横領で告訴された場合の対応方法。告訴の取り下げや示談交渉は可能なの?

横領で告訴された場合の対応方法。告訴の取り下げや示談交渉は可能なの?

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

刑事告訴の手続きや、横領で告訴された場合の基本的な対応を分かりやすく解説します。
横領事件は被害の立証や事情聴取の結果によって捜査が進むため、告訴の方法や警察対応、逮捕後の流れを理解しておくことが重要です。

本記事では、横領罪の基礎、告訴と被害届の違い、実務上の注意点まで具体的に説明します。

横領罪とは

横領罪は、他人の物を預かった立場にある者が、その物を自己のものとして処分する行為を処罰する犯罪です。

会社の経理担当者が現金を着服するケースや、預かった物品を無断で売却するケースなどが典型例です。
横領は被害者が法人であっても成立し、犯意の有無や行為の継続性が争点になることがあります。
また、罪名は異なるものの、横領罪は遺失物や漂流物等、他者の占有から離れた物に対しても成立します。

詳しい要件や量刑、類型ごとの違いについてはこちらで詳しく解説しています。

横領罪について詳しく見る

横領罪に時効はあるの?

刑事事件の時効は、各犯罪の法定刑の重さに応じて定められています(刑事訴訟法第250条2項各号)。
「単純横領罪」の時効は5年、「業務上横領罪」の時効は7年、「遺失物等横領罪」の時効は3年です。

横領は告訴されなければ逮捕されない?

横領罪は、親告罪ではないため、被害者の告訴が無ければ捜査を開始できないという犯罪ではありません(親族間の特例を除く。)。

もっとも、横領罪は知人間で発生することが大半を占める犯罪であることから、その多くは被害者からの被害申告がきっかけで事件化することがほとんどです。

そのため、被害者が被害申告をしなければ、刑事事件として捜査され、逮捕などされることは少ないのが実情です。したがって被害者の対応や証拠保全が重要です。

刑事告訴とは

刑事告訴は、被害者などが刑事事件として処罰を求める意思を公的に表明する手続きで、通常は告訴状を検察庁や警察署に提出して行います。

告訴が受理されると、捜査機関は事実関係の調査を開始することが一般的です。
ただし告訴が必ずしも起訴に直結するわけではなく、証拠不十分や違法性阻却が認められれば不起訴となることもあります。

告訴状の作成や証拠添付は手続上の有効性に影響するため、弁護士に相談して準備することが望ましいです。

親告罪とは

親告罪とは、被害者の告訴がなければ公訴(検察による起訴)できない犯罪を指します。代表例には名誉毀損罪や侮辱罪などがあり、告訴がない限り刑事手続きが進行しません。

前述のとおり、横領罪は親告罪ではありませんが、親族間での特殊事情が関与する場合には取り扱いが変わることがあるため注意が必要です。

告訴と被害届のちがい

告訴と被害届は似て非なる手続です。被害届は被害事実を警察に知らせるための通報であり、捜査の端緒となりますが、被害者の処罰意思の有無にかかわらず受理され得ます。

一方、告訴は処罰を求める意思表示であり、告訴が提出されれば捜査機関はその意思を重視して捜査を進めます。

被害届のみで捜査が開始されることもありますが、告訴の有無は捜査の方向性や検察の判断に影響を与える可能性があります。

刑事告訴するのにリミットはあるの?告訴期間とは

告訴期間とは、被害者が告訴できる期間のことで、親告罪では被害発覚から一定期間内に告訴しなければならない規定があります。

非親告罪では告訴期間の制約は問題にならないことが多いですが、公訴時効(検察が起訴できる期間)は別途適用され、時効を超えると刑事責任の追及ができなくなります。具体的な期間は罪名により異なります。

刑事告訴の流れ

一般的な流れは、告訴状の提出→受理→捜査(事情聴取、証拠収集)→逮捕→起訴です。
告訴状が提出されると警察や検察が受理し、被疑者の聴取や証拠の押収・鑑定を行います。
捜査段階で逮捕が必要と判断されれば身柄を拘束し、勾留や起訴に向けた手続きが進みます。

逮捕後の詳細な手続(勾留、起訴・不起訴の分岐など)についてはこちらで詳しく解説しています。

逮捕された時の流れについて詳しく見る
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刑事告訴は取り下げてもらうことは可能なの?

刑事告訴は、被害者が捜査機関に対して「犯罪を処罰してほしい」と意思表示する手続きですが、提出後でも取り下げることは可能です。

ただし、告訴を取り下げたからといって事件そのものが自動的に終了するわけではありません。
捜査機関は告訴とは独立して捜査を続行し、証拠の内容に基づき逮捕や起訴を判断します。

告訴取り下げは、あくまで「処罰を求めない」という意思表示に過ぎません。
ただ、告訴取り下げがあると検察官が量刑判断や起訴不起訴を判断する際に考慮されることが多く、実務的には不起訴処分や早期解決につながることがあります。

横領の刑事告訴を取り下げてもらうには

横領の刑事告訴を取り下げてもらうためには、被害者との示談成立が最も重要なポイントです。

横領で争われる中心は「被害回復」ですので、被害額全額の弁済、または支払い計画を説明し誠実に交渉する姿勢が求められます。
ただし、横領罪は原則として非親告罪(告訴がなくても捜査や逮捕が可能)であるため、告訴が取り下げられても捜査が継続され、逮捕される可能性は残ります。

とはいえ、示談成立や告訴取り下げは、検察官に「被害者が処罰感情を持っていない」という事情を示す有力な材料であり、不起訴処分や執行猶予の獲得につながる可能性があります。

示談交渉は専門的な対応が必要なため、早期に弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士による横領の示談交渉のメリット

横領事件では、示談交渉を誤ると被害者の感情を刺激し、刑事手続きが厳しく進むリスクがあります。

弁護士が介入することで、感情的な対立を避けながら、適切な条件で示談を進めることができます。
また、弁護士は捜査機関との対応方法にも精通しており、逮捕回避や不起訴の可能性を高める資料の提出など、刑事弁護を総合的に行うことができます。

示談や損害賠償の相場は

横領事件における示談金の相場は、被害額の全額に加え、迷惑料(慰謝料)を加算した金額が一般的です。

迷惑料は事件の性質や被害者の処罰感情によって増減しますが、被害者が法人の場合でも迷惑料が請求されるケースは多く見られます。
示談成立は検察官の処分判断に大きく影響するため、無理のない弁済計画と誠意ある対応が重要です。

告訴を取り下げたあと再告訴されることはあるの?

親告罪の場合、いったん告訴を取り下げると再度告訴することができません(刑事訴訟法237条2項)。

一方、横領罪のように非親告罪の場合は、告訴取り下げ後に再度告訴することを禁止する規定はありません。そのため、法的には再告訴は可能です。
ただし、実務では取り下げ後の再告訴は受理されにくく、捜査機関が再度動くためには新しい証拠などの事情が必要になります。

横領の被害者から告訴されたら

横領で告訴された場合、最も重要なのは早期の対応です。

警察の事情聴取を軽く考えて対応すると、不利な供述調書が作成され、逮捕や起訴につながるリスクがあります。
まずは、被害者との示談交渉や弁済の方向性を検討し、捜査対応について弁護士の助言を受けてください。

弁護士は警察とのやり取り、示談交渉、返済計画の調整などを総合的にサポートします。
早期に相談することで、逮捕回避や不起訴の可能性を高めることができます。

返済意思はあるけど横領した金額が大きく一括では難しい。分割払いは可能?

横領事件では、分割払いで示談が成立するケースもあります。
しかし、分割払いは被害者の理解がなければ成立せず、交渉力が重要になります。

弁護士が介入することで、返済計画の提示や担保設定など、被害者が納得できる提案が可能となります。
分割払いについて詳しくはこちらで解説しています。

横領罪返済について詳しく見る

返済にお困りの場合は弁護士にご相談ください。

横領で逮捕された場合でも弁護士が減刑に向けて活動します

横領で逮捕された場合、弁護士はすぐに接見し、取り調べへの助言や供述内容の整理を行います。
また、被害者との示談交渉や弁済のサポートを行い、検察官に対して反省と被害回復ができていることを示す資料を提出します。

身柄拘束が続いている場合には、勾留の回避や釈放に向けた準抗告などの手続きも行います。
弁護士が速やかに動くことで、不起訴や執行猶予、減刑を目指すことが可能です。

会社から告訴すると言われている場合はお早めに弁護士にご相談ください

横領は、捜査開始後に対応を誤ると逮捕や有罪につながる可能性があります。

早期に弁護士へ相談することで、示談交渉や返済計画の提案、警察対応のアドバイスなど、最善の対策を取ることができます。ひとりで抱え込まず、まずはご相談ください。

内縁関係、いわゆる「事実婚」の状態であっても、法律上の婚姻関係に準ずるものとして、一定の法的保護が与えられています。

そのため、内縁関係が不当に破棄された場合や、内縁の配偶者に不貞行為があった場合など、特定の状況下では慰謝料を請求することが可能です。
しかし、婚姻届を提出している法律婚とは異なり、まず「内縁関係にあったこと」を証明する必要があるなど、慰謝料請求のハードルが高い側面もあります。

本記事では、内縁関係における慰謝料請求に焦点を当て、請求が認められるケースと認められないケース、慰謝料の相場、請求に必要な条件や具体的な方法について、弁護士が詳しく解説します。

内縁関係とは

内縁関係とは、一般に「お互いに婚姻の意思を持ち、夫婦としての共同生活の実態があるものの、婚姻届を提出していないために法律上の夫婦とは認められない関係」を指します。

当事者間に「婚姻の意思」があり、「夫婦共同生活」の実態が伴っている点が重要です。
近年では、婚姻届の提出という形式にこだわらない結婚の形として「事実婚」と呼ばれることも多く、両者はほぼ同様の意味で用いられています。

法律婚ではありませんが、判例上「婚姻に準ずる関係(準婚関係)」として、一定の法的保護の対象とされています。

内縁関係と同棲の違い

内縁関係と「同棲」との最も決定的な違いは、「婚姻意思の有無」にあります。

内縁関係が成立するためには、当事者双方が将来的に婚姻届を提出する意思、あるいは夫婦として生涯を共にするという明確な意思を持っていることが必要です。
これに対し、同棲は、単にカップルが生活上の便宜などのために共同生活を送っている状態を指す場合も含まれ、必ずしも婚姻の意思を伴うとは限りません。

したがって、お互いに婚姻意思がなく、家計も別々であるような場合は、単なる同棲に過ぎず、内縁関係とは認められません。

内縁関係で慰謝料請求できるケース

内縁関係は、判例上「婚姻に準ずる関係」として、法律婚に準じた法的保護が与えられています。
そのため、法律婚の夫婦間で慰謝料請求が認められるような、権利を侵害する不法行為があった場合には、内縁関係であっても慰謝料を請求できる可能性があります。

ただし、慰謝料請求の前提として、当事者間に有効な「内縁関係」が成立していたことを証明する必要があります。

不貞行為

内縁関係にある当事者間においても、法律婚の夫婦と同様に、互いに貞操義務を負うものと解されています。
貞操義務とは、配偶者以外の者と性的な関係(肉体関係)を持ってはならないという義務です。

したがって、内縁の配偶者がこの貞操義務に違反して不貞行為を行った場合、それは不法行為に該当し、精神的苦痛を受けたもう一方の配偶者は、不貞行為を行った配偶者に対して慰謝料を請求することができます。

