交通事故後に首が痛いのは後遺障害になる?

交通事故後に首が痛いのは後遺障害になる?

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

交通事故に遭うと首を負傷することがあります。首を負傷すると、首の痛みはもちろんのこと、頭痛、吐き気、手のしびれといった症状に長期間悩まされることもあります。

そこで、今回は、交通事故によって首を負傷した場合、後遺障害として認定され、賠償金を受け取ることができるのかについて解説をします。

首が痛いだけでは後遺障害とは認められない

交通事故による首の痛みが後遺障害として認定されるためには、自覚症状だけではなく、他覚的所見が非常に重要となります。

他覚的所見とは、病院での検査、医師の診察、レントゲンやMRIなどの画像検査、血液検査や神経伝導検査などの医学的検査により、客観的に判断することができる症状のことをいいます。
そのため、医師に対し、首が痛いと訴えるだけでは、後遺障害として認定される可能性は低いといえます。

後遺障害と認められるには検査が必要

上記のとおり、後遺障害として認定されるためには、他覚的所見が非常に重要となります。
首の痛みを客観的に把握するには、レントゲン、MRI、CTなどの画像検査の方法が考えられます。

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首の痛みの原因と関係のある後遺障害

首の痛みの原因と関係のある後遺障害としては、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。

むちうち

交通事故に遭うと、よく「むちうち」という言葉を耳にすると思います。
しかし、むちうちは、正式な傷病名ではありません。一般的には、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群と診断されることが多いといえます。
自覚症状としては、首の痛みのほか、頭痛、めまい、肩こりなどが多いです。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は、「脳脊髄液腔から脳脊髄液(髄液)が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し,頭痛,頸部痛,めまい,耳鳴り,視機能障害,倦怠などさまざまな症状を呈する疾患」と定義されます。

むちうちに似た症状もありますが、特に頭痛がひどいような場合には、脳脊髄液減少症も疑われますので、必ず医療機関で検査を受けるようにしてください。

交通事故後に首が痛い(首の痛みが続く)時にやるべきこと

交通事故後に首が痛い場合には、必ず医療機関で検査を受けるようにしましょう。
具体的な症状によって、治療方法が変わることもありますので、医師の指示に従うようにしてください。
また、接骨院への通院も自己の判断で行わず、医師と相談の上、通院するようにしてください。

首が痛い場合にやってはいけないこと

首が痛い場合は、首に違和感があるため、首を左右に動かしたり、首を鳴らしてしまうことがあるかと思います。
しかし、不用意に首を動かしたりすると、症状が悪化することがあるため、そのような動きは避けるようにしましょう。
医師の指示に従い、安静に過ごすようにしてください。

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首の痛みと交通事故の因果関係が認められた裁判例

後遺障害は、損害保険料算出機構の自賠責損害調査事務所が認定を行います。
自賠責損害調査事務所が、頚部痛について、「頚部に係る傷病名が本件事故約2か月後まで付いておらず、同部への治療も窺えないことから、本件事故との相当因果関係が認め難い」として、後遺障害非該当とした事案について、名古屋地裁平成28年2月19日判決(交民49巻1号219頁)は、「頚部痛の訴えが顕在化したのは、事故後約2か月を経てからであるから、これが本件事故によるものか疑問の余地がないわけではない。しかし、本件事故直後の時期は、胸骨骨折及び多発性肋骨骨折による相当強い疼痛に苛まれた状態にあったから、これに比べれば軽微である頚椎捻挫の疼痛を原告が認識しなかったとしても、何ら不自然ではなく、上記骨折の疼痛が軽減するにしたがって、その背後に隠れていた他の疼痛が顕在化するということも、自然な経過といえる。そして、前記1(1)で認定した本件事故の態様によれば、原告が頚椎捻挫を負ったとしても何ら不合理ではないし、他に原告が頚椎捻挫を負うような機転があったことを疑わせるような事情もない。そうすると、頚椎捻挫は、本件事故によって生じたものであり、アダチ接骨院における施術費は、頚椎捻挫に対する分も含めて本件事故による損害と認められる。」と判断し、首の痛みと交通事故の因果関係を認めました。

交通事故後の首の痛みに困りなら弁護士にご相談ください

交通事故による首の痛みを後遺障害として認定してもらうためには、適切な検査、通院頻度などが重要になります。
当法人では、これまでに非常に多くの交通事故事件を扱っているため、依頼者の方々の症状から、適切な検査、通院頻度についてのアドバイスを行うことができます。また、後遺障害認定申請や慰謝料の増額交渉も行うことができるため、依頼者の方々のトータルサポートを行うこともできます。

交通事故に遭い、首の痛みでお困りの方は、ぜひ一度当法人の弁護士にご相談ください。

交通事故に遭われた被害者の方は、治療費や休業損害といった金銭の支払いを受けられる他、慰謝料の支払いも受けることができます。そこで、以下では、治療のために3ヶ月通院した場合を例に、どのくらいの金額の慰謝料を受け取ることができるのか、慰謝料の相場を示しながら、適切な慰謝料の支払いがなされるためのポイントをご説明します。

通院3ヶ月で受け取れる慰謝料

慰謝料は、交通事故によって受けた精神的損害を賠償するもので、その種類には、傷害(入通院)慰謝料、後遺症慰謝料及び死亡慰謝料があります。それぞれの慰謝料の計算方法及び相場については、後述します。

通院3ヶ月の慰謝料の算定基準

慰謝料の算定基準には3つあり、どの算定基準を用いるかによって支払われる慰謝料の金額が異なります。そして、基準には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つがあり、記載した順番にしたがって、金額が大きくなります。まず、自賠責基準は加害者側の自賠責保険から支払われる慰謝料の算定基準、任意保険基準は加害者側の任意保険会社が用いる算定基準、弁護士基準は弁護士や裁判所が用いる算定基準です。

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3ヶ月通院した場合の慰謝料の計算

以下では、3ヶ月通院した場合に3つの基準によれば、それぞれどのくらいの慰謝料の金額が支払われることになるのかご説明します。

入通院慰謝料の計算方法

通院3ヶ月、実通院日数45日の慰謝料
自賠責基準 38万7000円
任意保険基準 38万7000円以上
73万(53万)未満
弁護士基準 73万(53万)円

自賠責基準
1日あたり日額4,300円と決まっていて、日額4,300円に入通院期間あるいは実通院日数の2倍のうち少ない日数を掛けた金額が支払われることになります。本件では、入通院期間が90日、実通院日数の2倍も90日となることから、4,300円×90日=38万7000円が支払われることになります。

任意保険基準
各保険会社によって独自に定められており、詳細は非公開になっています。しかしながら、自賠責基準よりも高く、弁護士基準よりも低く定められています。

弁護士基準
入通院慰謝料は、表を基に慰謝料額が算定されることになります。そして、交通事故による受けた怪我の程度により、むち打ち等の軽傷の場合には、別表Ⅱを用いて、53万円になり、それ以外の場合には別表Ⅰを用いて、73万円になります。

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残存したことによる被害者の精神的損害を賠償するものです。例えば、後遺障害慰謝料の金額は、自賠責基準では32万円(実際には、慰謝料のみならず逸失利益も含めて支払われることから75万円)、弁護士基準では110万円が支払われます。

別表第1 介護を要する後遺障害慰謝料
等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1650万円(1850万円)
2級 1203万円(1373万円)

※カッコ内の金額は被扶養者がいる場合の適用額
※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

別表第2 後遺障害慰謝料
等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1150万円(1350万円) 2800万円
2級 998万円(1168万円) 2370万円
3級 861万円(1005万円) 1990万円
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

※カッコ内の金額は被扶養者がいる場合の適用額
※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

適正な慰謝料を受け取るための注意点

通院3ヶ月の適切な通院頻度とは?

