監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士
盗撮・のぞきで実名報道されると、社会的信用の失墜や職場への影響など深刻なデメリットが生じます。
一般的な会社員であれば実名報道の可能性は低いものの、確実に報道されないとはいえません。
盗撮をしてしまい報道が不安な方や、ご家族が実名報道された方は、早期に弁護士へご相談ください。
本記事では、実名報道されやすいケースや回避方法などを詳しく解説します。
盗撮・のぞきをしたら実名報道される?
刑事事件の報道を規制する法律は存在しないため、実名報道されるかどうかは基本的に報道機関の自主判断に委ねられています。
そのため、有名人が盗撮・のぞき行為をした場合は、実名報道される可能性が非常に高くなります。
一般の方でも、逮捕された場合には実名報道の可能性が高まります。
公務員や有名企業の役員など社会的地位のある方は、さらにリスクが高いでしょう。
なお、少年事件については、少年法により本人特定につながる報道が原則禁止されています。
ただし、特定少年(18歳・19歳)の場合は規制が緩和されることがあります。
盗撮・のぞきで実名報道されやすいケース
実名報道されやすいのは、公務員など公共性が高く社会的な信頼が重視される職業や地位に就いているケースです。これらの職業の方は、不祥事が社会に与える影響が大きいと判断されるため、報道機関に取り上げられやすくなります。
また、職場での犯行など、犯罪が職業に関連している場合はさらに実名報道のリスクが高まります。
一方で、一般的な会社員などの場合は、盗撮・のぞき行為が悪質・特殊な手口でなければ、実名報道までされるリスクは小さいといえるでしょう。
加害者が公務員
公務員は、社会的な信用のもとに成り立つ職業であり、国民全体の奉仕者としての高い倫理観が求められます。そのため、公務員による盗撮・のぞき行為は公共の利害に関わる重大な不祥事として、報道機関にも取り上げられやすい傾向があります。
特に、教員や警察官、消防士など公共性の高い職業の公務員は、一般市民の関心も高く、実名報道されるケースが多くみられます。また、公務員が職場において盗撮に及んだ場合には、事件の重大性がさらに増すため、実名報道の可能性が一段と高まるでしょう。
加害者の社会的地位が高い
社会的地位が高い人物は、より高い倫理観や社会的責任を求められる立場にあります。
そのため、スポーツ選手や芸能人のほか、国会議員、医師、弁護士、大学教授、大企業の役員なども実名報道のリスクが高いといえます。
これらの方々の事件は話題性が大きいため、たとえ不起訴処分で終わったとしても、犯罪事実が広く報じられる可能性があります。
例えば、一般の方が電車内で盗撮した場合に実名報道されることはほとんどありませんが、加害者が国会議員であれば、犯行態様が軽微であっても実名報道される可能性が高いでしょう。
盗撮の手口が特殊・巧妙
盗撮・のぞきの手口がこれまでにない特殊で巧妙なものである場合も、実名報道される可能性が高まります。目新しい手口が出てきた場合には社会的関心が高まるため、加害者の実名を含め事件の詳細が報道されることがあります。
また、犯罪の手口を広く周知することで、類似犯罪の発生を抑止する効果が期待できることも、報道機関が積極的に報道する理由のひとつとされています。
盗撮・のぞきで報道される際の流れ
盗撮・のぞき行為で実名報道される際は、主に以下のような流れで進められます。
- 1.盗撮・のぞきの疑いで逮捕される
- 2.警察がマスコミに情報提供する
- 3.実名報道される
マスコミへの情報提供を行うかどうかの判断は、基本的に捜査を担当する警察署の署長が下します。
その後、警察から情報提供を受けた事件を報道するかどうかは、各報道機関が自主的に判断します。
なお、一般の方の事件では警察からの情報提供がきっかけとなることが多いですが、有名人の場合はマスコミ独自の取材がきっかけで報道されるケースもあります。
盗撮で実名報道されるタイミング
盗撮で実名報道されるタイミングはさまざまですが、「逮捕された翌日に報道されるケース」が一般的です。逮捕直後もしくは逮捕から2日後に、身柄と事件書類が検察へ送致されるため、その際の様子を報道カメラで撮影し、午後以降に報道されるケースが特に多くみられます。
その他にも、起訴されたときや判決が下されたときなど、刑事手続上の節目に実名報道がなされることがあります。
なお、報道によって人命や事件解決に影響が出ると警察が判断した場合には、報道協定によって報道が規制されますが、盗撮・のぞき事件で報道協定が取り交わされることはまずありません。
盗撮・のぞきで実名報道を避けることはできる?
盗撮・のぞき行為による実名報道は、適切な対応を取ることで回避できる可能性があります。
具体的には、被害者との示談交渉を進めることや、報道機関・捜査機関に対して実名報道を控えるよう要望することが有効です。
以下で、それぞれの方法について詳しく解説します。
被害者と示談交渉する
被害者との示談が成立し、事件の当事者同士が和解している場合は、実名報道の回避につながります。
示談が成立した事件は重大性が低いと判断されるため、報道機関もあえて取り上げようとはしなくなるからです。また、示談成立は実名報道の回避だけでなく、早期釈放や不起訴処分の獲得にも大きく寄与します。
盗撮・のぞきのように被害者が存在する犯罪においては、まず先に被害者との示談交渉を進めることが極めて重要です。
実名報道を控えるように要望する
報道機関や捜査機関に対して、実名報道を控えてほしい旨の意見書を提出することで、報道を回避できる可能性があります。
報道機関が実名報道の判断を行う際に、事件当事者からの要望が考慮されるケースもあるためです。
ただし、単に「控えてほしい」とだけ記載しても効果は期待できません。
実名報道の必要性の低さや被疑者の不利益について、法的根拠に基づいた説明が必要です。個人では限界があるため、弁護士への相談をおすすめします。
盗撮・のぞきで報道されそうな場合は弁護士に相談
警察に実名公表の回避を要望できる
弁護士であれば、警察に対して報道機関への情報公表を控えるよう求める意見書を提出することができます。弁護士は法的根拠に基づいて意見書を作成するため、個人で要望するよりも実名公表を回避できる可能性が高まります。
実名公表の必要がないことや、公表により被疑者が受ける不利益の大きさを正しく示すためには、法的知識が不可欠であり、弁護士の力が必要といえるでしょう。
実名報道後の対応もできる
弁護士であれば、実名報道を回避できなかった場合の事後対応も適切に行えます。
例えば、報道機関に記事の削除を働きかけたり、インターネット上に転載された記事の削除を求めたりすることが可能です。
報道記事が残り続けると、第三者に悪用されて名誉毀損に該当する記事が作成されるおそれもあるため、報道後の対応は重要です。
プライバシー権の侵害を理由に記事の削除等を求めることができますが、事件の内容によっては削除が認められない場合もある点に留意が必要です。
被害者との示談交渉の早期解決も期待できる
盗撮・のぞき行為などの被害者が存在する犯罪では、当事者同士の和解を示す示談の成立が最も有利な情状とされ、早期釈放や不起訴処分、量刑の軽減等が期待できます。
しかし、加害者に対して強い怒りや悲しみの感情を抱いている被害者は、示談交渉に応じてくれないことも少なくありません。
弁護士が介入することで、被害者に安心感を与え、心情に配慮しながら適切な示談金の提案等を行うことができます。
その結果、個人で交渉を行うよりも円滑に示談が成立し、早期解決につながる可能性が高まります。
盗撮・のぞきの報道に関するよくある質問
未成年が盗撮した場合も報道されますか?
未成年者が起こした盗撮事件は、少年法によって保護されているため、原則として実名報道されることはありません。
少年法は未成年者の更生を目的としており、本人の特定につながる情報の報道を禁止しています。
ただし、法改正により特定少年(18歳・19歳)については、家庭裁判所から検察官に逆送された場合に限り、実名報道が可能となりました。
盗撮事件で実名報道され会社に知られてしまった場合は解雇されますか?
盗撮事件を理由に会社から解雇される可能性はあります。
ただし、法律上、従業員の懲戒処分に関する一律の規定はなく、各会社の就業規則の内容によって判断が分かれます。そのため、「有罪判決を受けた」「逮捕された」という事実だけで直ちに解雇されるわけではありません。
もっとも、犯した罪が会社に関連し、会社の秩序を乱したり会社に大きな損害を与えたような場合には、解雇や何らかの懲戒処分を受ける可能性が高くなります。
盗撮で自首した場合は報道を回避することはできますか?
盗撮で自首すると、実名報道を回避できる可能性が高まります。
自首は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」がないことを示す行為であるため、逮捕のリスクが大幅に軽減されます。
逮捕されなければ、報道機関は事件の重大性が低いと判断する傾向があり、結果として実名報道されない可能性が高まるのです。また、自首により在宅事件として捜査に協力できる場合もあり、日常生活への影響を最小限に抑えることが期待できます。
盗撮・のぞきで報道されるか不安な方はすぐに弁護士にご相談ください!