また、不貞行為の相手方に対しても、故意または過失がある場合には、共同不法行為者として慰謝料を請求することが可能です。

正当な理由なく内縁関係を解消・破棄された

内縁関係は「婚姻に準ずる関係」として法的に保護されているため、法律婚における離婚と同様、正当な理由なく一方的に内縁関係を解消・破棄することは不法行為に該当し、慰謝料請求の対象となります。

ここでいう「正当な理由」とは、基本的には民法第770条第1項に定められている法定離婚事由に準ずると考えられています。
具体的には、①相手方の不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④回復見込みのない強度の精神病、⑤その他婚姻(内縁)を継続し難い重大な事由、がこれにあたります。

したがって、これらの事由に該当しないにもかかわらず、「他に好きな人ができたから」「性格が合わないと感じたから」といった理由で一方的に関係を破棄された場合には、不当破棄として慰謝料を請求できる可能性が高いといえます。

既婚者であることを隠して内縁関係になった

内縁関係を結んだ相手が、実は既婚者であった、いわゆる「重婚的内縁」のケースです。

この場合、相手が既婚者であると知りながら内縁関係を結んだのであれば、その関係は公序良俗に反するものとして原則として法的保護を受けられず、慰謝料請求も認められません。

しかし、相手方が既婚者である事実を意図的に隠しており、こちらがその事実を知らずに内縁関係に入った場合には、貞操権(誰と性的な関係を持つかを自由に決定する権利)を侵害されたとして、相手方に対して不法行為に基づく慰謝料を請求することが認められる可能性があります。

一方的な別居

法律婚の夫婦は、民法上、互いに同居し、協力し、扶助する義務(同居義務、協力義務、扶助義務)を負っています。内縁関係も「婚姻に準ずる関係」である以上、これらと同様の義務を負うものと考えられています。

したがって、内縁の配偶者が、合理的な理由(例:DVからの避難、単身赴任など)がないにもかかわらず、一方的に同居を解消して別居した場合は、同居義務違反に該当する可能性があります。

さらに、生活費を送金しないなどの状況が伴えば、法定離婚事由の一つである「悪意の遺棄」にも該当し得、不法行為として慰謝料請求の対象となる場合があります。

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内縁関係で慰謝料請求できないケース

内縁関係において慰謝料請求が認められないのは、基本的には法律婚において慰謝料請求が認められないケースと同様です。

例えば、相手の不貞行為を理由に慰謝料を請求しようとしても、それを裏付ける客観的な証拠が乏しい場合や、不貞行為が発覚した時点ですでに内縁関係が破綻していたと認められる場合などです。

また、内縁関係特有の事情として、相手が既婚者であると知りながら内縁関係を継続していた「重婚的内縁」の場合、公序良俗違反として原則として法的保護が受けられません。
さらに、そもそも「内縁関係」自体の成立が証明できない場合も、慰謝料請求は困難となります。

内縁関係の慰謝料相場

内縁関係の慰謝料相場は、請求の理由にもよりますが、法律婚の離婚慰謝料とおおむね同等であり、数十万円から300万円程度とされています。

内縁関係も「婚姻に準ずる関係」として法的に保護されるため、不法行為によって生じた精神的苦痛に対する賠償という点では、法律婚と大きな差は設けられていません。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の金額は内縁期間の長さ、子供の有無、不法行為の態様や悪質性など、個別の事情によって大きく変動します。

請求理由 慰謝料相場
浮気(不貞) 50万円~300万円
一方的な関係の破棄 数十万円~300万円
重婚的内縁 数十万円~300万円
一方的な別居 数十万円~300万円

内縁期間の長さは慰謝料額に影響する?

内縁関係の期間の長さは、慰謝料の金額を算定する上で重要な考慮要素の一つとなります。
一般的に、内縁期間が長ければ長いほど、関係破綻によって受ける精神的苦痛はより大きいと判断される傾向にあります。

例えば、15年間連れ添った内縁の配偶者による不貞行為と、1年間の内縁関係における不貞行為とでは、前者の方が、精神的ダメージが大きいと評価される可能性が高いでしょう。

ただし、慰謝料額は内縁期間だけで決まるわけではなく、不法行為の悪質性、有責性の程度、未成年の子の有無、支払い側の資力など、他の様々な事情も総合的に考慮されて最終的に判断されます。

内縁関係の慰謝料請求に必要な条件

内縁関係において配偶者に慰謝料を請求するためには、大きく分けて二つの条件を証明する必要があります。

第一に、当事者間に「内縁関係が有効に成立していたこと」の証明です。
婚姻届を提出していないため、この点がしばしば争点となります。

第二に、「相手方の不法行為の存在」の証明です。
例えば、不貞行為があったこと、正当な理由なく一方的に関係を破棄されたこと、DVやモラハラがあったことなどを、客観的な証拠に基づいて立証しなければなりません。

これら二つの証明ができて、はじめて慰謝料請求が法的に認められることになります。

内縁関係を証明するには

内縁関係の存在は、慰謝料請求の前提として極めて重要です。
なぜなら、相手方から「内縁関係ではなく、単なる同棲だった」と反論されるケースが少なくないからです。

内縁関係を証明するためには、①婚姻意思の存在と、②夫婦共同生活の実態を、客観的な証拠をもって示す必要があります。

具体的な証拠としては、住民票の続柄欄の記載(「妻(未届)」「夫(未届)」など)、賃貸借契約書(連名契約や同居人としての記載)、健康保険証(被扶養者となっている場合)、長期間の同居の事実、周囲の知人や親族から夫婦として扱われていた事実、結婚式を挙げた証拠(写真や招待状)などが挙げられます。

内縁関係証明について詳しく見る

不貞等の証拠を集める方法

内縁の配偶者による不貞行為などの不法行為を理由に慰謝料を請求する場合、その事実を裏付ける客観的な証拠が不可欠です。

証拠収集の方法としては、ご自身で収集する方法と、探偵(興信所)に調査を依頼する方法があります。

主な証拠としては、ラブホテルに出入りする場面の写真や動画、肉体関係があったことを推認させるメールやLINE、SNSのやり取り、ラブホテルや宿泊施設の領収書、クレジットカードの利用明細、交通系ICカードの履歴などが考えられます。

一つの証拠だけでは弱くとも、複数の証拠を組み合わせることで、不貞行為の事実を強固に立証できる場合があります。

内縁の夫・妻に慰謝料請求する方法

内縁の夫または妻に対して慰謝料を請求する具体的な方法としては、まず、当事者間で直接話し合い(交渉)を行うのが一般的です。

ここで慰謝料の金額や支払方法について合意ができれば、その内容を合意書(可能であれば公正証書)として残しておくとよいでしょう。
話し合いで解決しない場合や、相手が交渉に応じない場合は、家庭裁判所に「内縁関係調整調停」を申し立て、調停委員を介して話し合う方法があります。

調停でも合意に至らない場合は、最終的に地方裁判所に慰謝料請求訴訟(裁判)を提起し、裁判所の判決によって解決を図ることになります。

離婚慰謝料を請求する方法について詳しく見る

内縁関係の慰謝料請求は弁護士にご相談ください

内縁関係の慰謝料請求は、法律婚のケースと比較して、まず「内縁関係の成立」自体を立証しなければならないという点で、難易度が高いといえます。
また、相手方から関係性を否認されることも多く、法的な主張や証拠収集を適切に行う必要があります。

弁護士にご相談いただければ、内縁関係を証明するためにどのような証拠が有効か、慰謝料請求が認められる可能性はどの程度かについて、法的な見地から具体的なアドバイスが可能です。
相手方との交渉や、調停・裁判といった法的手続きの代理も一任できるため、ご自身の精神的な負担を軽減し、適正な慰謝料の獲得を目指すことができます。

ご自身だけで悩まれず、まずは、弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故に遭い、治療を続けても症状が改善せず、いわゆる「後遺症」が残ってしまった場合、適切な補償を受けるために「後遺障害等級」の認定を受ける必要があります。

特に最も認定件数の多いとされる後遺障害等級14級9号は、「局部に親権症状を残すもの」として認定されることが多く、適切な慰謝料を得るためには、認定条件や相場を正確に理解しておくことが不可欠です。

本記事では、後遺障害14級の慰謝料相場、具体的な症状、そして認定のポイントについて、弁護士の視点から詳しく解説します。

後遺障害等級14級の慰謝料の相場はいくら?

後遺障害等級14級における「後遺障害慰謝料」の相場は、どの算定基準を用いるかによって大きく変動します。慰謝料には主に3つの基準があり、提示される金額が異なります。
具体的には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)になります。

被害者が適正な補償、すなわち最も高額な慰謝料(弁護士基準)を得るためには、弁護士による交渉または裁判手続きが必要となるケースがほとんどです。

慰謝料は増額できるのか

結論からいえば、後遺障害慰謝料は増額できる可能性があります。

特に、保険会社が当初提示してくる金額は「任意保険基準」または「自賠責保険基準」をベースとしていることが多く、これは最も高額な「弁護士基準(裁判所基準)」と比べて大幅に低い水準です。

適正な慰謝料額は、後遺障害14級の場合で110万円が目安となります。
この金額を獲得するためには、弁護士に依頼して裁判所が認める基準に基づく交渉を行うか、訴訟を提起することが有効な手段となります。

後遺障害等級14級の症状と認定されるための条件

後遺障害等級14級には、全部で9つの症状が定められています。
そのうち最も件数が多いのが「14級9号:局部に親権症状を残すもの」ですが、その他の症状についても確認しておきましょう。

等級 後遺障害の症状
14級1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
14級2号 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14級3号 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級6号 1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
14級7号 1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

14級1号:片目のまぶたの一部欠損、またはまつげはげ

後遺障害14級1号は、「1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの」とされています。

具体的な基準としては、「瞼の組織の一部が欠けたり、失われたりした場合」や「まつ毛の生え際に傷が残り、まつげの半分以上を欠損した場合」などが該当します。

視力そのものに影響がない場合でも、美容的な観点や、眼球保護機能のわずかな低下が認められる場合に認定されます。

14級2号:歯3本以上の歯科補綴

後遺障害14級2号は、「3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」と定められています。

交通事故によって3本以上の歯を失ったり、大きく損傷したりした結果、入れ歯、差し歯、ブリッジ、インプラントといった歯科補綴(ほてつ:失われた歯の機能や形態を補う治療)を行った場合に認定対象となります。

認定を受けるためには、事故との因果関係が明確な事、そして補綴治療が完了していることが重要です。

14級3号:聴力が落ちた

後遺障害14級3号は、「1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの」と規定されています。

これは、通常の会話では問題ないものの、小さな声(小声)での聞き取りに支障が出るレベルの聴力低下が一方の耳に生じた場合を指します。
具体的には、平均聴力レベルが30dB以上40dB未満に相当する場合が該当します。

認定には、耳鼻咽喉科での精密な聴力検査の結果が必要となります。

14級4号:上肢の露出面に手のひら大の傷跡

後遺障害14級4号は、「上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」と規定されています。

ここでいう上肢の露出面とは、上腕から前腕にかけての部分を指し、傷跡(醜状痕)の大きさが「てのひらの大きさ」以上であることが条件となります。
手のひらの大きさとは、原則として被害者本人の手のひら(指を除く)の面積に相当します。