通院頻度が極端に少ない場合には、交通事故により受けた怪我の程度が軽かったと判断される可能性がある反面、多すぎる場合には、治療の必要性が本当にあったのかと治療費の支払いに疑義が生じる可能性があります。そこで、一般的には、週3日程度の通院あるいは月10日前後の通院頻度が望ましいでしょう。

リハビリで通った期間は通院回数に含まれるのか

リハビリも通院回数に含まれ、その分の慰謝料を請求することができます。しかし、リハビリについて、整骨院だけに通うのは止めてください。整骨院が病院とは異なり、施術者が医師ではないからです。そこで、整骨院に通う場合には、医師の許可を受けた上で、整形外科と並行して通院するようにしましょう。

むちうちは通院3ヶ月で治療費を打ち切られる可能性が高い

むちうちの症状である痛みやしびれといった症状は、目に見える症状ではないため、早期に打ち切りの打診が相手方保険会社からなされることがあります。しかし、痛み等が残っているのであれば、打ち切りに応じるべきではなく、治療費の支払いが引き続きなされるよう医師にご自身の怪我の状況を説明したり、弁護士に打ち切りの延長交渉をしたりしましょう。

症状固定と言われたら

保険会社が症状固定と言う場合には、症状の改善が認められないことを意味しますが、医師の場合は、症状の改善が認められなくても、新たな治療方法を選択して治療を続行し症状の回復可能性がある段階では、症状固定とは言いません。そこで、保険会社に症状固定と言われた場合でも、新たな治療法を試している最中の場合には、症状固定ではないことを伝えてください。

もし、完治せず痛みやしびれが残った場合には、後遺症の認定を受け、後遺障害慰謝料を請求していくためにも、医師に後遺障害診断書の作成を依頼してください。

通院3ヶ月と2ヶ月の慰謝料の違い

通院期間が異なれば、慰謝料として支払われる金額も異なってきます。例えば、むち打ちで3ヶ月通院した場合には53万円の慰謝料が、2ヶ月通院した場合には36万円の慰謝料が支払われることになります。

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通院3ヶ月の交通事故慰謝料について弁護士にご相談ください

交通事故に遭われ、通院3か月の比較的軽度な怪我を負った場合でも、被害者に支払われる慰謝料金額は、算定基準が複数存在することからも、大きな開きが生じます。損をしないためにも、弁護士に一度、ご相談ください。

遺言書は、相続財産の誰が相続するか、どのような割合で相続させるかなどを決定づける非常に重要な書面となります。
そのため、遺言書は、その効力の大きさゆえに法律上厳格なルールが定められています。
このルールに反する遺言書は、無効と判断される可能性があるため、注意が必要です。

そこで、今回は、遺言書作成にあたりどのようなルールがあるのか、ルールに反した遺言書を無効にするにはどのような手続きをとるべきかという点について解説をします。

遺言書に問題があり、無効になるケース

法律上、遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類の方式が定められています。この中でも、特に利用される方式として多いのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。そこで、以下では、自筆証書遺言と公正証書遺言が無効となる典型的なケースを紹介します。

日付がない、または日付が特定できない形式で書かれている

法律上、自筆証書遺言は、遺言者が、全文・日付・氏名を自署し、これに押印しなければなりません。そのため、日付がない場合は、その遺言書は無効となります。
また、日付は、一般的に年月日の記載まで必要となります。
他方で、具体的な年月日の記載がなくても、「(遺言者の)還暦の日」や「(遺言者の)80歳の誕生日」という記載があれば、具体的な年月日を特定することができるので、有効となる場合があります。また、「令和」を「礼和」と記載してしまったというような、明らかな誤記についても、有効となる場合があります。

遺言者の署名・押印がない

上記のとおり、自筆証書遺言は、遺言者が、全文・日付・氏名を自署し、これに押印しなければなりません。
そのため、署名・押印がない場合は、その遺言書は原則として無効となります。
他方で、署名は誰が遺言を作成したかを明らかにすることが趣旨とされているため、戸籍上の氏名でなくても、通称、芸名、ペンネームなどでも有効となる場合があります。
また、押印も、印鑑による必要はなく、指印や拇印で足りるとされています。

内容が不明確

遺言書の内容が不明確であると、遺言者の真意が分からず、相続手続を行えないため、遺言書は無効となります。
他方で、遺言書の解釈にあたっては、一義的に内容が明確ではなくても、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探究すべきものと考えられており、最高裁も「単に、遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出し、その文言を形式的に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して、遺言者の真意を探究し、当該条項の趣旨を確定すべきもの」と判示しています(最高裁昭和58.3.18第二小法廷判決)。
そのため、不明確な表現があったとしても、遺言書の他の記載や、作成当時の状況等から解釈ができるのであれば、無効とならない場合があります。

訂正の仕方を間違えている

遺言書は、一度作成した内容の訂正や変更をすることが可能です。
ただし、訂正や変更をする場合は、遺言者が変更箇所を指示し、変更した旨を付記してこれに署名し、さらにその変更箇所に押印する必要があります。
そのため、修正テープや二重線による訂正の場合には、訂正部分が無効となるため注意が必要です。

共同で書かれている

法律上、遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができません。
そのため、複数人が共同で遺言書を作成した場合は、その遺言書は無効となります。
具体的には、同一の遺言書の中に、AさんがBさんに、CさんがDさんにそれぞれ財産を相続させるといった記載がある場合には、遺言書は無効となります。

認知症などで、遺言能力がなかった

法律上、遺言者が遺言をする場合は、遺言能力を有している必要があります。
遺言能力とは、遺言の内容や効果を理解する意思能力のことをいいます。
遺言能力は、当時の年齢、健康状態やその推移、遺言の内容等の様々な要素から判断されることになります。
そのため、例えば、遺言書作成の時点で認知症などにより遺言能力がなかったと判断された場合には遺言は無効となります。

誰かに書かされた可能性がある

遺言書は、遺言者の真意に基づいて作成されなければなりません。
そのため、強迫されて遺言書を作成させられた場合や、騙されて遺言書を作成した場合、認知症などにより遺言内容を理解できないまま作成させられた場合には、その遺言書は無効と判断される可能性があります。

証人不適格者が立ち会っていた

公正証書遺言を作成するためには証人の立会いが必要となります。
法律上、遺言の証人となれない者は、以下のとおりとなっています。
①未成年者
②推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
これらの者が、遺言の証人となった場合には、遺言が無効になる可能性があります。

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遺言書の内容に不満があり、無効にしたい場合

例えば、相続人の一人にすべての相続財産を相続させる旨の遺言書がある場合、遺言書が有効であるとすると、他の相続人は遺留分侵害額請求を行うことになります。他方で、遺言書が無効になれば、相続財産は法定相続分に従って相続されることになります。そのため、他の相続人にとっては、遺言書が無効である方がより多くの相続財産を相続できることになります。

このように、遺言書が無効であることを確認したい場合には、遺言無効確認調停の申立てや、遺言無効確認訴訟を提起することが考えられます。

遺言無効確認調停

遺言無効確認調停とは、遺言が無効であることを確認するための話合いを求める手続きです。遺言無効確認は、最初から訴訟を提起することはできず、まず調停を申し立てる必要があります。これを調停前置主義といいます。
遺言無効確認調停において、話合いが平行線となり、解決が難しい場合に初めて、訴訟を提起することになります。
ただし、最初に訴訟を提起したとしても、裁判所が調停に付することが相当でないと認める場合には、調停が省略されることもあります。

遺言無効確認訴訟

遺言無効確認調停が不成立となった場合には、遺言無効確認訴訟を提起することになります。
遺言無効確認調停は、当事者の話合いが前提となっていましたが、遺言無効確認訴訟は、遺言書が無効であるかについて、裁判官が判断をする手続きとなります。

時効は無いけど申し立ては早いほうが良い

無効は何年経っても、最初から無効であるため、遺言無効確認調停の申立てや遺言無効確認訴訟の提起が時効によって阻まれるということはありません。
しかし、時間の経過に伴って、遺言者が遺言をした当時の状況を説明することが難しくなり、証拠も散逸してしまうおそれが高くなります。
したがって、遺言無効確認調停の申立てや遺言無効確認訴訟の提起を考えられている方は、できるだけ早い段階で行動に移す方が良いでしょう。

遺言書を勝手に開けると無効になるというのは本当?

遺言書を勝手に開けたとしても、遺言書自体が無効になるということはありません。
ただし、法律上、遺言書の保管者または保管者がいない場合で、遺言書を発見した相続人は、遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求する必要があります。
また、封印のある遺言書は、家庭裁判所において、相続人(またはその代理人)の立会いがなければ、開封することができません。
このように、法律で定められた手続を定めた遺言書の提出や検認を怠った場合には、5万円以下の過料に処せられることがあるので注意が必要です。

遺言書が無効になった裁判例

公正証書遺言は、以下の方式で行われる必要があります。

①証人二人以上の立会いがあること。
②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
③公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
④遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
⑤公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

このうち、②の遺言者自身が遺言の趣旨を公証人に口授することについて争われた事案で、裁判所は、以下のような判断をしました。
「「遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること」とは、遺言者自らが、自分の言葉で、公証人に対し、遺言者の財産を誰に対してどのように処分するのかを語ることを意味するのであり、用語、言葉遣いは別として、遺言者が上記の点に関し自ら発した言葉自体により、これを聞いた公証人のみならず,立ち会っている証人もが、いずれもその言葉で遺言者の遺言の趣旨を理解することができるものであることを要するのであって、遺言者が公証人に自分の言葉で遺言者の財産を誰に対してどのように処分するのかを語らずに、公証人の質問に対する肯定的な言辞、挙動をしても、これをもって、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授したということはできないものと解するのが相当である。」(東京高裁平成27.8.27判決)