盗撮・のぞき事件を起こしても、必ず実名報道されるわけではありません。
しかし、逮捕されると報道の可能性は大きく高まります。
個人情報が報道されると、社会生活で深刻な不利益を被り、ご家族にまで悪影響が及ぶおそれがあります。
弁護士であれば、捜査機関への意見書の提出や報道機関への要望など、実名報道の回避に向けた行動を迅速に行えます。
法的知識をもって報道の必要性の低さや被疑者の不利益を主張し、報道の抑制につなげることが可能です。
ご不安な方は、お一人で悩まず、お気軽に弁護士へご相談ください。
盗撮やのぞきは、相手の意思に関わらず行われるプライバシーの重大な侵害であり、れっきとした犯罪行為です。スマートフォンや小型カメラの普及により近年は検挙件数も増加しており、軽い気持ちで行った行為が逮捕、起訴につながるケースも少なくありません。
本記事では、盗撮、のぞきで問われる罪の種類と刑罰、逮捕後の流れ、弁護士に依頼するメリットなどについて詳しく解説していきます。
盗撮・のぞきは犯罪行為となる
盗撮とは、相手の承諾を得ずに、スカートの中や下着、性的な部位、私生活の様子などをひそかに写真や動画で撮影する行為全般をいいます。
一方、のぞきとは、人が衣服を身につけないでいる場所(浴場、更衣室、トイレなど)をひそかに見る行為です。これらの行為が犯罪となるかどうかは主に3つの基準で判断されます。
- 正当な理由なく行われているか(医師による医療目的の撮影などは除かれる)
- ひそかに撮影・のぞき見しているか(相手が気付かない状況で行われているか)
- 撮影対象が「他人の性的姿態」にあたるか(正規、臀部、胸部、下着など)
3つのポイントを全て満たす場合、盗撮、のぞきは犯罪行為として処罰される可能性が高くなります。
盗撮・のぞきの犯罪行為に対する刑罰
盗撮行為には、状況や対象に応じて以下の罪が成立する可能性があります。
- 撮影材
- 迷惑防止条例違反
- 軽犯罪法違反
- 住居、建造物侵入罪
- 児童ポルノ規制法違反
また、のぞき行為については、迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反、住居(建造物)侵入罪が成立する可能性があります、それぞれの罪について以下で詳しく解説します。
①撮影罪
撮影罪は、2023年(令和5年)7月13日に施行された「性的妻帯撮影等処罰法(正式名称:性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記載された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の抹消等に関する法律)」によって新設された罪です。
それまでに都道府県ごとの迷惑防止条例で対応していた盗撮行為を全国一律で取り締まることを目的としており、法定刑は「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」と、従来の条例違反より大幅に厳罰化されています。
人の性的姿態を正当な理由なくひそかに撮影した場合に成立します。
②迷惑防止条例違反
迷惑防止条例違反は、各都道府県が制定する条例であり、公共の場所や乗り物内での撮影、のぞき行為を禁止しています。
撮影罪が適用できないケース(例:公共の場で衣服の上から撮影するなど性的姿態に該当しない場合)に適用されることがあります。
埼玉県の場合、違反した場合の罰則は撮影行為であれば「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」であり、のぞき行為であれば「六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」です。
常習的に行った場合にはそれぞれ加重されることとなります。
③軽犯罪法違反
軽犯罪法は、刑法で処罰するほどではないが社会秩序を乱す行為を取り締まる法律です。
「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見」る行為を禁止しています。
カメラのレンズを使った盗撮行為もこの「のぞき」に含まれると判断される場合があります。
違反した場合の罰則は、「拘留(1日以上30日未満)又は科料(1000円以上1万円未満)」と比較的軽微ですが、れっきとした犯罪です。
盗撮・のぞきは軽犯罪法違反?④住居・建造物侵入罪
盗撮やのぞきを目的として他人の住居や建物に無断で立ち入った場合、住居侵入罪または建造物侵入罪が成立します。盗撮目的での侵入は「正当な理由」のある立ち入るには該当しません。
例えば、学校の女子更衣室に隠しカメラを設置するために侵入したけーづでは、建造物侵入罪と撮影罪(または迷惑防止条例違反)が成立し、併合罪として重い処分が科される可能性があります。
盗撮は住居侵入罪・建造物侵入罪に問われる?⑤児童ポルノ規制法違反
被写体が18歳未満の場合、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰ならびに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法)」違反となります。
18歳未満の児童の性的姿態を盗撮する行為は製造材に該当し、「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」が科されます。
さらに、盗撮した画像や動画を第三者に送付、提供した場合は提供罪にも問われることになるため、より厳しい処分を受ける可能性があります。
盗撮・のぞきでも犯罪にならないケースはある?
すべての無断撮影、のぞきが犯罪となるわけではありません。
以下のようなケースでは、法律上の犯罪要件を満たさないと判断される場合があります。
- 衣服を着た状態での全身撮影や後ろ姿の撮影(ただし、都道府県の迷惑防止条例によっては処罰対象となる場合もあります。)
- 医師が医療行為として必要な範囲で患者の身体を撮影する場合など、正当な理由がある撮影
- のぞきの意思はなく、たまたま見えてしまった場合
ただし、犯罪とならないケースとの境界は状況によって判断が異なります。
「たまたま見えた」と主張しても、行為の態様や状況から故意が認定されることもあるため、安易に判断することは危険です。
盗撮・のぞきの犯罪行為で逮捕された場合の流れ
盗撮、のぞきで逮捕された場合、刑事手続きはおおむね以下の流れで進みます。
- 逮捕:現行犯逮捕または後日の通常逮捕
- 検察官への送致(逮捕後48時間以内):警察から検察官へ身柄、書類が送られる。
- 勾留請求(送致後24時間以内):検察官が裁判官に勾留を請求する。
- 勾留決定:最大20日間、身柄が拘束される。
- 起訴、不起訴の判断:証拠、示談の有無、被疑者の態度などを基に検察官により判断される。
- 起訴された場合:公判(裁判)が開かれ、有罪、無罪が判断される。
逮捕から勾留決定までは弁護士のみが面会、接見できるため、早期に弁護士を依頼することが重要です。
逮捕されないこともある?
盗撮、のぞきをしてしまった場合でも、必ず逮捕されるとは限りません。
逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断された場合は、在宅事件として捜査が進む可能性があります。
逮捕のリスクを下げるためには、自首することが有効です。
自首することで「逃亡の意思がない」ことを示せるため、身柄拘束が不要と判断されやすくなります。また、被害者との示談が成立していれば、捜査機関が身柄拘束の必要性が低いと判断する材料になります。
自首や示談交渉については、事前に弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。
盗撮・のぞきによる犯罪で弁護士に依頼するメリット
盗撮・のぞきは被害者がいる刑事事件であるため、弁護士のサポートが事件の結果を大きく左右します。
早期に弁護士に依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。
被害者との示談交渉
盗撮やのぞきの被害者は、加害者本人と直接関わることを強く拒否することがほとんどです。
弁護士が代理人として交渉することで、被害者の心情に配慮しながら示談交渉を進めることが可能になります。示談が成立すれば被害者の処罰感情が緩和され、検察官が不起訴処分を判断する際の重要な材料となります。
示談金の相場や交渉の進め方についても、弁護士から具体的なアドバイスを受けることができます。
不起訴処分の獲得に向けた弁護活動
盗撮やのぞきで起訴されると有罪判決を受けた場合に前科がつき、社会生活に深刻な影響を与えます。
弁護士に依頼することで、示談成立・反省の意思・再犯防止策の立証など、不起訴処分の獲得に向けた包括的な弁護活動が期待できます。
事前に弁護士が関与している場合のほうが不起訴となる確率が高い傾向があります。
早期保釈が期待できる
盗撮やのぞきで逮捕、勾留されると、最長23日間にわたる身柄拘束を受けることがあります。
身柄拘束が長引くと、職場や学校への影響が大きくなります。
弁護士は、勾留決定直後から保釈請求などの釈放活動を行うことができ、早期の社会復帰を目指すことが可能です。身元引受人の確保や再犯防止策の提示など、保釈が認められるための諸条件を整える上でも弁護士のサポートは欠かせません。
盗撮・のぞきで保釈されるには?盗撮・のぞきの初犯と再犯の処分の違い
盗撮、のぞきで逮捕・起訴された場合、初犯か再犯かによって処分の重さは大きく異なります。
以下では、それぞれのケースについて解説します。
初犯のケース
初犯だからといって、必ず不起訴や軽い処分になるわけではありません。
しかし、初犯であることは「有利な情状」として考慮される傾向があります。
被害者との示談が成立していれば、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まります。
反省の意思と再犯防止への取り組みを示すことも重要です。
再犯のケース
再犯の場合、常習性があると判断されやすく、初犯に比べて刑罰が重くなる可能性が高くなります。
検察官も再犯者に対しては起訴に踏み切るケースが増えます。
不起訴や執行猶予付き判決を目指すためには、再犯防止策(専門家によるカウンセリングの受講など)を具体的に示し、被害者との示談を成立させることが特に重要です。
弁護士のサポートのもと、徹底した弁護活動を行う必要があります。
執行猶予中に盗撮・のぞきをしたケース
執行猶予期間中に再び盗撮、のぞきを行った場合、原則として執行猶予は取り消され、前の刑と新たな刑を合算した期間、刑務所に収監されることになります。
ただし、一定の条件を満たせば「再度の執行猶予」が認められる場合もあります。
執行猶予を維持するためには、単に反省を述べるだけでは不十分です。
専門家によるカウンセリングや治療の受診、生活環境の改善、家族による監督体制の整備など、再犯をしない環境が整っていることを客観的に裁判所に示すことが重要です。
このような情状立証は弁護士との緊密な連携が不可欠であり、できる限り早期に弁護士に相談することをおすすめします。
盗撮・のぞきで執行猶予がつく可能性は?盗撮・のぞきをしてしまった場合はすぐに弁護士にご相談ください
盗撮、のぞきは、相手のプライバシーや尊厳を深く傷つける重大な犯罪です。
逮捕されてしまうと、その後の対応を誤るだけで処分が大きく変わってしまいます。
刑事事件は時間との戦いであり、逮捕後72時間以内の初動が特に重要です。
弊所では、盗撮、のぞきをはじめとする刑事事件の豊富な経験を持つ弁護士が在籍しています。
逮捕の回避・不起訴処分の獲得・早期釈放・被害者との示談交渉など、依頼者様の状況に合わせてスムーズかつ的確な弁護活動を行います。
「どうすれば良いかわからない」「家族が逮捕されてしまった」という方も、まずはお気軽にご相談ください。一人で悩まず、早期に弁護士のサポートを受けることが、最善の結果につながります。
離婚時に子どもの養育費をどう受け取るかは、将来の生活を大きく左右する重要な問題です。「毎月きちんと支払われるか不安」「離婚後は相手と一切関わりたくない」といった理由から、養育費を一括で受け取りたいと希望される方が多くいらっしゃいます。
しかし、養育費の一括払いには法的・税務上の注意点が数多く存在します。
本記事では、弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所の弁護士が、養育費の一括払いの可否やメリット・デメリット、計算方法について分かりやすく解説します。
養育費の一括払いや請求は認められる?
