデメリットや、弁護士へ相談すべき理由について詳しく解説します。

盗撮・のぞきで逮捕されると前科がつく?

盗撮やのぞきの容疑で逮捕されたからといって、直ちに前科がつくわけではありません。

前科とは、検察官によって起訴され、刑事裁判で有罪判決が確定した場合に記録されるものです。
一方で、逮捕されたものの不起訴処分となった場合には、前科はつきません。

ただし、捜査機関に逮捕・捜査されたという履歴である「前歴」は残ることになります。
前科が将来の法的権利に及ぼすのに対し、前歴は警察や検察の内部資料として残るという違いがあります。

盗撮・のぞきで起訴されやすいケース

初犯であっても、犯行の態様が極めて悪質であると判断された場合には、起訴される可能性が高まります。

具体的には、盗撮の道具として高性能なカメラを巧妙に設置していた場合や、学校や職場など社会的責任が問われる場所での犯行などが挙げられます。

また、過去に同様の行為を繰り返している常習犯である場合や、余罪が多数発覚しているケースでは、更生の余地が乏しいとみなされ、起訴による前科がつきやすくなります。

盗撮・のぞきで前科がつかない、不起訴処分になるケース

刑事事件化しても、検察官が「起訴猶予」などの不起訴処分を下せば、前科はつきません。
不起訴を目指す上で重要なポイントを以下で整理します。

早い段階で示談が成立している

被害者との間で示談が早期に成立していることは、前科回避においても非常に強力な要素です。

被害者が宥恕を表明していれば、検察官は処罰の必要性が低いと判断しやすくなります。
また、事案が極めて軽微な場合には、「微罪処分」として処理されることもあります。

これは警察段階で厳重注意を受け、検察へ送致されずに事件が終了する手続きであり、この場合も前科はつきません。

証拠が揃っていない

検察官は、公判(裁判)で有罪を立証できる確実な証拠がない場合、起訴をためらい不起訴処分とすることがあります。

証拠には、現行犯逮捕時の状況、押収されたカメラやスマートフォンの画像データ、防犯カメラの映像などが含まれます。

なお、発覚を恐れてスマートフォン内のデータを消去しても、専門的な解析によって復元される可能性があるため、安易な証拠隠滅はむしろ情状を悪化させるおそれがあります。

盗撮・のぞきは何罪にあたる?

盗撮やのぞき行為は、主に以下の罪に問われる可能性があります。

  • 性的姿態等撮影罪(撮影罪
    性的な部位や下着などを、同意なく撮影する行為に適用されます。
  • 各都道府県の迷惑防止条例違反
    初犯の場合、多くの自治体で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」といった法定刑が定められています。
  • 軽犯罪法違反
    正当な理由なく他人の住居や浴場などを覗き見る行為に適用されることがあります。
  • 住居侵入罪
    盗撮やのぞきの目的で他人の敷地や建物に立ち入った場合に問われます。

盗撮・のぞきで前科がつくデメリット

前科がつくことは、その後の人生において多大な制約を伴うことになります。

欠格事由として就職ができない

一定の職業においては、法律で定められた「欠格事由」に該当することとになり、免許の取り消しや就職が出来なくなる場合があります。

特に医師、看護師、教職員、警備員などの専門職や国家資格を要する仕事において顕著です。

解雇・懲戒処分の可能性がある

就業規則に基づき、会社の名誉や信用を著しく損なったとして、懲戒解雇を含む処分を受ける可能性があります。たとえ解雇を免れたとしても、職場内で噂が広まり、実質的にいづらくなって退職を余儀なくされるケースも少なくありません。

盗撮・のぞきで解雇について詳しく見る

家族との関係に影響がある

盗撮やのぞきは性犯罪に分類されるため、家族に知られた際の精神的ショックは計りしれません。
これが原因で離婚に至ることもあり、有責配偶者として高額な離婚慰謝料を請求されるリスクも存在します。