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遺言書が無効かどうか、不安な方は弁護士にご相談ください

遺言書の有効・無効によって、誰が相続財産を相続するか、いくら相続するかなど、その内容が大きく変わってくる可能性があります。
他方で、遺言書の有効・無効の判断は非常に難しいものとなります。
そのため、遺言書が有効であるか判断がつかない場合や、無効である疑いがあるような場合には、せひ一度弁護士に相談されることをおすすめします。

相続人以外の方に財産を残したいと思った場合は、どのようにすれば良いでしょうか。
また、遺言書に遺贈と書かれていた場合は、その財産やその他の財産はどのようになるのでしょうか。
そこで、今回は、遺贈について解説をします。

遺贈とは

遺贈(民法964条)とは、被相続人が遺言によって財産を他人に与えることをいいます。
この財産を譲り受けた者のことを、「受遺者」といいます。
遺贈の特徴は、法定相続人だけでなく、法定相続人にあたらない親族や、全くの赤の他人であっても財産を譲り渡すことができるという点にあります。

遺贈と贈与の違い

遺贈は、被相続人の遺言による一方的な意思表示によって行うことができるため、受贈者の遺贈についての同意は不要です。
他方で、贈与は譲る側と受け取る側の合意が必要になります。
すなわち、遺贈は単独で行うことができますが、贈与は単独で行うことができないという点に違いがあります。

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遺贈と相続の違い

上記のとおり、遺贈の場合、受遺者の属性やその範囲に制限がありません。
他方で、相続の場合は、法定相続人しか相続財産を受け取ることができません。
また、受遺者と法廷相続人では、相続財産を受け取った際の相続税にも違いが生じます。

遺贈の種類

遺贈には、大きく分けて、包括遺贈、特定遺贈、負担付遺贈の3種類があります。
そこで、以下では、それぞれの遺贈の特徴について解説をします。

包括遺贈(割合で指定されている場合)

包括遺贈とは、特定の相続財産を指定するのではなく、相続財産のすべてを受遺者に取得させる場合や、相続財産のうちの何割かを受遺者に取得させることをいいます。
そのため、包括遺贈の受遺者は、積極財産(プラスの財産)だけでなく消極財産(マイナスの財産)も取得する点に特徴があります。
また、包括遺贈は、相続させる財産が特定されていないため、包括遺贈を受ける際は、遺産分割協議への参加が必要となります。

特定遺贈(財産が指定されている場合)

特定遺贈とは、包括遺贈とは異なり、特定の財産を指定して遺贈することをいいます。
そのため、消極財産(マイナスの財産)が指定されていない限り、受遺者が借金等の消極財産を背負う心配がありません。
また、財産が特定されているため、原則として受遺者は遺産分割協議に参加する必要がありません。ただし、相続人が特定遺贈を受ける場合には、相続人の立場で遺産分割協議に参加する必要がある点に注意が必要です。

負担付遺贈

負担付贈与とは、受遺者が一定の行為を負担する代わりに相続財産を受け取ることをいいます。
例えば、受遺者が被相続人の介護をすることと引き換えに、受遺者に相続財産を遺贈するといった内容になります。
こうすると、受遺者にとっては、過度な負担となるのではないかとも思えますが、受遺者は受け取る相続財産の価値以上の義務を負担することはないので、安心してください。

遺贈の放棄はできる?

包括遺贈は、遺贈があったことを知ってから3か月以内であれば放棄することができ、放棄する際は家庭裁判所に申し立てる必要があります。
特定遺贈は、包括遺贈とは異なり、いつでも放棄することができます。具体的には、相続人全員か遺言執行者に放棄の意思表示をすることになります。
負担付遺贈についても、特定遺贈と同様に、いつでも放棄することができます。

遺産の寄付もできる(遺贈寄付)

遺贈は、法人に対して行うこともできます。
そのため、例えば、NPO法人に財産を寄付する等の遺言により財産を寄付することができます。
ただし、寄付をする際は、「NPO法人」や「慈善団体」などの漠然としたものではなく、特定の法人の正式名称を記載する必要がある点に注意が必要です。
また、遺言書に遺贈寄付をする旨の記載がある場合は、相続人が寄付をしたくないと考えても、原則として遺言書の内容のとおりに相続財産を寄付しなければなりません。

遺贈の効力がなくなるケース

遺贈したい相手が先に死亡した場合

受遺者として指定された人が、被相続人より先に亡くなった場合には、遺贈は無効となります。
この場合は受遺者への相続財産を、相続人が取得することになります。

遺贈の対象財産が相続財産にない場合

遺贈する財産を誰かにあげてしまった場合や、処分してしまった場合など、遺贈の対象となる財産が相続財産の中から無くなった場合は、遺贈は無効となります。

また、負担付遺贈の条件が達成できない場合も、遺贈は無効となります。
例えば、介護対象者の介護をする代わりに相続財産の遺贈を受ける条件となっていたにもかかわらず、介護対象者が既に亡くなっていたような場合は、遺贈は無効となります。

遺贈にかかる税金

遺贈には相続税がかかります

受遺者にも、相続の場合と同じく相続税が課されます。
受遺者が遺贈者の配偶者・子ども・父母の場合は相続の場合と同じ割合の相続税が課されますが、それ以外の人が受遺者となった場合には、2割加算された相続税が課されます。

不動産を取得した場合はさらに税金がかかる可能性も

特定遺贈で相続人以外の受遺者が不動産を取得した場合には、不動産取得税がかかります。また、受遺者が不動産の登記手続きを行う際には、登録免許税がかかります。
したがって、不動産を取得する場合には、相続人の方が相続税の負担が少なくなります。

遺贈の注意点

遺留分を侵害している場合は請求可能

遺留分とは、法定相続人のうち配偶者、子、直系尊属(父母)について、法律上最低限保障されている相続の取り分のことをいいます。
遺贈によって遺留分が侵害された場合は、遺留分権利者は侵害された遺留分についての賠償を請求することができます。
そのため、遺贈を行う際には、遺留分の割合を考えた方が、後の紛争に発展せず、スムーズに遺贈を行うことができます。

不動産の遺贈は遺言執行者を指定しておいた方が良い

遺贈された不動産の登記手続を行うには、注意が必要です。
遺言執行者がいない場合には、受遺者と相続人全員で手続を行う必要があります。
他方で、遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者と受遺者の2人だけで不動産の登記手続を行うことができます。
したがって、不動産を遺贈する場合には、遺言執行者を指定しておいた方が、手続きが煩雑にならなくて済むといえます。

受遺者が単独で名義変更できないのはなぜ?

不動産の名義変更を行うためには、受遺者と相続人全員または遺言執行者の共同申請が原則となります。
これは、遺贈が贈与(贈与は譲る側と受け取る側の合意が必要)の一種であることが理由となります。
そのため、受遺者が単独で不動産の名義変更手続きを行うことはできません。
ただし、法改正により、令和5年4月1日からは、相続人が不動産の遺贈を受けた場合は、単独で名義変更手続きを行うことができるようになります。

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遺贈登記(遺贈による所有権移転登記)の手続き方法

遺贈による所有権移転登記の手続は、
①遺言書の検認手続
②登記の確認
③登記の申請に必要な書類を集める
④登記の申請
という流れになります。

遺言書の検認

公正証書以外の遺言書は、裁判所での検認の手続が必要です。
検認をしない限り、その遺言書の内容に基づいて手続きを進めることはできません。

登記簿を取りよせて内容を確認する

遺贈する不動産が遺贈者の所有であることを確認するため、不動産の登記簿を取りよせる必要があります。
仮に遺贈者の住所が死亡時と異なる場合は、住所変更をする必要があるので、注意が必要です。

書類を集める

不動産の名義変更に必要な書類としては、遺言書、登記済権利証又は登記識別情報通知書、遺贈者の住民票除票又は戸籍の附票、相続人全員又は遺言執行者の印鑑証明書、受遺者の住民票又は戸籍の附票、固定資産評価証明書などが挙げられます。

申請書を作成して提出する

必要書類を揃え、申請書を作成すれば、移転登記申請をすることができます。
詳しくは、法務局のホームページにテンプレートがありますので、参考にされることをおすすめします。

遺贈についての疑問点は弁護士にご相談ください

遺贈を行おうとする際は、上記のとおり、相続や遺留分との兼ね合いなど、注意すべき点が多岐にわたります。また、受遺者としても、どのような手続きを経れば、財産を受け取ることができるかなど不透明な点が多いかと思います。
そのため、遺贈のことについてお悩みや疑問点などありましたら、ぜひ弁護士に相談されることをおすすめします。

親権に比べて、監護権の意味を把握されていない方は多いかと思います。また、親権と監護権が一致するものなのか、それとも分ける場合もありえるのかなど、疑問に思われるかと思います。このページでは、監護権の意味や親権と監護権を分けた場合のメリットやデメリットを詳しく解説していきます。