この等級は、機能的な障害ではなく、外見上の障害(醜状障害)に対するものです。

14級5号:下半身の露出面に手のひら大の傷跡

後遺障害14級5号は、「下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」と規定されています。

下肢の露出面とは、膝から下の部分などを指し、傷跡(醜状痕)の大きさが「てのひらの大きさ」以上であることが認定の条件です。

上肢と同様に、手のひらの大きさは被害者本人の手のひら(指を除く)の面積が目安となります。
これも機能的な障害ではなく、外見上の醜状障害に対する認定基準です。

14級6号:片手の親指以外の指の骨の一部を失った

後遺障害14級6号は、「1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの」と定められています。

具体的には、親指を除く人差し指、中指、薬指、小指のいずれかの指について、指の骨(指骨)の一部が欠損した場合が該当します。
たとえわずかな骨の欠損であっても、指先の機能や外観に影響を及ぼす場合に認定されます。

骨の一部欠損は、レントゲンやCTなどの画像診断によって確認される必要があります。

14級7号:片手の親指以外の指の第一関節を屈伸することができなくなった

後遺障害14級7号は、「1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」と規定されています。

遠位指節間関節(DIP関節)とは、指先の第一関節のことです。
この関節の動きが、正常な可動域の2分の1以下に制限されてしまった場合に認定されます。

これは指の機能障害であり、関節の動きを計測する他覚的所見(医師による客観的な所見)が認定の決め手となります。

14級8号:片足の中指・薬指・小指のうち1~2本の用を廃した

後遺障害14級8号は、「1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの」と定められています。

第3の足指以下とは、足の中指、薬指、小指を指します。
これらの指のうち1本または2本について、機能が完全に失われた(用を廃した)場合に認定されます。

「用を廃した」とは、指の関節が固まって動かない、または指の切断によって一部が失われた状態などを指します。歩行機能に重大な支障がない程度の軽微な足指の障害が対象となります。

14級9号:局部に神経症状が残った

後遺障害14級9号は、「局部に神経症状を残すもの」と規定されており、むちうちなどの神経症状で最も多く認定される等級です。

具体的には、首や腰の痛み、しびれ、めまい、頭痛などが該当します。この等級の認定で重要となるのは、「症状が一貫して継続しており」、かつ「症状を医学的に説明できること」です。

MRIなどの画像所見がなくても、一貫性のある症状経過と、治療経過から神経系統の障害が推認できる場合に認定される可能性があります。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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14級に認定されるためのポイント

後遺障害14級、特に最も件数の多い14級9号(神経症状)の認定を受けるためには、以下の5つのポイントを特に意識した対応が重要となります。

交通事故と症状の因果関係が明らかであること

後遺障害の認定を受ける大前提として、交通事故という出来事と、その後に残った症状との間に明確な因果関係が証明できる必要があります。

特にむちうちなどの神経症状では、事故の態様(衝突の程度など)から医学的に症状が発生することが妥当であると判断されることが重要です。

診断書や診療録(カルテ)に、事故直後から症状に関する記載が一貫して残っていることが、因果関係を裏付ける重要な証拠となります。

事故直後から定期的な病院への通院を継続している

症状が残存していることを客観的に示すためには、事故直後からの継続的かつ定期的な通院が不可欠です。

通院頻度が低い場合や、途中で長期間のブランクがある場合、「症状は軽度であった」「治療の必要性が低かった」と判断され、後遺障害の認定が難しくなる可能性があります。

症状が固定する(それ以上改善が見込めない状態になる)までの期間、医師の指示に従い、少なくとも月に10日程度の頻度で通院することが望ましいとされています。

事故直後から症状が一貫して継続している

症状の訴えに「一貫性」があることが、後遺障害14級9号の認定の鍵となります。

事故直後に訴えた痛みやしびれなどの部位や性質が、治療期間を通して大きく変化することなく継続している必要があります。
例えば、当初は首の痛みだけだったのに、後から急に腰の痛みを強く訴え始めるなど、症状の訴えが不安定な場合、後遺障害診断書の信憑性が疑われ、認定が不利になる可能性があります。

症状がそれなりに重篤で、日常生活において慢性的に生じている

残存している症状が、単なる「違和感」程度ではなく、日常生活や労働に支障をきたす程度の「重篤性」を持っている必要があります。そして、その症状が一時的なものではなく、治療を継続しても改善しない「慢性的なもの」であることが求められます。

症状の具体的な内容や、それによって生じている日常生活上の不便を詳細に記録し、医師に正確に伝えることが、重篤性と慢性性を裏付ける上で重要です。

症状を医学的に説明することが可能である

後遺障害の認定では、被害者の自覚症状だけでなく、その症状を裏付ける医学的な根拠、すなわち「他覚的所見」が重要視されます。

14級9号の場合、MRIなどの画像所見(器質的損傷)がなくても、神経学的検査の結果(例えば、知覚検査や徒手筋力テストなど)や、医師の診察所見から、残存する症状が神経系統の障害によって生じていることを医学的に説明できる必要があります。

治療経過全体を通じて、症状の発生機序が合理的であると判断されることがポイントです。

後遺障害等級14級が認定された事例

会社員Aさんは、追突事故により頸椎捻挫(むちうち)と診断されました。事故直後から首から肩にかけての痛みと、手にしびれを感じ、約6か月間、定期的に整形外科へ通院し、理学療法や投薬治療を受けました。

治療期間中、症状の訴えに一貫性があり、医師も症状の重篤性を認識していました。

最終的に症状固定となり、後遺障害診断書を作成。
画像上、神経を圧迫するような明らかな異常所見はなかったものの、一貫した症状経過と、特定の神経学的検査で異常所見が認められたことから、「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級14級9号が認定されました。

その後、弁護士が介入し、相手方保険会社との交渉の結果、自賠責基準ではなく、弁護士基準で慰謝料を受け取ることができました。

後遺障害等級についてのお悩みは弁護士にご相談ください

後遺障害等級の認定は、適正な賠償金を受け取るための最も重要なステップですが、特に14級9号(神経症状)の認定は医学的知識や手続きの複雑さから、被害者の方ご自身で進めるには非常に困難が伴います。

認定の可否は、提出する資料の質や、治療の過程での対応によって大きく左右されます。また、認定後に保険会社から提示される慰謝料額は、弁護士が介入した場合に比べて大幅に低いことがほとんどです。

適正な後遺障害等級の認定を受け、裁判所基準に基づいた満額の慰謝料を獲得するためには、交通事故案件に精通した弁護士へのご相談をお勧めします。

弁護士は、認定手続きのサポートから、保険会社との賠償交渉まで、被害者の方の権利を守るために尽力いたします。

相続人には、遺言書どおりでは遺産が相続できない場合でも、最低限の遺産(遺留分)を得られる権利が保障されています。もし、他の相続人から「遺留分を侵害された」として遺留分侵害額請求をされた場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

請求を受けた場合、まずは冷静に請求内容を確認することが重要です。
請求が法的に正当なものなのか、金額は妥当なのかを見極め、慎重に対応を進める必要があります。

ここでは、遺留分侵害額請求をされた場合の確認事項や対処法について詳しく解説します。

遺留分侵害額請求をされたら、内容をよく確認しましょう

遺留分侵害額請求をされた場合、まずは請求内容をきちんと確認しましょう。

請求者の権利の有無、遺留分が本当に侵害されているか、請求額の妥当性、そして時効が成立していないかなど、確認すべき点は多岐にわたります。
これらの点を一つひとつ丁寧に検討することが、適切な対応への第一歩となります。

請求者に遺留分を請求する権利はある?

まず、請求者に遺留分を請求する権利があるかを確認しましょう。

遺留分が認められているのは、被相続人(亡くなった方)の配偶者、子(またはその代襲相続人である孫など)、そして直系尊属(父母や祖父母など)に限られます。

被相続人の兄弟姉妹や甥・姪には遺留分はありません。
また、相続放棄をした人、相続欠格や相続廃除によって相続権を失った人は遺留分を請求する権利がありません。

請求者がこれらの遺留分権利者に該当するかどうかを最初に確認することが重要です。

遺留分の侵害は事実かどうか

次に、遺留分の侵害が実際に発生しているかを確認します。遺留分侵害額は、遺留分額から、実際に相続で取得した財産の価額を差し引いて計算されます。

遺留分を算定するための財産には、被相続人が亡くなったときに所有していた財産だけでなく、相続人に対して相続開始前の10年間に行われた生前贈与(特別受益)なども含まれます。
これらの財産をすべて洗い出し、請求者の遺留分額と実際に取得した財産額を正確に計算し、本当に遺留分が侵害されているのかを判断する必要があります。

もし、請求者が遺留分額以上の財産をすでに受け取っていれば、遺留分は侵害されていないことになります。

請求された割合は合っている?

請求されている遺留分の割合が正しいかどうかも確認が必要です。

全体の遺留分割合は、相続人が直系尊属(父母など)のみの場合は遺産の3分の1、それ以外の場合は2分の1です。個別の遺留分割合は、この全体の遺留分割合に、各相続人の法定相続分を乗じて算出します。

例えば、相続人が配偶者と子2人の場合、全体の遺留分は2分の1です。
配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分はそれぞれ4分の1なので、配偶者の遺留分は4分の1(1/2 × 1/2)、子1人あたりの遺留分は8分の1(1/2 × 1/4)となります。

請求された割合がこの計算と合致しているかを確認しましょう。

遺留分請求の時効を過ぎていないか

遺留分侵害額請求権には時効があります。

具体的には、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しなければ、時効によって消滅します(民法1048条)。
また、遺留分侵害の事実を知らない場合でも、相続開始の時から10年経ったときは同様に権利が消滅します。
そのため、請求がいつ行われたかを確認し、時効が成立しているかを確認する必要があります。

もし時効期間が過ぎている場合は、支払いを拒否できる可能性があります。

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払わなくていいケースでも連絡は必要?

請求内容を確認した結果、時効が成立している、請求者に権利がないなど、遺留分を支払う必要がないと判断した場合でも、請求を無視することは避けるべきです。

無視を続けると、相手方が調停や訴訟といった法的手続きに進む可能性があります。
支払う義務がないと考える場合でも、その根拠を明確に示して相手方に回答しておきましょう。
これにより、無用な紛争の拡大を防ぐことができます。

もし相手が内容証明郵便で請求してきた場合は、回答したという証拠を残しておく意味でも、こちらも書面で回答するのが望ましいです。

遺留分の請求は拒否できないの?