結論から申し上げますと、元夫婦間で合意ができれば、養育費を一括で請求することや一括払いにすることは可能です。
民法上、養育費の支払い方法に厳格な決まりはなく、当事者が納得していれば支払い方法は自由に決められます。
ただし、養育費は子どもの日々の成長を支えるための費用という性質上、家庭裁判所の調停や審判などでは毎月払いの分割とされるのが原則です。
そのため、相手が拒否しているにもかかわらず、裁判所が一括払いを強制する命令を下すことは基本的にありません。
また、一括払いとした場合の子どもの成人までの養育費の額は、数百万円から一千万円を超える高額な金額となりうるため、支払う側に相当な資力がなければ現実的に実現が難しいという実情もあります。
養育費の一括払いのメリット
養育費を一括で受け取る最大のメリットは、将来的な不払いや滞納のリスクを完全に排除できる点です。
一度にまとまったお金を確保できるため、離婚後の経済的な不安が大きく和らぎます。
また、毎月の送金確認や遅滞時の催促など、元配偶者と連絡を取り合う必要がなくなるため、精神的なストレスをなくして新しい生活に集中できます。
支払う側にとっても、毎月の負担や「払い続けなければならない」というプレッシャーから早期に解放される利点があります。
さらに、万が一の支払い忘れによる給与差し押さえなどのリスクも未然に防ぐことができます。
養育費の一括払いのデメリット
一方、一括払いには深刻なデメリットも存在します。
受け取る側にとっては、後述する贈与税が課されるリスクや、まとまった大金を手にしたことで無計画に使い切ってしまう流用のリスクが挙げられます。
さらに、後々子どもの進学や大病などで予想外の費用が必要になっても、すでに取り決めを終えているとみなされ、追加請求が認められにくくなる点も大きなリスクです。
支払う側にとっては、離婚時に一時的に極めて多額の資金を用意しなければならない点が最大の負担となります。
また、まとまったお金を渡した後に、それが子どものために正しく使われないのではないかという不安が残る場合もあります。
養育費一括の場合の計算方法
月額の合計を出す
養育費を一括で算出する第一ステップは、ベースとなる「適正な月額」を決めることです。
金額は夫婦間の話し合いで自由に決めて構いませんが、折り合いがつかない場合は、家庭裁判所が公表している「養育費算定表」を参考に相場を確認するのが一般的です。
算定表では、父母それぞれの年収や職業、子どもの人数・年齢を考慮して目安が算出されます。
月額が決まったら、次に支払いの終期(一般的には20歳になるまで、あるいは大学を卒業する22歳の3月までなど)を決めます。
この終期までの「残りの月数」を月額に掛け合わせることで、まずは毎月払いをした場合の単純な合計金額を算出します。
合計金額から減額する(中間利息の控除)
養育費を一括で前倒しして受け取る場合、単純に月額を合計した金額ではなく、一定額を減額することが一般的です。
お金は将来分割でもらうよりも今一括でもらう方が、利息運用などができるため経済的価値が高いとみなされるからです。
この不公平を調整するために差し引かれるのが「中間利息」であり、実務では「ライプニッツ係数」という指数を用いて計算します。
例えば、8歳の子どもが20歳になるまでの12年間(残り144ヶ月)、月額5万円の養育費を一括払いにする場合、単純な合計額は720万円です。
しかし、支払い期間12年のライプニッツ係数(年利3%で9.9540)を年額(60万円)に掛けて計算すると、一括払いの支払額は約597万2400円となり、約123万円が中間利息として控除されます。
養育費を一括請求する方法
養育費の一括請求を成立させるためには、裁判所を介さない「当事者間の話し合い(交渉)」での解決を目指す必要があります。
先述の通り、裁判所の手続きでは原則として毎月払いの判断しか下されないため、相手方が任意に一括払いに同意してくれるよう交渉を進めることが不可欠です。
話し合いによって一括払いの条件(金額、支払期日、振込口座など)に合意できたら、その内容を公正証書の形で残しておくと安心です。
口約束だけでは後々トラブルになるおそれがあるほか、一括払いの明確な根拠を公正証書に明記しておくことは、後述する税金トラブルを回避するためにも重要です。
あなたの離婚のお悩みに弁護士が寄り添います
養育費一括で請求する際の注意点
課税対象になる可能性がある
本来、子どもの生活や教育のために通常必要な範囲内で支払われる養育費には、所得税や贈与税といった税金はかかりません。
しかし、税法上非課税とされるのは「その都度、必要な生活費や学費として直接支払われるもの」に限られます。
将来の分まで一括で多額の現金を受け取ってしまうと、「日々の生活費の範囲を超えた資産の贈与」と税務署から判断され、課税対象となる危険性が高くなります。
贈与税はいくらから対象?
贈与税には、年間110万円の基礎控除額が設けられています。
そのため、1年間に個人から受け取った財産の合計額が110万円を超えた場合、その超えた部分に対して原則として贈与税が課されるおそれがあります。
養育費の一括払いは数百万円から一千万円規模のまとまった金額になりうるため、この基礎控除を大幅に超えるケースが多く、何らかの対策を講じなければ高額な贈与税を支払わなければならなくなるおそれがあります。
贈与税がかからない方法はある?
一括で受け取った養育費に贈与税がかからないようにするための有効な方法として、信託銀行などが取り扱う「養育信託」を利用する仕組みがあります。
これは、支払う側が一括で資金を信託銀行に預け、信託銀行を経由して子ども(受益者)の口座へ毎月決まった額が定期的に給付される契約です。
この方法であれば、実質的に「都度払い」と同等とみなされ、贈与税を非課税にできる可能性が極めて高くなります。
また、親権者が勝手に一括金を解約して浪費することを防げるため、支払う側にとっても「子どものために確実にお金が使われる」という安心感につながり、一括払いの交渉がまとまりやすくなるメリットもあります。
追加請求が難しくなる可能性がある
離婚時に養育費を一括で受け取り、「今後はお互いに一切の金銭請求をしない」という清算条項を交わした場合、その約束は非常に重く捉えられます。
一括払いは、将来起こり得る事情の変更もあらかじめ織り込んだ上での合意とみなされるため、後から追加で請求することは原則として難しくなります。
ただし、子どもが想定外の大病を患い高額な医療費が必要になった場合や、進学費用が予測を大幅に超えた場合など、合意時に予期できなかった「正当な理由」がある場合に限り、例外的に追加請求が認められる余地はあります。
再婚で返金が必要となる場合がある
養育費を受け取った側の親が再婚し、再婚相手と子どもが「普通養子縁組」をした場合、法律上の第一次的な扶養義務者は実親ではなく再婚相手に切り替わります。
これにより、実親(支払った側)の扶養義務は免除または減額されることになるため、すでに一括で前払いされていた将来分の養育費について、「もらいすぎている」として一部返還を求められるトラブルが起きるおそれがあります。
こうした将来の紛争を防ぐためには、離婚時の取り決めで「事情変更があっても返金は不要とする」旨を明記しておくなどの対策が必要です。
養育費の一括払い・請求をお考えの方は弁護士にご相談ください
養育費の一括払いは、将来の未払いのリスクをなくせるという大きな利点がある一方、利息控除の計算、贈与税のリスク、追加請求や再婚時の返金トラブルなど、複雑な法的問題や税務上の問題が絡み合っています。
弁護士法人ALG&Associatesでは、離婚・養育費問題に強い弁護士が、適切な一括金額の算出から、贈与税を回避するための公正証書の作成や信託の活用まで総合的にアドバイスいたします。
養育費の一括払いでお悩みの場合は、当事務所へぜひお気軽にご相談ください。
交通事故にあい、事故により受けた怪我の治療等のために仕事ができなくなってしまった場合、保険会社に対し、収入が減少したことによって生じた「休業損害」を請求することができます。
しかし、保険会社から、休業損害の支払いの打ち切りを打診してくるケースがあります。
収入が減少している状況にもかかわらず休業損害が打ち切られてしまったら、生活が苦しくなってしまいます。
そこで、本記事では、休業損害の支払いはどのタイミングで打ち切られるのか、打ち切りを打診された場合における対処法などについて解説していきます。
休業損害が打ち切られるのはどのタイミング?
休業損害は、怪我の治療のために仕事を休まざるを得ない場合における収入の減少分の損害のことをいいます。
そのため、保険会社は、以下のように、「これ以上の治療は不要」と判断した場合に休業損害の支払いの打ち切りを打診してくることが多いです。
- 医師から症状固定(これ以上治療を続けても症状が改善しないと判断された場合)と診断されたとき
- 医師が業務復帰可能であると判断した時
- 症状・治療内容に変化が見られないとき
- 事故とは無関係な症状が悪化した時
- 一般的な治療機関の目安が終了したとき
どのくらいの期間で打ち切られることが多い?
打ち切りまでの期間は、事故により受けた傷害の内容・程度によりますが、保険会社は、怪我の種類によって治療機関の目安を設けています。
打撲の場合は約1か月、むち打ちの場合は約3か月、骨折の場合は約6か月が目安となっているようです(打撲・むち打ち・骨折のそれぞれの頭文字とそれぞれの目安の治療期間の数字をとって、「DMK136」といわれています)。
ただ、あくまでもこれは目安に過ぎません。
当然、治療期間は個々の事情によって異なっていきます。
保険会社に休業損害を打ち切ると言われたときの対処法
打ち切りには安易に同意しない
安易に打ち切りに同意してしまうと、その後休業損害の支払いを受けることはできなくなってしまいます。そのため、安易に打ち切りに応じないことが大切です。
治療の継続の必要があるのかどうかを判断するのは保険会社ではなく医師ですので、まずは医師に相談する旨を伝え、その場で合意しないようにしましょう。
また、なぜ打ち切りの打診をしてきたのか、その理由について書面で回答してもらうことを求めるのも有効です。
まだ休業が必要なら医師から説明してもらう
まだ症状が残っていて仕事復帰が難しい場合には、医師に以下の内容を含む診断書を作成してもらい、保険会社に対して治療の継続が必要であることを示しましょう。
- 現在の怪我の症状
- 治療の必要性
- 今後の治療方針や改善の見込み
- 仕事復帰が難しい旨とその理由
- 日常生活への具体的影響
また、診断書とは別に、医師に意見書を作成してもらうことも有効です。
他の制度による補償を受ける
保険会社からの休業損害の支払いが打ち切られてしまった場合に備えて、以下のような制度による補償も検討しましょう。
- 労災保険
勤務中や通勤中に起きた事故である場合には、労災保険から給与の8割相当の休業補償を受けることができます。 - 健康保険
労災保険が適用されない事案の場合、健康保険から給与の3分の2相当の傷病手当金を受け取ることができます。 - 人身傷害保険
人身傷害保険に加入している場合、保険金を請求できます。 - 仮処分の申立て
裁判所に仮払い仮処分を申立て、保険会社に対し、休業損害を支払う旨の命令が出されれば、賠償金の前払いとして休業損害を受け取れます。
後遺障害等級の申請をする
症状固定によって怪我の治療期間が終了し、休業損害が受けられなくなってしまった場合でも、後遺障害が残ってしまったせいで、以前のように仕事をすることができず、収入が減少してしまうことがあります。
そこで、後遺障害等級申請を行い、等級が認められた場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになるため、賠償額が大幅に増額することになります。
なお、ここでいう「後遺障害」は単に痛みが残っているなどといった「後遺症」とは異なり、残った症状を医学的に証明又は説明できるもののことをいいます。
後遺障害等級申請にあたっては、専門的な知識を要しますので、一度弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談する
休業損害の支払い打ち切りの打診を受けた場合、弁護士に相談するというのも選択肢の一つです。
弁護士に相談することで、状況を客観的かつ法的な視点から分析し、適切なアドバイスを受けることができます。
また、弁護士が主治医と連携して診断書や意見書を作成してもらい、保険会社に対して適切な主張を展開し、休業損害の支払いを延長するよう交渉したりすることができます。
また、証拠次第では、一度打ち切られたとしても、事後的に、打ち切られた後の部分の休業損害を相手方保険会社に認めさせられる可能性があります。
そのため、休業損害についてお困りの場合には、一度弁護士に相談することをご検討ください。
まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします
休業期間を延長した事例・裁判例
東京地判平成28年3月23日
裁判所は、追突事故で頸椎捻挫の傷害を負った被害者である原告が、被告から、休業期間につき、会社を休業した(平成24年10月20日から平成25年2月15日までの)104日のみであると争われた事件で、原告が医師から通院加療中は就業を控えるよう指示されており、同年6月3日まで通院し、同日、症状固定とされたこと、原告がトラックドライバーという安全確保のため心身の健康が求められると考えられる職業であることなどから、原告の休業期間について、171日と認定しました。
京都地判平成27年9月16日
この裁判は、事故日から約4ヶ月半で休業損害の支払いを打ち切られた事案です。
裁判所は、事故日から8ヶ月間が経過した後もなお、装具なしで歩行できず、職場から復帰を断られた事実等を考慮して、原告の休業期間を267日間と認定しました。
休業損害の打ち切りについてお困りなら、交通事故に強い弁護士にご相談ください
保険会社から休業損害の打ち切りを打診されると、どうすればいいのかわからず、不安を覚える方も多いかと思います。
休業損害支払いの打ち切りには、安易に同意しないことが大切です。
まずは弁護士など専門家にご相談ください。専門的な視点から、客観的に状況を分析し、適切な対応を図っていきます。
弁護士法人ALGには、交通事故案件の経験豊富な弁護士が多数在籍しているため、ご相談者様の不安にしっかりと寄り添い、サポートしていくことが可能です。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
遺言書を見つけたけれど、どうすればいいか分からないとお悩みではありませんか?
