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離婚問題

熟年離婚の原因と、離婚前にしておくべき準備

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

婚姻期間20年前後を過ぎた後に離婚することを「熟年離婚」と言います。最近はこのような熟年離婚の件数が増えています。

熟年離婚の原因

熟年離婚の原因には、以下のような原因があります。

相手の顔を見ることがストレス
夫が定年退職をして、自宅にいる時間が増えると、四六時中夫婦で顔を突き合わせて過ごすことになります。そのため、夫が家にいて、相手の顔を見ることをストレスとして感じて、離婚を考える方がいらっしゃいます。

価値観の違い、性格の不一致
婚姻当初から、価値観の違いや性格の不一致を感じていたものの、このまま一生価値観の違う人・性格の合わない人と人生を送ることに耐えられなくなって、離婚を考える方がいらっしゃいます。

夫婦の会話がない
夫が定年退職をして、家にいるにも関わらず、夫婦で会話をすることがないということは寂しいですし、不満に感じる人もいます。その寂しさや不満から、離婚を考える方がいらっしゃいます。

子供の自立
子供が一人前になるまでは、夫婦が互いに不満を有しながらも、協力し合って子育てをしますが、子供に手がかからなくなると、夫婦が協力し合う必要もなくなり、それまでの不満が爆発して、離婚を考える方がいらっしゃいます。

借金、浪費癖
配偶者に多額の借金があり、浪費癖があるような場合には、一緒に協力して支払い続けていくことよりも、離婚をして、支払いから免れることを考え、離婚を考える方がいらっしゃいます。

介護問題
婚姻期間が長い夫婦は、双方の両親の介護の問題に直面することになります。介護は誰がするのか、施設に預けるのか等、介護の方針でもめたり、介護の負担が重すぎたりといったことから、離婚を考える方がいらっしゃいます。

熟年離婚に必要な準備

熟年離婚を考えた場合、まずは計画的な準備が必要です。

就職活動を行う

離婚をすると、今まで、夫婦二人で生活をしていたのが、独りで生活をしていくことになります。老後の生活のことを考え、十分な資産がない場合には、就職活動をして、収入源(仕事)を確保しなければなりません。

味方を作る

離婚するときは、自分一人で生活できると思っていても、実際、離婚してみると、一人で生活していくことの難しさに直面します。そのためにも、ご自身の味方になってくれる人を作っておきましょう。

住居を確保する

一人で暮らしていくための住居を確保する必要があります。

財産分与について調べる

離婚をする際に、夫婦の婚姻期間中に蓄えた財産を分け合う手続きを「財産分与」といいます。離婚後の生活のためにも、夫婦共有財産にどのようなものがあるのかあらかじめ調べておく必要があります。

専業主婦(専業主夫)の場合は年金分割制度について調べておく

専業主婦(専業主夫)の場合は、年金受給権を持つ配偶者から、離婚後に一定の金額の年金を受け取ることのできる年金分割制度が用意されています。そこで、年金分割制度について、調べておく必要があります。

退職金について把握しておく

退職金も財産分与の対象となります。そこで、退職金についてもきちんと把握しておく必要があります。

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熟年離婚の手続き

熟年離婚の手続きには、「協議」「調停」「裁判」があります。夫婦間の話し合いでまとまった場合には、「協議」離婚が成立します。当事者間の話し合いでまとまらなかった夫婦は、「調停」での手続きで離婚を目指します。調停手続きでも離婚ができなかった場合には、「裁判」で、離婚を目指すことになります。

熟年離婚で慰謝料はもらえるのか

性格の不一致や価値観の違いといった離婚原因では、慰謝料をもらうことは困難です。相手方に不貞行為があった場合や、DVを受けたような場合には、慰謝料をもらうことができます。

退職金は必ず財産分与できるわけではない

財産分与の対象となる退職金は、あくまでも婚姻期間中の部分に限られます。

退職金が既に支払われている場合

退職金は財産分与の対象となりますが、既に会社から支払われ、離婚する前に費消していた場合には、財産分与の対象となる財産が既に存在しないので、財産分与の対象になりません。

退職金がまだ支払われていない場合

将来的に支給されることがほぼ確実であることが見込まれる場合には、財産分与の対象になります。

熟年離婚したいと思ったら弁護士にご相談ください

もし、熟年離婚を考えている場合、離婚してから離婚時の取り決めについて後悔しないためにも、是非、弁護士にご相談してください。

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕
監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格
弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。