監護権とは

監護権とは、親権に含まれる権利の一部で、未成年の子と一緒に暮らして日常的に面倒をみる権利です。監護権は、身上監護権とも呼ばれます。

親権と監護権の違い

親権は、未成年の子と一緒に暮らして日常的に面倒をみたり、子の財産を管理する権利のことをいいます。未成年の子と一緒に暮らして日常的に面倒をみる権利を身上監護権といい、子の財産を管理する権利を財産管理権といいます。前述の監護権のところで、監護権は親権に含まれる権利の一部といいましたが、監護権は親権のうちの財産管理権を除いた身上監護権のことを指しています。

身上監護権の内訳

では、身上監護権の内容としては、身分行為の代理権・同意権、居所指定権、懲戒権、職業許可権の4つが挙げられます。以下では、この4つの権利について詳しく解説していきます。

身分行為の代理権・同意権

1つ目は、未成年の子の身分行為についての代理権と同意権です。
認知や養子縁組、嫡出否認の訴えなどの身分行為について、監護権者が、未成年の子に代わって行う権利や、これに同意をする権利があるということです。

居所指定権

2つ目は、未成年の子の住む場所を決める権利である居所指定権です。
監護権者が日常的に子と関わっていくためにも、居所指定権は重要な権利といえるでしょう。

懲戒権

3つ目は、懲戒権です。
未成年の子に対するしつけがその内容となりますが、暴力を伴うものは行き過ぎたしつけとして虐待になりかねません。したがって、懲戒権は、必要な範囲を超えないよう注意をしながら子と接していかなければなりません。

職業許可権

4つ目は、監護権者が、未成年の子が職業をすることを許可する職業許可権です。
この職業許可権には、子が働くことを制限する権利も含まれています。

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親権者と監護権者を分けるメリット・デメリット

親権者と監護権者を分けるという話を聞いたことがある方もいると思います。
以下では、親権者と監護権者を分ける場合のメリットやデメリットについて、詳しく解説していきます。

メリット

まず、親権者と監護権者を分ける場合のメリットについて説明します。
子の親権は、離婚の際に父母で争われることの多い権利の一つですが、一方が親権を取り、他方が監護権を取る内容で双方が納得し、離婚の合意ができれば、早期に離婚問題が解決できるというメリットがあります。また、父母は、親権もしくは監護権のいずれか一つを取得して子と関わっていけますので、一方に親権も監護権もあるよりも、子との関わりが感じやすくなるというメリットもあるでしょう。さらに、親権者は、離れて暮らす子に対して養育費を支払うという約束をして離婚することが多いため、親権者であるという自覚から、養育費を積極的に支払うことが期待でき、不払いのおそれが少なくなるというメリットも考えられるでしょう。

デメリット

一方で、デメリットですが、以下のようなものがあります。
監護権者が財産に関する行為をする場合に、親権者には、財産管理権がありますので親権者の同意を得なければならず、財産管理が煩わしくなるという点が挙げられます。また、子の監護権者であることは戸籍に記載されませんので、監護権者であることを書面に残さないで、口約束のみであった場合、後々トラブルになりやすいという点も挙げられます。さらに、監護権者が再婚し、再婚相手と子が養子縁組をする際、親権者の同意(子が15歳未満の場合)が必要となるため、煩わしいという点もあげられます。加えて、父母の関係が離婚後に悪化しても、財産管理などの点で連絡を取り合わなければならないこともあり、心理的なストレスを抱える可能性もありえます。

親権と監護権を分ける手続き

親権と監護権を分ける手続としては、父母の話合いによるもの、調停や審判によるものが考えられます。
父母が話合いで親権と監護権を分ける合意ができれば実現しますが、話合いが難航して調停や審判となった場合、裁判所は、上で説明した親権と監護権を分ける際のデメリットがあることや子の福祉を考慮し、親権と監護権を分ける考え方には消極的です。

子供と一緒に暮らすための監護者指定とは

監護権をとるために必要なこと

監護権を獲得するために必要なことは、過去の子育ての状況、現在の子育ての状況、今後の子育ての具体的な予定を主張していく必要があります。監護権を父母の双方が譲らない場合は、裁判官が最終的に判断をしますが、その際の判断要素は、前述した子育ての実績や具体的な予定、子の年齢、環境、監護補助者の存在等です。

監護を怠った場合の罰則

監護権は権利であると同時に、子を監護すべき義務も負っています。
したがって、その義務を怠れば、保護責任者遺棄罪等の刑法犯や児童虐待防止法違反が成立する可能性がありますので注意が必要です。

一度決めた監護権は変更できる?

監護権者を一度決めた場合に、監護権者を話合いによって変更することは可能です。
父母の話合いで監護権者の変更の合意ができない場合は、調停や審判によって変更を求めていくこととなります。
なお、親権者については、裁判所の手続を経ることなく、双方の合意だけでこれを変更することはできません。

監護権に関するQ&A

親権者と監護権者を分けた場合、親権者に養育費を請求することはできますか?

親権者と監護権者を分けた場合、監護権者が親権者に養育費を請求することはできます。
監護権者は子を監護して子の生活費を負担していますので、親権者が子の生活費である養育費を支払うとすることが公平だからです。

監護権の侵害とはどんなことをいいますか?

監護権の侵害の具体例としては、父母の双方で監護している状況下において、一方が子を連れ去る場合が考えられます。父母は共同で親権を行使していますが、監護権も双方が持っている状態にあるため、一方が無断で子を連れ去ることによって、他方の監護権を侵害するのです。ただ、他方の監護者からDVや虐待等があり、子を連れて出なければ子の福祉に反すると考えられる場合には、監護権を侵害した違法がある、とは評価されない可能性もあります。

祖父母でも監護権を獲得できますか?

祖父母でも監護権を取得することはできます。
父母の双方が育児を放棄したり、虐待を繰り返しているような場合には、適切な監護権者がいない状況になります。そのような場合には、祖父母が監護権者として認められる可能性もあるでしょう。

監護権を証明する書類はあるのでしょうか?

監護権が戸籍や住民票に記載されることはありません。
したがって、監護権を証明できるように書類を作成する必要があります。
具体的には、離婚の際に公正証書を作成し、監護権者を記載してもらうとよいでしょう。
上でも説明しましたとおり、監護権者が口約束だけで決まった場合は、明確な証拠がないために、それを覆されたりすることもあります。書面として残す形で監護権者が誰であるかを記載してもらうようにしましょう。

監護権のみを持っている場合でも児童扶養手当をもらうことができますか?

可能です。児童扶養手当は子を養育している者に支払われるものですので、監護権のみを持っている場合でもその支給を受けることができるのです。具体的な申請方法等については、市町村役場の担当者に聞いてみるとよいでしょう。

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監護権についてわからないことは弁護士にご相談ください

親権に比べ、監護権は聞きなれない言葉だと思います。監護権を獲得するための判断要素は上で説明したとおりですが、具体的にどのように主張していくかを検討していくとなると、お困りになることも多いと思います。また、離婚の話のなかで、監護権者と親権者を分けた提案をされたり、子が一方的に連れ去られてしまう場合もあるかと思います。監護権については、感情的な対立も激しくなりがちで、思うように話が進まない場合もあろうかと思います。監護権については激しい争いになる場合が多いため、早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。

自分が亡くなった後、自分の財産を誰にどの程度分配するかを決める方法として、遺言を残すという方法があります。遺言は、遺言書を作成することによって残します。遺言書の種類はいくつかありますが、今回はその中の自筆証書遺言を取り上げたいと思います。自筆証書遺言は、作成や訂正の仕方が法律によって厳格に定められており、法律によって定められた方式に違反すると遺言が無効となってしまうなどの注意点があります。以下では、自筆証書遺言を作成する方法や遺言書作成後の注意点などについて、解説していきたいと思います。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、遺言の方式の一つであり、遺言をする人が遺言の全文、日付及び氏名を自署し、これに印を押すという方式による遺言をいいます。遺言の方式には、自筆証書遺言のほかに公正証書遺言と秘密証書遺言があります。
自筆証書遺言は、自分ひとりで作成することができ、費用がかからないのが特徴です。ただし、作成の際には、法律に定められた厳格な方式を守らなければ、遺言が無効になってしまうなどのリスクもあります。

自筆証書遺言が有効になるための4つの条件

自筆証書遺言が有効となるための条件としては、①自筆で書かれていること、②特定できる日付が書かれていること、③氏名が自書されていること、④捺印されていることの4つです。①の自筆とは、筆跡がわかる方法で、遺言書の用紙に遺言者自身が直接書いたことをいいます。②の日付は、遺言した日が特定できることが必要です。「8月末日」と書けば8月31日であるとわかりますが、「8月吉日」と書くと具体的に何日であるか特定できないため、無効となってしまいます。④の捺印については、三文判を使用しても構いませんし、指印でも大丈夫であるとされています。
以上の4つの条件の1つでも欠けている場合、その遺言は無効となってしまいます。

