離婚裁判の流れをわかりやすく解説

離婚裁判の流れをわかりやすく解説

埼玉法律事務所 所長 弁護士 辻 正裕

監修弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長 弁護士

協議離婚あるいは調停で離婚ができなかった場合、離婚する方法は裁判で離婚するしかありません。そこで、離婚裁判とはどういうものなのかについて、以下でご説明します。

離婚裁判の流れ

離婚裁判は、①離婚の調停が不成立となること、②家庭裁判所に訴状を提出することで開始します。次の項目で詳しく解説いたします。

離婚裁判を提起する前に

離婚裁判を提起するためには、あらかじめ調停手続きを経なければなりません。これを調停前置主義といいます。また、協議離婚や調停離婚をする場合と異なり、裁判離婚が認められるためには、法定離婚事由が存在しなければなりません。加えて、有責配偶者からの離婚請求が原則認められないなど、決まり事があります。

家庭裁判所に訴状を提出する

離婚裁判を提起しようと考えた場合、夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所、あるいは、離婚調停を行っていた場所を管轄する家庭裁判所に訴状を提出しなければなりません。訴状提出の際に他にも用意する必要書類等がありますが、必要書類等については次の項目で解説します。

訴状提出の際に必要な書類と費用

離婚裁判を提起する原告は、

  • 訴状(2部)
  • 夫婦の戸籍謄本(原本とコピー)

を用意する必要があります。
訴状提出にあたっての注意点として、養育費の支払い請求では始期及び終期の記載を、法定離婚事由のどの離婚事由に基づく請求なのか条文を明記して明確な記載を、離婚とともに損害賠償請求をする場合に離婚自体慰謝料なのか、離婚原因慰謝料なのか判断がつくように請求を特定して記載するなどがあります。
費用は離婚のみを求める場合には、1万3000円、離婚と併せて附帯処分(財産分与、養育費等の子の監護に関する処分)を求める場合には、1万3000円の他、それぞれ1200円を合算した額が必要です。
訴状は、裁判所のHPから入手可能です。

第一回口頭弁論期日の通知が届く

訴状を家庭裁判所に提出すると、訴えを提起した者と訴えを提起された者すなわち夫婦それぞれに家庭裁判所から呼び出し状が届きます。訴えを提起された被告には、原告が提出した訴状の写しも呼び出し状と一緒に届きます。

被告が答弁書を提出

訴状を受け取った被告は、訴状への反論を書いた答弁書を裁判所に提出します。

口頭弁論を行う

双方の言い分を主張したり、証拠を提出したりなどといった攻撃防御を行う機会のことを口頭弁論といいます。第1回目の口頭弁論期日が開かれるまでの期間は訴状を原告が提出してから約1ヶ月後になります。その後、月に1回くらいのペースで口頭弁論期日が開かれます。審理の流れについては、次の項目で解説します。

審理の流れ

裁判所の審理は、当事者間の争点を整理しながら進みます。争点に関連した証拠を原告被告双方が提出します。事実の認定については、次の項目で解説します。

離婚裁判における事実の認定

裁判離婚が認められるためには、法廷で離婚原因があると認定してもらう必要があります。そこで、例えば、不貞行為の存在という離婚原因があると認定されるためには、不貞行為の証拠となる探偵会社からの報告書やホテルへの出入りの写真などがあると、不貞行為の事実を認定してもらいやすくなります。

証拠調べ

第1回の口頭弁論で和解ができない場合には、証拠調べが行われます。
証拠調べとは、当事者双方を裁判所に呼んで、尋問をしたり、証人を呼んで尋問をしたりすることをいいます。証拠調べ手続きについて、詳しくは、次の項目で解説します。

本人尋問や証人尋問

  • 原告本人尋問
    原告代理人から主尋問
    被告代理人から反対尋問
    裁判官から補充尋問
  • 被告本人尋問
    被告代理人から主尋問
    原告代理人から反対尋問
    裁判官から補充尋問
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離婚裁判の判決

口頭弁論手続きが終結すると、判決が出るまでには、約1~2か月程度を要します。判決は双方当事者に郵送され、手元に届きます。離婚を認める判決が確定すると、離婚が成立します。ただ、別途、離婚届は役場に提出する必要があります。詳しい解説は次の項目で行います。

和解を提案されることもある

裁判官から和解を勧められる可能性もあります。和解は訴訟手続きの進行中、いつでも可能です。

訴えの取下げにより裁判終了

原告のみが訴えを取り下げることが可能です。
ただし、被告の同意が必要です。

判決に対して控訴できる

判決内容に不服があった場合には、高等裁判所に判決受取後14日以内に控訴することができます。

判決後の流れ

裁判で離婚が認められた場合でも、離婚届は別途、役場等に10日以内に提出しなければなりません。離婚届の提出に併せて、判決謄本と判決確定証明書の提出が必要です。

離婚裁判にかかる期間

離婚裁判は、早くて半年、長くて3年程度の期間がかかります。

よくある質問

離婚届けを提出した後に必要な手続きにはどのようなものがありますか?

離婚後、婚姻中の姓をそのまま名乗ろうと考えた場合には、離婚をした日から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を届出ることによって、婚姻中の姓を名乗ることができます。

離婚裁判が不成立になってしまったら離婚は諦めるしかありませんか?

離婚裁判が不成立で確定した場合は、既判力により、同じ理由で離婚訴訟を提起することができなくなります。しかし、夫婦関係は時の変化によって変化することから、裁判後に新たな事情が生じたとして、離婚を求めることはできます。

離婚裁判の流れをケース別で知りたい場合は弁護士にご相談ください

離婚裁判手続きをお一人で対応することは難しく、弁護士に依頼することをお勧めします。

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監修:弁護士 辻 正裕弁護士法人ALG&Associates 埼玉法律事務所 所長
保有資格弁護士(埼玉弁護士会所属・登録番号:51059)
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