遺留分は法律で認められた相続人の権利であるため、法的に有効な遺留分侵害額請求を全面的に拒否することはできません。

請求を無視したり、単に支払いを拒否したりすると、最終的には調停や訴訟に発展し、裁判所の命令によって支払いを強制される可能性があります。
最悪の場合、財産を差し押さえられることも考えられます。

遺留分は減らせる可能性がある

遺留分自体は存在する場合でも、請求された金額が不当に高い場合は、その金額について争うことは可能です。
ただし、遺産分割で主張できる事情でも、遺留分に関する請求では主張できないものがあるため、注意が必要です。

自身に寄与分がある場合

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に特別の貢献をした相続人に認められる、相続財産からの割増分のことです。

寄与分がある場合、遺産分割の時には、寄与分が加算されて具体的相続分が増加します。
しかし、残念ながら、遺留分侵害額請求の場面では、支払うべき遺留分額から差し引くことは認められていません。そのため、寄与分の存在は、遺留分を減額させる事情にはなりません。

請求者に特別受益がある場合

請求者である相続人が、被相続人から生前に多額の贈与(特別受益)を受けている場合、その分を考慮して遺留分侵害額を減らせる可能性があります。

もし請求者が遺留分額を超える特別受益を得ていれば、遺留分はすでに満たされていると主張することも可能です。

遺留分を主張する相続人が被相続人からの援助について話していたり、被相続人の通帳や取引履歴をたどると大きな送金や出金があったりする場合には、特別受益が主張できないかを検討してみましょう。

遺産の評価額を争う

遺留分侵害額は、相続財産の評価額を基に計算されます。
特に不動産などは評価方法によって金額が大きく変わることがあります。

請求者が提示する評価額が不当に高い場合は、自身でも市場価格や路線価などを調査した上で減額を主張することが可能です。

相続財産の評価額を適正に見直すことで、結果的に支払う遺留分侵害額を減らせる可能性があります。

遺留分を請求されてお困りのことがあれば弁護士にご相談ください

遺留分侵害額請求への対応は、法律的な知識が不可欠であり、ご自身だけで進めるのは非常に困難です。

請求内容が正当かどうかの判断、特別受益や財産評価の主張、相手方との交渉など、自身では正しいと思ってした対応が、実は間違っていたということも少なくありません。
もし請求を無視すれば、調停や訴訟に発展し、かえって時間的・精神的な負担が増大する可能性があります。

遺留分に関するトラブルでお悩みの場合は、早期に相続問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に依頼すれば、法的な観点から適切な対応策を提案し、相手方との交渉や法的手続きを代理で行ってくれるため、円満な解決につながりやすくなります。

はじめは少額であっても、長期間に渡り横領を重ねることで横領額が高額になってしまうことは珍しくありません。横領した額の大きさは、刑罰の重さ(量刑)に直接的に影響を与えます。

本記事では、高額横領となるケースを簡単に述べ、横領額が量刑に影響を与えるのか、並びに逮捕されてしまった場合の対応方法、及び執行猶予付判決を獲得するための具体的な弁護活動について解説いたします。

会社のお金を横領すると業務上横領が成立する

会社のお金を横領した場合、横領した金額の大小に関わらず、業務上横領罪が成立します。
高額な横領は当然ながら、少額であっても犯罪であり、刑事罰の対象となります。

業務上横領罪とは

業務上横領罪は、業務上自己の占有する他人の物を横領することで成立する犯罪です。
本罪が成立した場合、十年以下の懲役に処せられます。

業務上横領罪のより詳しい概要については、こちらの記事で解説しておりますのでご参照ください。

業務上横領罪について詳しく見る

横領額が高額の場合実刑となり、量刑も重くなる可能性がある

業務上横領罪において、「いくら以上の横領で懲役〇年」と明確に規定されているわけではありません。
横領の金額に加え、犯行の常習性や動機、弁済の有無、並びに会社からの処罰感情など他の要素も加味されるため、量刑を断言することはできません。

しかしながら、横領額が大きくなればなるほど、刑罰が重くなる傾向にあることは事実であり、実刑判決(執行猶予が付かない懲役刑)となる可能性が高まります。

1400万円横領し、懲役3年6月となった判例

リフォーム工事を行う会社の従業員が、顧客からの集金代金の着服及び架空請求書の偽造等により、約1400万円を不正に着服した事件があります。
裁判所は、横領金額が高額であり、計画的な犯行であったことを重く見て、長野地方裁判所は平成29年10月17日に懲役3年6月の判決を言い渡しました(長野地方裁判所平成29年10月17日判決)。

この事例は、1000万円を超える横領事案では、実刑となるリスクが高いことを示しています。

8000万円横領し、懲役6年となった判例

経理事務の担当者がインターネットバンキングを悪用して会社のお金を横領した事案において、被害金額が8000万円に達した事例があります。
裁判例によると、被告人男性は、会社の銀行口座から自身の銀行口座に振り込み送金する方法で、数年間にわたり400回以上も振り込み操作を実行することで現金を着服したことが認定されました(千葉地方裁判所 平成31年3月19日判決)。

この事案に対し、裁判所は懲役6年の判決を言い渡しました。
ネットバンキングを悪用して自身の個人口座に現金を送金させる行為も不法領得の意思の発現といえるため、「横領した」に該当し、常習性や被害額の大きさから重い刑罰が科されます。

1億6500万円横領し、懲役7年となった判例

學校の理事長であった被告人が、その立場を悪用して公私混同を繰り返し、長期間にわたり横領を継続した結果、合計1億6500万円を着服した事案において、仙台地方裁判所は、平成18年2月24日に懲役7年及び罰金2000万円の実刑判決を下しました(仙台地方裁判所平成18年2月24日判決)。

これは、組織への重大な信頼侵害、身勝手な動機、及び長期にわたる計画性が認められたものであり、一億円を超えるような超高額の横領事件では、執行猶予付判決の獲得は極めて困難となり、重い実刑判決が下される傾向にあることを示す事例です。

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高額の横領で逮捕されてしまったら

横領額が高額の場合、会社が被害届を提出し、警察が捜査に乗り出すケースが多くなります。
その結果、ある日突然、警察官が自宅を訪れ逮捕されるケースも珍しくありません。

逮捕されてしまった場合、直ちに弁護士にご相談ください。
弁護士は以下のような活動を行い、ご依頼人様の権利を守ります。

身柄を拘束されている場合は保釈に向けて活動します

逮捕や勾留により身柄を拘束されている場合、弁護士は保釈(勾留されている被告人を一時的に釈放すること)に向けて活動します。

具体的には、検察官や裁判官に対して、ご依頼人様が逃亡したり証拠を隠滅したりするおそれがないことを客観的な資料に基づき説明し、勾留の取り消し又は保釈を請求します。
身元引受人を確保すること、及び職場復帰の可能性を示すことなどが、保釈を認めてもらうために重要な活動となります。

執行猶予つき判決の獲得を目指します

業務上横領罪は懲役刑しか規定されていない犯罪であり、判決によっては直ちに刑務所に入らなければならない可能性があります。そのため、社会復帰を目指す上で、刑の執行を一定期間猶予してもらう執行猶予付判決の獲得が重要となります。

特に高額の業務上横領事件においては、実刑判決となるリスクが高いため、弁護士のサポートが必要不可欠です。
具体的な弁護活動としては、被害者である会社との示談を成立させること、横領金を弁済すること、並びに再犯防止のための環境を整備すること(家族による監督や治療の開始など)を裁判所に主張立証します。

逮捕はされていないが自宅待機を命じられた

高額な業務上横領の場合であっても、会社が警察に被害届を出す前に、調査のために従業員に自宅待機を命じるケースもあります。逮捕はされていなくとも、会社は既に横領の事実を把握している可能性が高く、事件化の準備を進めている段階であると言えます。
このような場合も、一刻も早く弁護士にご相談ください。

弁護士が会社と示談交渉します

弁護士は、被害者である会社との示談成立を目指し、交渉を行います。
高額横領事件の場合は、一括での全額返済が難しいことが多いため、一時金の支払確保や長期の分割による支払計画を立案するなど、粘り強い交渉を行います。

高額横領は事件化(警察に被害届が提出されること)することが多いですが、仮に事件化し裁判になったとしても、会社と示談が成立しているかどうかは、執行猶予付判決を獲得するために極めて重要な要素となります。

返済したいが高額のため一括では難しい

横領した本人に返済の意思はあるものの、横領額が高額であるために一括での弁済が難しいというケースも多くあります。そのような場合も、弁護士にご相談ください。

弁護士は、ご依頼人様の財産状況をもとに、実現可能な返済計画を作成します。
そして、この返済計画に基づき、分割払いによる返済を会社に対し交渉します。

横領罪における返済に関するより詳しい内容は、こちらの記事で解説しております。

横領罪における返済について詳しく見る

懲戒解雇の可能性も

業務上横領は、従業員が会社に対して負う信頼関係を根本から裏切る行為であり、その額が高額であればあるほど、懲戒解雇となる可能性は極めて高くなります。
懲戒解雇は、退職金不支給、又は再就職の困難など、社会生活において大きな不利益をもたらします。

再就職のためにも会社と示談しておくことは非常に重要です

仮に刑事裁判になったとしても、会社と示談を成立させておくことで、執行猶予付判決の獲得を目指すことができ、早い社会復帰が望めます。
また、示談が成立していることは、その後の再就職活動においても、反省の態度を示す一助となり、非常に重要です。

会社のお金を横領してしまったらお早めに弁護士にご相談ください

会社のお金を横領してしまった場合は、警察の捜査が本格化する前、あるいは会社からの追求が始まる前といったお早めの段階で弁護士にご相談ください。
特に高額の横領事案は実刑のリスクが高く、早い段階での弁護士のサポートが必要となります。
弁護士にご相談いただくことで、今後の刑事手続きの適切な見通しを立て、最善の弁護活動を行うことができます。

会社の接待交際費を私的な飲食代に使う、あるいは架空の接待をでっちあげて経費を不正に請求する行為は、単なる社内規定違反にとどまらず、犯罪に該当しうる違法行為です。

これらの行為が発覚した場合、刑事罰や損害賠償、懲戒解雇など、社会的・経済的に極めて重大な責任を負うことになります。

本稿では、接待交際費の不正利用がどのような犯罪にあたるのか、そして不正が発覚した場合に取るべき対応について、詳しく解説します。

接待交際費の不正計上、不正受給は業務上横領罪や詐欺罪が成立する可能性がある

接待交際費の不正利用は、その手口によって業務上横領罪または詐欺罪が成立する可能性があります。
例えば、会社からあらかじめ預かっていた交際費を私的に使い込んだ場合は、管理を任された金銭を着服したとして業務上横領罪が問われます。

一方で、実際には行っていない接待の領収書を偽造して会社に提出し、経費をだまし取った場合は、会社を欺いて金銭を交付させたとして詐欺罪が成立する可能性があります。

業務上横領罪とは

業務上横領罪とは、業務として自己の管理下にある他人の財産を不法に自分のものにする犯罪です(刑法第253条)。経理担当者や営業担当者が、会社から管理を委託されている現金や預金を私的な目的で費消する行為が典型例です。

この犯罪は、会社からの信頼を裏切る悪質な行為とみなされるため、単純な横領罪よりも重い「10年以下の懲役」という刑罰が定められています。

業務上横領は必ず逮捕される?

詐欺罪とは

詐欺罪とは、人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得たりする犯罪です(刑法第246条)。
この犯罪の成立には、①人を欺く行為(欺罔行為)、②それによって相手が錯誤に陥ること、③その錯誤に基づいて財物を交付すること、という一連の因果関係が必要です。

接待交際費のケースでは、架空の接待や水増しした領収書を提出して会社を騙し、経費を不正に受け取るといった行為がこれに該当します。

接待交際費の不正計上、不正受給の時効

接待交際費の不正利用には、刑事と民事の両方で時効が存在します。刑事事件として起訴するための公訴時効は、業務上横領罪、詐欺罪ともに7年です。

一方、会社が損害賠償を請求する権利(民事)の消滅時効は、原則として会社が損害および加害者を知った時から3年、または不正行為の時から20年です。
刑事上の時効が完成しても、民事上の賠償責任は残る可能性があるため注意が必要です。

接待交際費の横領の例

接待交際費の横領には、以下のような手口が考えられます。

(1) 空接待の計上
取引先との接待を全く行っていないにもかかわらず、偽の報告書や自分で作成した領収書を用いて、架空の接待があったかのように装い経費を請求する。

(2) 接待費用の水増し請求
実際にかかった接待費用以上の金額を領収書に記載してもらったり、自身で改ざんしたりして、差額を着服する。

(3) 私的な飲食代の付け回し
家族や友人との私的な飲食にかかった費用を、業務上の接待であるかのように偽って会社の経費として精算する。

(4) 商品券等への換金
接待の名目で商品券やギフトカードなどを購入し、それらを金券ショップなどで換金して現金を得る。

領収書の偽造も違法行為

接待交際費を不正に計上する過程で、領収書の金額を書き換えたり、パソコン等で偽の領収書を作成したりする行為は、横領罪や詐欺罪とは別に私文書偽造・同行使罪(刑法第159条、第161条)という犯罪に該当します。

複数の犯罪が成立する場合、より重い刑罰が科される可能性があります。このように、安易な考えで行った不正工作が、自身の刑事責任をさらに重くする結果を招く危険性があります。

領収書の偽造・改ざんは業務上横領罪?