パソコンで作成してもOKなもの

自筆証書遺言は、全文を自筆する必要がありますが、パソコンで作成しても大丈夫な部分があります。それは、遺産目録と呼ばれる相続財産の一覧表です。遺産目録は、自筆しても、パソコンで作成しても問題ありません。
遺産目録をパソコンで作成した場合には、パソコンで作成した目録のすべてのページに遺言者が署名し、かつ、捺印しなければなりません。

自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言が有効になるためには、以上で解説した条件をすべて満たす必要があります。以下では、具体的にどのように遺言書を書いていけばいいかを解説していきます。

まずは全財産の情報をまとめましょう

遺言書では、誰に何を相続させるかを記載することになります。その前提として、自分の財産にどのような物があるのか確認しておく必要があります。財産は、預貯金、株式、不動産などの他、借金などのマイナス財産についてもまとめておきましょう。
預貯金は、金融機関名や口座番号などについて確認できるようにし、不動産も権利証などを準備しましょう。これらの資料を見ながら遺産目録を作成していきます。

誰に何を渡すのか決めます

財産のまとめが終わったら、今度は具体的に、誰に何を相続させるかを決めます。相続財産の自筆証書遺言を作成する場合には、誰に何を相続させるかについては自筆で書く必要がありますが、下書きはパソコンで行い、清書する段階で自筆にすれば問題ありません。

縦書き・横書きを選ぶ

縦書きか横書きについては、法律上特に決まりはなく、どちらで書いても問題ありません。遺言者の書きやすい方を選べばよいでしょう。

代筆不可、すべて自筆しましょう

自筆証書遺言は、自筆である必要がありますので、代筆はできません。必ず遺言者自身が書く必要があります。自筆部分は、遺産目録を除く全文、日付及び氏名です。文字を書くことができない場合には、他の方式による遺言をする必要があります。例えば、公正証書遺言は、公証人がすべて書きますので、遺言者自身が文字を書くことができない場合でも作成することができます。

遺言書の用紙に決まりはある?

遺言書の用紙に決まりはありません。どのような用紙に書いても法律上は有効です。例えば、コピー用紙や便せん、極端な例だとチラシの裏に書いても構いません。
ただし、遺言書は遺言者の財産を誰にどの程度分配するのかを書く重要な書類ですので、チラシの裏などに書くのはやめましょう。後のトラブルになる可能性が高くなるためです。遺言書キットなども市販されていますので、これを利用するのがいいでしょう。

筆記具に決まりはある?

筆記具にも、特に決まりはありません。ただし、鉛筆や消せるボールペンを利用するのは控えた方がいいでしょう。改ざんされる可能性があるからです。また、トラブルを防ぐために、できるだけ最初から最後まで同じペンを利用するといいでしょう。

誰にどの財産を渡すのか書く

自筆で、「遺産目録①の不動産を妻に相続させる。」や「●●銀行の預金を長男に相続させる。」というように、すべての遺産を誰に相続させるかを書く必要があります。遺産目録に抜けがあった場合に備えて、最後に「遺言書に記載のない遺産はすべて妻に相続させる。」というように書いておくことをお勧めします。

日付を忘れずに書く

最後に遺言書を記入した日付を書きましょう。「●年●月●日」というように、具体的な日付を記入します。和暦でも西暦でも構いませんが、必ず日付を特定できる書き方をしましょう。「私の70歳の誕生日」などの書き方でも法律上有効であるとされておりますが、できるだけ避けた方がよいでしょう。

署名・捺印をする

最後に署名・捺印をします。捺印は、三文判や指印でも有効です。しかし、遺言書は大事な文書ですので、後の争いを防ぐためにも、実印などのハンコを使用するのが望ましいといえます。

遺言書と書かれた封筒に入れて封をする

遺言書が書き終わったら、封筒に入れて、封をして保管しましょう。封筒には、「遺言書」と記載して遺言書であることが分かるようにしましょう。封筒には「裁判所で開封してください。」などの注意書きをしてもいいでしょう。裁判所外で遺言書が入った封筒を開けると5万円以下の過料に処せられる可能性があるので気を付けましょう。

自宅、もしくは法務局で保管する

自筆証書遺言は、自宅または法務局で保管することになります。自宅で保管する場合は、遺言書の所在について、家族と情報を共有していないと気付かれない可能性がありますので注意しましょう。
他方、自宅で保管すると遺言書が改ざんされてしまう可能性もありますので、法務局で遺言書を保管する制度を利用するのがよいでしょう。法務局で遺言の保管を申請する場合の手数料は3900円で、保管期間は遺言者が死亡した日から50年間となります。法務局で遺言書保管の申請手続をした後に保管証を受け取り、保管証の所在を家族と共有していれば、遺言書の改ざんを防ぐことができ、かつ、遺言書が法務局に保管されていることを家族に知らせることができます。

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自筆証書遺言の注意点

遺言書の作成ルールについては、以上に解説したとおりですが、作成する際の注意点と、遺言書作成後に遺言書を訂正する際の注意点がありますので、それらについて解説します。

遺留分に注意・誰がどれくらい相続できるのかを知っておきましょう

例えば、遺言書で、「私の全財産を長男に相続させる。」という指定をした場合、他の相続人が全く相続することができないことになり、長男と感情的な対立を招くことになり、相続人同士で揉めてしまうことになります。
また、このような遺言は、法律上、遺留分という遺言によっても奪うことができない最低限の権利を侵害してしまうことになります。遺留分を侵害された相続人は、遺留分を侵害した人に対して、遺留分が侵害された部分に相当する金銭の支払いをすることができます。
このように、誰が、どの程度相続することができるかを知らないで遺言を作成すると、後に争いになる可能性が高くなりますので、注意が必要です。

訂正する場合は決められた方法で行うこと

遺言書を書き間違えてしまった場合や後から内容を付け足したくなってしまった場合には、①遺言者が、②訂正の場所を指示し、③変更した旨を付記して、④署名し、かつ、⑤変更箇所に印を押す方法により訂正します。このように、法律が定める厳格な方式に則って変更をする必要があります。
方式に違背した変更については、その変更は無効となってしまいます。つまり、変更前の遺言のままとなってしまいます。さらに、訂正することによって変更前の遺言書が判読不能になってしまった場合には、遺言書の判読不能部分は無効となってしまいますので、注意しましょう。

自筆証書遺言の疑問点は弁護士にお任せください

以上に解説してきたとおり、自筆証書遺言は、法律に厳格な規定がされており、その法律に定められた方式に則って作成された遺言でなければ無効となってしまう可能性があります。せっかく遺言を書いたにもかかわらず、無効となってしまっては意味が無いので、そのような事態に陥らないように自筆証書遺言の作成を考えている人は、まず、弁護士に相談してみましょう。

亡くなられた方(被相続人)を介護したり、経済的に支えてきたりした相続人でも、他の相続人と同じ金額しか相続できないのでしょうか。
基本的には相続割合が同じであれば、他の相続人より多く相続することはできません。しかし、「寄与分」の主張が認められる場合は、より多くの遺産を相続することが可能です。
本コラムでは、寄与分の要件や証拠、主張の流れについて解説していきます。寄与分の主張を考えていたり、他の相続人から寄与分について主張を受けたという方は、ぜひ本コラムをご確認ください。

寄与分の主張に必要な要件

寄与分(民法904条の2)は、主に次のような場合に主張できます。

  • 被相続人を介護したような場合(療養看護型)
  • 被相続人の家業を手伝ったような場合(家事従事型)
  • 被相続人に生活費以外の財産の提供をした場合(金銭出資型)
  • 被相続人の生活費を支出していた場合(扶養型)

すべての類型に共通する要件として、特別な貢献であることと、無償であること(無償性)が要求されます。
また、類型ごとに個別の要件を満たしていることが必要になります。例えば、療養看護型の場合は、さらに被相続人に療養看護が必要であること(必要性)、療養看護が継続していたこと(継続性)、相続人が療養看護を生活の主たる目的としていたこと(専従性)の要件も満たす必要があります。

特別寄与料について

寄与分が認められるのは、原則的には相続人自身が寄与行為(介護等)をしている場合に限られます。例えば、相続人本人が被相続人の介護をすることが難しかったため、その相続人の配偶者が被相続人の介護をしていたという場合には、寄与分は基本的に認められません。
寄与分の主張ができない場合でも、特別寄与料請求権(民法1050条)が主張できる場合があります。特別寄与料請求権は、相続人以外の被相続人の親族が、被相続人に対して、無償で看護等を行ったことで、被相続人の財産が維持され、または増加した場合に認められます。

寄与分はどう主張したらいい?

