盗撮・のぞきで保釈されるには?認められる条件や弁護活動など
盗撮・のぞき行為で逮捕された場合、警察署の留置場で身柄を拘束されます。
身柄拘束が長引くと、会社や学校・家庭生活にも深刻な影響が生じ、解雇や退学といった事態を招くおそれがあります。そのような不利益を最小限に抑えるためには、早期に身柄の拘束を解くことが重要です。
本記事では、盗撮・のぞき事件における保釈の仕組みや認められる条件、弁護活動の流れについて詳しく解説します。
目次
盗撮・のぞき事件で保釈されるには?
保釈とは、起訴された被告人が裁判所に保釈保証金(保釈金)を納付することで、勾留が一時的に解かれ身柄が釈放される制度です。
あくまでも「起訴後の被告人」に認められた手続きであり、被疑者として勾留されている段階では利用できない点に注意が必要です。
保釈を申請できるのは、被告人本人・その家族・弁護士です。ただし、保釈はただ申請すれば認められるものではなく、法律が定める一定の要件を満たす必要があります。
盗撮・のぞきで逮捕された場合も、弁護士に早期に相談することで、釈放や保釈の実現に向けた適切な対応が可能となります。
保釈が認められる条件
裁判所に保釈を認めてもらうには、刑事訴訟法が定める以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪ではないこと
- 過去に死刑・無期、もしくは拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がないこと
- 常習として拘禁刑の上限が3年以上の罪を犯した場合ではないこと
- 証拠隠滅のおそれがないこと
- 被害者や証人、およびそれらの親族に危害を加えるおそれがないこと
- 氏名・住所が明らかであること
上記の条件をすべて満たす場合は「権利保釈(必要的保釈)」として原則的に保釈が認められます。
一方、条件を満たさない場合でも、被告人の個別事情を考慮した裁判官の裁量による「裁量保釈」や、勾留が不当に長期化した場合に認められる「義務的保釈」が存在します。
盗撮・のぞき事件で保釈が重要な理由
盗撮・のぞき事件において保釈が重要な理由は、身柄拘束から解放されることで日常生活を取り戻せる点にあります。
保釈申請が認められ保釈保証金を納付すると、被告人は留置場・拘置所から釈放されます。
釈放後は、裁判所から課せられた条件(住居の制限や旅行の禁止など)を遵守する必要はありますが、刑事裁判が終結するまでの間、自宅での日常生活を送ることができます。
会社・学校への通勤・通学が可能になるため、解雇や退学といった不利益を回避できる可能性が高まります。また、担当弁護士と裁判に向けた打ち合わせや準備を落ち着いて行える環境が整うことも大きなメリットです。
盗撮・のぞきで保釈が認められないケース
保釈は本来認められることが原則ですが、上記の権利保釈の条件を一つでも満たさない場合は却下される可能性があります。
盗撮・のぞき事件で保釈が特に認められにくい具体的なケースは以下のとおりです。
- 死刑・無期懲役、または法定刑の下限が1年以上の拘禁刑に当たる重罪に問われている場合
- 過去に死刑・無期、もしくは懲役または禁錮、拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がある場合
- 常習的に盗撮・のぞきを繰り返しており、懲役または禁錮の上限が3年以上の罪に当たる場合
- 被害者が複数いるなど証拠隠滅のおそれが高いと判断された場合
- 被害者や証人に対して接触・報復するおそれがあると認められた場合
- 氏名・住所が不明確な場合
また、第一審で拘禁刑以上の判決が言い渡された後に控訴・上告している場合も、保釈が制限されることがあります。
いずれの場合も、弁護士を通じて保釈を認めるべき積極的な事情(示談成立、身元引受人の存在など)を丁寧に主張することが重要です。
盗撮・のぞきで釈放や保釈を目指すための弁護活動
釈放や保釈を実現するためには、刑事事件を得意とする弁護士による迅速な弁護活動が不可欠です。
身柄を拘束されている状況では、本人が自ら動くことに限界があります。
以下の3つの弁護活動が、釈放・保釈の実現において特に重要となります。
検察官や裁判官に釈放の働きかけをする
逮捕後、被疑者は最大48時間以内に検察官へ送致されます。その後、検察官が裁判官に24時間以内に勾留請求を行い、裁判官が決定すると最長20日間の勾留が続きます。
弁護士はまず、検察官に対して勾留請求を行わないよう働きかけ、裁判官に対して勾留を認めないよう求めます。そのためにも弁護士が早期に事件の詳細を把握し、釈放に向けた有利な事情(被疑者の素行・職業・家族状況など)を丁寧に主張することが重要です。
勾留が阻止できれば、その時点で身柄拘束を解くことができます。
検察官に公判請求を阻止の働きかけを行う
勾留請求の阻止が難しい場合、弁護士は次の段階として不起訴処分の獲得を目指します。
不起訴処分(起訴猶予を含む)が決定されれば、直ちに身柄拘束が解かれ前科もつきません。不起訴を実現するうえで最も効果的な手段は、弁護士を通じた被害者との示談交渉です。
示談が成立することで、検察官は起訴を見送るケースが多くなります。また、被疑者が事実を認め反省していること、再犯防止のための具体的な対策が取られていることなども有利な事情として働きます。
裁判官に保釈決定を認めてもらう働きかけを行う
起訴された場合は、保釈申請を通じて身柄の解放を目指します。
弁護士は保釈要件を満たしていることを主張・立証し、保釈金の準備や身元引受人の確保など実務的な手続きを進めます。
裁判官の判断においては、容疑の内容を争っていないこと(事実の認否)、しっかりとした身元引受人がいること、被害者との示談が成立していること、再犯防止の具体策があることなどが重要なポイントになります。