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盗撮・のぞきで前科をつけないための対処法

前科を回避するためには、早期の法的対応が不可欠です。

被害者と示談する

検察官が起訴を決める前に、被害者との間で示談を成立させることが最優先事項です。
示談が成立すれば、罰金刑すら科されない不起訴処分を得れる可能性が高まり、前科を阻止できます。

示談金の相場は事案によりますが、誠意ある謝罪とともに、適切な賠償を提示をすることが重要です、

早急に弁護士に相談する

性犯罪の示談交渉は、加害者本人が行うことが困難であり、被害者の心情に考慮しても避けるべきです。
刑事事件に精通した弁護士に依頼することで、適切なタイミングでの示談交渉や、有利な証拠の収集が可能となります。

弁護士の介入は、前科を回避するための可能性を最大限にひきあげます。

盗撮・のぞきの前科に関するよくある質問

盗撮・のぞきの冤罪で捕まると前科がつきますか?

冤罪、すなわち事実無根の疑いで逮捕された場合でも、最終的に有罪判決が確定しない限り前科はつきません。捜査段階で身の潔白を証明し、不起訴処分を獲得、あるいは裁判で無罪を勝ち取ることができれば、前科が付くことはありません。

盗撮・のぞきで前科がつかないよう被害者と示談したいです。どのように被害者と連絡を取れば良いですか?

多くの場合、警察や検察は二次被害を防ぐため、加害者本人に被害者の連絡先を教えることはありません。弁護士を介することで、捜査機関から連絡先を確認し、被害者側のプライバシーを守りながら、安全かつ円滑な示談交渉を進めることが可能となります。

盗撮・のぞき事件で前科を回避するためにもなるべく早く弁護士にご相談ください

盗撮やのぞき行為で前科が付くことは、社会生活に甚大な影響を及ぼします。しかし、逮捕直後から適切な弁護活動を開始し、示談や反省の態度を示すことで、前科を回避できる道は残されています。

もし、あなた自身や家族が事件に関わってしまった場合は、取り返しのつかない事態になる前に、一刻も早く弁護士へ相談することをお勧めいたします。

盗撮やのぞき行為によって逮捕された場合、前科をつけないためには「不起訴処分」を得る必要があります。前科を回避するためには、被害者と示談を成立させるなど早期の対応が不可欠であり、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。

この記事では、盗撮・のぞき事件で不起訴処分を獲得するためのポイントや、不起訴になる確率、具体的な対応策について詳しく解説します。

盗撮・のぞきで不起訴になる可能性は?

盗撮やのぞきなどの比較的軽微とされる事件では、適切な対応をとることで不起訴処分が狙えます。
つまり、逮捕されたからといって必ずしも有罪になり、前科がつくわけではありません。

2024年の検察統計データによると、性的姿態等撮影罪(盗撮事件)などの事件における不起訴率は約20.4%となっています。

初犯であり、被害者との示談が成立しているなどの有利な事情があれば、不起訴処分を獲得できる可能性は十分にあります。

そもそも不起訴処分とは

不起訴処分とは、検察官が事件を刑事裁判にかける必要がないと判断して下す処分のことです。
不起訴となれば事件はそこで終了し、前科がつくことはありません。

一方で起訴されると、公開の裁判を受ける「通常起訴」や、書面審理のみで罰金刑が言い渡される「略式起訴」となります。

盗撮・のぞき事件の場合、略式起訴により罰金刑が科されるケースが多く見られますが、罰金であっても有罪には変わりなく、前科がついてしまいます。

盗撮・のぞきで不起訴になるメリット

盗撮・のぞき事件で不起訴処分になる最大のメリットは、逮捕されたとしても「前科がつかない」ことです。

前科がつかなければ、会社からの解雇などの不利益を回避しやすく、以前と変わらない日常生活への早期復帰が期待できます。また、長期間の身柄拘束を避けることにもつながります。