寄与分は相続財産の分け方に関するものなので、相続財産の分け方を決定する遺産分割協議(または調停、審判)の場で主張することになります。
具体的な金額が分からなければ、他の相続人としても判断に困ることになるので、具体的な金額を示して主張する方が望ましいです。特に相手方に弁護士がついていたり、調停の場で主張したりする場合には、寄与分の要件を満たしていることを主張するとともに具体的な金額を示さなければ、寄与分の主張が認められることは基本的にないでしょう。

証拠がないと寄与分の主張は認められにくい

寄与分を理由に得られる財産が増えるということは、他の相続人にとっては相続する財産が減ることになります。そのため、一般的には寄与分の主張は認められにくく、寄与分の主張をする場合は裏付けの証拠の有無が重要となります。
なお、他の相続人が寄与分の主張を認めてくれるのであれば、証拠がなくとも寄与分の存在を前提とした遺産分割は可能です。証拠がない場合でも、一度寄与分の主張をすることも考えられます。

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寄与分の証拠になるもの

寄与分の証拠になるものとしては、次のようなものが考えられます。協議や調停の時に提出できるように、証拠は大切に保管しておきましょう。

介護していた場合(療養看護型)

療養看護型の場合、特別な貢献と無償性の要件に加えて、必要性継続性専従性が必要となります。
そこで、以上の要件を満たしているかを判断するのに役立つ、次のような資料が証拠となりえます。

  • 要介護認定に関する資料
  • 介護サービスに関する資料
  • 医療記録
  • 写真、日記、家計簿等
  • 介護に要したサービス、物品の購入レシート等
  • 報告書

被相続人の介護等をしている時に以上の資料を入手したら、遺産分割協議が終わるまでは処分しないようにしましょう。また、入手した段階で整理して保管しておくと、寄与分の主張がしやすくなります。

事業を手伝っていた場合(家事従事型)

家事従事型の場合、特別な貢献と無償性の要件に加えて、継続性被相続人の財産増加との因果関係が必要となります。そこで、次のような資料が証拠となりえます。

  • 確定申告書、帳簿等
  • 賃金台帳、給与台帳等
  • 報告書

確定申告書等があると、労務の提供内容・期間や、無償性を証明するのに役立ちます。客観的な資料に乏しい場合には、報告書を作成して、要件を満たしていることを証明することになります。

お金を出していた場合(金銭出資型)

金銭出資型の場合、特別貢献と無償性の要件に加えて、被相続人の財産の維持・増加との因果関係が必要となります。そこで、次のような資料が証拠となりえます。

  • 預金通帳、取引履歴、領収証等
  • 売買契約書、登記簿謄本、預金通帳等(不動産の購入費用を出資した場合)
  • 報告書

以上のような資料は、取得しやすかったり、保管していたりすることが多く、他の類型と比べると証拠を集めやすいといえます。そこで、次のような資料が証拠となりえます。

生活費を負担していた場合(扶養型)

扶養型の場合、特別の貢献と無償性の要件に加えて、扶養の必要性継続性被相続人の財産増加との因果関係が必要となります。

  • 被相続人の収入に関する資料(課税証明書、年金に関する資料等)
  • 家計簿、被相続人や相続人の預金通帳等
  • レシート、領収証等
  • 報告書

扶養型は扶養の必要性が要件として求められています。そのため、以上のような資料から、被相続人が無収入や低収入であるといえるかをまずは検討することになるでしょう。

寄与分主張の流れ

遺産分割協議での主張

遺産分割は、裁判所の外での相続人同士の話し合い(協議)から始まることが一般的です。まずは、遺産分割協議において、寄与分の主張を行いましょう。
他の相続人に寄与分の存在を納得してもらうためには、裏付けとなる資料を提供することが望ましいです。また、寄与分は相続人に認められるものですから、相続人の配偶者が被相続人の介護をしていたような場合でも、まずは相続人の寄与分として主張する方がトラブルを招きにくいでしょう。

合意が得られない場合は調停で主張する

遺産分割協議がまとまらない場合は、裁判所を利用して話し合い(調停)を行うことになります。遺産分割調停上で改めて寄与分を主張するとともに、手持ちの証拠については、どのような事実を裏付けるものかをきちんと整理した上で提出しましょう。
また、内容を寄与分に限定した、寄与分の処分を定める調停もあるため、それを利用することも考えられます。その場合、寄与分について調停が成立したのに、遺産分割について話がまとまらなかったということのないよう、遺産分割調停と同時に申立てをする方が望ましいでしょう。

調停不成立の場合は審判に移行する

遺産分割調停が不成立に終わった場合には、遺産分割審判に自動的に移行することになります。審判は、協議や調停と異なり、裁判官が遺産分割について判断する手続です。寄与分について裁判所の判断を得るためには、寄与分を定める処分審判の申立てが必要となります。
ただし、寄与分の処分を定める調停の申立てをしていた場合には、調停の不成立により、自動的に審判に移行することになるため、改めて審判の申立てをする必要はありません。

寄与分の主張が認められた事例・判例

実際に寄与分が認められた裁判例として、盛岡家裁一関支部平成4年10月6日審判をご紹介します。
申立人は、被相続人の長男の妻であり、後に被相続人の養女となりました。
申立人は、被相続人の長男との婚姻後、被相続人とその妻の家業である農業を手伝うこととなりました。被相続人の長男の死亡後も、工場での稼働や農業によって被相続人とその妻の生活を支えてきました。そして、被相続人の妻が亡くなり、被相続人が加齢により物忘れや失禁等の症状を生じるようになってからは、申立人は被相続人の療養看護に努めました。
本件では、申立人に家事従事、扶養、療養看護のそれぞれで寄与分が算定され、その合計が寄与分として評価されることになりました。
このように、複数の類型にまたがる特別の貢献が認められる場合には、寄与分はそれぞれ考慮されることもあります。寄与分の主張をする際には、主張可能な事情について精査することが重要となります。

寄与分の主張は認められにくいので弁護士にご相談ください

寄与分の主張にあたっては、裁判所による審判を見据えて、適切に事実を整理して必要な証拠を取捨選別することが必要となります。当事者としては重要だと思っていた事実が、裁判所の判断には大きな影響をおよぼさないこともあれば、その反対の場合もあります。しかし、そのような見極めは、継続的に相続事件を扱っている法律家でなければ難しいです。
寄与分の主張をしようと思ったとき、あるいは寄与分の主張を受けたとき、弁護士にご相談いただければ、最善の方法を選択するお手伝いをさせていただくことができます。寄与分に関してお悩みの方は、まずは一度、弁護士にご相談ください。

結婚生活を送る中で、自宅不動産や自動車を購入する場合、多くの方はローンを組んで購入をすると思います。毎月のローンの返済をする途中で離婚となった場合、財産分与はどうなるのでしょうか。
そこで、今回は、ローンが残っている不動産や自動車などの財産分与について解説をします。

ローンは財産分与の対象になる?

財産分与とは、夫婦が結婚生活の中で互いに協力して取得した財産を、互いの貢献度に応じて分け合う制度のことをいいます。
そのため、不動産ローンや自動車ローンなどのマイナスの財産は、夫婦が協力して取得した財産(プラスの財産)とはいえないので、基本的に財産分与の対象とすることはできません。
しかし、夫婦が二人で財産を築き上げるために組んだローンであるにもかかわらず、離婚後にローンを組んだ夫婦の一方だけが返済を続けていくことは、夫婦の公平を害します。
したがって、離婚時にローンが残っている場合は、その点も考慮した上で財産分与を行うことが通常です。

ローンが残っている家や車を財産分与する方法

マイナスの財産であるローンを財産分与とすることができなくても、ローンが残っている不動産や車は財産分与の対象財産となります。
そもそもの財産分与の方法としては、大きく分けて以下の3通りの方法が考えられます。
①不動産や車を売却した上で、その売却益を分け合う方法
②不動産や車を夫婦の一方が使用し続ける場合、使用する側が使用しない側に対して当該不動産や車の評価額の半額を支払う方法
③不動産や車を夫婦の一方が使用し続ける場合、使用する側が使用しない側に対して当該不動産や車の評価額の半額相当額の資産を渡す方法
もっともローンが残っている場合には、アンダーローンとオーバーローンによって、財産分与の方法が異なります。
そこで、ローンが残っている場合の具体的な財産分与の方法について詳しくみていきましょう。

アンダーローン:財産の評価額のほうが高い場合

アンダーローンとは、ローン残額よりも不動産や車などの評価額が上回る状態のことをいいます。
この場合は、財産の評価額からローン残額を差し引いた金額が財産分与の対象となります。
具体的には、不動産や家を売った代金でローンを完済し、残った現金(売却手数料等も差し引くのが一般的です)を分け合う方法が一般的となります。
また、夫婦の一方が不動産や車を使用し続ける場合は、財産の評価額からローン残額を差し引いた金額を使用しない側に対して支払うという解決方法も考えられます。