弁護士はこれらの事情を書面や口頭でわかりやすく裁判官に説明します。
盗撮・のぞきで逮捕されてから保釈までの流れ
保釈が可能になるのは、検察官に起訴処分とされた後です。
逮捕から保釈されるまでは、大きく以下の流れをたどります。
- 1 逮捕(警察署の留置場に身柄拘束)
- 2 検察官送致(逮捕から48時間以内)
- 3 勾留請求(検察官送致から24時間以内)
- 4 決定(最長20日間の勾留)
- 5 起訴(公判請求)
- 6 保釈申請
- 7 検察官への意見照会
- 8 裁判官による保釈可否の決定
- 9 保釈金の納付
- 10 被告人の釈放
以下では保釈申請以降の各ステップを詳しく説明します。
①裁判所に保釈申請を行う
保釈を求めるには、被告人本人・家族・弁護士のいずれかが裁判所に保釈請求書を提出します。
口頭による申請も制度上は認められていますが、実務では書面提出が一般的です。
保釈請求書には主に以下の事項を記載します。
- 事件名・被告人の氏名および住所
- 請求の趣旨(保釈を求める旨)
- 請求の理由(保釈条件を満たすこと、保釈を必要とする具体的事情など)
- 保釈保証金の額についての意見
- 身元引受人の氏名・住所・被告人との関係
弁護士は事件の詳細を踏まえ、保釈が認められやすい説得力のある書面を作成します。
②検察官に保釈に関する意見を求める
裁判所が保釈申請を受け付けると、裁判官は保釈を許可する決定を下す前に検察官の意見を求めます。
検察官は「相当」「不相当」「しかるべく(裁判所の判断に委ねる)」のいずれかを回答します。
弁護士も希望する場合は、保釈について担当裁判官と面接(弁護人面接)を行うことができます。
この場を活用して保釈の必要性や被告人の事情を直接説明することが、保釈許可の可能性を高めることにつながります。
③保釈の可否が決定される
検察官の意見聴取と弁護人面接を経て、裁判官が保釈を認めるか否かを決定します。
申請当日に結論が出ることは少なく、一般的には申請翌日から2〜3日後、長い場合は1週間程度かかることもあります。
保釈が不許可となった場合、弁護士は準抗告(高等裁判所への不服申立て)を行うことができます。
準抗告でも認められなかった場合は、特別抗告という手段もあります。
④保釈金を納付する
保釈金は原則として現金で納付しますが、近年はインターネットバンキングやATMを利用した電子納付も可能になっています。
実務上は、弁護士が被告人やご家族から預かった保釈金を裁判所に代わって納付するケースが一般的です。
保釈金の金額は、被告人が犯した罪の性質や事情、被告人の資産状況などを考慮したうえで裁判所が決定します。
一般的な刑事事件の相場は150万〜300万円程度とされています。
なお、保釈後の条件を守って裁判を終えれば、納付した保釈金は全額返還されます。
⑤被告人が釈放される
裁判所の出納課に保釈金を納付し、領収印が押印された書類を担当部署(刑事部など)に提出すると、身柄の拘束が解かれます。
保釈金の納付から実際に釈放されるまでは、事務手続きの関係上2〜3時間かかることが多いです。
保釈許可の決定が午後遅く以降に下りた場合、釈放が翌日以降にずれ込むこともあります。
釈放後は、裁判所が定めた条件(住居制限、出国禁止など)を厳守する必要があり、違反すると保釈が取り消される恐れがあります。
盗撮・のぞきで釈放されるタイミング
盗撮・のぞき事件において、逮捕後に釈放されるタイミングは保釈だけではありません。
起訴前に釈放される可能性もあり、以下の9つのタイミングが考えられます。
- ① 逮捕後・検察官送致前の釈放(微罪処分など、警察段階での身柄解放)
- ② 検察官送致後・勾留請求前の釈放(検察官が勾留を必要と判断しなかった場合)
- ③ 裁判官による勾留請求の却下(勾留の必要性が認められなかった場合)
- ④ 勾留決定後の準抗告容認(勾留決定に対する不服申立てが認められた場合)
- ⑤ 勾留決定後の勾留取消請求容認(勾留の必要性がなくなったと認められた場合)
- ⑥ 勾留延長請求の却下(延長の必要性が認められなかった場合)
- ⑦ 不起訴処分(検察官が起訴しないと決定した場合)
- ⑧ 処分保留による釈放(勾留期間満了までに処分が決まらなかった場合)
- ⑨ 起訴後の保釈(被告人として保釈申請が認められた場合)
保釈はあくまで起訴後に認められる手続きですが、①〜⑧のタイミングで釈放が実現すれば、保釈に至る前に身柄拘束を解くことも可能です。
弁護士はこれらのすべての段階で早期釈放を目指した働きかけを行います。
盗撮・のぞきで早期釈放・保釈を目指すためにも弁護士法人ALGにご相談ください
盗撮・のぞき事件における早期釈放・保釈の実現には、刑事事件に精通した弁護士によるサポートが不可欠です。
釈放を目指すためには被害者との示談交渉が重要となりますが、被害者の心情に配慮した丁寧な交渉は弁護士でなければ困難です。また、保釈申請においても、説得力のある保釈請求書の作成や、裁判官への積極的な働きかけは弁護士だからこそ行えます。
弁護士法人ALGでは、盗撮・のぞき事件の早期解決に向けた弁護活動を迅速かつ丁寧に対応しております。
保釈が認められなかった場合の準抗告も含め、あらゆる局面で最善のサポートを提供します。
逮捕後72時間以内の初動対応が結果を大きく左右するため、ご家族が逮捕された場合も含め、お早めにご相談ください。
この記事の監修

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埼玉弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。