離婚調停とは|調停の流れと必要な準備

離婚調停とは|調停の流れと必要な準備

このページをご覧になっているということは、離婚について動き出していることだと思います。そこで、このページにおいては、離婚方法の1つである離婚調停について詳しく説明いたしますので、是非参考にしていただければ幸いです。

離婚調停とは

離婚調停とは、当事者間での話し合いがまとまらない場合やそもそも話し合いができるような状況でない場合に、家庭裁判所の調停手続を利用し、離婚を目指す方法です。正式には、「夫婦関係調整調停(離婚)」といい、家庭裁判所の調停委員会を介した、話し合いの手続です。離婚調停では、離婚そのものだけでなく、慰謝料、親権、面会交流、養育費、財産分与、年金分割等についても話し合いを行うことができます。

離婚調停のメリット・デメリット

離婚調停のメリットとしては、①基本的には調停委員を介して話し合うため、直接相手と向き合って話すことはない点、②財産に関する問題も話すことができるため、離婚後の争いが少なくなる点等があります。

一方、デメリットとしては、①当事者間の話合いより、解決まで時間がかかってしまう点(1年以上かかる場合もあります)、②調停は一般的に平日の10時~17時頃の間で行われますので、仕事をしている場合等、日程調整が大変である点等が挙げられます。

離婚調停の流れ

家庭裁判所に調停を申し立てる

では、どうやって離婚調停を行うかというと、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立をする必要があります。申立書は、裁判所のホームページでダウンロードできますし、記入例もありますので、ご覧になってください。

調停開始

家庭裁判所が申立を受理したら、家庭裁判所から期日の通知書が送られてきます。大体、申立から1~2か月後に開始されることが多いです。裁判所から呼び出されたら、通知書記載の場所(基本的には、待合室になると思います。)に行きます。待合室で待っていると、調停委員が事件番号等を呼びますので、呼ばれたら、調停員と一緒に話し合いをする部屋に行きます。そこで調停委員と離婚条件等について30分ほど話し合います。話し合いが終わったら、待合室に戻って、相手方と調停員の話が終わるまで待ちます。これを2ターンほど1回の調停で行います。この期日が終わったら、次回期日を最後に決めることとなります。次回期日は、1~1か月半後に設定されることになるのが通常です。これを繰り返します。

調停終了

離婚調停は、調停が成立するか、不成立になるか、調停を取り下げすることによって終了します。以下、簡単に説明します。

調停成立

調停での話し合いで夫婦が離婚条件を含め合意し、かつ調停委員がその合意を妥当と認めた場合には、調停調書が作成され、調停が成立し、終了します。調停調書は確定判決と同一の効力を有するため、調停が成立すれば基本的には変更・撤回ができません。そのため、成立させる前は細部を確認したうえで、成立させましょう。

調停不成立

調停が不成立になる場合は、夫婦が離婚に合意する見込みがない場合や合意が相当でない場合、相手方が調停に出席しない場合等があります。この場合は、調停不成立として、離婚調停は終了となります。

調停取り下げ

申立人が離婚調停を取り下げれば、調停は終了します。取り下げは申立人が一方的にできますので、相手方の同意は不要です。なお、取り下げた後、再び調停を申し立てることは可能です。また、場合によっては、離婚訴訟も可能となります。

離婚調停の準備

離婚調停の流れを理解していただいたと思います。では、実際に離婚調停に向けて、どのような準備をするかご説明いたします。

申立書の作成前に確認すること

上記で述べた通り、離婚調停の申し立てを家庭裁判所にすることで離婚調停はスタートします。
申立書の作成前に確認する事項としては、管轄の裁判所、年金分割請求をするか、別居中の場合は離婚調停と同時に婚姻費用分担請求をするか、財産の把握、慰謝料を裏付ける証拠の準備等があります。

申立書を作成する

ご自身で申立書を作成する場合、希望する離婚条件や離婚を求める理由を詳細に書いたほうがよいです。例えば、離婚原因が相手方の不貞やDV等の場合、その旨を詳細に記載したほうが調停委員に事情を把握してもらえます。また、財産分与についても相手方に●●という不動産、●●という預貯金があるということを最初に記載していれば、調停がスムーズに進みます。

第一回調停期日までの準備

調停員へ話す内容や説明の準備、証拠の準備(源泉徴収票や不貞等の証拠)をします。具体的には、離婚事由、離婚条件等について説明できるようにしてください。相手方と直接話すのではなく、調停委員を介してこちらの希望を伝えてもらうので、わかりやすく、説明できるようにしておくのがベストです。
服装については、特に指定はないですが、印象という意味においては余りに目立ちすぎるのは避けたほうが無難かと思います。

調停期日ごとの準備

調停委員から提出を求められた証拠があれば、それを準備して提出することになります。また、前回期日の争点について、相手方の言い分を踏まえて、再度こちらの主張を検討したうえで再反論等をする必要があります。

争点が何かによって、対策は異なりますが、例えば不動産の分与が問題となる場合は、残ローンがいくら残っていて、現在の不動産の価値より高いか低いかを証拠と共に立証する必要があります。また、親権に争いがある場合は、事前に陳述書という形で子供の監護状況等をまとめておくと良いです。