オーバーローン:ローン残高のほうが高い場合

オーバーローンとは、ローン残額よりも不動産や車などの評価額が下回る状態のことをいいます。
この場合は、財産の評価額からローン残額を差し引いたとしても債務が残ってしまうため、売却するという方法はあまり取られません。また、債権者(銀行など)の同意を得て任意売却を行うという方法もありますが、この場合も基本的には債務が残るため、債務者(ローンの名義人)が返済を続ける必要があります。
そのため、夫婦の一方が不動産や車などの財産を全て引き受け、ローンを支払うという方法が取られることが多いです。

ローンの残高や財産の評価額を知る方法

適正に財産分与を行うためには、ローンの残高(残額)や財産の評価額を知る必要があります。
ローンの残額は、借入先の金融機関に問い合わせをしたり、ローンの返済予定表などを確認することによって知ることができます。
また、財産の評価額は、以下の方法によって知ることができます。

①不動産の場合

  • 固定資産税の納税通知書
  • 不動産業者による査定
  • 不動産鑑定士による査定

②車の場合

  • 買い取り業者による査定
  • ウェブサイト上での査定
  • オークションサイトやウェブサイト上で同程度の年式、走行距離の車の価格を調べる

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住宅ローンが残っている家の名義変更について

結婚後に不動産を購入した場合、その名義は夫婦の単独名義となるか、夫婦の共有名義となることが一般的です。
財産分与の際に、住宅ローンが残っている場合には、名義を結婚時のままにしておくとトラブルになりかねません。
そのため、後のトラブルを回避するためにも家に住み続ける側の単独名義にすることをおすすめします。

所有名義人の変更

所有名義人とは、不動産の所有者として不動産登記簿に名前が記載されている者のことをいいます。
住宅ローンが残っている不動産の所有名義人を変更する場合には、事前に借入先の金融機関の許可を得る必要があります。許可なく所有名義人を変更すると、ローン残額の一括返済を請求される可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、金融機関の許可を得て、必要書類(登記申請書、登記識別情報、印鑑証明書、住民票など)を、当該不動産を管轄する法務局に申請することで所有名義人を変更することができます。

ローン名義人の変更

ローン名義人とは、住宅ローンを組む際にローンの債務者(契約者)となった者のことをいいます。
ローン名義人を変更するためには、貸主である金融機関の審査を受ける必要があります。審査が通ればローン名義人を変更することが可能ですが、変更後のローン名義人に一定の資力がなければ、金融機関の審査が通らないことが一般的です。
金融機関の審査が通らない場合には、以下の方法をとることが考えられます。

①住宅ローンの借り換え
ローン残額を一括返済するために、新たなローンを組む方法です。
②連帯保証人などの交代
資力のある人に新たに連帯保証人などになってもらう方法です。

自動車ローンが残っている車も名義変更できるのか?

自動車ローンが残っている車の名義変更をするには、所有者が誰かによってその方法が異なります。

車の所有者が配偶者の場合

車の所有者が配偶者の場合には、名義変更を行うためには、不動産と同様に事前に借入先の金融機関の許可を得る必要があります。許可なく所有名義人を変更すると、不動産と同様にローン残額の一括返済を請求される可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、金融機関の許可を得て、必要書類と手数料を管轄の運輸支局に提出し、車検証の交付を受けた後に自動車税等の申告を行う必要があります。

車の所有者がディーラーやローン会社の場合

車の所有者がディーラーやローン会社の場合は、原則としてローンを完済するまで所有名義人を変更することはできません。
そのため、所有名義人を変更したい場合は、ローンを完済する必要があります。

オーバーローンの状態の場合、相手にローンを負担してもらうことは可能か

オーバーローンの状態の場合、相手にローンを負担してもらうには、①相手の同意を得ること、②借入先の金融機関の許可を得ることが必要です。
そのため、相手方の同意がない場合には、ローンを負担してもらうことは難しく、現実的な財産分与の方法とはいえません。
基本的に財産分与の対象となる財産は、不動産や車そのものであり、ローンなどのマイナスの財産は財産分与の対象とはならず、離婚後もローンの返済を行うのは、ローンの名義人だからです。
したがって、話し合いによって相手の同意を得れば、相手にローンを負担してもらえる可能性もありますが、同意を得られない場合には負担させることは難しいといえます。

連帯債務者、または連帯保証人だった場合は?

相手がローンの連帯債務者または連帯保証人だった場合は、ローン名義人である自分が返済を怠ると、相手が返済を行う必要があります。
離婚をしたとしても、借入先の金融機関との関係性(債務者と連帯保証人など)は変わらないためです。
ただし、自分が返済を怠り、相手も資力不足で返済ができない場合には、不動産や車が金融機関に引き上げられてしまう可能性があります。
したがって、相手の資力に不安がある場合は、連帯保証人を付けない形でローンを組みなおすか、連帯保証人の交代などを行う必要があるでしょう。

ローンの財産分与は弁護士にご相談ください

不動産や車のローンが残った状態で財産分与を行おうとする場合、考え方や処理方法が非常に複雑になります。また、財産分与を行うためには、ローンの名義人、ローン残額、不動産や車の評価額を正確に把握する必要があります。さらに、財産分与には期間制限もあるため、注意が必要です。
加えて、夫婦間で離婚そのものには合意しているものの、財産分与の方法等で揉めている場合も多くあります。
そのため、ローンが残った財産の財産分与を行う場合や財産分与全般で夫婦間の協議が整わない場合には、ぜひ一度弁護士に相談されることをおすすめします。

あなたや元配偶者が再婚した場合に、子どもとの面会交流がどうなるのか(面会交流を求めることができるのか又は面会交流を拒否することができるのか)という点が気になる方は多いと思います。
そこで、今回は、再婚後の面会交流の必要性や再婚後に面会交流を拒否することができるのかといった点について、詳しく解説します。

再婚しても面会交流は必要?

離婚後に監護親(子どもと一緒に生活する親)が再婚をしたとしても、非監護親(子どもと離れて暮らす親)と子どもが親子であることには変わりがありません。
そのため、再婚をしたとしても、原則として面会交流は続ける必要があります。
また、面会交流では、子の福祉を第一優先に考える必要がありますが、再婚を理由に非監護親と子どもの面会交流を断絶することは、子の福祉に反する結果にもなりかねません。
したがって、再婚をしても原則として面会交流は必要であるといえます。

再婚相手と子どもが養子縁組した場合

再婚相手と子どもが養子縁組をした場合、子どもの一次的な扶養義務者は養親(再婚相手)になります。
しかし、一次的な扶養義務者が養親になったとしても、非監護親と子どもが親子であることには変わりがありません。
したがって、再婚相手と子どもが養子縁組をしたとしても、原則として面会交流は必要であるといえます。

再婚後の面会交流を拒否したい・拒否された場合

再婚相手と子どもの関係性を深めるために、再婚後の面会交流を拒否したいと思われる方もいるかと思います。逆に、再婚を理由に面会交流を拒否されるのではないかと心配されている方もいるかと思います。
そこで、再婚後の面会交流を拒否できるのか、拒否された場合にはどのように対処すれば良いのかという点について解説していきます。

再婚を理由に面会交流の拒否は可能か

上述のとおり、面会交流では子の福祉を第一優先に考えるため、再婚をしたことのみで面会交流を拒否することはできません。また、実務上、再婚相手と子どもの関係性を深めるために、面会交流を拒否することが、子の福祉に資するとは考えられていません。
したがって、面会交流は、子の福祉に反するような場合(子どもの健全な成長に悪影響を及ぼすような場合)を除き、再婚を理由に拒否することはできないといえます。

面会交流を拒否された場合の対処法

再婚を理由に面会交流を拒否された場合には、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てることができます。また、調停が成立しない場合は審判(裁判所が面会交流について一定の判断を下す手続き)に移行することができます。
このように面会交流について調停または審判で一定の取り決めがされた場合にも、面会交流が拒否されたときには、監護親に対し、以下のような手続きをとることが可能です。
①履行勧告(家庭裁判所から監護親に対して、面会交流の実施を促してもらう手続き)
②間接強制(家庭裁判所から監護親に対して、面会交流の実施を命じ、従わない場合には間接強制金を課すという手続き)
ただし、間接強制をするためには、調停または審判の内容が一定の条件を満たす必要あるので、注意が必要です。

再婚相手に慰謝料を請求することもできる

子の福祉に反するような事情がないにもかかわらず、再婚相手が面会交流を拒否する場合には、再婚相手に慰謝料を請求できる可能性があります。
裁判例の中にも、面会交流を拒否した監護親及び再婚相手に対して、慰謝料の支払いを命じたものがありますが、慰謝料請求が認められるかは個別具体的な事情によるため、一律に慰謝料請求が認められるわけではないことに注意が必要です。

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再婚相手が面会交流に同席したいと言ってきたら

再婚相手が面会交流に同席したいと言ってきた場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか。
非監護親と再婚相手が同席することにより、子ども負担をかけてしまう可能性もあるため、慎重に判断する必要があります。

子どもの意思を最優先に考える

まずは、子ども意思を最優先に考えましょう。
上述のとおり、面会交流では、子の福祉を第一優先に考える必要があります。
面会交流に再婚相手が同席することにより、子どもがストレスを抱えてしまうような場合には、同席は避けるべきです。
したがって、まずは、子どもに対して意思確認を行い、再婚相手の同席について慎重に判断することが大切です。

面会交流調停を申し立てる

また、子どもの意思を確認し、再婚相手の同席についての判断をする場合には、面会交流調停を申し立てるという方法も有用です。
面会交流調停は、面会交流の取り決めを行う際だけでなく、面会交流の取り決めを変更する際にも申し立てることが可能です。
面会交流調停では、調停委員や家庭裁判所調査官を通じて話し合いを進めることができるため、子の福祉という観点からより適切な判断をすることが期待できます。
面会交流調停の詳細については、下記ページをご覧ください。

面会交流調停について

再婚後の面会交流に関するQ&A

再婚を理由に面会交流の回数を減らすことは可能ですか?