特に「自筆証書遺言」の場合、勝手に開封してしまうと過料の制裁を受ける可能性があるため注意が必要です(民法1005条)。
本記事では、遺言書の検認手続きの重要性や注意点について、分かりやすく解説します。
遺言書の検認とは
遺言書の検認とは、自筆証書遺言を発見した際に義務付けられている手続きです。
遺言書が封筒に入っている場合、勝手に開封すると民法上の過料の制裁を受ける可能性があるため注意が必要です。
ただし、すべての自筆証書遺言に検認が必要なわけではありません。
2020年に施行された自筆証書遺言保管制度を利用し、法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書については、例外として検認手続きは不要とされています。
有効性を判断をされるものではない
遺言書の検認手続きは、あくまで遺言書の存在や発見時の状態を確定し、後から偽造や変造がされるのを防ぐためのものです。
したがって、家庭裁判所で検認を受けたからといって、その遺言書が法的に「有効」であると証明されたわけではありません。
また、検認が不要となる法務局の自筆証書遺言保管制度を利用した場合であっても、法務局が遺言書の有効性を確認する制度ではない点には注意が必要です。
遺言書の検認が必要になるケース
遺言書の検認手続きが必要となるのは、主に「自筆証書遺言」をご自宅や貸金庫などで発見したケースです。
公証役場で作成される公正証書遺言の場合は、偽造や変造のおそれがないため検認の対象外となります。
また、自筆証書遺言であっても、「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書については、例外として検認が免除されます。
つまり、検認が必要なのは法務局に保管されていない自筆証書遺言に限られます。
検認せずに遺言書を開封してしまったらどうなる?
封印のある自筆証書遺言を、家庭裁判所での検認手続きを経ずに勝手に開封してしまうと、民法上の過料という制裁を受ける可能性があります。
しかし、誤って開封してしまったからといって、遺言書そのものが無効になるわけではありません。ただし、焦って遺言書を意図的に隠匿したりすると「相続欠格」となり、相続権を失う恐れがあるため注意が必要です。
誤って開封してしまった場合は、速やかに弁護士へご相談ください。
遺言書の検認に期限はある?
遺言書の検認には、具体的な日数の期限は法律上定められていません。
しかし、民法では、遺言書の保管者や発見した相続人は、相続の開始を知った後「遅滞なく」家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないとされています。
もし意図的に検認を避け、遺言書を隠匿したとみなされると「相続欠格」となり、相続権を失う恐れがあります。
発見後はできるだけ速やかに弁護士へ相談し、手続きを進めることが重要です。
遺言書の検認手続きの流れ
遺言書の検認手続きは、主に以下の流れで進められます。
- ① 検認の申立て
遺言書の保管者や発見した相続人が、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。この際、被相続人や相続人の戸籍謄本などの書類が必要です。 - ② 検認期日の通知
家庭裁判所から相続人全員に対し、検認を行う期日の通知書が郵送されます。 - ③ 検認の実施
期日当日、出頭した相続人の立ち会いのもと、裁判官が封印された遺言書を開封し、その状態や内容を確認します。 - ④ 検認済証明書の交付
検認終了後、「検認済証明書」の交付を受けます。
これを遺言書に添付することで、不動産の名義変更や預金の解約といった具体的な相続手続きが可能となります。
手続きをする人(申立人)
遺言書の検認手続きを申し立てることができるのは、主に「遺言書の保管者」または「遺言書を発見した相続人」です。
これらの人が、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して手続きを行います。
必要書類
遺言書の検認を家庭裁判所に申し立てる際には、いくつかの書類を準備する必要があります。
主な必要書類は、検認申立書のほか、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、そして相続人全員の戸籍謄本です。
また、相続関係によっては、追加の戸籍謄本などが求められることもあります。
戸籍の収集は時間や手間がかかることが多いため、手続きに不安がある場合は弁護士にご相談ください。
申立先
遺言書の検認の申立ては、遺言者(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
管轄の裁判所が遠方にあってご自身で手続きに赴くのが難しい場合などは、お早めに弁護士へご相談ください。
検認手続きにかかる費用
遺言書の検認手続きを家庭裁判所へ申し立てる際には、費用がかかります。
具体的には、遺言書1通につき800円分の収入印紙と、裁判所からの通知などに使用される連絡用の郵便切手代(裁判所により異なりますが数千円程度)が必要です。
また、戸籍謄本などの必要書類を収集するための交付手数料も発生します。
ご自身での手続きが不安で弁護士に依頼する場合は、別途弁護士費用がかかります。
まずは弁護士へご相談ください。
遺言書の検認が終わった後の流れ
家庭裁判所での検認手続きが無事に終了すると、遺言書に「検認済証明書」が合綴されて申立人に返還されます。
この検認済証明書が付いた遺言書を用いることで、初めて法務局での不動産の相続登記(名義変更)や、金融機関での預貯金の解約・払戻しといった具体的な相続手続きを進めることが可能になります。
相続手続きには期限が設けられているものもあるため、検認後は速やかに各機関での手続きへ移行することが大切です。
相続に強い弁護士があなたをフルサポートいたします
遺言書の検認に関するQ&A
遺言書の検認に行けない場合、何かペナルティはありますか?
家庭裁判所から検認期日の通知が届いたものの、仕事や遠方などの理由でどうしても出席できない場合でも、申立人以外の相続人であれば過料などのペナルティや法的な不利益はありません。
遺言書の検認は、相続人全員が揃っていなくても、申立人が出席していれば手続きを進めることができます。欠席した相続人には、手続き終了後に家庭裁判所から検認が済んだ旨の通知が送付されます。
検認できない遺言書はありますか?
「検認ができない(検認の対象外となる)」遺言書には、公証役場で作成した「公正証書遺言」や、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている自筆証書遺言が含まれます。
これらは偽造・変造の恐れがないため検認は不要です。
なお、「誤って開封してしまった」遺言書でも検認手続き自体は可能ですが、過料の対象となる場合があるため、発見した状態のまま速やかに家庭裁判所へ提出してください。
遺言書の検認を弁護士に頼んだら、費用はどれくらいになりますか?
遺言書の検認手続きを弁護士に依頼する場合の費用は、事務所によって異なりますが、一般的には手数料として数万円から十数万円程度が相場とされています。
これに加えて、裁判所へ納める収入印紙代や郵便切手代、戸籍謄本などの書類収集にかかる実費が別途必要です。
当事務所では、ご相談者様の状況に合わせた明確な費用のお見積もりを事前にお出ししておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
検認せずに開けてしまった遺言書は無効になりますか?