盗撮事件に強い弁護士に相談し、適切な弁護活動や示談交渉を早急に進めてもらうことで、こうした不起訴処分を勝ち取る可能性が大きく高まります。

盗撮・のぞき事件における不起訴処分の種類

不起訴処分には、主に「起訴猶予」「嫌疑不十分」「嫌疑なし」という種類があります。
自分が盗撮・のぞき行為をしたことを認めている場合は、検察官に情状を考慮してもらい「起訴猶予」になるかどうかが重要です。

一方で、盗撮やのぞきが全くの冤罪である場合や、犯罪事実を否認している場合には、犯罪を証明できないとする「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」での不起訴処分を目指すことになります。

起訴猶予

起訴猶予とは、犯罪の事実は認められるものの、被疑者の反省の態度や被害者との示談成立の有無、初犯であることなどの情状を総合的に考慮して、検察官が起訴を見送る処分のことです。

実際に盗撮やのぞき行為を認めていて不起訴処分となるケースのほとんどは、この起訴猶予にあたります。

嫌疑不十分

嫌疑不十分とは、検察官が証拠を精査した結果、被疑者が犯罪を行ったと認定するには証拠が足りないと判断された場合に下される不起訴処分です。

刑事裁判を起こしても有罪を立証できる見込みがないため、検察官は起訴を行わず、そのまま事件を終了させます。防犯カメラの映像などの客観的な証拠がなく、被害者の供述と食い違っている場合などに判断されることがあります。

嫌疑なし

嫌疑なしとは、犯罪を裏付ける証拠が全くない、あるいは被疑者に明確なアリバイがあるなど、被疑者が犯人ではないことが明らかな場合に下される不起訴処分です。

盗撮・のぞき事件において「嫌疑なし」と判断されるケースは統計的にも非常に少ないですが、冤罪の場合はこの処分での解決を目指します。

盗撮・のぞきで不起訴を獲得するためにすべき3つのこと

盗撮やのぞき事件において、罪を認めている場合に不起訴処分を得るためには、自らの罪を素直に認め、深く反省する姿勢を見せることが何よりも重要です。

客観的な証拠があるにもかかわらず自らの非を認めない姿勢を貫いていると、反省していないとみなされ、不起訴処分からは遠ざかってしまいます。検察官に良い心証を与え、不起訴を獲得するためには、以下の3つの対応を速やかに進めることが不可欠です。

➀弁護士に相談する

不起訴処分を獲得するためには、一刻も早く刑事事件に強い弁護士に相談することが不可欠です。
弁護士に依頼することで、検察官や警察に対する適切な対応や意見書の提出を任せることができ、不利な供述調書が作成されるのを防げます。

また、被疑者の代わりに会社や家族との連絡役も担ってくれるため、弁護士のサポートがあることで不起訴の可能性を最大限に高めることができます。

②被害者と示談する

盗撮やのぞきを認めている場合、不起訴処分になるためには被害者との示談が成立していることが非常に重要です。

示談によって被害者が処罰を望まない意思を示せば、検察官が起訴猶予とする大きな要因となります。
しかし、加害者本人が直接被害者に接触することは困難であり、ほとんどの被害者は拒否します。

そこで、刑事事件に精通している弁護士が間に立つことで、被害者の感情に配慮した丁寧なやりとりが期待でき、示談成立の可能性が大きく高まります。なお、盗撮・のぞきの示談金の相場は、一般的に10万円~50万円程度とされています。

③贖罪寄付をする

被害者が特定できない場合や、どうしても示談に応じてもらえない場合には「贖罪寄付」をするという方法があります。

贖罪寄付とは、反省や謝罪の気持ちを表すために、弁護士会や公益団体などに一定の金銭を寄付することです。被害者との示談ほどの強い効力はありませんが、反省の態度や再犯防止への意欲を示す行動として評価され、不起訴処分を獲得するための有利な情状の一つとなります。

盗撮・のぞきが初犯の場合は不起訴になる?