経費や備品の横領、その他のケース

会社における横領は、接待交際費に限りません。従業員が会社の財産を管理・利用する立場にあることを悪用し、様々な手口で不正に利益を得るケースが存在します。

例えば、日々の業務で発生する交通費の請求や出張時の経費精算、さらには会社から貸与されている備品に至るまで、様々な行為が、会社の財産が横領の対象となりうるのです。
以下では、接待交際費以外でよく見られる横領のケースについて解説します。

交通費の横領

通勤手当として支給されている定期券区間内の移動であるにもかかわらず、別途交通費を請求したり、最も安価なルートではなく高額なルートで交通費を申請したりする手口です。

これらの行為は、業務上横領罪や詐欺罪に問われる可能性があります。

会社の交通費を不正受給すると業務上横領になる?

空出張で出張費を横領

実際には出張していないにもかかわらず、出張したかのように装って交通費や宿泊費、日当などを不正に受け取る行為です。「空出張」と呼ばれ、会社を騙す行為であるため詐欺罪が、会社から預かった出張費を流用した場合は業務上横領罪が成立する可能性があります。

空出張で出張費を不正に計上したら業務上横領になる?

会社備品の横領

会社から貸与されているパソコンや社用スマートフォン、事務用品などを無断で売却したり、私物化したりする行為です。自己の管理下にある備品であれば業務上横領罪、管理権限のない倉庫の物品などを盗み出せば窃盗罪に問われる可能性があります。

会社の備品を横領すると業務上横領罪や窃盗罪になる可能性。

接待交際費の不正計上、不正受給した社員の責任

接待交際費を不正に利用した場合、社員は刑事上と民事上の二つの側面から責任を追及されることになります。刑事上の責任とは、国から懲役刑などの刑罰を科されることを意味します。

一方で、民事上の責任とは、被害者である会社に対して、与えた損害を金銭で賠償する責任のことです。
たとえ刑務所に服役したとしても、会社に対する賠償責任がなくなるわけではなく、両方の責任を負わなければなりません。

刑事上の責任

刑事上の責任として、業務上横領罪の場合は10年以下の懲役、詐欺罪の場合は10年以下の懲役が法定刑として定められています。罰金刑の規定はなく、起訴されて有罪となれば懲役刑が科される重い犯罪です。

被害額や手口の悪質性によっては、初犯であっても実刑判決(執行猶予がつかない判決)が下される可能性も十分にあります。また、有罪判決を受ければ「前科」がつくことになります。

民事上の責任

民事上は、会社に対して損害賠償責任を負います。これは、不法行為(民法第709条)または雇用契約上の義務違反(債務不履行)に基づくものです。

賠償すべき範囲は、横領した金額そのものに加え、調査費用や弁護士費用、そして不正発覚日までの遅延損害金などが含まれる場合があります。

会社は、社員の給与を差し押さえるなど、法的な手段を用いて賠償請求を行ってくる可能性があります。

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接待交際費の横領は懲戒解雇の可能性も

横領は、会社の財産を不法に侵害し、企業秩序を著しく乱す重大な背信行為です。そのため、就業規則上の懲戒事由に該当し、最も重い処分である懲戒解雇となる可能性が極めて高いです。

懲戒処分には、軽いものから順に譴責(けんせき)、減給、出勤停止などがありますが、金銭に関する不正行為、特に横領は悪質性が高いため、これらの段階を踏まずに即時懲戒解雇とされるケースが一般的です。

会社の接待交際費を不正計上したり、私的に使ってしまったりしたら

万が一、会社の接待交際費を不正に利用してしまった場合、まず行うべきは、正直に事実を会社に申告し、誠心誠意謝罪することが重要になります。

そして、不正に得た金額を全額返済する意思があることを明確に示さなければなりません。しかし、当事者だけで冷静な話し合いをすることは困難な場合も多く、対応を誤ると事態が悪化しかねません。

そのため、会社に申告する前に、速やかに専門家である弁護士に相談し、今後の対応方針を協議することをおすすめします。

事件化を防ぐためにも弁護士にご相談ください

業務上横領のような会社内部の犯罪は、会社が警察に被害届を提出したり告訴したりすることで初めて事件化するケースがほとんどです。裏を返せば、警察が介入する前に会社との間で示談を成立させることができれば、事件化を防げる可能性があります。

会社側も、評判の低下などを懸念し、内々での解決を望む場合があります。弁護士が代理人として交渉することで、被害弁償と引き換えに事件化しないよう働きかけることが可能です。

会社との示談交渉を弁護士に依頼するメリット

横領事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは多岐にわたります。
まず、加害者本人が直接交渉すると感情的になりがちですが、弁護士が間に入ることで冷静かつ法的な観点から交渉を進めることができます。

また、横領額の確定や適切な示談金の算定、将来の紛争を防ぐための示談書の作成など、専門的な対応が可能です。
何より、逮捕や処罰への不安を抱えるご本人の精神的負担を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。

逮捕されてしまった場合も減刑に向けてサポートします

もし逮捕されてしまった場合でも、弁護士はご本人と速やかに接見(面会)し、取り調べへの対応をアドバイスします。その後は、早期の身柄解放を目指す活動と並行して、会社との示談交渉を継続します。

示談が成立すれば、検察官が不起訴処分(起訴しないこと)と判断する可能性が高まります。

仮に起訴された場合でも、示談の成立やご本人の反省の情などを裁判で主張し、執行猶予付き判決の獲得など、可能な限り軽い処分となるよう働きかける余地があります。

返済する意思はあるが横領額が大きく一括では難しい。分割払いは可能?

被害弁償は一括で行うのが原則ですが、横領額が高額でどうしても一括での返済が困難な場合もあります。その場合、会社との交渉次第では分割払いが認められるケースもあります。

しかし、会社側からすれば分割払いには未回収リスクが伴うため、簡単に応じてくれるわけではありません。実現には、説得力のある返済計画の提示と、誠実な交渉が不可欠です。

このような複雑な交渉については、専門家である弁護士に依頼されることをおすすめします。

横領したお金を返済したら減刑される?

会社の接待交際費を横領してしまったら、お早めに弁護士にご相談ください

会社の接待交際費の不正利用は、発覚すれば職を失うだけでなく、刑事罰という重い責任を負う可能性がある重大な行為です。

しかし、問題が発覚した直後の迅速かつ適切な対応が、その後の人生を大きく左右します。
お1人で悩まれるのではなく、できる限り早期に弁護士にご相談されることをおすすめします。

社員が領収書を偽造し、または改ざんすることにより、会社の経費を不正に受給する行為は、会社に対する背信行為であり、重大な犯罪を構成する可能性があります。経費の不正受給は、単に金銭的な損害を与えるのみならず、会社の信用を失墜させ、懲戒解雇の対象ともなり得る重大な問題です。

本記事では、領収書の偽造や改ざんによる経費の不正受給が成立し得る刑事上の罪について解説します。
また、不正を行った社員が負うべき民事上の責任、並びに、問題が発生した場合の適切な対処法について詳しく解説します。

領収書を偽造、改ざんして会社の経費を不正受給するのは何罪?

領収書を偽造し、又は改ざんして会社の経費を不正に計上したり、受給したりする行為は、複数の犯罪に該当する可能性があります。
その罪名は、行為の態様によって、主に業務上横領罪、詐欺罪、または私文書偽造罪に分かれます。

以下では、それぞれの罪が成立する可能性のあるケースについて、具体的な解説を行います。

支給されている経費を私的に使用すると業務上横領罪が成立する可能性

会社から業務のために預かっている金銭、例えば出張のために仮払いされた経費を、私的な用途に流用した場合、業務上横領罪が成立する可能性があります。

このケースでは、領収書の提出前に、既に社員が占有している会社の金銭を領得する意思をもって私的に費消する行為が問題となります。例えば、接待費として支給された現金を私的な飲食代に充てた場合等です。

業務上横領罪とは

業務上横領罪は、業務上、他人の物を預かり、その預かっている物を不法に自分のものにした場合に成立する犯罪です。法定刑は10年以下の懲役と定められています(刑法第253条)。

業務上横領罪について、詳しくはこちらで解説します。

領収書を偽造、改ざんするなどして経費を不正計上すると詐欺罪が成立する可能性

社員が、偽造しまたは改ざんした領収書を会社に提出し、会社を騙して本来支払われるべきでない金銭を騙し取った場合には、詐欺罪が成立する可能性があります。

例えば、実際には存在しない出張の領収書を偽造して旅費交通費を請求したり、個人的な飲食費の領収書の金額を改ざんして水増し請求したりする行為がこれに該当します。
この場合、会社の担当者は社員の欺罔行為(人を欺く行為)によって金銭を交付しているといえます。

詐欺罪とは

詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合に成立する犯罪です。法定刑は10年以下の懲役と定められています(刑法第246条第1項)。

領収書の偽造や改ざんは私文書偽造罪が成立する可能性

経費を不正受給する行為とは別に、社員が領収書そのものを偽造し、または改ざんする行為は、私文書偽造罪(私文書変造罪)を構成します。

領収書は、作成者がその内容を証明する文書であり、社会生活上の信用性が認められるためです。
不正受給の目的で領収書を偽造等した場合、詐欺罪(または業務上横領罪)と私文書偽造罪の両方が成立する可能性があります。

私文書偽造罪とは

私文書偽造罪は、行使の目的で、他人の印章や署名を使用して権利、義務、または事実証明に関する文書や図画を偽造した場合に成立する犯罪です。
法定刑は3カ月以上5年以下の懲役と定められています(刑法第159条第1項)。

経費の不正計上のケース

領収書を偽造し、または改ざんして会社の経費を不正に計上、受給するケースには、次のようなものが挙げられます。これらの不正行為は、会社の経費精算システムの盲点を突いた形で行われることが多いです。

交通費の不正受給

交通費の不正受給は、最も多い不正の態様の一つです。
具体的には、実際には定期券を利用して通勤したにもかかわらず、区間外の領収書を提出して運賃を二重に請求する手口、又は、実際とは異なる高額な経路の領収書を作成し、その差額を着服する手口があります。

交通費の不正受給について、詳しくはこちらで解説します。

会社の交通費を不正受給すると業務上横領になる?