封印のある自筆証書遺言を家庭裁判所の検認前に勝手に開封してしまっても、遺言書そのものがただちに無効になるわけではありません。
しかし、民法上の規定により過料という制裁を受ける可能性があります。
また、勝手に開封すると他の相続人から「内容を書き換えたのではないか」と偽造や変造を疑われ、無用なトラブルに発展する恐れがあります。
誤って開けてしまった場合でも、速やかに検認手続きを行ってください。
遺言書の検認手続きは専門家にお任せください
遺言書の検認手続きには、お亡くなりになった方の出生から死亡までの戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本を漏れなく収集するなど、多くの手間と時間を要します。
弁護士にご依頼いただければ、煩雑な書類の収集から家庭裁判所への申立てサポートまでスムーズに進めることができます。
遺言書の有効性や内容をめぐって相続人間でトラブルになりそうな場合も迅速に対応可能です。遺言書を見つけたら、まずは当事務所へお任せください。
被相続人(亡くなった人)が一部の相続人に対して遺贈(遺言に基づく財産の処分)・生前贈与(亡くなる前に行った財産の贈与)・死因贈与(亡くなることを条件とする財産の贈与)をすると、贈与等を得た相続人と贈与等を得ていない相続人が存在することになってしまい、共同相続人の間で不均衡が生じてしまいます。
そこで、民法では、被相続人が行った遺贈・生前贈与を「特別受益」として考慮したうえで共同相続人間の不均衡を是正するべきものとされています(民法903条、904条)。
今回は、この特別受益について分かりやすく解説していきます。
特別受益とは
「特別受益」とは、被相続人からの遺贈・生前贈与・死因贈与(以下「贈与等」といいます。)によって一部の相続人が得た、特別の利益のことをいいます。
このような贈与等においては、遺産分割時にその贈与等による利益を相続財産に加算したうえで、各相続人の相続分を算定しなければならないとされています(民法903条1項)。
この相続財産への計算上の加算を、「特別受益の持戻し」といいます。
特別受益の持戻しを行うことにより、特別受益を相続財産に含めたうえで(計算上、いったんは贈与等をなかったものとして扱う)、共同相続人間の具体的な相続分を計算できるようになるため、贈与等による共同相続人間の不均衡が是正されます。
対象者
「特別受益者」が得た贈与等の利益が、特別受益の持戻しの対象となります。
この「特別受益者」とは、遺産分割の当事者となる共同相続人のうち、被相続人から贈与等により財産を得た者のことをいいます。
つまり、特別受益者は共同相続人に限定されることになるため、被相続人の友人・愛人・相続人の配偶者・相続人の子など、相続人でない人は特別受益者には該当しないため、このような者が得た利益は特別受益の持戻しの対象にはなりません。
※共同相続人
- ①被相続人の配偶者(民法890条)
被相続人の配偶者は、常に相続人になります。 - ②相続順位の最上位に該当する者(民法887条、889条1項)
第1順位:被相続人の子、孫など、被相続人の直系の下の世代(これを「直系卑属」といいます。)。被相続人に近い世代を優先。
第2順位:被相続人の父母や祖父母など、被相続人の直系の上の世代(これを「直系尊属」といいます。)。被相続人に近い世代を優先。
第3順位:被相続人の兄弟姉妹、または兄弟姉妹の直系卑属。被相続人に近い世代を優先。
特別受益と遺留分の違い
相続人間の不均衡が生じた際、特別受益のほかに「遺留分」が問題になることもあります。
両制度は、以下のような違いがあります。
| 特別受益 | 共同相続人の一部の人が、贈与等によって特別に得た利益。 共同相続人間の不公平を是正するための制度。 共同相続人に対する贈与のみが計算の対象。 |
|---|---|
| 遺留分 | 被相続人の、兄弟姉妹及び兄弟姉妹の直系卑属以外の法定相続人に最低限保障された遺産の取得分。 遺された相続人の生活保障のための制度。 共同相続人以外の者に対する贈与等も計算の対象。 |
特別受益の時効
特別受益に時効はありません。
そのため、数十年前に行われた生前贈与であっても、特別受益の持戻しの対象にすることができます。
但し、令和5年4月1日の民法改正により、被相続人がなくなってから10年を経過した後にする遺産分割で、かつ被相続人が令和5年4月1日以降に亡くなっている場合、原則として特別受益の主張ができなくなってしまうようになりました(民法904条の3)。
特別受益の範囲(対象となる贈与)
特別受益の対象となるのは、①遺贈のほか、生前贈与・死因贈与のうち②婚姻のための贈与・③養子縁組のための贈与・④生活の資本としての贈与です(民法903条1項)。
遺贈
遺贈とは、被相続人の遺言に基づいて財産を無償で譲渡することをいいます。
相続人に対する遺贈は、その目的を問わず、常に特別受益の対象となります。
婚姻のための贈与
被相続人が支度金・持参金等の名目で、相続人の婚姻に際して財産を贈与していた場合、その贈与は特別受益の対象となります。
但し、その贈与額が少額で、被相続人の資産及び生活状況に照らして扶養(民法730条)の範囲といえる場合には、特別受益に該当しないと考えられています。
養子縁組のための贈与
養子縁組のための費用についても、上記婚姻のための贈与と同様に持参金や支度金等の名目での相続人に対する財産の贈与は、特別受益の対象となります。
生活費の援助
扶養の範囲を超える高額な生活費の贈与は、生活の資本としての贈与として特別受益に該当する場合があります。
特別受益の対象となる贈与か否かは、贈与額のほか、贈与目的、被相続人の資産・生活状況、被相続人と相続人の関係性など、扶養義務(民法730条)の範囲内かどうかによって判断されます。
不動産の贈与
居住用不動産や土地の贈与、居住用不動産の購入資金、特定の相続人に不動産を無償で使用させていた場合の賃料相当額などは、特別受益の対象となることが多いです。
但し、相続人が被相続人と同居していた場合は、特別受益とは認められない場合が多いです。
また、婚姻期間が20年以上の配偶者の一方に対する不動産の贈与等は、特別受益の持戻し免除の意思表示が推定されることとなっています(民法903条4項)。
学費
原則として、被相続人が扶養義務者である場合、学費の支出は扶養義務(民法730条)の履行に基づくものであるとして、特別受益には該当しません。
但し、被相続人の資産および生活状況等に照らして扶養義務の範囲を超えるものといえる場合には、そのような学費の支出は特別受益の対象となります。
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特別受益の計算方法
特別受益が認められる場合は、特別受益の持戻しを行い、「みなし相続財産」(特別受益の持戻しによって算出された、計算上の相続財産)を算出します。
そのうえで、以下のように具体的な相続分を算出します。
- 特別受益者
みなし相続財産×法定相続分-特別受益文(民法903条1項) - 特別受益を得ていない相続人
みなし相続財産×法定相続分
特別受益の計算例
例えば、被相続人である夫が4000万円の財産を残して亡くなり、相続人が妻、長男、長女の3人の場合で、夫が長男に対し1000万円の土地を生前贈与していた場合を考えてみましょう。
- みなし相続財産
みなし相続財産は、相続財産4000万円に土地の価額1000万円を加算した5000万円になります。 - 各相続人の相続分
法定相続分は、妻が2分の1、長男・長女がそれぞれ4分の1ずつになります(民法900条1号、4号)
| 相続人 | 特別受益を考慮しない場合の相続分 | 特別受益を考慮する場合の相続分 |
|---|---|---|
| 妻 | 2000万円 (4000万円×1/2) |
2500万円 (5000万円×1/2) |
| 長男 | 1000万円 (4000万円×1/4) |
250万円 (5000万円×1/4-1000万円) |
| 長女 | 1000万円 (4000万円×1/4) |
1250万円 (5000万円×1/4) |
特別受益の相続税の計算方法
遺贈・死因贈与に基づく特別受益については、相続税の課税対象となります。
生前贈与に基づく特別受益については、
- 相続時精算課税制度の適用を受けない場合
相続開始前3年以内の贈与は相続税の課税対象となる。それ以前の贈与については、相続税の課税対象にはならず、贈与税の課税対象となる。 - 相続時精算課税制度の適用を受ける場合
制度の適用を開始した時から相続開始時までのすべての生前贈与が相続税の課税対象となる。
特別受益についてわからないことがあれば弁護士にご相談ください
被相続人による贈与等があった場合、それが特別受益に該当するのか、特別受益に該当するとしてどのように持戻しを計算するのか、相手方とどのように交渉していけばいいのかといった点について精確に把握するためには専門家の知識・経験に基づいたサポートが欠かせません。
特別受益について何かわからないことがあれば、お気軽に弁護士法人ALGまでご相談ください。
交通事故に遭った際、適正な賠償金を得るために弁護士へ依頼することは、今や一般的な選択肢となっています。
一方で「弁護士に依頼したけれど、思うような結果にならなかった」「対応に不満がある」と後悔を感じてしまうケースも少なくありません。
本記事では、交通事故案件に精通した弁護士法人ALG埼玉法律事務所の弁護士の視点から、弁護士依頼で後悔する具体的なケースとその対処法、さらに万が一の場合の弁護士変更の手順まで詳しく解説します。
交通事故にお悩みの方が、後悔のない選択をするためのガイドとしてご活用ください。
交通事故で弁護士に依頼するメリット・デメリット
交通事故に遭った際、果たして本当に弁護士に依頼した方がいいのか、迷われる方もいらっしゃるでしょう。
交通事故を弁護士に依頼した際のメリットとデメリットについて、以下で解説します。
【メリット】
最大のメリットは、賠償額の算定基準が「弁護士基準(裁判基準)」になることです。
保険会社が提示する基準よりも賠償額の増額が見込めます。
また、相手方保険会社との煩わしい交渉をすべて弁護士が代行するため、被害者の方は治療や日常生活の回復に専念できるという精神的・時間的な利点も無視できません。
【デメリット】
主なデメリットは、弁護士費用が発生することです。
特に賠償額が少額な場合、費用が利益を上回るリスクがあります。また、弁護士選びを誤ると、コミュニケーションの不一致からストレスを感じてしまう可能性もあります。
なお、慰謝料の算定基準については、以下の表もご参照ください。
| 自賠責基準 |
|
|---|---|
| 任意保険基準 |
|
| 弁護士基準 |
|
弁護士依頼で後悔するケースとその対処法
弁護士に依頼した後に「こんなはずではなかった」と後悔してしまう主な理由は、金銭的な結果への不満、あるいは弁護士とのコミュニケーション不足に大別されます。
以下、具体的なケースと、そうならないための対処法を見ていきましょう。
弁護士に依頼したが示談金に納得できない
弁護士に依頼したが、思うような結果を得られず、示談金額に納得できなかったケースです。このケースでは、弁護士の実力や経験により、請求できる金額が変わってしまうこともあります。
交通事故に詳しい弁護士とそうでない弁護士とでは、請求できる項目の把握や過去の判例の適用、主張の仕方に差が出てしまいます。
また、以下のように、そもそも示談金の増額が見込めない要因を抱えていることも考えられます。
- 通院頻度や日数が適切ではない
入通院慰謝料は通院日数に左右されるため、極端に少ないと増額が難しくなります。 - 無許可で整骨院に通院していた
整骨院には医師がいないため、医師の指示や許可がない通院は慰謝料や治療費として認められないリスクがあります。
示談金で後悔しないための対処法
それでは、示談金で後悔しないためにはどうすればいいのでしょうか。
最も重要な方法は、「交通事故の実績・経験が豊富な弁護士に依頼する」ということです。
専門性の高い弁護士に依頼することで、適切な通院回数や検査のアドバイスがもらえます。
その結果、適切な頻度・期間で治療を受けることで、入通院慰謝料の最大化や後遺障害等級に認定される可能性も高まります。