盗撮・のぞき事件が初犯であれば、被害者との示談が成立するなどの条件を満たすことで、不起訴処分(起訴猶予)を獲得できる可能性が高まります。

初犯であれば、深く反省しており再犯の可能性が低いと評価されやすいためです。
しかし、初犯だからといって必ず不起訴になるわけではありません。

盗撮・のぞき事件の場合、犯行の常習性や手口の悪質性、被害の規模などが厳しく考慮されるため、油断せずに適切な弁護活動を行うことが重要です。

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盗撮・のぞきの余罪や再犯の場合、不起訴になるのは難しい?

盗撮・のぞき事件は再犯率が高く、常習性が疑われやすい犯罪です。

そのため、余罪がある場合や、以前にも同種の犯罪で検挙されたことがある再犯の場合、検察官の心証は厳しくなり、初犯と比べて不起訴処分を獲得するハードルは上がります。

しかし、決して不起訴が不可能というわけではありません。
次項では、余罪や再犯があるケースの対応について詳しく解説します。

盗撮・のぞきの余罪がある場合

盗撮事件では、押収されたスマートフォンやパソコンのデータなどから、捜査が進むにつれて過去の余罪が複数発覚するケースが少なくありません。
余罪があると常習性が疑われるため、不起訴処分を得るのは難しくなる傾向にあります。

さらに、余罪が立件された場合、過去の犯行場所や日時が曖昧で被害者の特定が困難であることが多く、示談交渉そのものができない事態に陥りがちです。

このような場合には、被害弁償の代わりに贖罪寄付を行ったり、専門家による治療やカウンセリングを受けたりするなど、再犯防止に向けた対策を講じて不起訴処分を目指した弁護活動が必要になります。

盗撮・のぞきの再犯で逮捕された場合

過去に盗撮・のぞきで検挙された前歴・前科がある再犯で逮捕された場合、再犯の可能性や常習性が極めて高いと判断されるため、起訴される可能性は大幅に高まります。
また、刑罰が重くなるリスクも十分にあります。

もし今回の事件で被害者が複数いた場合などは「併合罪」として処理されることがあり、その場合は科される刑罰の上限が1.5倍になる可能性があります。

前科を回避し、少しでも有利な処分を目指すためには、被害者との示談を急ぐとともに、専門の医療機関での治療といった再犯防止策を強くアピールしなければなりません。

盗撮・のぞきの不起訴処分に関するよくある質問

盗撮・のぞきをしたとしても自首すると不起訴になりますか?

盗撮やのぞき行為をしてしまった場合でも、自首をすることで不起訴処分になる可能性は高まります。捜査機関に事件や犯人が発覚する前に自ら出頭し、罪を申告する自首は、深く反省していることの表れとして評価されるためです。

この反省の態度は、検察官が起訴・不起訴を判断する際に、有利な情状として考慮されます。
ただし、すでに犯人として特定されているなど、自首の要件を満たさないタイミングでは自首として扱われないため注意が必要です。

盗撮・のぞきで不起訴処分になれば前科がつくことはないですか?

盗撮やのぞきで逮捕されてしまったとしても、最終的に不起訴処分が適当であると判断されたときには前科はつきません。

前科とは、刑事裁判で有罪判決を受けた経歴を指すため、起訴されずに事件が終了する不起訴処分であれば、有罪判決を受けることはないからです。
警察の捜査対象になったという「前歴」は残りますが、前科のように就職や資格取得、日常生活に不利益をもたらすものではないため、事件前の生活に戻ることができます。

盗撮・のぞき事件で示談しなければ不起訴処分は難しいですか?

盗撮・のぞき事件において、示談が成立していないと不起訴処分を獲得するのは難しくなる傾向があります。被害者がいる犯罪では、示談によって被害者の処罰感情が和らいでいるかどうかが、検察官の処分決定に大きな影響を与えるからです。

ただし、被害者が特定できない場合や示談を拒否された場合でも、絶対に不起訴にならないわけではありません。贖罪寄付を行ったり、再犯防止のためのクリニック受診を行うなどの対応で、不起訴を獲得できるケースもあります。

盗撮・のぞきで不起訴処分を獲得するためも早めに弁護士にご相談ください!