空出張による不正受給

空出張(からしゅっちょう)による不正受給とは、実際には出張していないにもかかわらず、出張をしたかのように装い、架空の旅費や日当を会社から騙し取る手口を指します。
この不正を行う際、偽造した宿泊費の領収書や交通費の領収書が証拠として提出されることが一般的です。

空出張による出張費の不正受給の手口について、詳しくはこちらで解説します。

空出張で出張費を不正に計上したら業務上横領になる?

接待交通費の不正計上

接待交通費の不正計上とは、顧客との接待や会食の際に利用したと偽って、実際は個人的な飲食や交通に使った費用を会社の交際費として請求する手口です。
本来の目的と異なる私的な利用であるにもかかわらず、接待費用の領収書を改ざんし、または水増し請求することで、会社を欺き金銭を不正に受給することになります。

接待交通費の不正計上について、詳しくはこちらで解説します。

会社の接待交際費の不正計上は業務上横領罪が成立する可能性。

不正を行った社員の責任

領収書を偽造し、または改ざんして経費の不正計上を行った社員は、その行為に対して刑事上の責任、民事上の責任及び懲戒解雇の可能性、という三つの側面から責任を負うことになります。
不正の事実が発覚した場合には、会社からこれらの責任を追及されることになります。

刑事上の責任

不正を行った社員は、前述したとおり、業務上横領罪、詐欺罪、または私文書偽造罪(私文書変造罪)等の刑事責任を問われる可能性があります。

会社が警察に被害届を提出し、または告訴した場合、捜査機関による捜査が開始され、逮捕、起訴等の刑事手続きに進むことになります。業務上横領罪及び詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、有罪判決を受けた場合、懲役刑が科されることになります。

民事上の責任

不正を行った社員は、会社に対して不正受給した金額、並びに、不正行為によって会社に生じた損害を賠償する民事上の責任を負います。

これは、不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償請求、または不当利得返還請求(民法第703条)として会社から請求されるのが一般的です。
会社は、給与から不正受給額を相殺する、若しくは民事訴訟を提起して返還を求めることができます。

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領収書の偽造、改ざんは懲戒解雇になる可能性も

領収書を偽造し、または改ざんする行為は、懲戒処分の中でも最も重い懲戒解雇となる可能性が非常に高いです。この種の不正行為は、労働者が会社の財産を着服し、並びに会社の信用を失墜させる行為であり、労働契約における信頼関係を著しく破壊するものと評価されるためです。

懲戒処分には、一般に、戒告、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、及び懲戒解雇といった段階があり、不正受給は最も重い処分が選択される可能性が高いです。

懲戒処分を有効とする判例がある(ダイエー事件)

社員が架空の領収書を作成し、経費を不正受給した事案として、ダイエー事件と呼ばれる事件があります(大阪地裁平成10年1月28日判決)。
裁判所は、当該行為が会社の信用を失墜させる重大な行為であり、会社と労働者との間の信頼関係を破壊したと認定しました。

その結果、会社が行った懲戒解雇処分を有効であると判断しました。
この判例は、領収書の偽造等による不正受給が、懲戒解雇事由として十分なものであることを示しています。

領収書を偽造し会社の経費を不正受給してしまったら

もし、ご自身が領収書を偽造し、または改ざんして会社の経費を不正受給してしまった場合には、速やかにその後の行動を検討する必要があります。会社に対する謝罪、不正に得た金銭の返済が必要になります。

業務上横領罪は被害者からの被害申告(告訴)で事件化するケースが多い

業務上横領罪は、警察等の捜査機関が自ら認知して捜査を開始する場合もありますが、被害者である会社からの被害申告(告訴)によって事件化するケースが多い犯罪です。

そのため、不正を行った社員が会社との間で示談交渉を成立させ、被害弁償を行うことができれば、会社が告訴を取り下げる、または告訴しない判断をする可能性が高まります。
示談が成立すれば、事件化を回避できる、又は起訴猶予となる可能性が高まります。

会社との示談交渉を弁護士に依頼するメリット

横領の示談交渉を弁護士に依頼することには、複数のメリットがあります。

第一に、被害者である会社との交渉を冷静かつ円滑に進めることができます。

第二に、弁護士が代理人となることで、会社からの厳しい追及を直接受けることを避けられます。

第三に、弁護士は法的な観点から適切な被害弁償額を算出し、示談条件を交渉するため、不当に高額な請求をされることを防ぐことができます。

返済を考えているけど金額が大きく一括で支払うのは困難。分割払いはできる?

不正受給した金額が大きい場合、一括での返済が困難なケースは少なくありません。
不正受給額の分割払いを認めてもらえるか否かは、被害者である会社次第です。

会社に対して誠意を示し、返済計画を具体的に提示することで、会社が分割払いを認めてくれる可能性はあります。しかし、会社は全額一括返済を強く求めることが多いため、弁護士に依頼して交渉を代行してもらうことが有効です。

横領罪の返済について、さらに詳しくはこちらで解説します。

横領したお金を返済したら減刑される?

不正受給に関するお悩みはお早めに弁護士にご相談ください

領収書を偽造、または改ざんして会社の経費を不正受給する行為は、刑事上の罪に問われ、並びに懲戒解雇のリスクを伴う極めて危険な行為です。

もし、ご自身が不正行為に関与してしまった場合は、事件化を防ぐため、及び刑事処分を軽減するためにも、発覚する前、または発覚直後の早い段階で弁護士にご相談ください。

弁護士は、会社との示談交渉を代理し、被害弁償の手続きをサポートすることで、あなたの最善の解決を目指します。

相続では寄与分という制度があります。

寄与分は、相続の際、相続財産の維持又は増加について特別の貢献をした相続人がいる場合に、その相続人が取得できる遺産を増やす制度です。

相続財産の維持又は増加について特別の貢献をした場合としてはさまざまなものがありますが、ここでは、家事従事型として「被相続人の事業に関する労務の提供」民法904条の2第1項)を行っていた場合の寄与分について解説します。

家事従事型の寄与分とはどんなもの?

家事従事型の寄与分とは、「被相続人の事業に関する労務の提供」(民法904条の2第1項)によって、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした場合に認められる寄与分をいいます。

「事業」の内容や「労務の提供」の方法について、定まったものはありません。

家事=炊事洗濯ではない。家事従事型の具体例

では、家事従事型の具体例としてはどのようなものがあるか、ですが、たとえば、夫が農業を営み、妻が毎日無償でその手伝いを行って収穫を維持できるように貢献していた場合です。

また、父が個人で経営する店舗で長男が無償でほぼ毎日勤務した場合も家事従事型の寄与分として認められる可能性があります。

寄与分を認めてもらう要件

寄与分は、被相続人の財産形成に相続人が相当程度に高度な寄与をした場合に認められるものです。

これは「家事従事型」の寄与分においても同様です。
民法上の要件は、寄与した者が相続人であること、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により特別の寄与をしたこと、被相続人の財産が維持され又は増加があったことです(民法904条の2第1項)。

家事従事型の独自の要件

家事従事型で独自に求められる要件は以下のとおりです。

①無償性
無償又はこれに近い状態で行われていることが必要となります。
提供した労務に見合うだけの報酬が支払われていた場合は、寄与分として認められません。

②継続性
労務の提供が長期間継続していることが必要となります。
一時的ではなく、一定期間継続する必要があります。

③専従性
労務の内容がかなりの負担を要するものであることが必要となります。
専業であることまでは求められませんが、片手間ではできず、一定の負担を要する労務であると認められる必要があります。

通常の手伝いをした程度では認められない

寄与分は、その貢献が「特別の寄与」といえるかどうかがひとつの重要なポイントとなります。民法上、親族間では扶養義務があるとされていますので、親族間での通常の手伝いや身の回りの世話程度では当然行うべき行為とされ、寄与分が認められません。

先に述べましたとおり、家事従事型の場合は、無償又はこれに近い状態で労務に専念していなければ、扶養義務の範囲を超えるような貢献であると認められる可能性は低いでしょう。

家事従事型の寄与分を主張するためのポイント

家事従事型の寄与分を主張するためのポイントは、先ほど述べましたとおり、①無償性、②継続性、③専従性に加えて、寄与行為とその結果(財産の増加維持)との間に因果関係があるということを資料を示して主張する必要があります。

具体的な主張内容としては、

  • 被相続人との身分関係や扶養関係
  • 労務提供をするに至った事情
  • 報酬の有無(無償性)
  • いつからいつまで労務の提供をしていたか(継続性)
  • どのような働き方で労務に従事していたのか(専従性)
  • 寄与行為によって被相続人の財産が増加維持したこと

などです。
家事従事型の寄与分が認められるハードルは高いため、このような要件に沿って、説得的に事実を主張し資料を示す必要があります。

こういったものが証拠になります

特別の寄与があったことを裏付ける証拠は非常に重要になります。

②継続性の証拠としては、業務日誌(日報)、タイムカード、メール等が考えられます。
③専従性の証拠としては、被相続人の確定申告書、預金通帳、会計帳簿等が考えられます。

家事従事型の寄与分に関する裁判例

家事従事型の寄与分についての裁判例には様々なものがあります。
どの程度の寄与があれば寄与分が認められるのか、裁判例を紹介しつつ、着目すべきポイントを説明していきます。

相続人以外の寄与分が認められた裁判例

【神戸家庭裁判所豊岡支部平成4年12月28日審判】

被相続人(昭和51年7月6日死亡)は、長年農業に従事していましたが、昭和44年頃に高血圧と心臓病が悪化したため、仕事をやめ、申立人(被相続人の子)に扶養される状況となりました。

被相続人は、昭和48年末頃から高血圧と心臓病に老衰も加わり、寝たきりの状態となりました。申立人の妻が昼夜被相続人の側に付きっきりになり看護をしていました。

このような申立人の妻の被相続人に対する献身的看護は、親族間の通常の扶助の範囲を超えるものがあり、そのため、被相続人は、医療費の負担を免れ、遺産を維持することができたと考えられることから、遺産の維持に特別の寄与貢献があったものと評価するのが相当であり、遺産分割にあたって申立人の寄与分として考慮すべきである、とされました。

申立人の被相続人に対する妻の貢献について、申立人の補助者または代行者として遺産の維持に特別の寄与がなされたものであると認め、これを申立人の寄与分として考慮して遺産分割をした事例でした。

家事従事型の寄与分が認められなかった裁判例

【札幌高等裁判所平成27年7月28日決定】

相続人は、被相続人の求めに応じて勤めていた会社を退職し、被相続人が経営していた簡易郵便局に夫婦で勤めることになりました。

簡易郵便局で、夫婦は2人で月25万円から35万円の給与を得ていましたが、この金額は、当時の賃金センサスによると、大卒46歳時の平均給与の半分にも満たない金額でした。

しかし、被相続人が郵便局を引退するまでの間、業務主体は被相続人であったこと、月25万円から35万円という相応の収入を得ていたこと、相続人夫婦は被相続人と共に住んで家賃や食費は被相続人が支払っていたことをも考慮すると、相続人は当該事業への従事で相応の給与を得ていたというべきであるとして、寄与分は認められませんでした。

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家事従事型の寄与分の額はどのように決めるか知りたい

家事従事型の寄与分の額は、以下のような計算式で算出します。

寄与した者が通常得られたであろう年間の給付額×(1-生活費控除割合)×寄与年数-現実に得た給付

「寄与者が通常得られたであろう年間の給付額」は、相続開始時(被相続人が亡くなった時)における、家業と同種同規模の事業に従事する、寄与者と同年齢層の年間給与額が基準になります。

実際には、相続開始時の賃金センサスを使用し、同種同規模同年齢の年間給与額を参考にすることが多いです。
また、家事従事型の場合は、寄与した者が被相続人と同居していることが多く、寄与した者の住居や生活費等が家業収入の中から支出されていることが多いため、「生活費控除割合」に換算されて控除されます。

さらに、少額でも現実に給付を得ていたようであれば、「現実に得た給付」として控除されます。寄与分を決める際には、寄与の時期や方法、程度、相続財産の額といった一切の事情が考慮されるため、これらの計算式によって算出された額からさらに調整される可能性があります。

家事従事型の寄与分に関するQ&A

夫の飲食店を無償で手伝っていたが離婚しました。寄与分は認められますか?