また、あらかじめ弁護士と希望する額や解決の方針(早期解決か、時間をかけても金額を追求するか)についてしっかりと話し合いをしておくことで、共通の見通しを形成し、後悔する可能性を低くすることができます。
弁護士費用が示談金を上回ってしまう
弁護士に依頼して示談金を受け取っても、得られる示談金よりも弁護士費用の方が多くなってしまうことを「費用倒れ」といいます。
このような場合、弁護士に依頼せず、ご自身で対応したほうが結果的に多くの示談金を獲得できていたという事態になり、後悔に繋がります。
特に以下のケースでは費用倒れとなる可能性に注意が必要です。
- 物損事故のみの場合
車両の修理費などは実損害の補填であるため、弁護士が介入しても増額幅が小さく、費用が上回るおそれがあります。 - 怪我が軽症だった場合
通院期間が短く後遺障害も残らない場合、賠償額自体が低額となるため、弁護士費用の方が高くなることがあります。 - 加害者が任意保険に未加入だった場合
加害者に資力がない場合、自賠責保険の限度額までしか回収できず、十分な費用を捻出できない可能性があります。
費用倒れで後悔しないための対処法
費用倒れを回避するための最も有効な手段は、「弁護士費用特約」を利用することです。
弁護士費用特約とは、自動車保険や火災保険などに付帯している特約で、弁護士への相談料や委任費用を保険会社が(一般的に300万円まで)負担してくれるものです。
ご自身の保険だけでなく、同居のご家族などの保険に付帯していれば利用できる場合がありますので、まずは保険内容を確認しましょう。また、特約がない場合でも、あらかじめ費用の見積もりを取ることが重要です。
弁護士法人ALGでは、弁護士相談の際に費用倒れになりそうな場合はしっかりとその旨をお伝えしておりますので、安心してご相談ください。
弁護士に依頼したが過失割合が変わらない
過失割合とは、事故を起こした当事者双方の責任を「9:1」「8:2」といった比率で表したものです。過失割合は損害賠償額に直結します。
例えば損害額が100万円で、被害者に1割の過失がある場合、受け取れる金額は90万円に減額(過失相殺)されてしまいます。
相手方の保険会社は、必ずしも正しい過失割合を提示しているとは限りません。
しかし、提示された割合が過去の裁判例に照らして妥当である場合、弁護士が介入しても割合を覆すことは難しく、結果的に「依頼したのに変わらなかった」という後悔が生じることがあります。
過失割合で後悔しないための対処法
過失割合に納得がいかない場合は、ただ主張するだけでなく、それを裏付ける客観的な証拠を確保することが大切です。
【過失修正を裏付ける証拠の例】
- ドライブレコーダーの映像
- 周辺の防犯カメラの映像
- 事故車両の損傷箇所や事故現場の写真
- 目撃者の証言
これらを弁護士に精査してもらうことで、具体的な修正要素を主張できる可能性が高まります。まずは弁護士に相談し、提示されている割合が妥当かどうか判断を仰ぎましょう。
弁護士に依頼したが後遺障害が認められない
交通事故による怪我が完治せず、医師から「症状固定」と診断された場合、後遺障害等級認定を申請できます。
認定されれば「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」を請求できるため、賠償金は大幅に増額されます。
弁護士に依頼することで適切な検査のアドバイスを受けるなど認定の確率は高まりますが、以下のようなケースでは、弁護士が介入しても認められないことがあります。
- 事故との因果関係が医学的に証明できない場合
- 通院日数や治療期間が不足している場合
- MRIやレントゲンなどの画像上の異常所見が認められない場合
後遺障害等級認定で後悔しないための対処法
後遺障害認定で後悔しないためには、以下のポイントが重要です。
- 1. 事故後すぐに病院を受診する
事故から時間が空くと、怪我と事故の因果関係が否定されやすくなります。 - 2. 継続的に通院し、自覚症状を医師に伝える
通院頻度が低いと「治った」と判断されるおそれがあります。診察時には痛みや違和感を具体的に医師へ伝え、記録に残してもらいましょう。 - 3. 必要な検査を適時に受ける
神経症状(しびれ等)を証明するためには、MRI等の画像検査や神経学的検査が不可欠な場合があります。
早い段階で交通事故に精通した弁護士に相談することで、どのような通院頻度が望ましいか、どのような検査が必要かといったアドバイスを受けることができ、認定の可能性を最大限に高めることが可能です。
弁護士と連絡が取れない・連絡が遅い
「弁護士に電話してもいつも不在」「メールの返信が数日こない」「進捗報告が全くない」といった理由から、弁護士への依頼を後悔するケースは少なくありません。
弁護士が一人で運営している事務所や、抱えている案件数が多すぎる場合、どうしても連絡が後回しになってしまうことがあります。
交通事故の手続きは数ヶ月から年単位に及ぶことも多いため、連絡がスムーズに取れないことは依頼者にとって大きな精神的ストレスとなり、信頼関係の破綻を招きます。
弁護士法人ALGでは、多数の弁護士や専門スタッフが在籍しているため、組織的な対応により「連絡が取れない」という事態を防ぐ体制を整えています。
弁護士との連絡で後悔しないための対処法
後悔を防ぐためには、依頼前の段階で「進捗報告の頻度」や「連絡手段(電話、メール等)」を確認しておきましょう。
また、交通事故の手続きには「保険会社の回答待ち」や「等級認定の審査待ち」など、どうしても時間がかかる期間があります。
事前に「次はいつ頃、どのような動きがあるか」という目安を弁護士に聞いておくだけでも、不安な気持ちを避けることができます。
弁護士の対応が悪い・相性が合わない
弁護士も人間である以上、性格的な相性は存在します。
- 高圧的な態度をとる、話を最後まで聞いてくれない
- 専門用語ばかりで説明がよく分からない
- こちらの意向を無視して勝手に方針を決めてしまう
- 自分の案件を後回しにされていると感じる
このような状況では、大切な事件を安心して任せることはできません。
相性が悪い弁護士とのやり取り自体が苦痛になり、案件解決まで多大なストレスを抱えることになってしまいます。
弁護士との相性で後悔しないための対処法
相談の際に「この弁護士は話しやすいか」「こちらの質問に丁寧に答えてくれるか」をしっかり見極めましょう。
もし、すでに依頼していて「どうしても合わない」と感じる場合は、無理に続ける必要はありません。後述するように、弁護士を変更することも立派な選択肢の一つです。
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交通事故で後悔しないための弁護士の選び方
交通事故の示談交渉を成功させ、後悔しない結果を得るためには、「どの弁護士に依頼するか」という入り口の部分が最も重要です。
以下の2つのポイントを基準に選びましょう。
交通事故の実績・経験が豊富な弁護士を選ぶ
弁護士の業務は多岐にわたるため、すべての弁護士が交通事故に精通しているわけではありません。
交通事故特有の損害項目(休業損害の計算や後遺障害等級の認定基準など)を熟知しているかどうかで、最終的な獲得金額に大きな差が出ます。
事務所のホームページを確認し、交通事故を専門的に扱っているか、解決実績が豊富に掲載されているかを確認しましょう。
実際に相談した際、自身のケースと似た事例の経験があるか尋ねてみるのも良い方法です。
無料相談を利用して弁護士との相性を図る
ネットの情報や評判だけで決めるのではなく、まずは無料相談を利用して、実際に担当となる弁護士と話をしてみることが不可欠です。
【確認しておくべき事項】
- 説明が分かりやすいか(専門用語を噛み砕いてくれるか)
- デメリットやリスクも正直に話してくれるか
- 連絡の取りやすさや、報告の体制は整っているか
- こちらの希望する解決方法(早期解決か、金額重視か等)を尊重してくれるか
これらを直接確認することで、依頼後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を未然に防ぐことができます。
交通事故に強い弁護士を選んだら…依頼するタイミングは?
交通事故に遭われた場合には、なるべく早い段階で弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
早い段階から弁護士が介入することで、治療中の適切な通院頻度のアドバイスや、後遺障害等級認定を見据えた検査の指示など、交通事故全般にわたるサポートが可能になります。
また、相手方保険会社との窓口をすべて弁護士に一本化できるため、不慣れな交渉によるストレスから解放され、治療に専念できる環境が整います。
今後の見通しが立つことで、事故直後の不安も解消されるはずです。
弁護士を変更したい場合の手続きの流れ
すでに他の弁護士に依頼している方でも、「対応に不満がある」「頼りないと感じる」といった場合は、弁護士を変更(解任)することが可能です。
弁護士の変更は、以下のステップで進めていきます。
①新しい弁護士を探す
まずは、現在の弁護士を解任する前に、新しく依頼する弁護士を探しましょう。
解任を先にすると、弁護士が不在の「空白期間」ができてしまい、その間に保険会社から示談を迫られるリスクがあるためです。
新しい弁護士の無料相談を利用し、現在の不満点や状況を話し、引き継いでくれるかを確認しましょう。
②変更前の弁護士に解任を通知する
新しい弁護士が決まったら、現在の弁護士に解任の意思を伝えます。
解任にあたって特別な理由は必要なく、電話やメール、書面などで通知することで契約を終了させることができます。多くの場合、スムーズに解任に応じてもらえます。
③新しい弁護士に依頼する
前任の弁護士を解任したら、新しい弁護士と正式に委任契約を結びます。
着手金や実費の支払いが必要な場合は、このタイミングで行います(弁護士費用特約を利用する場合は、保険会社への連絡も必要です)。
④弁護士間で引継ぎなどが行われる
新旧の弁護士間で、これまでの交渉経緯や預かり資料の引き継ぎが行われます。
基本的にはご依頼者様が間に入って調整する必要はなく、弁護士同士が直接やり取りをして進めていきます。引き継ぎ完了後、新しい弁護士から相手方保険会社へ「受任通知」を送ることで、窓口が正式に切り替わります。
弁護士を変更する際の注意点
弁護士を変更する際、最も注意すべきは「費用」の面です。
前任の弁護士にすでに支払った着手金は、原則として返還されません。
また、進行状況によっては、前任者への報酬金が発生する場合もあります。
弁護士費用特約を利用している場合は、合計の支払い上限額を合算で管理することになるため、特約の残額を保険会社に確認しておくと安心です。
また、法テラスを利用している場合は変更に制限があることもあるため注意が必要です。
交通事故事件の実績・経験が豊富な弁護士法人ALG&Associatesにお任せください。
交通事故で弁護士に相談したとしても、すべてのケースで満足のいく結果が得られるとは限りません。
弁護士との相性や方針のズレから、依頼を後悔してしまうことも現実に起こり得ます。
そのような後悔をしないためにも、交通事故問題に特化した実績豊富な弁護士を選ぶことが何より大切です。
私たち弁護士法人ALGでは、交通事故事案の実績・経験が豊富な弁護士が多数在籍し、医学的知識や過去のデータを駆使して、ご依頼者様一人ひとりに最適な解決策を追求しています。
私たちはご依頼者様の不安やご要望を丁寧にヒアリングし、専門用語を使わずに分かりやすく説明することを徹底しています。また、密な連絡体制を築くことで「状況が見えない」といった不安を与えないよう努めています。
現在の弁護士に不安を感じている方も、これから相談を考えている方も、まずは一度、私たちにご相談ください。
近年、実際にはDV被害を受けていないにもかかわらず、受けたと主張して、配偶者との離婚を求める人が増加傾向にあります。
DVをしたことに全く心当たりがない人は、DVを決して認めることはしないでください。
離婚を望んでいない人が離婚を受け入れざるを得なくなる可能性がありますし、離婚後、子どもとの親子交流(面会交流)が認められない可能性すらあるからです。
加えて、DVを理由として高額な慰謝料を請求されることもあるからです。
そこで、以下では、DVをでっち上げられた場合の対処方法について、ご説明をいたします。
DVをでっち上げられた場合でも離婚は成立してしまうのか?