盗撮やのぞき事件で逮捕されても、適切に対応すれば不起訴処分を獲得して前科を回避することは十分に可能です。

しかし、不起訴を獲得するためには、検察官が処分を決定するまでの限られた期間内に、被害者との示談交渉や再犯防止策の提示など、迅速かつ的確な活動が求められます。

ご自身やご家族だけで解決しようとせず、なるべく早い段階で刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士が間に入ることで示談成立の可能性も高まり、最善の結果へと導くサポートが受けられます。

交通事故の被害に遭われた際、最も気になることの一つが「いくら示談金をもらえるのか」という点ではないでしょうか。

本記事では、弁護士の視点から交通事故の示談金相場や、受け取れる金額を増額させるための重要なポイントを詳しく解説します。

適切な補償を受け、適正な再出発を図るための参考にしてください。

交通事故の示談金とは

交通事故における「示談金」とは、加害者側と被害者側が話し合い(示談)によって合意した賠償金の総額を指します。

交通事故が発生すると、被害者は加害者に対して損害賠償を請求する権利を得ますが、裁判をせずに当事者間の合意で解決する際に支払われるのが示談金です。

一度示談書を交わすと、原則として後から追加請求することはできないため、慎重な判断が求められます。

示談金と慰謝料の違い

「示談金」と「慰謝料」を混同される方が多いですが、これらは別物です。

示談金とは、治療費、休業損害、慰謝料など、事故によって生じたあらゆる損害を合計した解決金全体を指します。

一方、慰謝料は示談金を構成する要素の一つであり、事故によって受けた精神的苦痛に対する賠償金のことです。

つまり、示談金という大きな枠組みの中に、慰謝料という項目が含まれているという関係性になります。

示談金はいつ支払われる?

示談金が支払われるのは、原則として「示談が成立した後」です。
怪我をした場合、治療が終わって(または症状固定となって)から損害額が確定するため、示談交渉はその後に始まります。

示談成立後、示談書(免責証書)を保険会社に送付してから、通常1週間~2週間程度で指定の口座に振り込まれるのが一般的です。

ただし、過失割合や損害額で争いがある場合は、解決まで数年を要することもあります。

示談金には請求期限(時効)がある

交通事故の損害賠償請求権には消滅時効があります。
民法第724条および第724条の2に基づき、以下の期限を過ぎると請求できなくなるため注意が必要です。

事故の種類 起算日 時効
物損事故 事故日 3年
人身事故(後遺障害なし) 事故日 5年
人身事故(後遺障害あり) 症状固定日 5年
死亡事故 死亡日 5年
加害者不明の事故 加害者が判明した時 3年または5年

(参考)
民法第724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

民法第724条の2(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

交通事故の示談金に含まれるもの

入通院慰謝料 入院や通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛に対する賠償金です。通院期間や実際の通院日数に基づいて計算されます。
後遺障害慰謝料 治療を尽くしても完治せず、後遺障害が残った場合に認められる慰謝料です。認定された等級(1級~14級)に応じて金額が決まります。
死亡慰謝料 被害者が亡くなったことに対する慰謝料です。
亡くなった本人への慰謝料と、遺族(配偶者、子、父母など)への慰謝料を合算して請求します。
治療関係費 診察料、手術費、投薬代、リハビリ費などの実費です。
原則として保険会社から直接病院へ支払われますが、立替えた場合は示談金に含まれます。
後遺障害逸失利益 後遺障害によって将来の労働能力が低下し、本来得られたはずの収入が減少することに対する補償です。
年収や労働能力喪失率を用いて算出します。
死亡逸失利益 被害者が死亡しなければ将来得られたはずの利益です。
年収から生活費を控除し、就労可能年数などを考慮して計算されます。
休業損害 怪我の治療のために仕事を休んだことで失った収入の補償です。
会社員だけでなく、主婦(家事従事者)や自営業者も請求可能です。
その他 通院のための交通費、入院雑費、診断書作成費用、付き添い看護費、また物損がある場合は車両の修理費などが含まれます。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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交通事故の示談金の相場