調停の付属書類について

調停を申し立てる際に、夫婦の戸籍謄本のほかに、事情説明書、進行に関する照会回答書、連絡先等の届出書等が必要となります。事情説明書は、調停で対立する事項についてのチェック項目や同居家族、収入等の経済状況、住居の状況、財産の状況、夫婦が不和となった経緯等を記載することとなりますので、丁寧に記載してください。また、進行に関する照会回答書は、申立前に相手方と話し合ったか、相手方は裁判に応じるか、相手方に暴力等があったか、裁判所に求める配慮等について記載することとなります。事前に情報を共有するという意味で重要ですので、丁寧に記載してください。

離婚調停で聞かれること

  • 結婚した経緯
  • 不和になった原因・経緯
  • 親権(お子さんとの関係性、監護状況等)
  • 面会交流(頻度、方法等)
  • 財産分与(不動産・預貯金・株式・保険等)
  • 慰謝料(請求根拠・金額)
  • 養育費(双方の収入状況)
  • 年金分割(年金分割の情報通知書)

等々

離婚調停にかかる期間や回数

一概には言えないですが、争点が少ない場合は、2~3回程度、争点が多く主張の乖離が大きい場合は、6回以上にわたるケースもあります。調停は1~1か月半に1回程度で行われるので、早くて2~3か月、長くて1年以上かかるケースもあります。

離婚調停で決めておいたほうがいいこと

離婚調停を行う場合は、網羅的、すなわち、慰謝料、財産分与、親権、養育費、面会交流、年金分割等について、全て決めたほうが後の紛争の蒸し返し防止という意味でよいです。

特に養育費については、子供が経済的に自立するまでの間、かかる費用ですので、しっかりと話し合って決める必要があります。具体的には、養育費算定表という家庭裁判所のウェブページで公開されている表を基に話し合うことになりますので、事前にその金額を把握しておいたほうがよいでしょう。

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離婚調停に欠席したい場合はどうしたらいい?

事前に期日に出られない場合は、裁判所に連絡するなどして、期日変更が可能であればしてもらいましょう。なお、無断で欠席した場合は、調停委員の心証も悪くなり、有利に調停が進められなくなりますので、気をつけましょう。

離婚調停が成立したら

調停の話し合いで夫婦が離婚に合意し、調停委員会がその合意を相当と認める場合は、離婚調停が成立し、調停は成立します。その際、調停調書が作成されます。

調停調書の確認

調停調書とは、離婚調停の話し合いで合意した内容を裁判官が読み上げ、その合意内容に問題がなければその内容を書面化したものです。

調停調書は確定判決と同様の法的効力を有するので、決めた内容を変更も不服申し立てもできません。一度作成されると変更できないのが原則ですので、調停室で読み上げられた内容が正しいか確認し、誤り・記入漏れがないように、注意深く確認してください。調停調書が交付された後も再度確認してください。なお、内容によっては直後であれば訂正に応じてくれる可能性もあります。

離婚届を提出する

離婚調停成立後10日以内に離婚届を提出してください。提出期限の10日を過ぎても、離婚が無効になることはありませんが、過料発生の可能性がありますので、できる限り、調停調書が届いたら、すぐ離婚届を提出しましょう。

その他、提出すべき書類

離婚した場合、氏をどうするかも問題となります。
婚姻時に妻が夫の姓を名乗っていた場合、離婚した場合は、原則として旧姓にもどり、夫の戸籍から出ていくことになります。仮に、夫の姓を離婚後も名乗る場合は、離婚の日から3か月以内であれば、市区町村役場に離婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称の届出)をしてください。3か月経過後は、家庭裁判所に氏の変更許可の申立を行ってください。

また、年金分割についての条項がある場合は、離婚後(離婚調停成立後)2年以内に最寄りの年金事務所で年金分割請求をしなければなりません。
さらに、児童扶養手当等ひとり親家庭に対する助成制度もありますので、市役所に確認してください。

いきなり離婚裁判をしたくても、まずは調停が必要

日本では、離婚裁判をいきなり起こすことはできず、原則として離婚前に調停を経なければなりません。
そこで、調停前置主義についてご説明いたします。

調停前置主義とは

調停前置主義とは、端的にいうと、離婚裁判の前にまずは調停で話し合いを行わなければならないことをいいます。
これは、親族間の関係性(問題解決後も関係は続く)を考慮し、裁判所が裁判で判断するのではなく、当事者間で話し合いによって解決したほうがよいという考えからきています。

調停前置主義の例外

もっとも、調停前置主義の例外もあります。相手方が調停に出席しない・出席できないことが明らかな場合、行方不明な場合等、事件を調停に付することが相当でない場合は、例外的に訴訟を調停をしないですることができる可能性があります。

調停を取り下げて訴訟できる場合もある

調停期日に、相手方が一度も出席しなかったり、調停で詳細に話し合いをしたが、まとまる見込みがなかった等で調停を取り下げる結果となった場合は、調停を経たものとみなされる可能性があります。この場合は、調停前置主義を満たしたとして、訴訟できる可能性があります。

弁護士に依頼するメリット

離婚調停をご自身で行う場合、調停委員に対し、説得的かつ論理的に話さなければ、調停をスムーズに進行できませんし、不利な流れになる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、相手方との争点・争点に対する依頼者の法的見解等を端的にわかりやすく調停委員に説明することができ、調停を有利に進められます。
そのため、離婚調停をする場合は、離婚に関する法的知識が豊富で実務経験を有する弁護士へ依頼したほうが安全です。

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この記事の監修

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長弁護士 辻 正裕
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。