離婚する方法は大きく分けて三つあり、協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
仮にDVをでっち上げられたとしても、離婚をしたくない場合には、離婚の合意が当事者間ではできないので、協議離婚と調停離婚の方法で離婚が成立することはありません。
しかしながら、裁判離婚では、DVを仮にでっち上げられ、裁判官がDVの存在を認定した場合には、民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」が存在するとして、つまり、離婚原因が存在するとして、裁判離婚が認められ、離婚が成立してしまう可能性がございます。
虚偽DVのよくあるパターン
離婚後に子の親権者になりたい場合、子の親子交流(面会交流)を相手方に認めたくない場合、自己の不貞行為という有責事由を隠したい場合、高額な金銭を請求したいと考えている場合等にDVをでっち上げることが多くあります。
DVをでっち上げられたときの対処法
DVをでっち上げる理由を把握する
まずは、相手方がDVをでっち上げた理由を把握することが重要です。
単にお金が欲しいといった目的で行われることもありますし、他の人と早く一緒になりたいといった理由で行われることもあるからです。
後者の理由の場合には、そもそも相手方は民法上の離婚原因の一つである「不貞行為」を行っているため、有責配偶者である自分から離婚を求めることに対して、基本的には裁判所が離婚請求を認めないことから、自己に有利になるようにDVをでっち上げることがあるからです。
DVが虚偽であることを主張する
DVが虚偽であることは必ず主張してください。
そもそもDV被害に遭ったと主張する方が被害を立証する責任があるからです。
でっち上げDVを主張する側には、不自然さと矛盾点が必ずありますので、そこを突いて相手方の主張の信用性を低下させ、DVがなかったことを証明していくことになります。
離婚不受理届を出す
離婚不受理届を役所に提出しておくことで、相手方が勝手に離婚届を提出することを防ぐことが可能となり、相手方からの身勝手な離婚請求に応じる必要がなくなります。
弁護士に相談する
DVをでっち上げられてしまった場合には、最悪な場合には、自己にとって不利な条件で離婚を受け入れざるを得なくなる可能性がありますので、早い段階で、弁護士に相談し、対処することをお勧めします。
あなたの離婚のお悩みに弁護士が寄り添います
DVの冤罪は名誉毀損で訴えることができるのか?
刑法上、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損」した場合には、名誉毀損罪が成立します。
例えば、相手方が、個人の特定が容易な内容で、DVを受けたとインターネットや公開設定のSNS上に書き込みをした場合には、社会的評価を下げるものとして、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
なお、夫婦間でDVをでっち上げられたり、でっち上げDVで離婚や慰謝料を求められたとしても、公然性の要件を満たしませんので、名誉毀損罪は成立しません。
DVをでっち上げられた場合、相手に慰謝料請求できるか?
名誉毀損罪が成立するような場合には、民法上の不法行為の成立が認められることが多く、損害賠償請求、つまり、慰謝料を請求することが可能となります。
DVをでっち上げられてお困りの場合は弁護士に相談してみましょう
以上、DVをでっち上げられた場合の対処方法についてご説明しました。
DVをでっち上げられてしまった場合には、相手方に有利な離婚条件を飲まざるを得なくなることも往々にしてございます。
そのようなことにならないように、是非弁護士にご相談してください。
盗撮・のぞき行為で逮捕された場合、警察署の留置場で身柄を拘束されます。
身柄拘束が長引くと、会社や学校・家庭生活にも深刻な影響が生じ、解雇や退学といった事態を招くおそれがあります。そのような不利益を最小限に抑えるためには、早期に身柄の拘束を解くことが重要です。
本記事では、盗撮・のぞき事件における保釈の仕組みや認められる条件、弁護活動の流れについて詳しく解説します。
盗撮・のぞき事件で保釈されるには?
保釈とは、起訴された被告人が裁判所に保釈保証金(保釈金)を納付することで、勾留が一時的に解かれ身柄が釈放される制度です。
あくまでも「起訴後の被告人」に認められた手続きであり、被疑者として勾留されている段階では利用できない点に注意が必要です。
保釈を申請できるのは、被告人本人・その家族・弁護士です。ただし、保釈はただ申請すれば認められるものではなく、法律が定める一定の要件を満たす必要があります。
盗撮・のぞきで逮捕された場合も、弁護士に早期に相談することで、釈放や保釈の実現に向けた適切な対応が可能となります。
保釈が認められる条件
裁判所に保釈を認めてもらうには、刑事訴訟法が定める以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪ではないこと
- 過去に死刑・無期、もしくは拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がないこと
- 常習として拘禁刑の上限が3年以上の罪を犯した場合ではないこと
- 証拠隠滅のおそれがないこと
- 被害者や証人、およびそれらの親族に危害を加えるおそれがないこと
- 氏名・住所が明らかであること
上記の条件をすべて満たす場合は「権利保釈(必要的保釈)」として原則的に保釈が認められます。
一方、条件を満たさない場合でも、被告人の個別事情を考慮した裁判官の裁量による「裁量保釈」や、勾留が不当に長期化した場合に認められる「義務的保釈」が存在します。
盗撮・のぞき事件で保釈が重要な理由
盗撮・のぞき事件において保釈が重要な理由は、身柄拘束から解放されることで日常生活を取り戻せる点にあります。
保釈申請が認められ保釈保証金を納付すると、被告人は留置場・拘置所から釈放されます。
釈放後は、裁判所から課せられた条件(住居の制限や旅行の禁止など)を遵守する必要はありますが、刑事裁判が終結するまでの間、自宅での日常生活を送ることができます。
会社・学校への通勤・通学が可能になるため、解雇や退学といった不利益を回避できる可能性が高まります。また、担当弁護士と裁判に向けた打ち合わせや準備を落ち着いて行える環境が整うことも大きなメリットです。
盗撮・のぞきで保釈が認められないケース
保釈は本来認められることが原則ですが、上記の権利保釈の条件を一つでも満たさない場合は却下される可能性があります。
盗撮・のぞき事件で保釈が特に認められにくい具体的なケースは以下のとおりです。
- 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪に問われている場合
- 過去に死刑・無期、もしくは懲役または禁錮、拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がある場合
- 常習的に盗撮・のぞきを繰り返しており、懲役または禁錮の上限が3年以上の罪に当たる場合
- 被害者が複数いるなど証拠隠滅のおそれが高いと判断された場合
- 被害者や証人に対して接触・報復するおそれがあると認められた場合
- 氏名・住所が不明確な場合
また、第一審で拘禁刑以上の判決が言い渡された後に控訴・上告している場合も、保釈が制限されることがあります。
いずれの場合も、弁護士を通じて保釈を認めるべき積極的な事情(示談成立、身元引受人の存在など)を丁寧に主張することが重要です。
盗撮・のぞきで釈放や保釈を目指すための弁護活動
釈放や保釈を実現するためには、刑事事件を得意とする弁護士による迅速な弁護活動が不可欠です。
身柄を拘束されている状況では、本人が自ら動くことに限界があります。
以下の3つの弁護活動が、釈放・保釈の実現において特に重要となります。
検察官や裁判官に釈放の働きかけをする
逮捕後、被疑者は最大48時間以内に検察官へ送致されます。その後、検察官が裁判官に24時間以内に勾留請求を行い、裁判官が決定すると最長20日間の勾留が続きます。
弁護士はまず、検察官に対して勾留請求を行わないよう働きかけ、裁判官に対して勾留を認めないよう求めます。そのためにも弁護士が早期に事件の詳細を把握し、釈放に向けた有利な事情(被疑者の素行・職業・家族状況など)を丁寧に主張することが重要です。
勾留が阻止できれば、その時点で身柄拘束を解くことができます。
検察官に公判請求を阻止の働きかけを行う
勾留請求の阻止が難しい場合、弁護士は次の段階として不起訴処分の獲得を目指します。
不起訴処分(起訴猶予を含む)が決定されれば、直ちに身柄拘束が解かれ前科もつきません。不起訴を実現するうえで最も効果的な手段は、弁護士を通じた被害者との示談交渉です。
示談が成立することで、検察官は起訴を見送るケースが多くなります。また、被疑者が事実を認め反省していること、再犯防止のための具体的な対策が取られていることなども有利な事情として働きます。
裁判官に保釈決定を認めてもらう働きかけを行う
起訴された場合は、保釈申請を通じて身柄の解放を目指します。
弁護士は保釈要件を満たしていることを主張・立証し、保釈金の準備や身元引受人の確保など実務的な手続きを進めます。
裁判官の判断においては、容疑の内容を争っていないこと(事実の認否)、しっかりとした身元引受人がいること、被害者との示談が成立していること、再犯防止の具体策があることなどが重要なポイントになります。
弁護士はこれらの事情を書面や口頭でわかりやすく裁判官に説明します。
盗撮・のぞきで逮捕されてから保釈までの流れ
保釈が可能になるのは、検察官に起訴処分とされた後です。
逮捕から保釈されるまでは、大きく以下の流れをたどります。
- 1 逮捕(警察署の留置場に身柄拘束)
- 2 検察官送致(逮捕から48時間以内)
- 3 勾留請求(検察官送致から24時間以内)
- 4 決定(最長20日間の勾留)
- 5 起訴(公判請求)
- 6 保釈申請
- 7 検察官への意見照会
- 8 裁判官による保釈可否の決定
- 9 保釈金の納付
- 10 被告人の釈放
以下では保釈申請以降の各ステップを詳しく説明します。
①裁判所に保釈申請を行う
保釈を求めるには、被告人本人・家族・弁護士のいずれかが裁判所に保釈請求書を提出します。
口頭による申請も制度上は認められていますが、実務では書面提出が一般的です。
保釈請求書には主に以下の事項を記載します。
- 事件名・被告人の氏名および住所
- 請求の趣旨(保釈を求める旨)
- 請求の理由(保釈条件を満たすこと、保釈を必要とする具体的事情など)
- 保釈保証金の額についての意見
- 身元引受人の氏名・住所・被告人との関係
弁護士は事件の詳細を踏まえ、保釈が認められやすい説得力のある書面を作成します。
②検察官に保釈に関する意見を求める
裁判所が保釈申請を受け付けると、裁判官は保釈を許可する決定を下す前に検察官の意見を求めます。
検察官は「相当」「不相当」「しかるべく(裁判所の判断に委ねる)」のいずれかを回答します。
弁護士も希望する場合は、保釈について担当裁判官と面接(弁護人面接)を行うことができます。
この場を活用して保釈の必要性や被告人の事情を直接説明することが、保釈許可の可能性を高めることにつながります。
③保釈の可否が決定される
検察官の意見聴取と弁護人面接を経て、裁判官が保釈を認めるか否かを決定します。
申請当日に結論が出ることは少なく、一般的には申請翌日から2〜3日後、長い場合は1週間程度かかることもあります。
保釈が不許可となった場合、弁護士は準抗告(高等裁判所への不服申立て)を行うことができます。
準抗告でも認められなかった場合は、特別抗告という手段もあります。
④保釈金を納付する
保釈金は原則として現金で納付しますが、近年はインターネットバンキングやATMを利用した電子納付も可能になっています。
実務上は、弁護士が被告人やご家族から預かった保釈金を裁判所に代わって納付するケースが一般的です。
保釈金の金額は、被告人が犯した罪の性質や事情、被告人の資産状況などを考慮したうえで裁判所が決定します。
一般的な刑事事件の相場は150万〜300万円程度とされています。
なお、保釈後の条件を守って裁判を終えれば、納付した保釈金は全額返還されます。
⑤被告人が釈放される
裁判所の出納課に保釈金を納付し、領収印が押印された書類を担当部署(刑事部など)に提出すると、身柄の拘束が解かれます。
保釈金の納付から実際に釈放されるまでは、事務手続きの関係上2〜3時間かかることが多いです。
保釈許可の決定が午後遅く以降に下りた場合、釈放が翌日以降にずれ込むこともあります。
釈放後は、裁判所が定めた条件(住居制限、出国禁止など)を厳守する必要があり、違反すると保釈が取り消される恐れがあります。
盗撮・のぞきで釈放されるタイミング
盗撮・のぞき事件において、逮捕後に釈放されるタイミングは保釈だけではありません。
起訴前に釈放される可能性もあり、以下の9つのタイミングが考えられます。
- ① 逮捕後・検察官送致前の釈放(微罪処分など、警察段階での身柄解放)
- ② 検察官送致後・勾留請求前の釈放(検察官が勾留を必要と判断しなかった場合)
- ③ 裁判官による勾留請求の却下(勾留の必要性が認められなかった場合)
- ④ 勾留決定後の準抗告容認(勾留決定に対する不服申立てが認められた場合)
- ⑤ 勾留決定後の勾留取消請求容認(勾留の必要性がなくなったと認められた場合)
- ⑥ 勾留延長請求の却下(延長の必要性が認められなかった場合)
- ⑦ 不起訴処分(検察官が起訴しないと決定した場合)
- ⑧ 処分保留による釈放(勾留期間満了までに処分が決まらなかった場合)
- ⑨ 起訴後の保釈(被告人として保釈申請が認められた場合)
保釈はあくまで起訴後に認められる手続きですが、①〜⑧のタイミングで釈放が実現すれば、保釈に至る前に身柄拘束を解くことも可能です。
弁護士はこれらのすべての段階で早期釈放を目指した働きかけを行います。
盗撮・のぞきで早期釈放・保釈を目指すためにも弁護士法人ALGにご相談ください
盗撮・のぞき事件における早期釈放・保釈の実現には、刑事事件に精通した弁護士によるサポートが不可欠です。
釈放を目指すためには被害者との示談交渉が重要となりますが、被害者の心情に配慮した丁寧な交渉は弁護士でなければ困難です。また、保釈申請においても、説得力のある保釈請求書の作成や、裁判官への積極的な働きかけは弁護士だからこそ行えます。
弁護士法人ALGでは、盗撮・のぞき事件の早期解決に向けた弁護活動を迅速かつ丁寧に対応しております。
保釈が認められなかった場合の準抗告も含め、あらゆる局面で最善のサポートを提供します。
逮捕後72時間以内の初動対応が結果を大きく左右するため、ご家族が逮捕された場合も含め、お早めにご相談ください。
近年、スマートフォン等の普及に伴い、盗撮やのぞきの検挙件数は増加傾向にあります。しかし、中には身に覚えのない疑いをかけられ、冤罪で逮捕されてしまう深刻なケースも少なくありません。
この記事では、盗撮・のぞきの冤罪が起こる理由、逮捕された際のリスク、そして無実を証明するための適切な対処法について詳しく解説します。
盗撮・のぞきの冤罪がおこる理由は?