寄与分が認められるのは、法定相続人(民法で定められた相続人)に限られます。すでに離婚していた場合には夫の相続人ではありませんので、寄与分が認められないという結論になります。

長男の妻として農業を手伝っていました。寄与分は主張できるでしょうか。

先に述べましたとおり、寄与分が認められるのは法定相続人に限られますから、長男の妻が相続人ではない限り、寄与分が認められることはないでしょう。
ただ、被相続人の親族(相続人以外)が特別の寄与をした場合には、特別寄与料として、相続人に対して寄与に応じた金銭を請求することができます。

夫の商店を手伝いながら、ヒット商品の開発にも成功しました。寄与分を多くもらうことはできますか?

認められる可能性はあると思います。夫の商店を手伝いつつも、ヒット商品の開発に成功しているということは、夫の財産の増加に寄与したと言いやすいからです。

ただ、寄与行為にかかった金額がそのまま算定されるのではなく、寄与行為の貢献度を割合に置き換えて算定することもあるため、遺産が少ない場合には貢献に見合っただけの金額の寄与分が得られない可能性があることに留意する必要があります。

父の整体院を給与無しで手伝っていました。小遣いを月4万円もらっていたのですが、寄与分は請求できるのでしょうか?

認められる可能性はあると思います。
受け取っていた4万円という報酬が、整体院での勤務内容(時間、職務等)からみて著しく低額であった場合は無償性を満たす可能性がありますし、整体院での勤務期間や専従性も考慮したうえで寄与分が認められる可能性があるからです。

父の会社に従業員として勤めて経営を支えていた場合、寄与分は認められますか?

認められることは難しいと思います。
理由は、法律が法人と個人(自然人)を別の主体と考えているため、寄与した方の貢献は法人に対してされたものと考えられるからです。

ただし、法人が一人会社の場合のように、実質的に個人と同視しうるような場合には、個人に対する貢献として寄与分が認められる可能性があるでしょう。

無給で手伝っていましたが、たまの外食や旅行等に行く場合は費用を出してもらっていました。寄与分の主張はおかしいと言われましたが、もらうことはできないのでしょうか。

寄与分が認められる可能性はあると思います。
たまの外食や旅行等であれば社会通念上相当の範囲にとどまるかぎり、寄与分額の算定で控除すべき対象とみなされる可能性は低いでしょう。

ただし、被相続人と同居して家賃や食費をほぼ被相続人が負担しているような場合は、寄与した者の利益とみなされて控除の対象となる可能性があります。

ご自身のケースが寄与分として認められるか、弁護士へ相談してみませんか?

被相続人に対してしたご自身の行為が寄与分として認められるかどうかの判断はなかなか難しいかと思います。
寄与分の主張によって他の相続人の理解を得られない等、遺産分割協議が紛糾し、相続手続が前に進まないということも考えられます。

寄与分が認められるのか、認められるとしてどの程度認められるものなのか等、不明点があれば遺産相続問題を早期に解決させるためにも、早めに弁護士に相談することを強くお勧めします。

交通事故に遭い、示談交渉などを依頼した弁護士に対して「本当にこのままで大丈夫だろうか」と不安を感じる方もいるかもしれません。
弁護士との相性の問題や対応への不満などから、弁護士の変更を検討することは決して珍しいことではありません。

交通事故の弁護士はいつでも変更することが可能です。

この記事では、弁護士を変更する方法から、変更を検討すべきケース、さらには弁護士を変更することのデメリットや注意点まで、知っておくべき情報を弁護士の視点から詳しく解説します。

交通事故の弁護士は変更できる!セカンドオピニオンの重要性

依頼した弁護士と委任契約を結んだ後でもその弁護士を解任し、別の弁護士に依頼し直すことが可能です。

弁護士を新しく変更する際に重要なのが「セカンドオピニオン」の活用です。
セカンドオピニオンとは、現在依頼している弁護士以外の別の弁護士に相談し、意見を聞くことを指します。

特に、現在の弁護士の提示する示談金額や解決方針に納得がいかない場合、別の専門家の意見を行くことで、より有利な解決方法が見つかる可能性があります。
変更を迷っている場合にはまず、別の弁護士に相談してみることが大切です。

法テラスや交通事故紛争処理センターを利用している場合は注意が必要

法テラスの民事法律扶助制度を利用している場合、原則として弁護士の変更はできません。
但し、弁護士側に著しい不適切な行為は職務懈怠などのやむを得ない事由がある場合には、変更が認められるケースがあります。

また、交通事故紛争処理センターを利用している場合も、一度手続を開始すると弁護士を変更することが難しい場合があるため、事前にセンターに確認が必要です。

弁護士の変更を検討したほうが良いケース

弁護士を変更すべきか検討した方がよいのは、以下のようなケースです。

相性が良くない

弁護士との相性が良くないと感じることは、弁護士変更を検討する大きな理由の一つです。

例えば、「高圧的な態度で話を聞いてもらえない。」、「専門用語ばかりで説明が理解できない」、「なんとなく威圧感があって相談しにくい」といった場合です。

弁護士と依頼者の関係は、二人三脚でトラブル解決を目指す信頼関係が非常に重要です。
弁護士に聞きたいことを聞けず、不満や疑問を抱えたまま手続を進めてしまうと、公開の残る結果につながりかねません。

安心してすべてを任せられる弁護士に依頼しなおすことが双方にとって良いこととなります。

解決の方向性が合わない

弁護士から提示された解決の方向性や見通しが、依頼者の希望と大きく食い違う場合も変更を検討するべきケースです。

例えば、依頼者が徹底的な裁判での争いを望んでいるのに、弁護士が安易に和解を勧めてくるようなケースです。また、弁護士が提案した賠償金の金額が低いと感じる場合や、過失割合などの重要な争点について、弁護士の主張に納得がいかない場合も同様です。

別の弁護士にセカンドオピニオンを求め、より良い解決策がないか検討してみましょう。

対応が遅い、連絡が取りにくい

弁護士の対応が遅い、又は、連絡が取りにくいと言ったケースも、依頼者の方にとっては大きなストレスになります。

特に交通事故の案件では、後遺障害の申請など、迅速な対応が求められる場面が多々あります。依頼者から問い合わせをしているのに何日も返事がない、資料の提出が毎回遅れる、といった状況が続くと、手続が滞り、依頼者の不利益につながる可能性もあります。

連絡が滞ることで、現状はどうなっているのか、対応が後回しにされているのではないかとのファンが増し、ストレスがかかってくることとなります。

しかしながら、相手側の返答が全く来ないなど弁護士の対応によってではなく、進行が遅れている可能性がありますので、一度現状を確認することも大切です。

弁護士に業務停止処分が下った

もし、依頼している弁護士が業務停止などの懲戒処分を受けた場合、その間は弁護士活動自体ができなくなるため、直ちに新しい弁護士を探す必要があります。

業務停止になった際には、一時弁護士との委任契約を解除することになりますが、業務停止期間が終了すると、再度契約することはできます。

しかしながら、その間は手続の進行が遅れることとなりますので、迅速な手続き進行を求める場合には、自分で新たに弁護士を探したうえで、依頼しなおすことが望ましいと言えます。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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弁護士を変更する方法

上記のような状況が起こり、弁護士の変更を考えた際には以下の手順で弁護士の変更を行うことが望ましいと言えます。

新しい弁護士を探して相談する

まずは、交通事故の案件に強い新しい弁護士を複数探し、無料相談などを活用してセカンドオピニオンを受けましょう。

相談をするときには、現在依頼している弁護士の対応への不満点や、これまでの経緯、現在の事件の状況などを詳細に説明します。そのうえで、「新たな弁護士に依頼した場合の見通し」や「弁護士費用」について、明確な説明を受けましょう。

新しい弁護士が過去の経緯をしっかり理解し、今後の見通しを具体的に示してくれるか、また、相性が良いかを慎重に見極めてから正式に依頼を決めましょう。

ここで、注意するべきなのは、弁護士を探している間に損害賠償請求の時効が成立してしまう恐れもあるので、弁護士が不在の状況ができないようにしていきましょう。

今依頼している弁護士に変更したい旨を伝える

新しい弁護士に依頼することを決めたら、現在依頼している弁護士に対して、委任契約を解除する旨を伝えましょう。伝え方は、書面などで通知することで正式な意思を残すことができますが、電話やメールなどでも問題ないです。

伝える際には、単に「変更したい」と伝えるだけでなく、委任契約の解除と預けている書類の返却、預かり金の清算などを同時に申し出るとよいです。
そうすることで、新しい弁護士への引きつきも円滑に進むこととなります。

(弁護士費用特約を利用している場合)保険会社にも弁護士を変更する旨を伝える

弁護士費用特約を利用して弁護士費用を支払っている場合には、契約している保険会社にも弁護士を変更する旨必ず伝えるようにしましょう。

弁護士費用特約を利用する場合、新しい弁護士に切り替える際にも、保険会社の承認が必要になることがあります。保険会社に事前に連絡をしないと、新しい弁護士の費用が特約で支払われないなどトラブルの原因になり得ます。

また、保険会社によっては、着手金などを1事故につき1回限り支払うとしているところもあるので事前に確認しておくことが必要となります。

新たな弁護士に着手金を支払う

新しい弁護士との間で委任契約を締結し、着手金を支払います。
着手金は、弁護士が事件に取り掛かる際に支払う費用になるので、事件の結果や途中で解約した場合にも返金されないのが原則です。

そのため、以前の弁護士に払った着手金は返金されずに新しい弁護士に着手金を支払う必要がありますので、契約前に新しい弁護士の料金体系や着手金の金額をしっかり確認することも大切です。

引継ぎをしてもらう

事件の新着状況や保険関連書類、証拠資料などについては、以前依頼していた弁護士と新しい弁護士との間で、引継ぎがなされることがほとんどです。

しかしながら、当然に引継ぎがなされているかは不明確なところもありますので、手続の進行をスムーズにすることや新たな弁護士において誤解が生じないようにすることから引き継ぎが確実に行われるように確認しておくとよいです。

新たな弁護士が対応を開始する

引継ぎが完了すると、新しい弁護士がすべての資料を確認し、事件の状況を把握することができるようになりますので、新しい弁護士によって、新たな交渉などが進行することになります。