再婚を理由に面会交流を拒否できないことと同様に、原則として再婚を理由に面会交流の回数を減らすことはできません。
しかし、子どもの負担等を考慮して、回数を減らすことが認められる場合もあります。
いずれにせよ、子の福祉を第一優先に考え、再婚後の適切な面会交流の回数について判断をしていく必要があります。

元夫が面会交流に再婚相手を連れてきていることが判明しました。一人で会わないなら面会交流を拒否したいのですが可能ですか?

調停などで面会交流について非監護親以外の第三者の立ち会いを認めないという取り決めや、第三者が立ち会う場合には監護親の許可が必要という取り決めがなされていた場合には、面会交流を拒否できる可能性があります。
他方で、そのような取り決めをしていなかった場合には、面会交流を拒否することは難しいといえます。ただし、再婚相手を連れてきたことにより、子どもにストレスがかかる場合には、子の福祉に反するため、面会交流を拒否できる可能性があります。
いずれにせよ、面会交流について新たな取り決めをした方が良いといえるでしょう。

子どもが元妻の再婚相手に懐いています。子どものためにも会わない方がいいですか?

子どもが再婚相手に懐いていたとしても、子どもとあなたがお互いに会いたいと考えている場合には、面会交流は実施した方が良いといえます。
元妻が再婚をしたとしても、子どもにとっては、あなたが父親であるということには変わりません。
元妻が再婚したからといって、一方的に会わないと決めるのではなく、子どもの意思を確認したうえで、慎重に判断していく必要があるといえます。

再婚し、子どもが生まれたので新しい家庭に集中したいです。面会交流の拒否はできるのでしょうか。

再婚を理由に面会交流を拒否できないことと同様に、再婚後子どもが生まれ、新しい家庭に集中したいという理由だけで面会交流を拒否することはできません。
上述のとおり、面会交流は子どもの福祉を第一優先に考える必要があり、親の都合や考えのみで面会交流を拒否することはできないことに注意が必要です。

再婚後の面会交流で疑問点があれば弁護士に依頼してみましょう

再婚を理由として面会交流を拒否したり、一方的に面会交流に関する取り決めを変更することはできません。
他方で、再婚後の面会交流が子どもの負担になってしまうような場合もあるため、慎重な判断が必要となります。
いずれにせよ、個別具体的な事情により、判断が異なるため、再婚後の面会交流で疑問点があれば、夫婦関係や子どものことに精通した弁護士に相談されることをおすすめします。

交通事故の慰謝料は、一次的には、加害者が加入する自賠責保険から支払われます。
自賠責保険は、運転者に加入が義務付けられるものですが、被害者を最低限補償するためのものであるため、支払いには一定の上限があります。
たとえば、傷害部分に対しては、120万円が支払いの上限となります。
では、120万円を超えた場合はどうなるのでしょうか。

そこで、今回は、損害額が120万円を超えた場合について解説をします。

慰謝料120万円は自賠責保険の限度額

上記のとおり、治療費など傷害部分に対する補償の上限額は120万円となります。
他方で、事故により後遺障害が残った場合や被害者が亡くなった場合は、傷害部分の120万円の補償とは別に、慰謝料や逸失利益を請求することが可能となります。
具体的には、以下のとおりとなります。

  • 後遺障害が残った場合:認定された等級に応じて75万円~4000万円
  • 被害者が亡くなった場合:3000万円

120万円に含まれるのはどんなもの?

傷害部分に対する補償上限120万円には、事故によって傷害を負ったことによる様々な損害が含まれます。
具体的には、以下の損害が、120万円に含まれます。

  • 入通院による慰謝料
  • 治療費等(治療費、通院交通費、入院雑費、器具・装具の購入費、診断書発行費用など)
  • 休業損害
  • 文書料等(交通事故証明書発行費用、住民票発行費用など)

したがって、慰謝料だけで120万円とならない点に注意が必要です。

慰謝料額が120万円を超えたらどうなるの?

では、傷害部分の損害が120万円を超えた場合は、どうなるのでしょうか。
この場合、加害者が任意保険に加入しているかどうかで違いが出ることになります。
以下では、その違いについて解説します。

加害者が任意保険に入っている場合

加害者が任意保険に加入している場合は、120万円の上限を超えた損害については、相手方保険会社が負担するのが原則です。
具体的には、相手方保険会社の担当者と交渉することによって、120万円の上限を超えた損害について支払いを受けることができます。
しかし、相手方保険会社は、120万円の上限を超えた損害について自社で負担することになるため、低額な賠償額を提示してくる可能性が高く、被害者が適切な賠償金を受け取れる可能性が低くなります。
そのため、交通事故の交渉に長けた弁護士に相談・依頼することにより、適切な賠償金を受け取れるようにすることが大切です。

加害者が任意保険に入っていない場合

加害者が任意保険に加入していな場合は、120万円の上限を超えた損害については、加害者本人に請求することになります。
しかし、加害者本人の場合はそもそも交渉に応じてくれない可能性があります。また、任意保険に加入していない加害者は、資力が無いことも多いです。
そのため、被害者としては、健康保険を使用したり、通勤や仕事中の事故であれば労災保険を使用することで自己の負担を抑えることが大切です。

まずは交通事故事件専属のスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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限度額の120万円を超えた場合の請求方法

加害者が任意保険に加入している場合は、基本的には相手方保険会社にのみ請求すれば問題ありません。相手方保険会社は、被害者に賠償金を支払った後、自賠責に対し120万円を請求(これを「求償」といいます。)するためです。
他方で、先に120万円を自賠責に請求し、120万円を超えた部分について相手方保険会社に請求することも可能です。

先に自賠責に請求する方法

先に120万円を自賠責に請求する方法としては、加害者請求と被害者請求の2通りがあります。
加害者請求とは、加害者側が自賠責保険に請求することを意味し、被害者請求とは、被害者側が自賠責保険に請求することを意味します。
被害者請求の場合、必要書類(請求書や病院の診断書など)を被害者側で準備をし、自賠責保険に提出する必要があります。
なお、120万円を超えた部分については、相手方保険会社に請求することになるため、立て替えた費用の領収書等は捨てずに取っておくことが大切です。

自分にも過失がある場合、慰謝料額はどうなるの?

被害者にも過失がある場合、過失相殺がされて受け取れる賠償金が減額することになります。
例えば、損害総額が180万円で被害者の過失が4割のケースを想定しましょう。
このケースでは、180万円×0.6(1-0.4)=108万円に減額されるのが原則です。
他方で、自賠責からの保険金は、過失が7割未満であれば過失相殺をされることがありません。
したがって、このケースで被害者請求を行えば、過失相殺がされず、上限である120万円を受け取れることとなります。
また、任意保険会社が支払う賠償金は、自賠責保険が支払う賠償金を下回ってはならないという規定があります。そのため、このケースでは、過失相殺をされたとしても相手方保険会社から120万円が支払われることとなります。
したがって、被害者に一定の過失があるケースでは、健康保険や労災保険を使用して治療費を抑え、自賠責保険の枠を有効活用することが良いといえます。
また、弁護士が加入すれば、弁護士基準という高い基準で賠償金を請求することとなるため、受け取れる賠償金の増額も見込めます。

慰謝料額が提示されたらまずは弁護士にご相談ください

上記のとおり、120万円の上限を超える場合、相手方保険会社は、自社で負担することとなるため、低い賠償額を提示してくる可能性があります。
また、弁護士が介入すれば、弁護士基準という高い基準で賠償金を請求することとなるため、120万円を大きく超える賠償金を請求できるケースも多くなります。
まずは、弁護士に相談することにより、あなたのケースではいくらの賠償金が見込めるかおおよその額が算出することができます。
そのため、交通事故の被害に遭った場合は、交通事故の交渉に長けた弁護士に相談されることをおすすめします。

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格
弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。