状況別の示談金相場
状況 示談金相場
死傷者のいない物損事故 数万~30万円程度
他覚所見のないむちうちなど、軽症の人身事故 数十万~100万円程度
完治する人身事故 数十万~200万円程度
後遺障害が残る人身事故 数百万~数千万円程度
死亡事故 数千万~1億円程度

入通院慰謝料

入通院慰謝料の計算には「自賠責基準」「弁護士基準」の2つがあり、どちらを適用するかで金額に大きな差が出ます。

自賠責基準は最低限の補償であり、弁護士基準は過去の裁判例に基づいた正当な相場です。

【通院のみ、実通院日数10日の相場】
通院期間 自賠責基準 弁護士基準
1ヶ月 8万6000円 軽傷19万円/重傷28万円
2ヶ月 17万2000円 軽傷36万円/重傷52万円
3ヶ月 25万8000円 軽傷53万円/重傷73万円
4ヶ月 34万4000円 軽傷67万円/重傷90万円
5ヶ月 43万円 軽傷79万円/重傷105万円
6ヶ月 51万6000円 軽傷89万円/重傷116万円

軽い接触事故だった場合の示談金相場は?

「軽い接触だから大したことはない」と加害者側から言われることもありますが、たとえ低速の衝突でも首や腰に衝撃が残り、むちうち症になるケースは多々あります。

軽い事故でも人身事故として処理し、通院が発生すれば、上記の表の通り数十万円単位の示談金が発生するのが一般的です。

物損のみであれば修理代の実費程度ですが、体に違和感があるなら必ず医師の診察を受け、人身事故として対応しましょう。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、自賠責保険で認められた等級に応じて決まります。

【介護を要する後遺障害の場合】
後遺障害等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1650万円(1600万円) 2800万円
2級 1203万円(1163万円) 2370万円
【介護を要さない後遺障害の場合】
後遺障害等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1150万円(1100万円) 2800万円
2級 998万円(958万円) 2370万円
3級 861万円(829万円) 1990万円
4級 737万円(712万円) 1670万円
5級 618万円(599万円) 1400万円
6級 512万円(498万円) 1180万円
7級 419万円(409万円) 1000万円
8級 331万円(324万円) 830万円
9級 249万円(245万円) 690万円
10級 190万円(187万円) 550万円
11級 136万円(135万円) 420万円
12級 94万円(93万円) 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、亡くなった方の家族構成や家庭内での役割によって金額が左右されます。

【自賠責基準】

自賠責基準では、被害者本人への慰謝料(一律400万円)と、遺族への慰謝料を合算します。

請求権者1人 550万円
請求権者2人 650万円
請求権者3人以上 750万円
被扶養者がいる場合 200万円

【弁護士基準】

弁護士基準では、亡くなった方の立場によって基準額が明確に定められています。

一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
その他 2000万~2500万円

積極損害

積極損害とは、事故に遭ったために実際に支払いを余儀なくされた費用のことです。

代表的なものに治療費(手術費、投薬費、リハビリ費など)、入院雑費(日額1,100円~1,500円程度)、通院交通費(電車・バスの実費やガソリン代)、介護費用、葬儀関係費などが含まれます。

これらの損害は、領収書や診断書などの客観的な証拠に基づいて実費が補償されます。

自己判断で購入したサプリメントや、必要性の低いタクシー代などは認められない場合があるため、医師の指示に基づいた支出であることが重要です。

消極損害

消極損害とは、事故がなければ将来得られたはずなのに、事故によって得られなくなった利益のことです。

これは目に見えない損失であるため、保険会社との交渉で争点になりやすい項目です。
主に「休業損害」「逸失利益」の2種類に分けられます。

休業損害

休業損害は、怪我の治療のために仕事を休み、収入が減ったことに対する補償です。

計算式は、原則として「1日あたりの基礎収入 × 休業日数」となります。
サラリーマンだけでなく、有給休暇を使用した場合や、家事に従事している主婦(主夫)の方も家事労働という価値があると考えられ、請求が可能です。