新しい弁護士が依頼者の方の意向などを把握するために打合せを調して、より自身の意向や利益になる進行を新しい弁護士にお願いしていくこととなります。

弁護士を変更した場合のデメリット

上述のように弁護士を変更することはできますが、弁護士を変更することによって発生するデメリットもありますので、事前にそのデメリットを確認することが大切です。

着手金は返ってこない

上述のように、着手金は弁護士が事件に着手するための費用であり、契約解除や結果の如何に関わらず、返還されないことが一般的です。

そのため、新しい弁護士にも着手金を支払う必要があるので、費用負担が二重になってしまうことが最大のデメリットです。

また、着手金を以前の弁護士に支払っていない場合でも、文書送付費などかかった費用を請求されるおそれがあります。

そのため、弁護士を変更する際には費用がかさむ可能性があることを意識しておくことが必要になります。

完全成功報酬型でも解任までの費用は請求される

また、「完全報酬型」の契約である場合にも弁護士を解任するまでの間に発生した費用やタイムチャージ(時間制報酬)などの費用を請求される可能性があります。

具体的には、契約を解除する時点までに弁護士が費やした労力や手続費用(実費)について、契約内容に基づいて清算されることとなります。
なので、契約内容を確認しておくとよいです。

解約金が発生する可能性がある

委任契約書の内容によっては、解約金または違約金が発生する可能性があります。

特に、弁護士側には非がなく、依頼者の都合で一方的に解約する場合、弁護士側が被る損害を補填するために、一定の解約金を請求されるケースがあります。

新しい弁護士に依頼する前に、現在の弁護士との委任契約書を隅々まで確認し、解約に関する条項をチェックしておくとよいです。

弁護士変更にあたっての注意点

以下では、弁護士変更にあたって注意するべき点を挙げて行きます。

書類は全て返してもらう

弁護士との契約を解除する際は、自身の交通事故に関する全ての書類(診断書、事故証明書、保険会社の提示書類など)を、返却してもらうようにすることが望ましいです。

新しい弁護士が事件をスムーズに引き継ぎ、適切な主張を行うためには、これまでの経緯がわかる全ての資料が必要です。書類の返却を申し出ても、前の弁護士が応じない場合は、内容証明郵便などで正式に請求することも検討します。

弁護士費用特約を利用している場合は要確認

弁護士費用特約を利用していても、特約には利用上限額が設定されていることがほとんどです。

弁護士を変更した場合、以前の弁護士に支払った費用と新しい弁護士に支払う費用の合計額が、特約の上限額を超えてしまう可能性があります。
上限を超えた費用は自己負担となりますので、特約の上限額と、これまでに利用した金額、新しい弁護士の費用を事前に確認し、自己負担額を把握しておくことが非常に重要です。

特に、弁護士費用特約の場合には着手金の支払いの回数制限などが設定されていることもありますので、注意しておくことが大切です。

変更しても結果が変わらない場合もある

弁護士を変更しても、必ずしも結果(賠償額など)が大きく変わるわけではありません。
弁護士が交渉などをする際には実務上の相場や理論的な考え方を基に話をしていくこととなります。

特に、すでに示談が成立している場合や、症状固定の診断が下っている場合など、法的に事態が確定してしまっている状況では、弁護士の力量だけで結果を覆すことが難しいケースがあります。

その2つのケースについて、以下で詳しく見て行きます。

示談を締結してしまった場合

一度、保険会社と示談書を締結してしまうと、原則としてその示談の内容を覆すことは非常に困難になります。

示談は、当事者間の合意によって紛争を解決する契約であり、法的な拘束力を持ちます。
新しい弁護士に依頼しても、示談のやり直しは原則としてできません。
示談書に署名をする前に、必ず内容に納得しているかを再確認しましょう。

また、ご心配や疑問がある場合には依頼している弁護士に相談するか、又は、法律相談などで新たな弁護士に相談されるとよいです。

症状固定してしまった場合

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を指します。

症状固定の診断が下されると、それ以降の治療費は原則として加害者側(保険会社)に請求できなくなります。また、症状固定時に残っている後遺症について、後遺障害の等級認定を受けることになります。

後遺障害の等級が低い、又は非該当となった場合、その認定結果を覆すのは容易ではありません。弁護士を変更しても、等級認定のやり直しや、既に切られた治療費の請求を覆すのは非常に難しいため、変更を検討する前に状況を確認しましょう。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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交通事故に強い弁護士の選び方

新しい弁護士を選ぶ際は、以下の3つのポイントを重視することで、有利な解決に導いてくれる可能性が高まります。

解決事例が豊富にある

交通事故の案件を数多く扱い、豊富な解決事例を持っている弁護士を選びましょう。

過去の解決事例は、その弁護士の実力と経験を示す最も明確な指標です。
特に、自身の事故状況と似たようなケースで高額な賠償金を獲得している事例があれば、あなたの事故でも成功に導いてくれる可能性が高いです。

弁護士事務所のウェブサイトなどで、実績をしっかり確認しましょう。

交通事故専門にやっている・専門の部署があるか

できる限り、交通事故の案件を専門に扱っている弁護士、または交通事故専門の部署を設けている法律事務所を選ぶとよいです。

交通事故案件は、損害賠償額の算定基準(自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準)や後遺障害の認定など、他の法律分野にはない専門的な知識とノウハウが必要です。
専門性の高い弁護士ほど、保険会社との交渉に強く、適正な賠償額(弁護士基準)での解決を目指すことができます。

医学知識があるか

交通事故案件においては、医学的な知識を持っているかどうかも、弁護士を選ぶ重要な基準になります。交通事故で怪我が発生した場合には、弁護士が怪我の内容等に詳しいことで治療期間の相当性等についても判断ができることとなります。

特に、後遺障害の等級認定を申請する際、診断書や医学的な資料を正確に理解し、法的な観点から説得力のある主張を展開するには、一定の医学知識が不可欠です。

医師との連携がある、または医学的な知見を活かして手続きを進められる弁護士は、等級認定を有利に進め、結果的に賠償額をアップさせる可能性を高めます。

交通事故は弁護士法人ALGにお任せください

弁護士法人ALGは、交通事故問題に特化した専門チームを設けており、これまで数多くの解決実績を積み重ねてきました。
依頼者様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、交通事故の専門的な知識と豊富な経験に基づき、最も有利な解決へと導きます。

現在の弁護士に不安がある方、提示された示談金額に納得がいかない方は、ぜひ一度、当法人にご相談ください。セカンドオピニオンとしての相談も積極的に受け付けております。

弁護士を変更すべきかどうかも含めて、最適なアドバイスをさせていただきます。

ご結婚生活の末に配偶者との離婚を考え、離婚協議を行ってみたものの、一向に離婚協議がまとまらない場合、次の段階として家庭裁判所での離婚調停を検討することになります。

多くの方にとって離婚調停に弁護士は必要か?、費用はどれくらいかかるのか?といった不安を感じることと思います。

本記事では、弁護士なしで離婚調停に臨むことの可否、そのメリット・デメリット、そして弁護士が提供できるサポートについて解説していきます。

離婚調停は弁護士なしでもできる?

離婚調停は弁護士に依頼せずに、ご本人だけで手続を行うことが可能です。

調停は、当事者間の合意を目指す話合いの手続であり、調停委員がその仲介を務める制度です。そのため、必ずしも弁護士の同席が必要なわけではありません。

弁護士なしで離婚調停する人の割合はどれくらい?

離婚調停において、当事者の双方または一方に弁護士が関与しないケースは申し立てられた離婚調停全体の半数以上といわれています。
多くの方が弁護士を立てずに離婚調停を利用している実情がうかがえます。

自力で離婚調停を申し立てる方法

ご自身で離婚調停を申し立てる場合、基本的には相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に「申立書」を提出する必要があります。
申立書は裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。

夫婦関係調整調停(離婚)の申立書(裁判所HP)

申立てに際しては、申立書のほかに、戸籍謄本をはじめとする様々な書類や手数料としての収入印紙なども必要となります。

弁護士なしだと離婚調停で不利になる?

弁護士に依頼しないことがそのままご本人に不利な結果につながるとは限りません。

しかし、一言で離婚といっても、その理解は複雑なため、法的な知識が不足していることで、本来得られるはずだった財産分与や慰謝料、養育費などを適切な条件で取り決められないリスクはあります。

特に、相手方が弁護士に依頼している場合には、交渉力や法的知識に差があるため、不利な条件で合意してしまう可能性は高まるともいえるでしょう。

離婚調停を弁護士なしで対応するメリットとデメリット

メリット

最大のメリットは、弁護士費用がかからないということにあります。
離婚事件を弁護士に依頼した場合、着手金や成功報酬などで数十万円以上の費用がかかることが一般的です。

デメリット

デメリットは、申立てに至る煩雑な手続きをすべてご自身で行う必要があります。
また、調停期日では、調停委員に対してご自身の主張を伝えることができず、いつまでも調停が成立しないという事態になりかねません。

さらに、提示された離婚条件がはたして妥当なものかを判断することが難しいため、本来であればもう少し交渉すべき場面で妥協してしまったり、見落としが生じてしまうこともあるといえます。

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離婚調停で弁護士ができるサポート

離婚調停申立ての手続を代行してもらえる

弁護士にご依頼いただければ、調停申立ての手続をすべて代理することができます。
申立書の作成から、戸籍謄本などの必要書類の収集、裁判所への提出まで行っていきます。

これにより、煩雑な手続的負担から解放され、ご自身の生活や調停に向けた準備に集中することができます。

陳述書や答弁書の作成時にアドバイスしてもらえる

調停手続きにも双方の持ち時間に限りがあるので、書面にて事前に調停委員に説明を行うことが効果的です。

弁護士に依頼すれば、ご自身の主張をまとめた陳述書や、相手方の主張に対する反論を記載した答弁書などの書面作成を、法的な観点から要点を整理し、調停委員にこちらの主張が的確に伝わるように代行してくれます。

調停委員と話すときに同席してくれる

調停期日には弁護士が同席し、又は依頼者様の代理人として、調停委員に対して主張を説明します。調停手続きを何度も行う人は稀ですので、裁判所で緊張する場面でも、弁護士が隣にいることで精神的な支えとなります。

離婚条件についてアドバイスがもらえる

財産分与、慰謝料、親権、養育費など、離婚に際して取り決めるべき条件は非常に多いといえます。弁護士は、過去の判例や実務的な基準に基づき、個別の事案に応じた妥当な解決策をアドバイスします。

これにより、知らないうちに不利益な条件で合意してしまうことを防ぎ、正当な権利を守ります。

相手とのやり取りを代わってくれる

離婚調停中は、相手方と直接話すことが精神的に大きな負担となるケースが少なくありません。弁護士が代理人となることで、相手方との連絡窓口はすべて弁護士が担います。

これにより、依頼者様は相手方と直接やり取りをするストレスから解放され、冷静に調停に臨むことができます。

離婚調停を成功に導くポイント

離婚調停を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、感情的にならず、冷静に事実を主張することです。調停委員は中立な立場であるため、感情的になったとしても有利になるとは限りません。

次に、ご自身の主張を裏付ける客観的な証拠(写真、メール、預金通帳の写しなど)を事前に準備しておくことです。言った言わないといった水掛け論になってしまうことを避けることができます。

最後に、離婚に際して「絶対に譲れない条件」と「譲歩できる条件」をあらかじめ明確にしておくことです。これにより、現実的に合意可能な範囲での交渉をできるため、調停が円滑に進みます。

ひとりで離婚調停を乗り切れるか心配な場合は、一度弁護士にご相談ください

ここまでご説明したとおり、離婚調停は弁護士なしでも進めることができます。

しかし、法的に妥当な条件で、かつ精神的な負担を軽減しながら手続を有利に進めるためには、弁護士のサポートが非常に有効といえます。

是非、弁護士に一度相談し、ご自身の状況でどのようなサポートが可能か、話を聞いてみることをお勧めします。

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格
弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。