盗撮やのぞきの冤罪が発生する背景には、主に「被害者側の主観的な判断」と「被害者を装った第三者による金銭目的の訴え」の2つの側面が存在します。
被害者の勘違い
現代では多くの人が常に携帯電話を手に持っているため、単に操作しているだけでも「撮られた」と周囲が過敏に反応し、誤解を招くことが多々あります。
例えば、意図せず鳴ってしまったシャッター音や、階段で靴ひもを結び直す動作が、盗撮の準備動作と誤認される例が後を絶ちません。
また、住居の近くを通りかかった際に偶然中が見え、住人と目が合っただけで「のぞき」と決めつけられるなど、状況の読み違えが冤罪に直結するケースが目立ちます。
被害者を装って示談金を狙う
極めて悪質なケースとして、最初から示談金を獲得する目的で、盗撮の被害者を装って対象者を陥れる人々が存在します。
彼らは、仕掛け役や目撃者役など複数人で組織的に役割を分担し、対象者を心理的に追い詰めます。
手口は年々巧妙化しており、社会的立場のある会社員らを標的に「警察に言われたくなければ示談金を支払え」と迫るため、非常に危険です。
盗撮・のぞきが冤罪ならまずは弁護士に相談
身に覚えのないトラブルに巻き込まれた際、独力で潔白を証明するのは非常に困難です。
逮捕された、あるいは疑いをかけられた場合は、直ちに弁護士へ相談することが必要です。
弁護士に依頼する主なメリットは以下の通りです。
- 無実の立証:客観的な証拠を収集し、無実を論理的な主張とともに展開します。
- 身体拘束の回避・短縮:早期に働きかけることで、勾留を防ぎ、仮に、勾留されたとしても、身柄開放のための活動を行い、社会復帰を早めることが期待できます。
- 不起訴処分の獲得:捜査機関に対し、犯罪の嫌疑がないことを法的に主張し、前科がつくことを防ぎます。
- 虚偽告訴への対応:示談金目的の訴えであれば、相手方に対して虚偽告訴罪などの法的措置を検討できます。
盗撮・のぞきが冤罪でも逮捕される可能性はある?
現行犯逮捕や後日逮捕(通常逮捕)は、法律上の要件を満たせば冤罪であっても行われる可能性があります。
逮捕の主な要件は、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があり、かつ「逃亡や証拠隠滅の恐れ」がある場合です。逮捕は、あくまで捜査のために行われるものであり、冤罪であるか否かによって変わるものではありません。
盗撮の場合、現場で周囲の者に取り押さえられる「私人逮捕」が行われることも多く、警察が到着した時点で被疑者として扱われてしまうリスクが極めて高いのが実情です。
「私人逮捕」(現行犯逮捕)の場合、罪が行われたことが明らかまたは罪が行われてから間がないと認められることを要件としているため、前者の要件を満たすと判断されることがほとんどです。
そのうえで、逃亡を試みたり、被害者と接触しようとした場合、後者の要件を満たすことになり、逮捕される可能性も高くなります。
逮捕後の流れ
逮捕後の手続きは迅速に進みます。
- 1. 警察による取調べ:逮捕から48時間以内に検察庁へ送致するか判断されます。
- 2. 検察官への送致:送致後、24時間以内に検察官が勾留(引き続きの拘束)を請求するか決定します。
- 3. 勾留決定:裁判官が認めれば、原則10日間(最大20日間)身柄が拘束されます。
- 4. 起訴・不起訴の判断:検察官が刑事裁判にかけるかどうかを最終的に判断します。
盗撮・のぞきの冤罪をかけられた場合の対処法
突然の事態に動揺し、不適切な行動をとると、後の弁護活動に支障をきたすため、冷静な対応が求められます。
盗撮・のぞきが冤罪であっても逃げてはいけない
疑いをかけられた恐怖から現場を走り去る行為は、絶対に避けなければなりません。
たとえ無実であっても、「現場から逃走した」という事実は、捜査機関にとって「罪を認めた」「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と判断する有力な材料となり、逮捕や勾留の可能性を高めてしまいます。
近年の実務では、逃亡のおそれがなければ勾留されない傾向にありますが、逃走はそれを自ら否定する行為となります。
盗撮・のぞきをしていないと主張する
警察や相手に対しては、動揺を見せず、一貫して「やっていない」と主張してください。
もし公共の場であれば、自分一人で抵抗しようとせず、周囲の乗客や通行人に協力を仰ぎ、客観的な目撃者を確保することが有効な防御手段となります。
盗撮・のぞきが冤罪であれば黙秘してもいいのか?
憲法上、黙秘権は認められています。
そのため、自身の判断で言いたくないことは言わないとして、供述を拒むことはできます。
しかし、一切の弁解を拒み黙秘を貫くことは、捜査機関側に反省の態度の欠如や嫌疑を深める口実を与えることになります。
何を話し、何を話さないべきかは、事案の性質によって慎重に判断する必要があるため、弁護士のアドバイスを受けてから方針を決めていただく方が賢明です。
無罪を裏付ける証拠を提出する
言葉による主張だけでなく、客観的な証拠を提示することが重要です。
- 機器の確認:スマートフォン内に当該時刻の画像や動画が存在しないことの確認。
- 現場状況の証明:物理的に撮影やのぞきが不可能な位置関係であったことを示す資料。
- アリバイ:犯行時刻に別の場所にいたことを証明するGPSログやレシート。これらの証拠を合理的に提示することで、嫌疑を晴らすことができます。
盗撮・のぞきが冤罪と認められた場合の補償金
刑事手続きにおいて無罪が確定、あるいは勾留後に不起訴(嫌疑なし)となった場合、国に対して補償を請求できる場合があります。
不当に身柄を拘束されたことに対する補償として、拘束日数1日につき1000円から12500円の範囲内で刑事補償金が支払われます。
ただし、逮捕や勾留に至らなかった在宅捜査の場合や、自ら虚偽の自白をした場合などは、この補償を受けられないことがあります。
盗撮・のぞきの冤罪に関するよくある質問
盗撮の冤罪で相手に名誉棄損として慰謝料請求することは可能ですか?
可能です。相手が故意に虚偽の申告を行ったり、公然と「盗撮魔」などと指摘して名誉を傷つけたりした場合には、民法上の不法行為として慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、相手が「本気で撮られたと誤解した」場合には、違法性が否定されることも多くあります。
盗撮・のぞきの冤罪で弁護士に依頼した場合、弁護士費用は誰が払いますか?
原則として、依頼者本人が負担することになります。たとえ冤罪であったとしても、国や相手方に弁護士費用を当然に肩代わりさせる制度はありません。
ただし、無罪判決を得た場合には、刑事補償の一環として費用の一部が補填される制度もありますが、全額を補償されるケースは稀です。
盗撮・のぞきが冤罪だったとしても会社に知られたら解雇される可能性はありますか?
冤罪、すなわち無実であれば、それを理由とした解雇は原則として認められません。
日本の労働法では、正当な理由のない解雇は無効とされます。
しかし、逮捕の事実が報道されたり、長期間欠勤せざるを得なくなったりすることで、会社側が「企業秩序を乱した」として処分を検討するリスクはあります。
不当な処分を避けるためにも、弁護士を通じて会社へ適切に説明を行うことが重要です。
盗撮の容疑をかけられ、怖くなって示談書にサインしてしまいました。冤罪だったと証明できれば示談金を支払う必要はなくなりますか?
一度合意した示談を覆すのは非常に困難ですが、強迫や重大な誤認に基づいて署名させられた場合、その示談が無効であることを主張できる可能性があります。
もし冤罪であることを客観的に証明できれば、支払い義務の消失や、既に支払った金の返還を求める余地が生まれます。早急に弁護士に状況を説明してください。
盗撮・のぞきが冤罪・無実であればすぐに弁護士にご相談ください
盗撮やのぞきの疑いをかけられることは、個人の人生に甚大な悪影響を及ぼします。
無実であるならば、沈黙したり逃げたりするのではなく、法的根拠に基づいた適切な防御を行うべきです。
取り返しのつかない結果を招く前に、刑事事件の経験が豊富な弁護士へご相談ください。

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- 保有資格
- 弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