休業損害について詳しく見る

逸失利益

逸失利益は、後遺障害が残ったり亡くなったりしたことで、将来の労働能力が失われ、将来の年収が減る損害を指します。

計算式は「基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数(中間利息を控除する係数)」です。若年者ほど就労可能期間が長くなるため、金額が数千万円から1億円を超えることもあります。

交通事故の示談金シミュレーションツール

自分のケースでいくらもらえるのか、具体的な目安を知りたい方は、弊所のシミュレーションツールを活用してください。

入通院期間や後遺障害等級を入力するだけで、弁護士基準での概算がすぐに分かります。
保険会社からの提示額が適正かどうかを確認する第一歩としてご利用ください。

損害賠償計算のシミュレーションツール

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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交通事故の示談金を増額させる4つのポイント

保険会社の提示額をそのまま受け入れると、本来受け取れるはずの金額よりも大幅に低くなる可能性があります。以下の4点に注意しましょう。

完治または症状固定まで治療を受け続ける

示談金の中で大きな割合を占める入通院慰謝料は、通院期間や日数に比例します。
痛みを我慢して通院をやめてしまったり、仕事が忙しいからと通院頻度を下げたりすると、「その程度の痛みだった」と判断され、慰謝料が減額されます。

医師が完治または症状固定(これ以上治療しても良くならない状態)と判断するまで、定期的に通院を継続することが不可欠です。

適切な後遺障害等級を認定してもらう

後遺障害が残った場合、その等級が1つ違うだけで示談金が数百万円から数千万円変わります。

保険会社任せにする「事前認定」ではなく、被害者側で資料を準備する「被害者請求」を行うことで、より詳細な医学的証拠を提出でき、適切な等級認定を受けられる可能性が高まります。認定には、後遺障害診断書の記載内容が極めて重要になります。

弁護士基準で請求する

これが最も直接的に金額を増やす方法です。

保険会社は自社の利益を守るため、低い「任意保険基準」や「自賠責基準」で提示してきます。しかし、弁護士が介入すると、裁判でも認められる最も高い「弁護士基準」での交渉が可能になります。

慰謝料の項目だけで、保険会社の提示額の2倍~3倍に増額することも珍しくありません。

適切な過失割合で交渉する

過失割合とは、事故に対する責任の割合のことです。

例えば、本来「加害者10:被害者0」の事故なのに、「加害者9:被害者1」とされると、受け取れる示談金が1割減らされてしまいます(過失相殺)。

保険会社が提示する過失割合は必ずしも正しいとは限りません。
事故状況を精査し、ドライブレコーダーや目撃証言をもとに適切な割合を主張することが重要です。

弁護士介入の結果、示談金が増額した事例

【事例:会社員男性・むちうち症】

状況:後方からの追突事故で、頸椎捻挫(むちうち)と診断。6ヶ月通院。
当初の提示額:約80万円(保険会社基準)
弁護士介入後:約180万円(弁護士基準+後遺障害14級認定)

ポイント:
保険会社は通院3ヶ月で治療費の打ち切りを打診してきましたが、弁護士の助言により適切な頻度で6ヶ月通院を継続。
さらに、適切な検査結果をもとに後遺障害14級の認定を受けたことで、慰謝料と逸失利益が大幅に増額されました。

示談金を適切な額で受け取るためにも、示談交渉は弁護士にお任せください

交通事故の被害者は、身体的な痛みだけでなく、保険会社とのやり取りによる精神的ストレスも抱えることになります。

保険会社は交渉のプロであり、被害者個人が対等に渡り合うのは容易ではありません。
弁護士にご依頼いただくことで、煩わしい交渉をすべて代行し、裁判基準に基づいた正当な賠償金を追求します。

多くの保険には弁護士費用特約が付帯されており、これを利用すれば弁護士費用を自己負担なしで依頼できるケースがほとんどです。

「今の提示額は妥当なのか?」「後遺障害が認められるか不安」という方は、まずはご相談ください。あなたが本来受け取るべき権利を、最大限に守ります。

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格
弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。